2007年08月31日(金曜日)

 (23:57)赤坂から用事があって有楽町に向かったら、確か丸の内警察の隣のビルに大きくペニンシュラと。そう言えば明日がオープニングでした。また一つ東京に海外の有名ホテルが出来る。

 サイトを見たら、最低の部屋が7万円近くで、最高は98万円だったかな。丸の内スイートとか、日比谷スイートとかいろいろ名前が付いているようです。レストランを見たら、またしても天ぷらがない。私の記憶では日本に進出している有名ホテルで、天ぷら店を入れているところはない。どうしてなんでしょうか。人気があるはずなのに。

 玄関では、撮影が行われていました。ロールスロイスか何かを中心に、従業員が白い制服で6人。片方3人で。でもどうなんでしょうか。こうしたホテルマンがどのようにして、どこから集められているのか。また募集されているのか。リッツで聞いたら、「2週間ほどまえ」と従業員の方から聞いた。最初はチームワークを取るだけでも大変でしょう。箱(ハード)は出来るが、ソフト(人材)を育てるのには時間がかかる

 時間があったので、丸の内の中央通りをちょっと散歩したのですが、いろいろ出来ている。ケンウッドのショールームでは凄く音のいいマシンを見つけました。担当の方がわざわざ説明してくれました。

 iPodより、ソニーのマシンより良い音がする。30ギガのiPodに似たマシンでしたが、音は絶対的にこちらの方が良い。ネット上では白が売っているようですが、私が見たのは黒でした。ちょっと気持ちが動いたな。

 少し前に気がついていたのですが、この通りはちょっと石畳風に改装していて、なかなか良い作りになってきている。ホテルも開業したことだし、少し夜の人波が戻るかも知れない。丸の内は、普段の夜は殺風景な、何もない、人影もまばらな街です。

 有楽町の駅から銀座に向かったら建設中だったビルがもうできんとしていた。ツインの西武の裏側に当たります。何というビルなのか、何が入るのか知りませんが、あの辺の方が銀座より変わってきている印象がする。また出来上がったら行ってみようと思っています。

 はっきり言って、モンゴルのネット事情は分かりません。繋がるのやら、繋がらないのやら。ゲルでは無理でしょう。ゲルにも2泊ぐらいする予定だったと思った。


2007年08月30日(木曜日)

 (17:57)出版社の方が、「あいつはこれに関心があるだろう」といった感じで「フィードがグーグルの世界制覇を阻止する!」を送ってくれたので、やや興味あり、読んでみました。

 なぜ興味をそそられたかというと、まさに小生のブログ形式の新しいホームページは、固定読者の多くの方々から「RSS」機能を付けてくださいという要望を受けたため。「RSS」とは要するに「フィード」です。

 「フィード」をここで説明する気はありません。私としては、いつも決まったページに行くよりは何か新しいページを探したい気分はある。しかし実際に自分が渡っているサイトをつらつら思い出してみると、やはり固定サイトに行っているケースが多い。そこが更新されたかどうかは、今までは行ってみなければ分からなかった。それを知らせてくれるのが「RSS」、「フィード」です。

 「フィードがグーグルの世界制覇を阻止する....」というのはちょっと強烈なタイトリングですが、私が常に考えているのは「覇者は常に入れ替わる」という認識です。ヤフーがグーグルに対して競争力を失ったように、いつかグーグルも競争力を失うだろう、という認識。しかし私にはそれがフィードになるかは分からない。ただし興味はあった。

 同じ論理で、例えばセカンド・ライフもいつかは競争力を失うと思っているのです。あのとろい人物の動きに多くの利用者が満足するはずはない。そういう意味では、セカンドの次は「サード」かもしれない。ははは、冗談ですが。まあこれは流れの中で徐々に出てくるのでしょう。

 地球特派員でお世話になって、既にモンゴルに行かれている林さんから、以下のメール。うーん、朝青龍はどこにいるのか分からないし、彼を探すというのは難しいかもしれない。まあ、行ってからのお楽しみですが。

 モンゴルの道路事情ですが、幹線道路は多少ありますが基本的には草原の中のこれが道路かなという道がほとんどです。朝青龍の保養先はたぶん草原の中にあると思うので探すのは大変かと思われます。僕も草原の中にあるゲルホテルにたどり着くまで12時間、草原の中で迷子になりました。遠出の時はGPSがゼヒモノです。

 それとウランバートル市内は渋滞と大気汚染が深刻で治安も良くないのでお気をつけください。

 治安の悪さは他の方からも聞いている。それに今朝のやじうまの特派員が寒そうだったのは参考になった。朝は6度とか8度とか。6月くらいに行ったニューデリーが凄く寒かったことを思い出しました。羽織れるものを買っていこう。


2007年08月29日(水曜日)

 (07:57)朝青龍が行くのはウランバートルから4時間の温泉.....ですか。モンゴルの道路がいかようか知りませんが、4時間と言えば日本の高速道路でもまあ法令遵守で4時間はかかる。行って帰って8時間。ちょっと難しいかもしれませんね。

 というのも、もう半年前から予定していてモンゴル行きが今週末に迫っていて、うろ覚えの日程ではかなり「自由時間」が多かったので、もし時間があったら抜け出して「朝青龍がいるのはどんな場所か」「モンゴルの温泉とは」を見に行こうと思ったのです。

 偶然とはいえ、たまたま数日間でも、朝青龍のいるモンゴルに行く。何か接点があれば面白いと。日本の何倍もある国ですが、人口はこの前調べたら259万人とあった。人が少ない分だけ接点があるかも....と。ははは、半分冗談ですが。

 随分日本とは違うんでしょう。多分、日本のマスコミ関係の人も多いんでしょう。基本はその方々に任せましょう。私はモンゴルの人達とはなるべく交流できたらと思っています。

 しかし結局あの事件以来、朝青龍は一回も口を開いていない。謝罪をしてもいない。専門医の意見もあり、こうなったら人権問題でもあるので、彼がモンゴルに帰るのは仕方がないが、問題は何も解決していない、と思う。

 温泉と言えば、1990年代に職場が一緒だったものの、今は兵庫県に帰って事業をしている本條君に頼まれて山崎で講演をするために、火曜日は有馬温泉で一泊。初めてです。名前は聞いていましたが、来たことはなかった。

 来る前にテレビ局の連中から聞いていて金泉、銀泉などなどを「なるほど」と。金泉は土色に濁った湯です。何か体に良い成分がたくさん含まれている印象がする(事実そのようですが)。銀泉は普通の透明水温泉です。白濁しているのかと思ったら、そうではなかった。もっとも白濁していたら白泉ですが。

 ニューヨークはまた株が大幅安。為替も円高に。徐々にアメリカ経済の先行きに対する懸念の方が強くなっているという面もあるし、催促相場になってきている面もある。発表されたFOMC議事録は、

 The recent strains in financial markets posed additional downside risks to economic growth. Members expected a return to more normal market conditions, but recognized that the process likely would take some time, particularly in markets related to subprime mortgages. However, a further deterioration in financial conditions could not be ruled out and, to the extent such a development could have an adverse effect on growth prospects, might require a policy response. Policymakers would need to watch the situation carefully. For the present, however, given expectations that the most likely outcome for the economy was continued moderate growth, the upside risks to inflation remained the most significant policy concern. In these circumstances, members agreed that maintaining the target federal funds rate at 5-1/4 percent at this meeting was appropriate.
 この中の「might require a policy response」部分をマーケットは催促している。次回のFOMCは9月18日です。うーん、市場は催促を始めたらなかなか落ち着かない。14000ドルを付けた米株価は、調整幅から言えばまだ10%にも届いていないのです。日本とは状況が違うが、日本は円高という新しい環境があって、まだ落ち着き処を探している。9月一杯まではガタガタですな。


2007年08月27日(月曜日)

 (23:57)えらく、笑顔のない会見のオンパレードでしたね。テレビで次々に登場する新閣僚の会見を見ての印象です。笑った人は殆どいなかった。桝添さんが多少一人笑いしたくらいかな。

 全新閣僚に、「この内閣の顔ぶれ、人気に安倍内閣の命運がかかっている」という認識はあったでしょうし、また身体検査も相当厳しかったんでしょう。記者の皆さんが、「収支報告書の訂正の有無」を先ず聞いていたから、自分の出した報告書に関する多少の不安もあったかもしれない。そういう意味では、「笑顔なし」はある程度当然かとも思いますが、それにしてもちょっと暗い。その分だけ仕事内閣になる可能性はある。

 それより前。新閣僚新内閣の顔ぶれを最初に聞いたのは、タクシーのラジオでです。次々に聞いてまず印象として思ったのは、「男臭い」と「ちょっと重い」でした。むろん、女性も二方入っているのですが、恐縮ですが印象が薄かった。

 男臭いと私が思った理由の一つは、私が上川陽子さんていう方を私が全く知らなかったからかもしれない。大田弘子さんも、少し印象が薄い感じがするので、そう思ったのです。それにしても、先の内閣より今回の内閣は相当平均年齢も上がったのではないでしょうか。

 調べたら、一番若い閣僚は50才の岸田文雄さんで、安倍さんは52才で二番目に若い。一番上は、泉信也さんの70才。つまり、20才のスパンで閣僚が散らばっている。この内閣で国民的人気が出るかどうかと問われれば、ちょっと難しいかもしれない。しかし、重要なのは仕事が出来るかどうかです。

 今回の組閣はそもそも難しいテーマを抱えていた。国民向けには「安倍内閣も変わった」という印象を持ってもらいたい。しかし党内向けには、地盤の回復を図る顔ぶれにしたい。それが出来たのか、出来なかったのか。判断は難しい。私の判断では、少し仕事をしてからでないと評価は難しい。

 個々の大臣では、与謝野さんが少し顔色が悪いのが気になったな。病気上がりだそうで、ちょっとお気の毒でした。


2007年08月26日(日曜日)

 (22:17)相変わらず暑い週末。土曜日は諏訪に行ってお袋の49日。関わりのあった人達に集まってもらって法要をしたのですが、暑かった。日陰は涼しいのですが、日中の暑さは諏訪も東京も変わらない。

 日曜日は富士山の山麓にいたのですが、まだまだ秋の気配とはあまり言えない。多少”気配”がするという程度。大きなコンペを控えているゴルフ場だったので、テレビ中継の台座などが準備されていて、「中継はこうするのか」という印象。そういえば、去年もこの時期に来たような。

 ところで、この週末にドイツから懐かしい写真が届きました。同地出張中の小林君から。小林君が撮影した2007年のシュベリーン城ハンブルクから旧東ドイツに入ったシュベリーンにある城。湖の中にあるこの城は、私と小林君が1990年の1月から2月にかけてドイツに出張した折りに見たときには、殆ど朽ち果てていました。それがドイツ統一から改装され、私が2002年の1月に行ったときには大分改修され、今回写真に掲載したような形で綺麗に仕上がった。

 懐かしいな。1990年の年初にハンブルクから入ったときには、つい2ヶ月ほど前にベルリンの壁が墜ちた直後で、東ドイツの人達が放心状態だったのを我々は目撃しました。西ドイツのテレビは見ていたというのです。cross-border viewing です。しかし、「あれは全部嘘だと思っていた」とあるシュベリーンのホテルで話を聞いた東ドイツの若者が言っていたのを、私はまだ鮮明に覚えている。

 国境から僅かに2時間くらいのところに居た人が、「西ドイツのテレビを見ながら、あれは嘘だ」と考える。すさまじい現実でしょう。北朝鮮の人達が例えばテレビがあったとして、韓国や中国のテレビを見て「あれは嘘だ」と今でも思っていると想像できる。だから政治とは罪作りなんです。彼のメールです。

 今日、Schwerinに17年振りに行ってきました。確かに変わりましたね・・・ 城はあの頃の黒ずんだ外見がベージュ色にお化粧直し。1990年、統一直後からメクレンブルク・フォアポメルン州の州議会議事堂になってるんですね。今でも修復作業が行われてました。

 元々メクレンブルク大公国の首都だったわけで、この城もフランスのロワールにあるシャンボール城を模して作られたそうなんですね。あの当時は遠景でしたけど、そんな雰囲気もなかったですよね。あの時にクルマをとめたであろう街中にも行きましたが、確かに商店はありがちなチェーン店はなかったのですが・・・ 大型ショッピングセンターがありましたよ。ここにはいかにもって感じの店が沢山入ってました。もちろんマックもありましたが。大型バスが立ち寄る観光地ですね、今となっては。

 たまたま立ち寄ったパン屋では、お婆さんがどうも娘らしい女性に、「昔は良かった、今はモノも高くて大変だ」みたいな愚痴を言ってましたが、もはやそれくらいしか当時の面影はないですね・・・(バルト海随一の港町、旧東独のハンザ連盟ゆかりの都市ロストックより)

 そうか。私は2002年に杉岡さんと一緒にベルリンから行きました。小林君は17年ぶり。そりゃ驚いたでしょう。今でも2002年に行った時に既にシティバンクの支店があったのを鮮明に覚えているな。

 ネットを見たら、綺麗な街のサイトも出来ている。ナイスじゃないですか。あの時も街を歩きました。とても街とは言えなかった。商店はあるのですが、棚にはほとんど何もなかった。暗い店、くらい顔をした店の叔母さん、そして中世を思わせるような石畳の道。それにポンポンいって走る感じのトラバント。

 社会主義の失敗がいかに悲惨なものであったかは明確でした。東ドイツが輩出していた優秀な運動選手の影で、ほとんど大多数の国民は西ドイツからすれば実に貧しい暮らし、抑圧された暮らしをしていたのです。当時、西ドイツの人間を見て、その目で東ドイツの人を見たら「同じ民族」とは私には思えなかった。

 ずっと言われていたのは、「心の壁」でした。物理的なベルリンの壁は墜ちた。しかし、悲惨な体験から東ドイツの人々の頭には、そして働き方が違う東の人々を見た西の人々の心には、「壁」は厳然として残っていたのだと思う。

 どうでしょうか、東ドイツ出身のメルケルの首相就任は、本当の意味で東と西のドイツが一体になった証拠のように筆者には思える。


2007年08月24日(金曜日)

 (05:17)日経エコサイト用のエッセイ第四回分がアップされました。第三回がかつての取材を題材にしたのに対して、今回は非常にカレントな話題に絞りつつ、「中国の成長の壁」を考えました。ご一読ください。中国は明らかに成長のコースを変える必要に直面していると思う。

 ところで、エディやスイカ、クレジット・カード利用可能なタクシーの各種カード利用料を運転手さんが支払っているという話は先週末に東京新聞の取材をベースに書きましたが、今週は私も機会があればこの問題を運転手さんに聞きました。取材した運転手さんはすべて「その通りです」ということでした。つまりカード利用料を運転手さんが支払っている。

 これはどう考えてもおかしい。業界には早期是正を検討して欲しいと思います。今タクシー業界で働くことは非常に厳しい。その厳しさ故に、若い運転手さんが入ってこない状況があって、これが業界の運転手さんの平均年齢の上昇につながっている。5年たてば日本のタクシーの運転手さんの平均年齢が4歳上がっている、というのでは嫌だな。個人タクシーの運転手さんの平均年齢なんてもう60代なのですから。業界全体でもうちょっと魅力のある職場にして欲しいと。規制の見直しもある程度必要かもしれない。

 昨日の4行揃っての連銀借り入れ以降のニュースとしては、米銀大手バンカメが米住宅ローン大手カントリーワイドに転換社債発行の形で20億ドルを注入し、この会社の生き残りに大きな力を貸した、というのが目立ったニュースです。昨日も書きましたが、あちこちで処理が進んでいる感じがする。リーマンが住宅ローン子会社を解散したというようなニュースも、ある意味では処理の進展を意味する。

 全体に米金融市場も安定してきたし、円相場も昨日は海外で一時117円13銭の円安を示現。しかしむろん、不安定感がなくなったわけではない。バンカメとカントリーワイドのニュースで株価も上がり、債券利回りも上昇したと思ったら、23日のニューヨーク市場は以下の発言でコースチェンジ。

 Stocks lost steam after the chief executive of Countrywide Financial, Angelo Mozilo, told CNBC that the housing market will lead the U.S. economy into recession and that credit market woes were not over.
 アメリカ経済がリセッションになるのかどうかはまだ分からないと思う。FRBが利下げなど措置を講ずることが出来る。しかし、「credit market woes were not over」というのは当たっている。一つ一つの出来事には、市場は相当ダイジェストする力が付き、慣れてきたことは確かですが。


2007年08月23日(木曜日)

 (05:17)次から次と措置が打ち出されますね。官民あげて、日々市場にメッセージを送り続けている印象。今回のメッセージは、「getting long, so please feel safe」。しかも大西洋の両側で同時に。

 まず大西洋の左側。シティ、バンカメ、JPモーガン、Wachoviaの米銀大手4行が揃って声明を出した。「各5億ドルを、連銀の窓口で借り入れをいたしました」、と。つまり、先週末発表された6.25%から5.75%への公定歩合引き下げを「民間サイドから利用しました」と公表し、民間サイドからも今回のFRBの措置の有効性をアピールしたという形を取った。

 今回の公定歩合引き下げの一つのポイントは、「期間を最長30日と長めにしたこと」だったから、この4銀行が公定歩合で借りたということは、「5.75%で最大限30日間で5億ドル借りた」ということを意味する。金額は大したことはないが、米金融市場を代表する4行が先頭を切って連銀借り入れを行い、それを公表した「模範行動効果」、「市場安定化効果」「流動性付与効果」は多少あるだろう。銀行サイドは以下のように述べている。

 The trio said while it has "substantial liquidity and the capacity to borrow money elsewhere on more favorable terms, the companies believe it is important at this time to take a leadership role in demonstrating the potential value of the Fed's primary credit facility and to encourage its use by other financial institutions."
 さらにシティなどは、「"stands ready to continue to access the discount window as client needs and market conditions warrant」と述べて、「顧客ニーズと市場状況」により今後の利用も示唆。シティ自体は、金融市場でFF金利での資金調達が可能だと思われ、実際のところ同行は、「"on behalf of clients." 」という言葉を使っている。

 かつては「金融機関に取っての恥」だった公定歩合での借り入れを、言ってみれば今の状況下で「常態化」しようとしている。官民協力して。他の銀行や金融機関にも、「私たちでさえ借りたのだから、どうですか」と呼びかけている。

 一方、大西洋の右側では、欧州中央銀行(ECB)が22日、期間を3カ月と長く設定した400億ユーロ(約6兆2000億円)規模の資金を短期金融市場に供給すると発表。今月9日以降に実施してきた緊急資金供給を長めの資金に切り替えたことになる。これも、「getting long」措置。

 しかしECBは、「2日に表明したインフレへの強い警戒感は維持する」としている。FRB、ECBとも両睨みだが、インフレ警戒感はECBの方が強いということになる。

 サブプライムローン問題による信用不安に対処し、ECB8月9日に948億ユーロの資金を供給したのを皮切りに、4営業日連続で短期資金を市場に投入していたが、この資金を長期の資金としたのは今回が初めてだと思う。

 ECBの場合、通常の短期資金供給は数日―1週間程度の期間(従来のアメリカは原則翌日)。金融機関に対し、より長い期間で資金を供給し直し、金融機関の資金繰りを安定させ、市場の不安を和らげる効果を狙っている。しかし、アメリカのように「私たちは借りました」と表明するヨーロッパの金融機関はまだ見ていない。まあ、出てくるかもしれませんが。

 流動性措置は次々に出てきているという感じ。あとは、問題の所在の明確化と、それへの直接的対応でしょうか。シティが「顧客のため」と述べていると言うことは、顧客が「home mortgages and related assets」(FRBの先の声明にある)をシティに渡し、それをシティが連銀窓口に持っていき、それを一定の担保率でFRBが受け入れた可能性もある。推測ですが。


2007年08月22日(水曜日)

 (15:17)信じられないことが起きますね。いえ、高校野球のことです。7回までは、「これは野村の試合だ」と思っていたのに、一気に局面が変わって、全くの劣勢だった佐賀北の広陵に対する一点差の勝利。

 大阪から帰ってきたら、ちょうど高校野球をテレビがやっていた。予定が夕方だったので観戦。その時は、つまり見始めた時は2−0で広陵の優位。少し見ていたら、広陵の野村という投手が、バタバタと佐賀北の打者を三振に打ち取る。4者連続三振ってのもあった。

 その野村が自分のバットで左中間の2塁打(ワンアウト1、2塁)を打ち、2点を追加。7回表です。そこで4−0。この段階で私は「野村のゲームだ」と思ったのです。7回の裏も佐賀北は確か三者凡退。2者は三振だったと思った。

 ところが8回の裏。ワンアウトのあとすべての局面が展開した。ヒットなどで満塁。まず押しだし。確かに際どい球もあった。最後の球は、私はストライクだと思った。野村も意外そう。ただし、この時点では野村の顔にも笑顔があった。次の打者が副島。既に2本のホームランを打っている。佐賀北の3塁手。その彼が初球か、二球目だったと思う。注文通りのレフトへの満塁ホームラン。アンビリーバブル。5−4で佐賀がひっくり返した。

 佐賀北は良く守っていたのです。何せ、広陵に残塁を12〜13食らわしていた。佐賀北が公立学校というのがまたいい。何とかという、大きな大学の子供学校の多く出た中で。佐賀北の監督や選手からは、「信じられない」が次々と出てくる。

 見ていた方だってアンビリバボでしたよ。ナイス


2007年08月22日(水曜日)

 (09:55)世界の金融市場の安定度を見る尺度は、無論株価ではなくてアメリカの財務省証券市場を中心とした金利、債券利回りの動きなんでしょうな。その点で言えば、FRBの公定歩合引き下げやバーナンキ、ポールソンが出てきての市場慰撫パフォーマンスも、市場の安定をもたらすことには成功していない、と言える。

 とにかく、短めの米財務省証券の利回り低下が著しい。CP市場などを中心に、「flight to quality」が依然として続いているからで、21日の昼頃からは少し様子が違ってきましたが、今週それまでは市場関係者が驚くほどの大量の資金が安全な財務省証券市場に入ってきて、この結果利回り(例えば三ヶ月物財務省証券)は「過去20年ぶり」といった大幅な低下を記録した。市場は不安感でまだ一杯ということです。  

 "The market is clearly saying that what the Fed has done isn't enough. We're having a crisis of confidence, and investors with the cash have no risk appetite at all," said James Kauffmann, head of fixed income at ING Investment Management in Atlanta.

 The 10-year Treasury stood at 101 7/32, up 9/32 in price, or $2.81 per $1,000 invested, to yield 4.60%. The 30-year Treasury was up by 3/32 at 100 18/32, yielding 4.96%. The five-year price rose by 9/32 and yielded 4.24%, while the two-year gained 6/32, for a yield of 3.99%. Yields and prices move inversely.

 ウォール・ストリート・ジャーナルからの引用ですが、では何をすれば十分か、何をすれば「a crisis of confidence」が解消するのか、という問題です。それは最終的には、アメリカ経済の強さ回復の中で米住宅市場が強さを取り戻すことです。しかしこれはかなりの力仕事です。日本が不動産高騰の後始末を処理するのに何をせざるを得なかったのか、どのくらい時間がかかったか、そして、その後でもどのくらいの大きな後遺症が残ったかを見れば分かる。深い二日酔いは翌日になってもなかなか治まらない。モラル・ハザードの問題もある。

 短期的には、RMBC(住宅ローン担保証券)のプライシングを回復するというのが、一つの対症療法です。FRBは窓口貸し出しの担保としてこれを受け入れると言っている。これは良い政策です。しかしではどのくらいの会社が本当に持ち込んでいるのか分からない。この証券の市場流通量が減少することは、市場の不安感低下に役立つ。

 今回の騒動で分かったことは、相当信用力の高い、オファーとビッドが常にあるような銘柄の株価等々も、本当に市場の不安感が高まったときにはしばしばプライスが失われるということでしょうか。金曜日の日本の株式市場を見れば分かる。

 では何が一番強いのか。危機に、ということです。それも答えが出た。それはキャッシュ、またはそれに類するもの。米財務省証券もそうでしょうし、大丈夫な銀行への預金もそうです。当然ですが、重要なのはいつでもキャッシュ比率を高めに維持する「prudence」が必要だ、ということでしょう。今の市場の状況は、それを物語っている。


2007年08月21日(火曜日)

 (23:55)モンゴル関係の当面の最後の一冊として、「遊牧民から見た世界史」をほぼ読み終えました。めっちゃ面白かった、というのが実感です。

 今までの我々が習った世界史は、言ってみれば西洋から見た世界史だ....という筆者の言いたいことは痛いほど分かる。蒙昧な東洋での出来事は「そういうこともあった」と一括りにして短く記述してしまう。殺戮と衝突があって、そこから何も生まれてこなかった、と。しかしそれは間違いだ、とこの本は繰り返し主張している。

 人間が海にそれほど大規模に乗り出せない時代において、陸地の固まりとしてのユーラシアは、間違いなく人類史の大舞台だったのでしょう。この本が言うとおりです。ユーラシアこそ、当時の歴史の中心舞台で、実にいろいろなことが起きていたはず。しかし私もそうですが、世界史と称して習うのは主に西欧での出来事。比較的記録が残っているからです。確かにこれはおかしい。

 こういう本を読むに付け、タイムマシンが欲しいと私はいつも思う。チンギス・ハーンとその軍団がユーラシア大陸を疾駆していた時代が実際はどうだったのか。人々はどんな暮らしをしていたのか。戦いの様子はどうか、そして実際にどのくらい戦っていたのか。草原とは、どこだとどういう風で、どこはどのような組成になっているか。草とか、土の状態とか。

 島国の日本とは全く違う意識が人々の間に形成されていたはずだとも思う。とにかく陸地がつながっているわけだから、どこから誰が攻めてくるか分からない。当然都市は城塞都市になる。中国の内部にも城壁があったというのは、まだ見たことはないがその通りだと思う。

 しかし遊牧民は農耕民族とは全く違う国家意識を持っていた。彼等は一端移動を開始すると、とことん移動した。彼等の優位を決定づけたのは、大量の馬と、それを扱う能力、騎射、そして疾風怒濤の集団戦法。大火器が生まれる前では圧倒的な強さだったと思われる。

 民族と国家の微妙な関係についても、歴史的考察があって非常に面白い。当面身の回りに置いて、なにがしかの折りにページをめくりたい本です。出版が比較的新しいのも良いと思う。一刷りが2003年です。


2007年08月20日(月曜日)

 (23:15)東京の株価が、見ようによってはやや心許ない反発をし、円が反落し、そして沖縄ではかねて事故の多い台湾のチャイナエアライン機がちょっと信じられない事故を起こしたり。いろいろあった一日でした。

 いろいろ起きているのですが、また暑くなって出歩く気もしないので、もっぱら電話を使ってロンドンやニューデリーやソウルに電話。ソウルの姜さんへの電話は、お聞きしたいことがあったため。それは、韓国の大統領選挙の行方。

 日本時間の午後4時30分に韓国最大野党のハンナラ党の候補決定発表があった。世論調査で強かった李・前ソウル市長(大阪出身)が、初の女性大統領を目指す朴・元党代表を僅かに1.5%差で破った。会場では朴派の人々が「選挙は無効。やり直し」を叫んでいるのが映っていた。今は世論の支持を受けているハンナラ党ですが、実は4ヶ月後の大統領選挙で勝てるかどうかは、党を一本化できるかどうか。中傷合戦が酷かったですから。「そこはどうなんだろう」と思って電話したのです。

 姜さんの答えは明快でした。日本の夕方のテレビでは映らなかったのですが、李さんの勝利演説に続いて直ぐに朴さんが演台に立って、「選挙結果を潔く従う。李候補を祝福する」と述べたというのです。それは私は知らなかった。「そう言った翌日に、党を割るようなことはしないでしょう」と。李候補も、朴さんのこれからの役割に期待を表明。

 では大統領選挙の見通しは。「国民は盧武鉉にうんざりしていますからね....」と。実は、私は2002年の前回大統領選挙にかって取材に行ったのです。なぜあれほど盧武鉉が強かったのか。「当時と雰囲気は全く違いますよ」と、姜さん。「まあ、韓国の政治はくるくる変わりますから」と。南北首脳会談が10月に先送りされたのは、与党には不利でしょう。でも、韓国の政治では何が起こってもおかしくない。予想は難しい。


2007年08月19日(日曜日)

 (12:15)今朝の東京新聞の「えっ!! クレジット手数料は運転手持ち」の記事には驚きました。「こちら特報部」の右上にある記事です。

 私はタクシーでも、エディなりスイカが使えるならなるべく料金を電子マネーで支払う。小銭が残らなくて良いし、音一つで決済が済む。「運転手さんにも便利だろう...」と思ってそうしている。

 ところがこの記事によると、電子マネーを含めてカードや携帯決済には「手数料」がかかるのだそうです。それはアメックスやビザでも同じ事なので、「そうだな」と思う。それはタクシー会社が支払っている、と思うのが自然だ。

 ところがこの記事だと、利用料金の最高10%、通常でも5%(クレジットカードは3%前後と聞いていますので、高い)になる手数料を運転手さんが支払っているのだそうです。最初ウソだろうと思った。しかしこの記事には、「20人以上の運転手に聞いた...」とある。本当なんでしょう。僕らがタクシー料金を1300円支払ったら、65円も運転手さんは利用手数料を持って行かれている。

 これはちょっとショックですよね。電子マネーなどを使う人間は、私も含めて運転手さんにも良いのでは、と思って使っている。ところが、利用者が電子マネーを使うと運転手さんが支払わねばならない手数料が生ずる、というのが現状なのだそうです。タクシーの運転手さんの厳しい立場を知っているので、「なんでだろう」と思うわけです。うーん、これからどうしようかな。

 日本はIT政府とか、IT社会とか言いますが、こうした制度のところで社会のデジタル利用による効率化、生産性向上に歯止めを掛けているケースが多い。手数料くらいタクシー会社が気持ちよく支払ってやればいいじゃないですか。ティッシュと飴はいらないから。

 先日別のタクシーの運転手さんと話していて、「もう若い人なんか、タクシー業界に入ってきませんよ」と運転手さん。何せ手取りが安い。夜間に工事現場で旗振り(一晩1万5000円だそうです)をした方が、良い給料になると言うのです。「入ってきても、直ぐ辞めるんですよ...」と。

 その結果、個人タクシー業界の運転手さんの平均年齢は62才とか言っていたな。法人タクシーの運転手さんの平均年齢も50才代の後半だそうです。そして若い人が業界に入ってこない。そう言えば、私も知っているあるタクシー会社は運転手が集まらずに保有タクシー台数の稼働率が60%となって、ついにギブアップ。経営権をファンドに譲ってしまったと聞いた。本当かどうかは知りませんが。

 手数料くらいタクシー会社が払うのが当然だと思うのですが。そう言う背景があるからかも知れませんが、そういえば、個人タクシーでデジタルマネーが使えるようになっている車は少ない。圧倒的に法人タクシーです。


2007年08月18日(土曜日)

 (13:55)今朝の新聞では朝日の「けいざいノート」の小林慶一郎さん(経済産業研究所上席研究員)の「格差問題の深層」が面白い。そして敢えて言うなら、私も「新しい経済学」が必要だと思っている一人です。政治経済学、経済政治学、社会経済学、経済社会学、社会福祉経済学.......何と呼ぶかは別にして。

 小林さんは、市場経済やグローバル化に対する見方が、それを擁護する経済学者や企業経営者と、非難・批判する論者(社会学者、政治学者、評論家)の間で激しく対立していると指摘し、その背景は、両者が「市場経済の異なる側面を見ていることだろう」と指摘する。

 その通りだと思う。経済学者や企業経営者は市場化やグローバル化故の世界的な競争での経済活動の効率化、最適化が進行し、世界経済の成長余力が高まっていると考えるし、その結果として世界的には豊かな消費者の数が増え、また消費者の選択肢も増えた。ヒト、モノ、カネが自由に動く環境が出来ていているのは世界経済にとって良きこと、と。

 彼等は社会主義の目を被うような失敗や、ブロック経済の悲惨な結末を見れば、比較相対的に市場化やグローバル化は良い結果を生んでおり、世界経済の成長にとって不可欠だと考える。私もそう思うし、インドや中国などの発展、それに伴う世界経済の活性化を見れば、それは当たっている。日本も全体としてはその恩恵を受けている。

 しかし、競争激化やグローバル化が弱者、敗者を生んできたことも確かであり、それが一時的ならまだしも固定化しつつあり、さらに世代をまたいで恒久格差化しつつあるのもある程度事実である(昔からそうだったという意見は別にして)。この点に注目する一群の人々がいて、その中には小林さんが言うように社会学者、政治学者や何人かの以前からこの論陣を張る評論家が入る。

 これらの人々も、実は多くの場合、もし生活水準を下げないと決意するなら、市場化やグローバル化が避けられないことであることを知っている。だから、市場経済やグローバル化そのものはあまり非難しない。しても、それに対する代案がない。どこをどう規制するかは難しい問題だ。日本の企業が商品を輸出できなければ、我々日本人は大幅な生活レベルの引き下げを余儀なくされる。石油を輸入するお金がない日本を想像すれば良い。

 よって実際には、「再配分政策の組み立てが悪い」「政府は何をしているのだ」という議論が展開される。敗者や弱者が出ているのは「政府の政策の故だ」と主張する人も出てくるし、それは政治的には分かりやすい。しかしそれは多くのケースにおいて、市場化やグローバル化の結果である。どの要素(市場化、グローバル化、政府の政策、個々人の能力の差を含めて)がどれだけ格差の拡大に寄与しているかは計測不可能だから、議論は止まないことになる。

 経済では格差がつきやすいが、政治は基本的には「一人一票」の平等である。格差に怒る人が増えると、時の政権は吹っ飛んだり、別の政権に取って代わられる。だから政治的には時の政府は常に格差論が高まったときには、「なぜそれが起きているのか、それを乗り越える正しい道は何か、一人一人の国民に何が出来るか、地域で出来ることは、それを政府はどう側面支援するか」を説明しないといけない。

 自民党は参議院選挙でそれが出来なかった。経済の良好さは、有権者がシェアできてこそ投票に繋がる。自民党は特に、昔は再配分政策の受益者として存在し、熱烈な支持者を抱えていたはずの地方で負けた。再配分が少なくなったのだから、説明の必要があったのにしなかった。

 面白い指摘がある。「議論がかみ合わない大きな理由は、現在の標準的な経済学では、生産技術以外の技術が全く無視されていることだ」と。ここで出てくるのは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の経済学者(教授)だった故ジャック・ハーシュライファーという方の、「闘争技術」という考え方だ。

 「闘争技術」とは、「社内の権力闘争で勝つ技術、顧客の無知につけ込んで不必要な商品を売り込む技術、政治家に取り入って利益誘導をする技術」などを指すという。確かに今の経済学の本には全く登場しない。「学」の本には出てこないが、良い異性を獲得する方法と並んで、企業の中でどう生き抜くか、また生き抜かないかは雑誌が好んで組む特集だ。それだけニーズが高いという証拠だ。しかし、経済学者はそれを扱わない。

 闘争技術の中には、消費者への訴求力も入るかも知れない。生産技術が同じでも、闘争技術が違えば企業のパワーは全く違ったモノになるし、どちらが勝者になるかは明らかである。小林さんは、「市場競争のイメージは、価格の値下げ競争であり...」と書いているが、私は品質競争、広報競争も市場競争のイメージに入ると思う。今のデパートなど小売り業界を見れば、それは明らかだ。

 小林さんは、「生産技術だけを仮定した経済学の議論では(反市場主義、反グローバリズムへの)説得力のある反論にはならない。闘争技術を分析的に加えた新しい経済学を作る必要がある」という意見。賛成である。そして「格差論争自体を一種の闘争活動と見ることが出来る」という指摘もその通りだと思う。政治家が競ってそれを代弁しようとしているのは、それが政治闘争そのものだからだ。これからの日本では、そして世界ではこの闘争は相当長く続くだろう。どちらも違った側面でポイントを突いているから、何回でも論争が繰り返されることになる。

 「再配分で格差への不満を解消することは、格差を巡る政治的闘争に資源が費消されることを防ぐ」という指摘は当たっている。しかし問題は、「不満の解消」が政治的にどのレベルで出来たと言えるのか、決して回答がないことだ。私もこれだけ格差論が高まると、政治に携わる人はこの問題から逃げられないと考える。政治家だけでなく、我々も。だから取り扱わねばならない。しかし再配分政策を間違えると、成長鈍化などにより再配分の資源そのものがなくなってしまう。いかに資源を確保しながら格差を巡る政治闘争で勝つか。

 日本ばかりでなく、「格差」は世界のまっとうな政治家が真剣に考える問題となるだろう。この記事(小林さんの分析)は自分の頭をまとめる意味でも、なかなか読み応えがあったと思う。


2007年08月18日(土曜日)

 (05:55)今週は疲れたと思って早寝し、そしてマーケットはどうなったかなと思って早起きしたら、FRBが小手調べ的、市 場慰撫的、そして心理効果狙いの花火(私の判断ですが)を打ち上げていました。FF金利より1%高い水準に置かれているprimary credit discount window facility(通常、”公定歩合”と呼ばれているFRBの窓口貸出金利)の0.5%引き下げ(5.75%へ)。FF金利は5.25%で据え置き。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、このインターミーティング(年8回予定されているFOMC以外での緊急会合)での公定歩合引き下げは、木曜日の夜の緊急ビデオ会議(日本で言うテレビ会議)で決められたという。FRB理事5人と地区連銀の投票権のある総裁5人、それに投票権のない7人の合議で。

 投票権のある残る一人、セントルイス連銀のプール総裁は今回の緊急会合には参加せず。ずっと以前から予定されていたアーカンソー大学での夕食会の予定が入っていたため。『その会食参加をキャンセルすると「FRBは緊急利下げか」という思惑が高まった可能性があったため』とされる。同総裁は水曜日に、「There's no need for the Federal Reserve, unless there's some sort of calamity taking place, to make a decision before the next meeting」(とんでもない災難が起きでもしなければ、次回のFOMC以前に利下げなどの決定をFRBが下す必要はない)と緊急利下げに反対し、市場の注目を浴びていた経緯がある。

 緊急ビデオ会議で引き下げが決まった「primary credit discount window facility」とは、通常はあまり使われていない象徴的な制度。通常FF金利の1%上に金利は設定されている。ということは、引き下げ前は6.25%だったことになる。通常のFF市場で資金を取れなくなった金融機関が「恥を忍んで資金調達に駆け込む場所」として存在した。

 確かにそうで、FF金利が5.25%で力のある金融機関ならその前後で資金調達が出来るわけだから、6.25%でお上(FRB)から借りなければならない金融機関は「最後の駆け込み寺にお金を借りに行った」と言われる。これは確かに恥でしょうし、実際に「そんな金融機関は危ない」と言われる。

 それをFF金利に0.5%近づけることによって、「もっと気軽に、しかも今までより低利で窓口借り入れを行って下さい」と金融機関に「利用を呼び掛けた」というのが今回の措置。FF市場で資金が調達できない金融機関にとっては、駆け込んでもいいかなというレベルの金利になったということ。重要なのは今まで通り、幅広い担保を受け入れます、とFRBが言っていることだ。FRBは「The Federal Reserve will continue to accept a broad range of collateral for discount window loans, including home mortgages and related assets. Existing collateral margins will be maintained.」と記述している。

 この部分が入っているFRBが最初に出した声明は以下の通り。

Release Date: August 17, 2007
For immediate release

To promote the restoration of orderly conditions in financial markets, the Federal Reserve Board approved temporary changes to its primary credit discount window facility. The Board approved a 50 basis point reduction in the primary credit rate to 5-3/4 percent, to narrow the spread between the primary credit rate and the Federal Open Market Committee's target federal funds rate to 50 basis points. The Board is also announcing a change to the Reserve Banks' usual practices to allow the provision of term financing for as long as 30 days, renewable by the borrower. These changes will remain in place until the Federal Reserve determines that market liquidity has improved materially. These changes are designed to provide depositories with greater assurance about the cost and availability of funding. The Federal Reserve will continue to accept a broad range of collateral for discount window loans, including home mortgages and related assets. Existing collateral margins will be maintained. In taking this action, the Board approved the requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of New York and San Francisco.

 担保率は変えないが、「住宅ローンや関連資産」を含めて今まで通り幅広い金融機関資産を担保として受け入れ、ルールを変更して最長融資期間も30日にし、借り手の要望で再借り入れも可能、と言っている。つまり、米中央銀行から市場への資金供給ルート(銀行サイドからすると資金調達ルール)を多様化し、かついままでよりは低利にしたということである。つまり市場への流動性を高める措置

 上記措置を印象づけるため、そして今のアメリカ経済や市場の状態に対する認識を周知するために、FOMCはこれとは別に次のような声明も発表した。一日に2回の金融政策関連声明をFOMCが出すというのは、私の記憶にはない。非常に珍しいと思う。市場への印象づけを狙ったと考えられる。

Release Date: August 17, 2007
For immediate release

Financial market conditions have deteriorated, and tighter credit conditions and increased uncertainty have the potential to restrain economic growth going forward. In these circumstances, although recent data suggest that the economy has continued to expand at a moderate pace, the Federal Open Market Committee judges that the downside risks to growth have increased appreciably. The Committee is monitoring the situation and is prepared to act as needed to mitigate the adverse effects on the economy arising from the disruptions in financial markets.

Voting in favor of the policy announcement were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Richard W. Fisher; Thomas M. Hoenig; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Frederic S. Mishkin; Michael H. Moskow; Eric Rosengren; and Kevin M. Warsh.

 「金融市場の状況悪化、資金調達コストの上昇傾向、そして市場の先行き不安感の増大が、先行きのアメリカの経済成長を抑えてしまう危険性」を指摘し、「(今手元にあるデータではアメリカ経済は引き続きまずまずの適度な成長を続けているが)成長のダウンサイド・リスクが明確に認知できるほど(appreciably)に高まった」と判断した、と。そして今回の公定歩合引き下げ後も、「FRBは、市場を監視するど同時に、金融市場の混乱が経済に悪影響を与えるのを緩和する(mitigate)目的を持って、今後も必要なら行動を起こす準備が出来ている」と述べている。

 ここで言う「行動」の中には、FF金利の引き下げが含まれるでしょう。それが次回FOMCの9月18日になるのか、その前になるのか、それともそれより先なのか、それとも何もないのかは分からない。中央銀行として見守っていますよ、ということです。そう言われれば、市場も少し安心する。それが金曜日のニューヨーク株式市場のダウ工業株の233.30ドル高(引けは13079.08ドル、1.82%上昇)、NASDAQの53.98(同2505.03、2.20%上昇)に繋がったと思われる。ダウは13000ドル、NASDAQは2500の水準を回復した

 非常に興味深いのは、これも市場への印象づけだと思うのですが、主要銀行などで構成されるニューヨークのThe Clearing Houseが声明を出したこと。この声明によれば、ニューヨーク連銀の呼びかけで17日(金曜日)の午前中に、今度は電話会議を開いたというのです。参加銀行の名前は声明の最後の方に出ていて、その中には一連の騒動の端緒となったベア・スターンズの名前もある。「金融市場の状況と、17日にFRBが出した二つの声明について話し合った」というのです。その結果として、全文以下の声明となった。

Clearing House Statement

August 17, 2007 2:32 p.m.

The Clearing House, which represents major banks, issued a statement supporting the Fed's decision to cut the discount rate.

At the request of the President of the Federal Reserve Bank of New York, The Clearing House convened a telephonic meeting this morning of The Clearing House members and major investment banking firms to discuss developments in the financial markets and the two Federal Reserve releases of today. The Vice Chairman of the Board of Governors of the Federal Reserve System also participated. A list of the financial institution participants is below.

The participants on the call welcomed and expressed strong support for the Federal Reserve actions. They reacted very positively to comments by the New York Reserve Bank President and the Board of Governors Vice Chairman that both encouraged use of the discount window and recognized such use as a sign of strength. The participants concluded by agreeing that the Federal Reserve actions, particularly the announced changes in the primary credit program, would encourage financial market participants to take steps that would improve conditions in funding and credit markets.

The participants included ABN AMRO; Bank of America; The Bank of New York Mellon; The Bank of Tokyo-Mitsubishi UFJ, Ltd.; The Bear Stearns Companies Inc.; Citigroup; Deutsche Bank Group, Goldman Sachs; JPMorgan Chase & Co.; Lehman Brothers; Merrill Lynch; Morgan Stanley; UBS; U.S. Bank; Wachovia; and Wells Fargo.

 「FRBの公定歩合引き下げを歓迎・支持し、もっと窓口借り入れを使って欲しいし、窓口借り入れは金融機関の(弱さではなく)強さと認識するとの当局(ニューヨーク連銀総裁とFRB副議長)サイドの発言(comments)に、会議参加金融機関は前向きな反応を示したと強調している。そして今回のFRBの措置、特に公定歩合引き下げは市場参加者をして資金調達・信用市場の環境改善に繋がる行動に向かわせることになる、との判断で意見一致したとしている。

 こうしたThe Clearing Houseの声明も、筆者はあまり記憶にない。まあFRBとしては金利も0.5%引き下げたことだし、もっと利用して欲しいということでしょう。実際に、窓口借り入れは今までの「恥」(市場関係者)から「強さの証」(FRBの認識)と言っているのだから、多少は利用は増えるかも知れない。しかし、FF金利より0.5%も金利は高いという事情は変わらない。

 なぜFRBがFF金利を直接下げず、公定歩合の引き下げだけを行ったのか。次のような理由が考えられる。そこにはFRBが言っていることと、言わなかったことがある。

  1. 今回の騒動は、実態経済とあまり関係ない、投資の世界、金融機関同士の間で起きていて、静めねばならないのは市場の不安心理であるとの判断

  2. 依然として高いインフレ圧力への目配りもしているというメッセージも市場に残さねばならないとの判断

  3. 対円などで弱さを増しつつあるドル相場の動向をもう少し見守りながらFF金利の水準を決めたいとの思惑
 FRBも難しい判断をしている、ということです。今の状況でドルが大きく下がれば、アメリカのインフレ圧力は高まるし、アメリカが必要とする資金も入ってこなくなる可能性があって、それはアメリカの金融市場を一段と混乱させかねない。FRBとしては「公定歩合の引き下げで市場が落ち着いてくれれば」と願っている、というのが当たっている。

 しかし、「願いを容易にはかなえない」のも市場である。筆者の判断は、「サブプライム・ローンを担保とした証券のプライシングが戻らなければ、それを組み入れた証券化商品を買ったファンドや市場関係者の不安心理、やみくもな行動は収まらない」との判断で、今回のFRBが措置が問題の患部にぐさっと突き刺さる、直接治癒行動になっているのかというと、なっていないと思う。

 その点で注目されるのは、FRBの最初の声明が「The Federal Reserve will continue to accept a broad range of collateral for discount window loans, including home mortgages and related assets」と述べている点。価値がどこにあるのか分からない不動産担保ローンやその証券化商品まで担保としてニューヨーク連銀が受け取ってくれるかも知れない、というのは前進だ。しかしそれだけでプライシングが戻るとも思えない。ニューヨークの株価が底入れしたとは確実には言えない。何せ17日金曜日のニューヨーク株価上昇は、7日ぶりの上げなのである。結局はFF金利引き下げの催促相場になる可能性も残る。

 金曜日に874円もの急落を見た東京市場の観点から言うと、「米FF金利引き下げ→一段のドル安」という発想が浮かぶ。本当にそうなるかどうかは分からない。ニューヨークの株価反騰と同時に、ドルも戻った。しかし、金曜日の東京市場の株価急落が円高・ドル安、それに伴う日本企業の収益悪化懸念を大きな材料としているとしたら、ニューヨークや欧州の株が大きく上がったからと言って、「東京も安心」とは言えないと言える。

 もっとも、ニューヨークが上がったことで、不安心理は若干収まる可能性はある。金曜日の東京の下げはいかにも常軌を逸していた。金曜日の東京市場の株価急落について言うと、円高になったことで日本の株価が下がってもドルや外貨で見た日本株の売却益は大きかったと言うことで、ガイジンが売り急いだ可能性がある。日本の投資家と置かれた環境が違う。それがどのくらい収まったのかがポイント。

 FRBは短期金融市場での資金供給に次いで、第二弾の動きをした。しかし、怪しい債権を証券化した投資商品が組成され、それに高い格付けがつけられ、そして世界中に販売されて、リスクが拡散され、そのリスクが米住宅市場の冷え込みで顕在化しているという事情は大きく変わっていない。血液を送って身体のファンクションは維持しているが、患部はまだ病んでいるということだ。

 今までのバーナンキなどの説明では、患部の病は小さい筈だった。しかしFOMCは8月7日の声明から僅かに10日後に、金融政策の重大な変更を発表せざるを得なかった。FOMCがインターミーティングで金融政策の変更を発表するのは2001年の9月、あの9.11の約一週間後に、この声明を伴ってFF金利の誘導目標を0.5%下げの3.0%にして以来。希有なケースということだ。

 1993年から行われているFOMC開催日の予定化システム採用後、FEDがインターミーティングで金融政策を緊急会議でいじったのは、今回で5回目でしょうか。2001年に三回あって、その前は1994年の4月18日に一回。

 しかしこれでも市場の不安、株価の下げが収まらなければ、それは危機の長期化と言うことであり、景気や雇用への懸念が高まる。約1ヶ月も先(9月18日)の次回FOMC前にもう一度市場慰撫策が必要になる可能性もある。その場合は、FF金利の引き下げを含む措置が打ち出されると言うことだ。むろん、それはまだ可能性の問題ですが。


2007年08月17日(金曜日)

 (14:55)「ジンギス・カンの国」に続いて、司馬遼太郎さんの「草原の記」を読みました。この暑い中、本くらい涼しげなものを読まないと、という気持ちもあった。この本は持っているだけで草原の風を感じるようなすがすがしさがある。

 文章もすがすがしい。徹底した散文調で、行方定めぬ、思いつき・思い出しの多い本ですが、飽きない。まるで自分がその世界を歩いているような錯覚にとらわれる。前から思っていましたが、司馬さんの本は何と言っても読後感が良いことが特徴です。長く記憶に残る。「播磨灘物語」なんてのも思い出すな。

 この乾燥した、しかし味わいのある文章を書くコツは何でしょうか。彼の生き方そのものの体現。そういう面もあるんでしょうね。こういう文章を本を書けたらいいな、と思うのです。

 それはそうと、8月15日の諏訪湖の花火大会は今年も行けなかったので、16日は誘われるままに青山のビル3階から神宮球場の花火大会を見ました。花火は夏の華ですね。以前は青山の花火の日はドコモのケイタイ電話は通じなくなったのですが、今回は問題なし。対処したんでしょうね。

 暑かったのにはまいったのですが、適度に風があって絶好の花火ひより。風が自分の方に向かってくるのではなく、遠ざかっていく方が当然良いのですが、昨日はそういう環境でした。あと花火はあまり下から見たのでは駄目で、ある程度距離を置いて、音を感じながら見るもの。そういう意味では、昨日の青山の観覧地点は最高でした。

 3階では花火が綺麗に上がったのが見えたのですが、下の階でも花火が凄まじかったようです。松本君が上がってきて、「下も花火大会状態です....」と。そうだったようで。


2007年08月16日(木曜日)

 (14:55)冗談じゃなくて、外に出たくないのですが、まあそうはいきませんね。この暑い期間夏休みだった人はラッキーとも言えるし、行楽先でえらい暑さに悩まされた人もいるかもしれないと思うと、皆同じ状況かとも。

 今年の6月初めに来日したインド人の友人であるチャタルジーさんご夫妻が、「ニューデリーは45度。車のボンネットに卵を落とすと目玉焼きが....」というのを驚き半分で聞いていたら、本当に日本も同じような状況。テレビなどで報じられる温度は観測地点のもの。確か土の上、地上1メートルだったかな。

 我々の体感温度から見ると、発表される数字は、実際より数度低いと思う。道路を横断しているときなど、あの白い線が反射する光や熱線たるや、凄まじい。報道温度より実際は数度は確実に高い。ということは実は40度近い.....。

 この暑い中、また市場が暑い、というか寒い。これは人によって違う。マーケットには常に双方向の人がいますから。だからこそ相場が立つ。ただし国民経済から言えば、年金や投資信託の対象商品としての株が下がるのは良くない。それは報道する人の、わずかに暗い顔に表れる。上がっているときはスポーツと同じで、全体に明るく喋れる人が多い。まあそれはその人その人の知識や体験、それに感度でしょう。

 実態経済の変調ではなく、マネーの世界の変調の結果としての株価の下落。世の中はスパイラルだから、一端始まったら止まらない面もある。しかし、株安も、そして円高も限りなく行くということはない。逆に株高にも円安にも限界がある。その間で上下するのですが、サブプライムローン・バックの証券が今置かれているような「評価も出来ない」というのが一番困る。

 罪作りな商品だったということです。またそれを買った人が、アメリカではなく欧州に多かったというのが問題を複雑にしている。投資のグローバル化は、証券化とあいまって金融市場の、万が一の場合の「危機のグローバル拡散」につながっている。16000円割れや115円台示現で相場が峠を越えたのかはまだ分からない。

 地雷がどこに埋まっているか、いつ爆発するかが分からないだけに、まだ市場の不安定は続くと予想できる。しかし正直、「昨日のニューヨークが下げたのを受けて.....」との解説が東京の株の下げの冒頭説明に続くと、ウンザリしてきますね。「東京の自主性は....」と。私だけでしょうか。


2007年08月15日(水曜日)

 (10:55)巨人時代はファンでも何でもなかったのですが、桑田の大リーグトライには驚くと同時に、すっごく応援していたので残念です。まだ終わったわけではないのですが、しかしとりあえずでも、ナイストライだったと。

 直近の5失点というのがやっぱし決め手になったのでしょうね。今の成績は0勝1敗。これは別に中継ぎとてしては問題ない。問題は防御率の9.43。これはきつい。二桁の投手はほとんどいませんから、これに近づいたのでは桑田をかっていた監督も守りきれなかったのでしょう。

 彼の大リーグトライは、苦難に満ちたものでした。はっきりと誘ってくれる球団があったわけではない。「(日本で)ちょっとピークを越した投手でもよくやっている」というのと、「もう一回挑戦を」というのが彼の気持ちだったと推測。200勝も気持ちにあったのかな。昨オフに巨人を戦力外になった後だ。

 渡米し、受け入れ球団を探し、パーレーツのマイナーに入り。しかしメジャー入りを寸前に控えたところでオープン戦で球審と激突。右足首をねんざする大きな怪我を負った。しかし、そこからが彼の真骨頂。リハビリをへて大リーグ昇格、6月10日にヤンキースタジアムでメジャー初登板した。

 成功した登板もいくつかあった。うーん、しかし最初の数試合だけだった、と思う。気力と体力がついていったのは。最近、特にオールスター明けは、制球の甘さから失点を重ねる場面が目立っていた。

 桑田を見て、「わいもまだやれる」と怪我の治療に励んでいるのは清原だ。「桑田も」と口に出していたから、彼は桑田の戦力外通告をどう受け取るだろうか。桑田の口から、「今後どうする」という話しは出ていない。

 うーん、そう言えば、野茂はどうしたのだろう。まだ頑張っているのだろうか。ノーヒットノーランを二回やったピッチャー。自分のチームの監督だけじゃ終わらないでしょうに。

 引け際は何でも難しい。しかし、まだまだ桑田の自分の行く末に対する挑戦は続く。


2007年08月14日(火曜日)

 (16:55)アットランダムに読み始めたモンゴル関係の本のうち、まず「ジンギス・カンの国」を読み終えました。書いたのは高瀬秀一さんというモンゴル大使を勤めた方ですが、書かれたのが1992年と今から15年も前で、「どうかな」と思って読んだのですが、それはそれで面白かった。

 「遊牧民から見た世界史」にも書いてあったのですが、「ゴビ砂漠」というと私たちは本当の砂漠を想像するのですが、そうではない、というのがまず面白かったな。ゴビとはモンゴル語で「草の生育が悪い荒地」という意味で、決して草木一つないという日本人の「砂漠」の印象のごとくではないという。「遊牧民から見た...」には、「ゴビ砂漠は灌漑さえしっかりすれば農地にさえ出来る」と書いてあった。

 それにしても、ジンギス・カンが死んでから700年もたつのに、まだ「”彼”の国」と言われているのが、モンゴルの抱える大きな問題なんでしょうね。2600年になっても中国の天安門に毛沢東の肖像があって、中国が「毛沢東の国」なんて呼ばれたら、中国の人は嫌がるでしょう。

 もちろんモンゴルがそれ以来全く動きがなかったわけではない。この本にも、戦前史、戦後史などいろいろ書いてある。しかし、動きが鈍かったり、世界を驚かす大きなものではなかったというのが本当のところでしょう。なにせ、世界帝国を作った偉大な民族の国も、今は人口200万(この本の時点)ですから。朝青龍もそうですが、モンゴルにも大きな問題があるということです。

 この本には一つの笑い話(当時)が紹介されている。これが秀逸なのです。

 ある夏の夕べ、ウランバートル市内を流れるトーラ川のほとりでモンゴル人と日本人とロシア人が酒盛りを始めた。談論風発。たいへん賑やかであったが、酒が進み、酔いが回るにつれて気が大きくなり、まず日本人が立ち上がって腕時計を外し、こんなものもう古くなったのでいらないと言って川の中に投げ捨てた。するとロシア人が立ち上がって、腕時計をちらっと見たがそれを捨てるのはもったいない。そこで躊躇したロシア人はかなり履き古した自分の靴を、古くなったからいないと言って川に投げ捨てた。最後の番になったモンゴル人は、腕時計も靴も何も捨てるものがない。しきりに周囲をきょろきょろ見渡した後、やおら意を決した様子で立ち上がり、そばに座っているロシア人に掴みかかると、抱き上げたうえ、こんなもの古くなったからいらないと叫んで川の中めがけて放り投げた.....
 今もこういう雰囲気なのかどうかは知らない。モンゴルは当時のソ連の力を借りて、中国から独立した。まだモンゴルの人達が本来は自分の国の一部と考えている内モンゴルは中国にあって自治区になっていて、中国領である。中国とはずっと微妙な関係だし、今は中国の企業がモンゴル国内の地下資源を漁っているという問題もある。

 ずっとソ連を頼ってきたが、ソ連自身が崩壊した。ソ連の経済システムが優れていたわけでもない。古くさいシステム、古くさい機械などなど。だから「川の中に捨てたい」と思っているのでしょう。しかし、上と下の大国とは切っても切れない。そこで、新しい友達をモンゴルは必要としている、ということでしょう。

 それが日本なのか、アメリカなのか、それとも東欧を越えた西欧なのか。EUにモンゴル加盟なんてのは........想像の世界ですな。まあそうなれば、EUも「モンゴル帝国並み」ということでしょうが。


2007年08月13日(月曜日)

 (16:55)キング牧師の言葉(have a dream)で始まるこの記事は、ウォール・ストリート・ジャーナルの文章としては最近でもっとも面白い、かつ重要な問題を孕んでいるものです。FRBが金利を下げるべきか、投資家の不注意や勉強不足はそれなりきに罰せられるべきか。

 11日の土曜日のこのコーナーで、「モラル・ハザード」の問題を取り上げました。繰り返しませんが、今日のこの記事はまさにそれを取り上げている。もしかしたら、実体経済全体に打撃を与える問題かもしれない。しかし、安易に投資家を救ったら「あっ、救ってくれるんだ」といっそう投資、投機に投資家は走るかもしれない。

 まあFRBは、この数日間のマーケットの動向を見定めると同時に、市場で出回っている商品の構成や誰がそれらを買っているのかを徹底的に調べるのでしょう。なるべくモラル・ハザードを引き起こさないで市場を軟着陸させたい。

 しかし、実体経済に対して巨額な資金が動き回る今のマネー経済の中では、マネーの変調は決してほっておけない、と想像できる。なぜなら実体経済の規模より凄まじく大きいからです。マネーの世界の変調は、ほっておけば必ず実態経済に影響を与える。「影響を与える」とは成長率を下げ、そして雇用に打撃を与える、ということです。FRBは雇用維持の責務も負っている。

 この問題は難しいな。問題が起こったら直ちに救うというのでは、バブルからバブルを繋いで綱渡りをすることになる。あるエコノミストは、市場を救った上で関係者は議会の力によってパニッシュする方法を提唱していたいが、それも一つの考え方。しかしそれでも、そうした金融商品を売り出した側は罰せられても、買った投資家はしばしば救われ過ぎる。

 就任してまだ二年にならないバーナンキには最大の分かれ道でしょう。それにしても、この記事の中に出てくる「Helicopter Ben」には笑ったな。そう言えば聞いたことがあるような。まあ不当表示らしいのですが。

Fed Treads Moral Hazard
Step In and Cut Rates
Or Stand By and Watch:
Whither Helicopter Ben?

By E.S. BROWNING
August 13, 2007; Page C1

Wall Street has a dream: that the Federal Reserve will rescue financial markets with a sharp cut in interest rates.

Behind that dream lurks a problem, something financial people call moral hazard.

Moral hazard is an old economic concept with its roots in the insurance business. The idea goes like this: If you protect someone too well against an unwanted outcome, that person may behave recklessly. Someone who buys extensive liability insurance for his car may drive too fast because he feels financially protected.

These days, investors and economists use the term to refer to the market's longing for Federal Reserve interest-rate cuts. If investors believe the Fed will rescue them from their excesses, people will take greater risks and, ultimately, suffer greater consequences. Some grumble that the Fed created problems this way in 1998, 1999 and 2003.

If the Fed were to cut rates now, it certainly could help with the current market crisis. The cheaper money would reduce pressure on stock and bond markets by making it easier to buy beaten-down stocks, bonds and other securities world-wide. Wall Street is a powerful lobby in Washington, and its bleating for help can be hard to resist for politicians, whose campaigns often depend on financial contributions from Wall Street figures.

But if the Fed were to ride to the rescue, the skeptics worry, it would encourage people to speculate even more, creating an even bigger bubble later.

"You don't want to see the Fed bail out these guys who have made a lot of money. They have made their bed and you want to see them lie in it," says a veteran trader at a New York brokerage house. "Then again, you don't want to see the economy go into recession."

That, in a nutshell, is the choice the Fed's policy makers face today.

Earlier in his term as Fed chairman, Ben Bernanke was seen by a lot of investors as possibly too inclined to bail people out. Mr. Bernanke was dubbed "Helicopter Ben" because of a reference he once made to an economic theory that, if deflation threatens, the Fed's role is to dump money into the economy as if dropping it from a helicopter.

Mr. Bernanke wasn't advocating such a posture, and many felt the nickname was unfair. It has taken him months of steady insistence that he wasn't about to cut rates and fuel inflation for the gadflies to stop calling him that.


2007年08月12日(日曜日)

 (19:20)どこのコンビニだったか忘れましたが、id と エディを両方感知できるマシンが配備されていました。「いつから」と聞いたら、「1ヶ月前くらいからです....」と。当たり前でしょう。利用者に不便を強いる電子マネー経済なんてあり得ない。

 スイカ、ナナコ、id、エディ何でも良い。全部感知できるマシンが小売店舗に配備されたら、我々は小銭をもらわなくても済む。特にタクシー。「景気回復なのに効果流通量が減っている」なんてのがニュースにならない時が早く来る方が良いと思う。

 ところで、9月にせっかっく珍しい国に行くのだからと、

 「遊牧民から見た世界史」(杉山正明)
 「草原の記」(司馬遼太郎)
 「ジンギスカンの国へ」(高瀬秀一)

 をアットランダムに3冊一緒に読み進めています。なかなか面白い。特に「遊牧民から見た世界史」は、海に囲まれた国の住民にはなかなか分からないユーラシア大陸のダイナミズムを感じられて良い。しばらく頭が草原の国の事に集約しそうです。あはは、世界地図を一冊買っちゃいましたよ。


2007年08月11日(土曜日)

 (01:20)連邦準備制度理事会のホームページを開いたら、いきなり以下の声明が出てきた。

Release Date: August 10, 2007

For immediate release

The Federal Reserve is providing liquidity to facilitate the orderly functioning of financial markets.

The Federal Reserve will provide reserves as necessary through open market operations to promote trading in the federal funds market at rates close to the Federal Open Market Committee's target rate of 5-1/4 percent. In current circumstances, depository institutions may experience unusual funding needs because of dislocations in money and credit markets. As always, the discount window is available as a source of funding.

 市場参加者に安心感を与えるための流動性付与宣言です。理由は、「dislocations in money and credit markets」(金融・信用市場の混乱・断層)による預金機関が直面している尋常でない資金調達ニーズへの対処。

 一端市場の不安定が始まると、市場の内部ではなかなか収まりがつかない、というのが今までの経験です。市場参加者は皆、儲かるか、損するかの不安感の中にいる。不安で一杯の市場参加者は、自分が信頼していた市場そのものが動揺を始めると、全くモノサシを失ってしまう。

 良いことか悪いことかは別にして、こうしたときに登場を期待されるのはラスト・リゾートとしての中央銀行です。中央銀行は損益にとらわれずに市場のモノサシ(ラスト・リゾート)としてアクトできる。FRBが示したアクトがこの「声明」であり、具体的にFRBは10日のニューヨーク市場でもかなり大規模な資金供給を行っている。

 「中央銀行が市場を救う」という構図の中でいつも問題になるのは、モラル・ハザードです。本来は覚悟してリスクを取ったのだから、その結果(損失)を甘んじて受けねばならない投資家まで、中央銀行の市場救済措置の中で救われてしまう、という。

 サブプライム・ローンを証券化した債券を買っていたファンド、そのファンドに資金を供給した投資家は、当然「こうした証券はリスクが高い」と認識していなくてはいけない。リスクは高いが利回りが良い、と判断して買っていた。だから、それが米サブプライム市場の回収率悪化で値下がりしたら、本当は甘んじてその投資ポジション悪化と損失を受け入れなければいけない。

 しかし複数のファンドが行き詰まり、苦し紛れに持っているアセット(株や債券)を売ると、市場(株、債券、商品、為替)全体が下がる。下がるとあちこちの市場で火傷をする投資家が増える。彼らがまた火傷を軽度ですませようとアセットを売ると、もっとアセットが下がる。売りが売りを呼ぶ状況です。こうなると、ファンドの危機が市場の危機になる。市場とは一般国民が年金を預けていたり、企業が資金調達をする場でもあるわけです。

 (市場の混乱が)国民経済への打撃になりかねないという不安が高まると、中央銀行が登場せざるを得ない。今週のヨーロッパ、アメリカ、カナダ、そして日本の中央銀行の市場への登場はそういう意味ではやむを得ない。資金への潤沢な流動性供給は、例えば今のニューヨーク市場に結果を見ることが出来る。朝方大幅安で200ドル以上下げて、ダウで13000ドルを割るかに見えていた市場はその後見る間に回復して、今現在は20ドル弱のプラスになっている(もっとも、市場は不安定なままで、引けがどうなるかは分かりませんが)。

 市場に潤沢に流動性が付与されれば、投資家は安心して自分のポジションを投げなくなるし、一部の投資家は「流動性増大→アセット価格の上昇」を見越して買うから、市場は収まる。しかし、その流動性はまた「相場の行き過ぎ」を招来するかもしれない、と続く。

 ニューヨークの株価の戻りと歩調を合わせて、外国為替市場では例えば一時159円98銭の円高・ユーロ安相場を示現したユーロ・円相場は、既に162円台となっている。動きが激しい。今の円安相場とは、日本という流動性付与基地の存在を前提としているから、日銀も市場に流動性を付与し、かつ7割のエコノミストが予想していた8月の利上げがもしかしたら見送られる、となったら、またキャリー・トレードを考える人が出てきたとしても不思議ではない。117円台だったドル・円相場も、今は118円台の半ば。

 かくして「いつも同じ事の繰り返しか」というあきらめの気持ちも生まれる。「相場の行き過ぎや慢心投資→市場の動揺→経済全体への広がりの懸念→中央銀行の登場→市場への流動性付与→市場の安定→安定から行き過ぎ」と時代は繰り返している。

 この、考えようによっては悪しき循環を止める手だてはなかなかない。


2007年08月10日(金曜日)

 (06:06)またまたニューヨークの株が大きく下落。ダウは390ドル近い下げで、前日50ポイント以上勢いよく上げたNasdaqは、9日はそっくりそれを失った。一方、円は各国通貨に対して上昇。ほんまに忙しい。めまぐるしい動きである。FOMCの声明が指摘する「(Financial markets )have been volatile」という通りの展開だ。今度は何があったのか。

  1. フランスのBNPパリバが、傘下の3ファンドを凍結し、応募、償還の一時的な停止を決定した。「市場の混乱により、3ファンドの資産価値を適正に評価できなくなった。投資家の利益を保護するため」の措置としている
  2. こうした事態の中、ECB(ヨーロッパ中央銀行)は9日の市場でユーロ圏の資金調達市場が逼迫したことを受けて緊急オペを実施し、市場に約950億ユーロ(円は×162)を供給し、市場の沈静化に努めた。ECBの市場への緊急資金供与は、9.11以来
  3. ゴールドマン・ザックスのヘッジファンドが、資産(ポジション)の一部を処分したと伝えられた。同社がこうした措置を執るファンドは2例目だそうだ
 ゴールドマン・ザックスの措置に関しては、ウォール・ストリート・ジャーナルには以下のように書いてある。
 A second Goldman Sachs Group Inc. hedge fund has hit a rocky patch and has sold down some of its positions, according to a person familiar with the matter.

 Goldman's North American Equity Opportunities hedge fund had $767 million under management earlier this year. The Fund was down over 15% this year, through July 27, according to investors and was down more than 11% in July alone. It is not known how much the fund has sold in recent days.

 既に既視感(デジャブー)も漂ういわゆる「サブプライム問題」ですが、こうした個々のファンドの動きは目新しい。当然市場は反応する、という展開です。ゴールドマンの問題は8日の市場で噂になっていたが、その時は否定されていた。

 「流動性確保が難しい状態も」(WSJ)となれば、いろいろなところでポジションのキャッシュ化が進行する。BNPが執った措置は、その3ファンドについてはお金を動かせないようにするというものだが、そんな措置を打ち出された投資家は、他の資産(ポジション)をキャッシュ化しようとするから、市場全体としては「キャッシュ化の波」が起きる。ヨーロッパ市場でも、ニューヨーク市場でも株価は大きく売られた。売られたお金は、債券市場などに「flight to quality」として流れる。

 こうしたチェーン・リアクションは、優れて金融的な現象である。投資の世界の話だ。今のところファンドの世界、世界の投資資金の流れの世界の話にとどまっている。今まで買われたものが売られて、キャッシュ化される。昨日、一昨日の東京市場もそうした動きが顕著だった。

 株が下がれば企業はM&Aにしろ、設備投資にしろ、動ける余地が少なくなる。だから今の世界的に逼迫した状況が続けば、rpt 「続けば」、世界経済には成長抑制要因になる。しかし、そこまでこの問題が長続きするかどうかは分からない。IMFが言うように今の世界経済は「過去30年ぶりの良い形」をしているし、中国、インド、ロシアなど成長を渇望し、実際に成長している国も多い。先進国の経済も比較的しっかりしている。

 ECBの動きを受けて、FRBも動き出している。流動性の供給についてである。9日のニューヨークの金融市場では、「9月の利下げ」を読み込む動きが鮮明だという。もしかしたら、既に今週のFOMCで市場の混乱に配慮したFRBも、いずれ動くそうかもしれない。

 ただしこういうことは考えておいた方がよい。今まで買われていたものが売られる、売られていたものが買われる、一部にはリターン・リバーサルの動きがある、というのは良く分かるし、それは続くかもしれない。まずは買われたものが売られる分だけ市場の全体的な資産レベルは落ちる。

 しかし、今の市場の混乱が投資の世界の現象である限り、そして実態経済に大きな変化がない限り、今まで買われていたものを買った理由は、市場の混乱が収まれば厳然として残るし、もっと重要なことは世界の投資資金が枯渇することもないだろう、ということだ。キャッシュ化された資金は、またどこかに動かねばならない。

 まだまだ行き詰まるファンドは出るだろう。ファンドの解約の動きも底流に流れる。「もうこんな混乱は嫌」とばかりに、市場から資金を引き揚げる投資家もいるかもしれないし、実際にいるだろう。ただし、世界はだからといって終わらない。混乱の後の世界を今から考えておくことはメリットのあることだろう。


2007年08月09日(木曜日)

 (17:06)定期的に、かつ循環的に「ああ、久しぶりにあれが食べたい」と思い、実際にいてもたってもいられずに足を運んでしまうものがある。

 赤坂のじゃんがらラーメン全部入り
 新宿ねぎしの牛タン定食
 赤坂匠屋松兵衛のひつまぶし
 新宿松屋の背骨スープとすきやき鍋、ネギチヂミ
 CoCo壱番屋の牛しゃぶナス
 玉ひでのとりすきとミニ親子丼

 まだあったかな。まあそんなもんです。これらは時々むしょうに食べたくなる。今日は牛タン定食でした。新宿の伊勢丹の反対側のビルの7階にたまに行くねぎしがある。牛タンを1.5で頼んだら、1780円でした。「ええ.....」ってなものです。以前は1000円前後だったような。まあ例の騒動の時に上がっていたのを思い出した。

 でも10年くらい前に新宿に2店しかなかった時の方が良かったな。特にスターホテルの裏側が。おばんざいを並べてあったし。スープも美味しかった。でもこの店はない。今のあちこちにあるねぎしは、かつてのねぎしではない。しかし、今でも時々牛タンが食べたくなる。

 1000円と言えば、赤坂の全部入りはぴったり。ぼんしゃんとかこぼんしゃんとかあるが、やっぱり全部入りですよ。CoCo壱番屋のカレーも、ほとんど「牛しゃぶナス」。赤坂にはいくつかインド人がやっているカレー屋(MOTIとかジャイプールなど)があるのですが、それとは別ものとして日本のカレーがある、という理解。でもCoCo壱番屋でも、「牛しゃぶナス」以外はほとんど食べたことがない。

 「新宿松屋のネギチヂミ」も好きだな。今日ねぎしに行ったので、次は順番としては松屋でしょうか。新宿では随園別館も以前は美味しかった。ちょっと最近ご無沙汰しているのは、調理する人が変わってしまったので。あと1年くらいしたら、また行こうと思う。

 高くてうまいものもある。しかし、こうした安くてもうまいものはなかなか良い。循環的に行っても、ふところには響かない。いつまでもマイリストの中に残っていて欲しい店々だ。


2007年08月08日(水曜日)

 (05:06)「金融政策の中立スタンスへの戻し」観測の台頭と、それに伴う月曜日のニューヨーク株の今年最大の上げ(ダウ平均で280ドル)は、「ちょっと行き過ぎだな」と思って見守っていたFOMCは、金融市場のボラティリティの上昇や一部家計や企業にとっての金融の引き締まりに言及する配慮を示しながらも、「(金融政策運営上の)最大の懸念は依然としてインフレ」という姿勢を鮮明にした声明を出して閉幕しました。

 よって、声明発表直後のニューヨークの株はまたまた大幅反落。一時100ドル安ほどになった。しかしその後はまた急速に値を戻し、一時は100ドル高近辺まで行った後、結局ダウ平均は35.52ドル高の13504.30ドルで取引を終えた。Nasdaqは14.27ポイント高の2561.60(引値はあとで多少変更があるかもしれない)。声明が使っている単語で表現すると「volatile」な展開そのもの。

 まず、声明を字面の通り読むと、以下のように言っている。

 「最近数週間、金融市場はボラタイルだし、一部の家計や企業にとっては金融状況は以前よりきつくなっている。また住宅市場の調整も進行中である。しかし、雇用や所得の堅実な伸び、それに活況な世界経済に支えられて、今後数四半期に渡りアメリカ経済はまずまずの成長ペースを維持する可能性が高い。

 最近数ヶ月でコアのインフレ状況は若干改善したが、インフレ圧力が持続的に低下出来るかどうかは、今後の証明を待たねばならない。加えて、高い設備稼働率のレベルは、インフレ圧力持続の可能性を孕む。

 アメリカの経済成長に対するダウンサイドのリスクは若干増したが、FOMCがまず抱いている関心事項は、インフレ圧力が予想通りには緩和しないリスクであり、今後の金融政策調整はインフレと経済成長の両面から決められる。

 FOMCも考えに考えた声明だったのでしょう。あとで全文を引用しておきますが、「volatile」などという単語をFOMCが声明の中で使うのは希だ。かつ「credit conditions have become tighter for some households and businesses」もあまり見かけない表現だ。つまりFOMCは市場の懸念に最大限「知っているし、配慮を忘れてはいませんよ」と気配りを伝えた。「経済成長に対するダウンサイドのリスクは若干増」という認識も、その流れだ。FOMC声明にこうした単語や認識が入ったこと自体、後々FOMCが政策を変更するときのとっかかりになる。つまり、FOMCは(金融緩和の)とっかかりは作った

 しかし、6月末の前回FOMCで政策維持の根拠とされた「(原油など)商品相場の高止まり、生産性の伸びの鈍化、それに低下しつつあるドルの為替相場(elevated energy and commodity prices, slower productivity and the declining value of the dollar)」や、今回も声明に入った「高い設備稼働率のレベル」からして、FOMCは金融政策のバイアスを変えることは出来なかった、ということでしょう。これは十分理解できる。「十分理解できる」ことに、ニューヨークの株価も最後は反応した、と見るべきです。金融市場分析の最新号で予測した通りです。

 株価は確かに乱高下しているが、考えてみればダウで14000ドルを付けたニューヨークの株価は、結構高値から落ちた印象が強いものの、依然として13000ドルを割ってはいない。つまり、下げ幅にして数%にとどまっている。「アメリカの株価の”調整”とも言える調整はだいたい10%」というのが常識であるとすれば、今のニューヨークの株価の下落は一般的な調整の域にも達していない。この程度の株価の動揺で金融を緩和していたら、それはそれで後世の笑いものだ。

 しかし、市場の懸念や期待には触れざるを得ない。そこで、以下の声明になったというわけです。

Release Date: August 7, 2007

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 5-1/4 percent.

Economic growth was moderate during the first half of the year. Financial markets have been volatile in recent weeks, credit conditions have become tighter for some households and businesses, and the housing correction is ongoing. Nevertheless, the economy seems likely to continue to expand at a moderate pace over coming quarters, supported by solid growth in employment and incomes and a robust global economy.

Readings on core inflation have improved modestly in recent months. However, a sustained moderation in inflation pressures has yet to be convincingly demonstrated. Moreover, the high level of resource utilization has the potential to sustain those pressures.

Although the downside risks to growth have increased somewhat, the Committee's predominant policy concern remains the risk that inflation will fail to moderate as expected. Future policy adjustments will depend on the outlook for both inflation and economic growth, as implied by incoming information.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Ben S. Bernanke, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Thomas M. Hoenig; Donald L. Kohn; Randall S. Kroszner; Frederic S. Mishkin; Michael H. Moskow; William Poole; Eric Rosengren; and Kevin M. Warsh.

 まあFRBは当面、一部の家計や企業にとっての「tighter credit conditions」の広がり具合を目を凝らして見守ることになるでしょう。次回のFOMCは9月18日。あまり離れていない。一ヶ月くらいしかない。その間に様子が変わったらまた変える、というスタンスでしょう。夏の間の金融市場をまだ見守る、ということです。

 考えれば火曜日のニューヨークの株価の引け水準13504.30ドルは、14000ドルから500ドルしか離れていない。月曜日の280ドル高を二回繰り返せば、新値に達する。

 FRBが「ドルの為替相場の下落」に関心を示していることも興味深い。一部の政治家の不用意なスタンスは論外として、特に欧州通貨に対するドルの下げは、アラーミングでさえある。ドルがある程度強くならないと、また景気がよほど悪くなり、一部企業や家計の金融のきつさが広まらなければ、「金融緩和はない」と読める。それらが全て揃う可能性はちょっと低いを筆者は思う。ということは、FF先物市場が織り込んだ年末にかけてのFF金利引き下げは、ちょっと時期尚早ということだ。

 なおFOMCの6月末の声明は、このFRBのサイトにある。


2007年08月06日(月曜日)

 (11:21)年齢がぞろ目の松井君が、今朝のロイヤルズ戦で大リーグ100号HR。日米通算では432号だそうです。まずはおめでとう。ファンとしては嬉しい。

 もっとも最近の米大リーグはビッグ・ナンバー続き。ボンズのハンク・アーロンと並ぶ755号、史上最年少である32才と8日でのアレックス・ロドリゲス(A-Rod)の500号達成。この二つに比べると、松井の100号はちょっと控えめな記録。

 33のぞろ目の松井が、A-Rodよりホームラン数が少ないのは、やはりホームラン打者としてはA-Rodの方が優れているからでしょう。逆方向にホームランを打つ力は、アレックスはやはり松井の比ではない。松井は私の記憶では今年はまだ左にホームランを打っていないが、A-Rodの右へのホームランは思い出すだけでも何本もある。

 では松井君が打者として優れていないか、というと全くそんなことはない。大体昨日の22号にしても、アメリカン、ナショナル合わせた大リーグ全体で14番目の数字だし、アメリカン・リーグだけでは6位だ。ボストンのクリーンアップであるオルティーズ(19本)、ラミレス(18本)よりも多くのホームランを打っている。春の故障者リスト入りがなければ、もっと打っていた可能性がある。A-Rodの36本というのが図抜けているだけだ。松井については、去年は長期離脱もあった。

 打点の78も立派な数字である。大リーグ全体で12位の数字で、アメリカン・リーグでは6位。ここでもA-Rodは109と図抜けている。今年の松井がちょっと印象に欠けるのは、華やかな満塁でのホームランなど、一気に打点を稼ぐ、しかも試合を決めるそれがないためだと思われる。やっと出てきた調子をなるべく維持して欲しい。大リーグ進出5年目といえども、「7月の月間MVP」は快挙だと思う。

 ではチャンピオンシップ争いはどうか。今年の特徴はボストンの先行とか、シアトルの健闘とかあるが、やはりヤンキースの出足での躓きも特筆すべき事だったと思う。井川がそうだが、やはりピッチャーがダメ。13勝している松坂を取ったボストンは、元を取っている。

 出足の躓きでヤンキースは依然としてボストンに大きなゲーム差を付けられている。7ゲーム差でなかなか接近できない。ボストンが投手陣の充実を受けて、なかなか負けないためだ。

 しかし、ヤンキースは地区優勝しなくてもポスト・シーズンに出る道はある。ワイルドカードがあるためで、この分野では着実に前進している。アメリカの5日の日曜日が終わった時点ではアメリカン・リーグのワイルドカード争いは以下のように状況だ。

デトロイト  61勝 49敗 0.555
シアトル   60勝 49敗 0.55045
ニューヨーク 61勝 50敗 0.54955

 端的に言えば、ヤンキースはワイルドカード争いで依然3位だが、先頭を走るデトロイトとは0.5ゲーム差に迫ってきたということです。一時は今のボストンとの差くらい離れていたから大きな前進。私の記憶ではある程度シーズンが進行した段階で見ると、今のヤンキースは今シーズンで一番ポスト・シーズン参上に接近した状態にある。

 私がなぜワイルドカード争いをことさら取り上げるかと言えば、どにチームにも言えることですが、特にヤンキースは地区優勝争いなんてしない方がよいと思っているからです。ここ数年のトレンドですが、ヤンキースは地区優勝するために走らされ、実際に優勝してもそれで疲れ果てる。地区優勝者というプライドが、プレーオフで思い切ったプレーが出来ない原因にもなっている、というのが私の見方。

 ここ数年のワールドシリーズ・チャンピオンを見ても、案外ワイルド出場チームが多い。8分の2の割合の割にはよく優勝している。多分、気持ち的にも楽なんですよ。優勝している方は、「またこいつと戦うのかよ。負けたら恥ずかしいな」と思いがちだろう。 日本でもパリーグの覇者ソフトバンクが一体何年涙を飲んだかを見れば、下から優勝を狙った方が楽だと分かる。

 であるが故に、日本のテレビみたいにボストンとのゲーム差を云々するのは賢くないな、とずっと思っているのです。最近ヤンキースはずっと地区優勝しては、ポスト・シーズンのどこかで負ける、というのを繰り返している。今年は違ったことをした方が良い。

 恐らく、今のままだと投手陣ではポスト・シーズンを乗り切れない。立て直しが急務だ。今のメンバーをどう鍛えるかで、投手を地区優勝のために酷使するのは賢くないと思う。松井には例のリングを取って欲しい。

 他の日本人選手について言うと、ここ2試合のイチローがおかしい。確か10打数ゼロ安打。バットにボールがかすらない。まあ大丈夫だと思うが、今年は彼には首位打者を取って欲しいな、と。そのためにはヒットは230本くらいかな。井口はよく頑張っていると思う。チームが変わって目が覚めた ? 松坂の13勝はナイス。ハーラー争いには何人かいて、チームメートのベケットもそうだが14がそれ。松坂は十分争いに入れる。三振奪取数は152で、今大リーグで5番。トップは192。凄い奴がいる。

 城島はここぞというところで打つ。ドジャースの斎藤もなかなか。考えれば良い選手が本当に数多く海を渡っている。日本の野球の魅力を維持するには、知恵がいる。


2007年08月05日(日曜日)

 (11:21)今朝の新聞は、申し合わせたように「中国」の記事が目立つ。副題は揃って、「北京五輪まで1年」。

 改めて、「こんな暑い時期にオリンピックか」と。暑いですよ北京は。うだるようでしょうね。水は確保するし、交通遮断もするのでいつもの渋滞はなくなるのでしょうし、いつもは霞んでいる北京の空も少しは綺麗になるのでしょう。しかし、それでも暑さと戦う方法は、あまり多くない。マラソンなんか大丈夫かな。

 私が見ているのは朝日、東京などですが、いずれの記事も「鳥の巣」建設で働く「農民工」の悲しい話しから始まる。トーンはちょっと東京新聞の方が明るいし、農民工の出身地まで取材に行っているのが良い。

 私は思いもかけないことから、めったに行けない中国の農村地帯に行きました。重慶から三峡ダム下り(船で何泊もしながら下る)をした2001年です。その時の文章はここに残っていますが、その時、宣昌下船してから暫くして(多分武漢に着いてから)、船のセーフの中にパスポートを忘れたことを思い出した。で、既に重慶に反転上がりを開始した船を追って、タクシーで移動したのです。

 中国人でほとんど英語も喋れない旅行社の人と二人で。その時感心したのは中国のケイタイ電話網の完璧さであって、あれがなかったら私はもう暫く中国に滞在ということだったと思ったのです、その予定外の旅程が非常に役だったのは、旅行者がめったに行かない農村地域をかいくぐって移動できたことです。

 そこで見たことはまた書きたいのですが、それは上海や北京で見た中国とは全く違う。まるで、その後に目にするインドの農村のような悲惨さでした。ああいうところから農民工が出てきているとしたら、日本の新聞で紹介されているような一日650円くらいの日当でも嬉しいのかもしれない。農村での一年分を、都市での一ヶ月の稼ぎで賄えるという。ということは、農村での稼ぎがどのくらい低いかです。

 うーん、そう言えば中国にはここ2年くらい行ってない。そろそろ行かないと。中国で思い出しましたが、9月の初めに中国の北に位置するモンゴルに行ってきます。初めてなので、ちょっと楽しみ。


2007年08月03日(金曜日)

 (17:21)おや、狙いは「グーグル帝国」の構築 ?

 今日の一番面白いニュースは、「検索エンジン最大手の米グーグルが、自社ソフトを搭載したケイタイ電話機を開発し、複数のケイタイ電話サービス会社に採用を働きかけている」というウォール・ストリート・ジャーナルのニュースである。

 米ケイタイ電話市場は、既にアップルの iPhone が最近出て活気が出てきているところですが、これでグーグル・バージョンが出来ればいよいよケイタイ電話市場はモバイルの最終決戦地としての色彩を帯びることになる。

 筆者が考えるところ、ケイタイのメリット(PCなど他のモバイル・ツールに対して)は

  1. 大部分の消費者は常にケイタイを身近に起き、ネット関連でも頻繁に使う。つまりPCなどと比べても明らかにモバイルの王様になりつつある
  2. かつ、電話料金やデータ通信料として料金を毎月回収できるため、ネットでの最大、最良の課金システムを構築できる
  3. 人々が身近に置くことから、広告ツールとしても明らかに存在感が高まると予想される
 などでしょうか。ケイタイ市場を制するものは、明らかにネット市場の勝者になりうる。グーグルはそこに目を付けたのだと思う。ケイタイは今でも万能モバイルですが、ますますその魅力は強まると言うことになる。

 筆者は日本のケイタイは機能としては多様性があって面白いと思うが、何せ世界に全く通用しない。日本の家電メーカーがテレビで存在感があるにしても、世界のケイタイ市場で存在感がないのはそういう意味で非常に残念なのです。成長市場で存在感がない。

 グーグルは日本のメーカーが弱いところで成長性を見て狙いを定めてきた、ということでしょう。アメリカで広がるかどうかを含めて、どんな端末になるかどうか、楽しみ。

Google Pushes Tailored Phones To Win Lucrative Ad Market
By AMOL SHARMA and KEVIN J. DELANEY
August 2, 2007; Page A1

Google Inc. is searching for growth in cellphones.

The company, which has made billions of dollars in Web advertising on computers, is courting wireless operators to carry handsets customized to Google products, including its search engine, email and a new mobile Web browser, say people familiar with the plans. It wants to capture a big chunk of the fast-growing market for ads on cellphones.

Google has invested hundreds of millions of dollars in the cellphone project, say people who have been briefed on it. It has developed prototype handsets, made overtures to operators such as T-Mobile USA and Verizon Wireless, and talked over technical specifications with phone manufacturers. It hopes multiple manufacturers will make devices based on its specs and multiple carriers will offer them.

For wireless operators, the plans are a double-edged sword. Google's powerful brand and its popular Web services could help operators sign up more subscribers to data packages, on which they increasingly rely as voice revenue declines. However, operators have been wary about losing control over the mobile-ad market.

The long-rumored Google phones are still in the planning stages, and wouldn't be available to consumers until next year at the earliest, say people familiar with the idea. Some details are likely to shift as the plans develop.


2007年08月03日(金曜日)

 (00:21)日経BPの環境ポータルサイトに連載しているコラムの第三弾がアップされました。URLは以下の通りです。

 http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/itou/03/index.shtml

 今回は私が実際に中国で会った人々が、中国の経済や都市景観の変化について何を語っていたかに焦点を当てました。そこにはやはり、日本の目から、日本人の目から見た視点とは別のものがある。相手の視点、立場も重要だと思うのです。

 ところで、木曜日の日経夕刊の「TV通販市場 拡大続く」はなかなか面白い記事でした。ジュピターショップチャネルなど主要TV通販11社の2006年度の売上高が2796億円で、05年度比25%増加した、というのです。伸び率の大きさが目を引きますが、ではこの2796億円という売上高は百貨店の売上高に比べればいかがなものか、と思って少し調べてみたのです。

 三越と伊勢丹の経営統合話が出たときに、両社の連結ベースの売上高は三越が8000億、伊勢丹が7800億と覚えたのですが、連結ベースではイメージしにくいと思って、ためしに伊勢丹各店の売上高を見てみた。そしたら伊勢丹の新宿本店の売上高がこのサイトにあって、「2569億円」と分かった。

 これはイメージしやすい。あの土曜日・日曜日に行くと人がわんさかいる伊勢丹・新宿本店(本館とメンズ館)の年間売り上げを上回る売り上げをTV通販が出すようになったと理解できる。しかもその売り上げの伸び率は、新宿の伊勢丹のペースを遙かに上回る。

 日本人の消費のルートは実に多様化してきている、と思う。日経の夕刊トップの記事が扱っているのはTV通販だが、通販にはあとカタログ、インターネット、チラシなど多様な形態がある。それら「通販」全体を合わせると、06年度は全体で3兆7000億に達するという。

 では日本人の購買ルート、消費ルートの多様化が進む中で、我々がスーパーと百貨店の売上高合計のアップダウンだけを指して「消費の伸びは鈍い」といった議論をしているのは、実は全く間違いなのではないか、と思うのです。だってそうでしょう。通販でもTV通販だけで、年間伊勢丹の新宿本店を上回る売り上げを上げている。あまり目に見えないルートで、実に多様な消費ルートが生まれている、ということになる。駅中もそうだし、ミッドタウン、両ヒルズもある。多くは公式消費・売上高統計から外れている。

 TV通販をよく利用するのは、30代から50代の女性だそうで、通販専門チャンネルの24時間放送がこうした女性層を中心に「消費者に浸透してきた」(日経)という。まだ面白いのは、TBSや日本テレビの通販子会社の売上高は今のところまだ二桁億円台の売り上げ。TBS子会社が96億円、日本テレビ放送網子会社が58億円。その伸びが凄いのですが、このままトレンドが続くと例えば伊勢丹の立川店(406億円)の売り上げを上回るのも時間の問題 ?

 その隣の「7月シェア、日本勢は最高の39%」も凄い記事です。つまりアメリカの自動車市場における日本車のシェアは約4割に達したというのです。では他はどうなっているかというと、アメリカの自動車メーカー(GM、フォードなど)のシェアは、48.1%。つまり日米で米市場の87%を占め、残りが欧州勢や韓国勢。モメンタムから見ると、日本車メーカーのシェアがアメリカメーカーのシェアを上回るんでしょうね。

 あと一つ気になったここ数時間の間のニュースは、日本の三大都市圏の人口が日本の人口の半分になったというもの。そう言えば、来年かな、世界の人口の半分が都市に住むようになるという調査機関の発表が最近あったと思った......が、と調べたらありました。

「2007年の世界の人口の状態」と題された国連人口基金のレポートで、人類の歴史始まって以来、2008年は世界人口の半分が都市に住むことになる非常に象徴的な年だと説く。
 でした。レポートはこれでした。日本は一年早く実現。良いことか悪いことかは別にして。


2007年08月02日(木曜日)

 (08:59)あらら、ニューヨークの引けはダウが150ドル高で、Nasdaqはプラス(7.60)ですか。私がテレビ朝日に行く直前、確か引け数分前、日本時間の午前4時55分くらいはダウはまだ57ドル高くらいで、Nasdaqはマイナスだったと思ったのですが。

 ということは、引け際数分間に100ドル分くらい買われたということですが、ウォール・ストリート・ジャーナルを見たら「on a last-minute surge」とある。やっぱりそうだ、ということです。まあでも、「今日は上がったから良い」という問題ではない。要するに、市場はまだ不安定だということです。

 ねる (-_-)zzz前にちょこちょこ見ていたら、小幅高で寄りついて上がったのですが、その後前日引け値をかなり下回るところまで落ちて、その後上がって、しかしまたマイナス圏に下がって、あと上がりかけて上がりきれずにまた下がって、そして最後の上げ。しかも急激な。

 たった数分でダウが100ドルも動くというのは、いかに市場が相場勘を失っているかです。今朝のフィナンシャル・タイムズの一面トップは、「Hopes for quick end to credit woes fade」となっている。まだまだ市場を襲う嵐は収まりそうもない、ということ。しかし、昨日のニューヨークの引け味は良い。

 世界経済が堅調の中で起きている市場の危機は、アメリカの消費にも大きな打撃にはならないと考えられている中で進行している。つまりマネーの内輪の問題で、マネーがおののいているということになる。あとどのくらいのヘッジファンドが問題を公表するか、がポイントなんでしょう。まだ二つ三つはあるでしょうな。

 いつもそうなのですが、市場が一番驚くのは予想外のことが起こったときです。予想されたことと言うのは、それほど相場を大きくは動かさない。今後もそうでしょう。あと「二つ三つは」と市場が覚悟すると、それが出ても市場はそれほど動かなくなる。

 それにしても昨日見ていて思ったのは、ニューヨークの株が下がると円が上昇する。円高になる。credit の収縮か否かという点がいかに重要かという点。まあでも今の市場で一番問題なのは、「too much money」ということです。


2007年08月01日(水曜日)

 (23:59)選挙結果に驚いたのは、日本の自由民主党や民主党だけではなかったようです。今日のファイナンシャル・タイムズには、「U.S warns of security fears after Japan vote」という記事がある。

 これによると、アメリカは特に秋に期限を迎えるテロ対策特別措置法が延長されない可能性が出てきたことを懸念しているという。同法によって海上自衛隊がインド洋(公海)に派遣され、護衛艦(イージス艦)によるレーダー支援や、補給艦による米海軍艦艇などへの給油活動が行われている。この活動がアメリカは軍の地域行動に必要不可欠と見ているようだ。

 私も驚いたのは、アメリカと民主党のつながりは今はほとんどないようで、早急に民主党とのパイプ作りを進める必要性をアメリカ・サイドが認識して、行動を開始しているという。シェファー駐日大使は小沢さんとの面識はないというのも驚きだ。

 民主党はテロ対策特別措置法の延長には反対のようで、小沢さんはそれを明言している。ということは、安倍政権にとっては今月から来月に掛けての党人事の一新と内閣改造が済めば、秋のテロ特措法延長問題が最大の課題になるということだ。アメリカの関心もそこにある。

 民主党にとってもアメリカとの関係をどうするかは、本格的に政権を狙うとしたら大きな問題となる。民主党の党内には今は声を潜めているかもしれないが、たとえば憲法改正にしても、特措法の延長問題でも自民党に近い考え方の人々がいる。

 ところで、今日の朝に書いた赤城農水相の問題は、同相が今日の午前中に安倍総理大臣に呼ばれて官邸を訪れ、その時に「この際、出直されたら....」と言われて辞表を出し、実質的に更迭されました。2ヶ月の任期。この人もそうだし、安倍さんもそうだが、事態認識が遅い。党内に同情の声が聞こえないのは当然でしょう。

 安倍内閣の立ち直りの兆しは今のところ見えない。


2007年08月01日(水曜日)

 (04:59)「それにしても、この人の在任期間は短く、あっという間だったな」という印象でしょうか。赤城徳彦農水相のことです。今月中の党人事・内閣改造では更迭の対象とすると安倍首相が明言。

 就任したのが6月1日。思い出すのは顔の絆創膏と「公表するつもりはない」という発言と、そして北京で日本のお米を食べている姿くらいか。日本の大臣でもっと短い在任期間の人はいたのでしょうか。それとも最短在任期間での離職 ? まあ数番目くらいですかね。

 31日の自民党総務会では「赤城氏は(大臣の)資格がないのではないか。即刻辞任していただきたい」(深谷隆司元通産相)との声も挙がったというから散々だが、まあ安倍敗北の大きな要因であったことは確か。しかし任命したのは安倍総理大臣だ。

 安倍敗因については多くが語られている。お友達内閣だったとか、身体検査不足内閣だとか。しかし私は基本的に安倍さんの「美しい国へ」という本を読んだときから、今の日本が本当に直面している問題にではなく、安倍さんの血筋につながる過去の人(例えば祖父の岸元首相)への思いが強すぎた、自分の祖先は正しいことをしたという思いが強すぎることが安倍さんの問題だと思っていたし、今でもそう思っている。つまり安倍さんの思いは今よりも、むしろ何十年か前にある。それでは民意は掴めない。

 世論調査では、「安倍さんは辞めるべきだ」という人が続投すべきだという人を上回っているという結果が出ている。朝日や読売が世論調査を実施していて、読売の調査でも『安倍首相が続投を表明したことについては、「評価しない」が45%、「評価する」が44%だった』という。朝日だと『「辞めるべきだ」は47%で、「続けてほしい」の40%』を7%ポイント上回っている。

 案外「続投すべき」という声が大きいと思うが、これは参議院選挙に対するそもそも論があるからだろう。本来参議院選挙は定数242のうち三年に一回半分を決め直すものだ。だから、そもそもは政権選択の選挙ではない。

 参議院選挙をやるたびに政権を変えことが常習になったら、衆議院の4年に一回の選挙は間違いなく政権選択選挙だから、日本は2年弱ごとに「政権選択選挙」をする国ということになる。これはあまりにもおかしい。それはその通りだ。アメリカの大統領は4年が任期で、その間よほどのことがない限り辞めない。日本の首相は一時1年ごとに代わっていた。それが制度化されてしまう。

 しかし今回の場合は、安倍さん自身が今回の選挙を「私か、小沢代表か」と政権選択を国民に迫っていた。小沢さんも衆議院の勢力図(自民・与党に圧倒的に有利な)が変わらないことを分かっていながら、「政権交代の最大の、そして最後のチャンス」と風呂敷を広げた。「最後のチャンス」というのは、「あなたにとってでは」と思っていたが、それでも両者とも今回の選挙を「政権選択の選挙」と位置づけたいたことになる。そして結果は明確に出た。

 ある調査機関が仮想的に導き出した「もし今回が衆議院選挙だったら」というシミュレーションは面白かった。「民主党が350は取った」というのだ。まあそうかもしれない。しかし、投票者のかなりの部分は、「今回は3年に一度の参議院の半分を決める選挙だから、安倍さんや自民党に対するお仕置き」と考えて投票した可能性がある。つまり、根っから民主党に入れたのではない可能性だ。だから民主党は勝った勝ったとは言っていられないと思う。

 それにしても、「人材不足だな.....」と。安倍さんの続投は、「党内に有力な後継候補が居ないから」と。民主党もいつ見ても、例の3人。もっと若い人はいないのか、と思うが、民主党は不思議な党で若い人が出てくると潰される。

 小沢代表は選挙を戦って本当に疲れたのでしょう。しかし、「敵失」の要因が大きいとはいえ大勝利なのだから、選挙が終わって大勢が判明した段階では「これからどうする」と国民の前で言うべきだった。まだ彼は国民に向かって何も喋っていない。「政権交代の最大の、そして最後のチャンス」と言った割には、この戦いに関するコメントもない。

 本当に医者に止められていたのかどうか知らないが、民主党も実はコミュニケーション不足だ。いつ国民が小沢民主党にそっぽを向いてもおかしくない状況はある。小沢さんが今回広げた風呂敷は、彼が例えば10年前に広げていた風呂敷と比べると、相当模様が違う。そのところがまだ説明できていない。

 まあ正直、自民、民主を合わせても「誰かいないのか、日本の政界には」というのが今回の選挙の印象ですが、まあ暫く混迷状態が続くのでしょう。次の参議院選挙は3年後。それまでは今の参議院の勢力図は変わらない。



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