2006年01月31日(火曜日)

 (14:45)いい統計が並んだものですね。かねて私が予想したとおり、有効求人倍率は13年ぶりに1倍を回復。まあ名古屋当たりでは1.8ですから低いと言えばまだ低いのですが、職を求める人一人に一つの仕事があるというのは、ミスマッチの問題があるとしても、働く側にとっては重要です。有効求人倍率が1倍台に乗せるのは、実に1992年9月以来13年3カ月ぶりだそうだ。

 これに関連して、12月の完全失業率は4.4%で、前月比0.2ポイント低下した。前月に比べ0.2ポイントの低下。完全失業率の男女別が面白い。男性が前月比0.1ポイント低下の4.5%に対して、女性が0.3ポイント低下の4.3%だった。逆のような気がしたが、そうではない。

 職場増えて人手不足になれば、「この先も働き続けられる」と思う人が増える。人は現在の所得よりも将来への自信で消費するから、消費は増える。そういう統計が今日も出ている。総務省が31日発表した12月の勤労者(サラリーマン)世帯の家計調査で、それによると一世帯当たりの消費支出は37万9769円となり、物価変動の影響を除いた実質で前年同月比3.2%増加した。前年同月を上回るのはこれで3カ月連続。また実際に支払った金額を示す名目では2.8%増加した。

 内訳は、消費を最も押し上げたのは住居で実質15.5%増加だった。ちょっと残念なのは、税金や社会保険料の支払いなど非消費支出を実収入から差し引いた可処分所得が実質で1.2%減少したこと。

 いずれにせよ、日本の景気は個人の懐、将来への自信のところでも徐々に強くなってきている。


2006年01月30日(月曜日)

 (23:45)先週月曜日に引き続き、日下さんと数時間に渡る対談。もういいでしょう、という感じ。でも面白かったな。本になるそうなので、どう編集がまとまってくるのか楽しみ。

 月曜日の記事では、ウォール・ストリート・ジャーナルのこの記事が面白かったな。インドと中国は新興経済大国・人口大国としてしばしば同列に扱われるが、インドが強調したい相違点は「インドは民主主義国だ」ということ。私もそうだと思う。胡錦濤を誰が選んだか、誰も説明できない。対して、インドのシン首相がなぜ首相をしているのかは、誰でも説明できる。

DAVOS, Switzerland -- With a huge public-relations offensive at this year's World Economic Forum here, India aimed to persuade global executives that the country's freewheeling democracy, often viewed as a minus for investors, is actually a plus.

"Fastest-growing democracy," read the slogan on buses plying the snow-padded streets. The unwritten subtext, acknowledged privately by Indian businessmen in Davos: China, which has been growing faster than India, isn't a democracy, and that's a problem.

India has fallen behind China in terms of both foreign investment and growth rates, and one big reason is that the one-party government in Beijing has been able to drive through painful restructuring measures without having to worry about re-election. But that's the short-term view, according to team India. In the longer term, they say, India's messy pluralist system will prove a strength.

"In economic terms, India has already paid the sunk fixed costs of democracy," said B.G. Srinivas, senior vice president and head of Europe, the Middle East and Africa for Infosys Technologies Ltd., the Indian software-outsourcing company. As a result, he said, India has civil infrastructure such as a more effective legal system to protect contracts, and democratic institutions from the central government to rural villages.

 インドは、海外からの投資が欲しいんですよ。今の世界の新興国投資資金は、かなりの部分が中国に向かっている。それを「民主主義」を旗印にしてインドに向かわせたい、というのがダボスの街を走っているバスでの「Fastest-growing democracy」というスローガンに乗せられている。

 2004年の総選挙で勝利確実と言われたバジパイが破れたり、という予想外のことがインドでは起きる。それを(投資に関わる)リスクと考える人もいるでしょう。しかし、その後のシン政権の政策を見れば、政権交代がインドにとって何らリスクではなかったことは明確。まあ、主張は当たっているように見える。


2006年01月29日(日曜日)

 (23:45)伊勢丹の隣のピカデリーでフライトプランを見た後、ビッグカメラに久しぶりに行ったら、いろいろ新しい機能を持ったマシンが出ていて面白かったな。ケイタイやPCなど。

 ケイタイではウィルコムのWX310J指紋センサー付きで、フルブラウザだったし、オフィス系ソフトのビューアー機能も充実していて、なかなか良い印象。赤と白がある。SO902Iが出るというのも、初めて店頭で知りました。102グラムか。ちょっと魅力ですね。店員と話していたら、今は902はシャープ(SH)が人気だそうだ。

 私の携帯電話に対する希望はちょっと欲張りです。重さが出来れば100グラム以下、カメラはいらず、フェリカ機能(よってスイカ機能付き)で、かつセキュリティー機能のしっかりしたマシン。出来ればmova というもの重要な条件。だからないんですよ、そういうのが。うーん、SHの視界切り替え機能も面白いな。

 今使っているのは、mova でpremini で最初のやつ。この前なくして同じものを買ったら、それが出てきて今2台持っている。しかし、フェリカ機能が付いていない。本当はスイカ機能をケイタイに入れたいのです。あそうそう、地上デジタルの機能も付いていれば.....なんて考えていると、なくなってしまう。より多くの希望がかなう機種を探しているのですが。

 PCも見たら、面白い機能が一杯増えている。VAIOはほぼ全機種フェリカポートが付いて、エディーやフェリカをかざせば買い物が出来る仕組みになっている。つまり、コンビニのレジに置いてある支払い用のセンサーがPCの中に潜り込んでいる。地上デジタルのチューナーを入れれば、地上デジタルテレビがかなり綺麗に見られるそうで、それも魅力的だなと。

 もっとも、マイクロソフトは今月新しいウィンドウズのバージョン(XPの次)を出すと見られている。かつてほどではないが、そうすると新バージョンOS搭載のPCが出てくるから、それを待つのも良い。なにせ、まだ一台のマシンでは「98」を使っている人間ですから、物持ちが良いので。

 それにしても、マシンの機能は本当に前進すると思う。指紋センサー付きの携帯が出てきていると言うことは、今以上にセキュリティーがしっかりしたPCも出てくると言うことでしょう。もっともなくす可能性の大小から考えると、ケイタイのセキュリティー機能を高めるのが個人としても重要だと思いますが。

 私も人のことを笑えないのですが、ごく最近今自分が持っているケイタイにも「リモートダイヤルロック」(ドコモは”遠隔”と呼んでいる)があるのを発見した。実際に使うかどうかは別にして、セキュリティー機能は高まっている。そう言えば、最近身の回りでケイタイでは絶対ワードやエクセルを開けないと思っている人々がいることを発見してびっくりした。

 「ロンドンでも、日本からの携帯メールに添付されていたワードを開いて読んだ」と言ったら、「知りません....それ」とあるラジオ番組のスタッフ達。もうほんまにしっかりしてよ。今はもう普通なのに。ウィルコムの新しいマシンや各社の902型は、もう一歩進んで簡単に持ち歩くPCと言っても過言ではない。フルブラウザだし。残った課題はファイルの作成のところですかね。

 私にとってのケイタイの課題は、FTP関係かな。テキストファイルがいじれて、FTP出来れば私は出張にはPCを持って歩かなくて済む。そうなって欲しいのですが。あそうそう、フライトプランはジョディー・フォスターの演技はじっくり見られますが、映画としてはがっかり。


2006年01月28日(土曜日)

 (20:45)いつも通りGyaoの番組の収録があったのですが、今回は二つの選挙を取り上げました。カナダとパレスチナ。番組をやっていてより興味を持ったのはパレスチナのそれかな。日本から遠いところの選挙ですが、番組進めていながら登場人物の今後の態度の取り方などを含めて凄く興味を持ちました。

 何が興味深いかと言って、勝ったハマスが一番驚いている様子がゲストの池田・東洋英和女学院大学教授(学部長)の話などで明確になったこと。アッバス議長(一種の大統領)が政党を超えた存在としてあって、その下で内閣を構成する政党を決める選挙だった。今まではずっとファタハがパレスチナの政策を形作ってきた。しかしアラファトのころからファタハの腐敗などで徐々に人心は離反。

 一方のハマスはテロ組織として悪名高いが、実は2004年の夏からテロ活動は停止していて、その一方で住民の生活に役立つことを地道に行っている。池田先生が面白いことを言っていた。ファタハが現イスラエルの地域から引き上げてきたパレスチナ人の集合体だとすれば、ハマスは土着の連中だから、と。そこで想起したのは台湾ですが、問題はハマスには今まで上げてしまった旗がいろいろあること。「イスラエルを破壊する」「その存在を容認しない」などなど。

 アメリカはその旗故に、「ハマスとは交渉しない」と言っている。ブッシュ大統領は日本時間の先週金曜日の午前0時15分から開いた記者会見でそう言っていた。彼が付け加えていたのは、「選挙で新しい指導政党が決まったことは良いことだが.....」と。ここにアメリカの矛盾がある。絶賛する民主主義、それに基づく選挙が行われても、自分たちが支援する勢力が勝つとは限らないこと。それは南米でも起こっている。

 今見たらインターナショナル・ヘラルド・トリビューンに「Hamas victory worsens a financial crisis」という記事があるが、まさにこれを池田先生も指摘していた。それは、まだファタハだから入ってきていたパレスチナ支援のお金が、テロ活動を少なくとも表面的には撤回していないハマスだと、アメリカ初め世界各国は今後行わなくなる。そうすると産業がなく、各国の支援で生きてきたパレスチナという国家が財政面から存続の危機に立ち至るという現実。

 「しかし、(ハマスは)旗は降ろせない」と池田先生。ではどうするか。一つはハマスから首相を出すのではなく、ファタハでもない人(選挙ではその他とか諸派に分類された人)を首相に担ぐ。その人でパレスチナへの各方面からの財政支援を得ながら、実質的にはハマスがパレスチナの政治を司っていく。その一方で、旗は降ろさずに実際にはイスラエルに対するテロ活動は行わない旨の一種の停戦状態を続ける、と。

 反対勢力はその対象になる主勢力がいるからレーゾンデートルを認められる面がある。自分たちが急に主勢力になったらとまどう。同じようなことは日本の旧日本社会党にあった。この政党は一度首相を出したが、結局その後自ら作り出そうとしたレーゾンデートルの希薄化の中で、結局民主党に解党してしまった。

 だから私は番組の最後に言ったのです。「今回の選挙結果は、実はハマスにとって試練ではないのか」と。パレスチナはまだ組閣も終わっていない。ハマスも誰を担げばよいのか、今まで高く上げていた旗はどうするのかを考え終えていない。そうしたなかで、周辺のサウジ含めて各国ともハマスへの支援をどうするか思案中という状況。

 一方のイスラエルの選挙は3月28日にある。シャロンさんは引き続き入院中。シャロン抜きでカディマが勝てるか、という問題もある。中東の先行きは今後数ヶ月先の見えない状態が続く。アメリカにとっても暗中模索。面白い番組になりましたので、ご興味のある方はぞうど。

 Gyaoは収録でしたが、その後のテレビ東京の番組はナマでした。伊藤達也前金融庁長官がいらっして、今回の騒動で地検特捜が前に出ざるを得なかった事情を語っていました。まあ、前の長官ですから昔の部下の為に金融庁は、その下の監視委員会は良くやっていると言う。やっていたことは私も知っている。しかし、私は市場の自浄作用の観点からも証券取引等監視委員会などがもっと前面に出る方が良いという意見で、相当言い合った。まあ、この問題では自民党の中も割れている。

 しかし番組で一番面白かったのは、最後の最後に佐々木さんが「日本経済はライブドアショックを乗り越えられるか」という質問をスタジオの54人にしたとき、全員が「出来る」と答えたことかな。まるで申し合わせたように。むろん申し合わせてなんかいませんよ。

 私はそれを見て、日本経済の中で実際に企業を運営している人、投資を行っている人のの日本経済勘は健全だと思いました。新産業が台頭してくるときには、不正さえいとわない会社も出てくる。しかし、だからといってその新しい産業がぽしゃることはない。日本経済もそういう軌跡を辿ると思う。

 なお、ハマス勝利で苦況に立ち至ったパレスチナに関するヘラトリの記事はここにあります。お読みになりたい方はどうぞ。Gyaoの番組も見て下さい。


2006年01月27日(金曜日)

 (23:45)あらら、世界的な株高になりましたね。私がさっと確認できる限りでは、金曜日の市場で下げたのはスリランカ、ブラジル、メキシコなど極一部の市場だけ。あとは、東京市場の日経平均で見た3.58%高(569円高)を筆頭に、韓国の2.5%高、インドの1.91%高など上昇が続く。

 この世界的株高の中で非常に面白かったのは、特に日本では株高と円安が in tandem に動いたこと。これは去年の後半の動きと一緒。円はニューヨーク市場で117円台に下落している。もう一つは、アメリカではGDP統計(昨年の最終四半期分)が伸び率1.1%(年率)と市場の予想(2.8%アップ)を大幅に下回ったにもかかわらず、ダウは上げ、ドルは対円ばかりでなく対ユーロなどでも上昇していること。

 ニューヨークの株式市場分析記事を読むと、「低いGDP伸び率統計よりも、企業業績の方に市場の関心が行った」と書いてある。企業業績とは、マイクロソフトやP&Gのそれを指す。まあでもこの2週間ほどの世界市場の動きを見ると、東京の影響力が大きいことが特徴として残る。ホリエモン騒動勃発後の世界の市場は、世界で最初に始まるメジャー市場としての東京に注目を続けている、と言える。

 それにして、27日に東京市場の力強さは目を見張るものがある。一日の上げ幅569円というのも凄いが、一日の売買単価の高さも凄まじい。低位株狙いから、市場は完全にクラシック・レースになった。単価5000円以上のソニーの株を720円も押し上げる力は凄まじいと言える。

 夜はJPモルガンに転社(仕事は同じなので転職ではない)したK君としばらく「なぜ」と話していたが、「今の市場の上昇の原動力は個人」ということで意見が一致した。個人は株を買うと同時に、外貨も買っている。それが株高・円安になる。問題はその持続性です。

 遅れてきた後の2人を交えて夜11時過ぎまでいろいろな話をしましたが、面白かった。まあ転社したK君には、今まで変わらず頑張って欲しい。


2006年01月26日(木曜日)

 (18:45)ウォール・ストリート・ジャーナルを覗いたらブッシュ大統領と同紙の長時間インタビューと称する記事があって、中間選挙で特に中西部の諸州では論点になりそうなGM、フォード(経営難と救済)問題に関する文章があった。ブッシュ大統領は以下のように述べている。

WASHINGTON -- President Bush said General Motors Corp. and Ford Motor Co. should develop "a product that's relevant" rather than look to Washington for help with their heavy pension obligations, and hinted he would take a dim view of a government bailout of the struggling auto makers.

In an Oval Office interview, Mr. Bush said that his administration has discussed the development of new fuel technologies with the nation's top two auto makers, which might make them more competitive, but that he has had no talks about the companies' finances.

Asked if he had spoken to GM Chairman and Chief Executive Rick Wagoner or Ford Chairman and CEO William Clay Ford Jr., Mr. Bush replied: "Not about their balance sheets." He added: "And I haven't been asked by any automobile manufacturer about a bailout."

 当然でしょう。「relevant」というのは、「今日的な意義のある」という意味です。つまり、ハイブリッドにしろ燃料電池にしろ、GMやフォードに日本車メーカーと同じように「今日的な意義のある車を作れ」と言っているのです。「ワシントンに顔を向けるようなことをするな」、と。

 クライスラーはその昔、アイアコッカが社長のころワシントンを向いて助けてもらった。ブッシュ政権はその可能性も一応考えたのでしょう。しかし、「市場に任せる」と。正しい判断だと思う。


2006年01月25日(水曜日)

 (18:45)城島がマリナーズに正式入団。興味があるな、彼がどのくらいの活躍をしてくれるのか。日本人初ですからね。日本人大リーガーはピッチャーも、内外野手もいる。いなかったのはキャッチャーだけ。彼はそこに挑む。

 ピッチャーと捕手の間で一番大事なのは、信頼感ではないでしょうか。この捕手は俺のことを分かってくれている、という信頼感、安心感がピッチャーに良い投球をさせるのだと思う。城島にそれが出来るのかどうか。

 案外出来るのかなと思うのは、城島が割合と物事をはっきり言うタイプだと言うことです。これまでの彼のままでやった方が良いと思う。あとは打力かな。打てないとやはりピッチャーの信頼が落ちる。

 一つ心配なのは、マリナーズというチームです。昨年のシーズンオフにおけるイチローの一連の発言は非常に大きな注目を浴びた。やる気のない連中の話である。先週週末にテレビを見ていたら、佐々木とイチローがTBSで対談していて、これがなかなか面白かった。

 へえ、イチローはこんなことを考えているのか、と。佐々木の発言には意外性がなかったが、イチローはチームでの(自分の)役割もかなり考えている人間だと思う。逆に、マリナーズはイチローにそういうことを考えさせる問題の多いチームだということです。2年連続して最下位かな。

 でも、松井も今年は勝負だが、むろん城島にとっても大きな勝負の年になる。二人には頑張って欲しい。


2006年01月25日(水曜日)

 (08:45)去年から今年にかけてを想起してみると、あちこちで急落が起きている。去年はドルが121円台から113円台に、東京の株価もライブドア騒ぎを”きっかけ”に下げ、ニューヨークの株価も先週末に急落。しかし、急落したあとの市場を見ると、何か以前より健全化したような。

 今の世界の市場はどう見ても「流動性過多」です。中国の貯蓄率は35%にも達すると(社会保障がないためと思われる)言われ、それが同国の巨大な対外収支黒字・外貨準備(香港と合わせると世界一)を生む一因になっているし、産油国には使い切れないほどの投資可能資金が集まっている。日本の貯蓄に回った資金は、明らかに動き始めている。加えて、短期と同じように長期の金利も低い。

 資金は集まり、そして散る。集まるところで相場は上がり、それが一段落すると急落するという展開。今年はそれがあちこちの市場で繰り返すと思う。流動性の高い状況が続くからだ。その中でも、下げはきつくなる。下げの方が恐怖が主導する市場になるからだ。上げには理が伴うが、下げには恐怖が伴う。昨年からの市場を見ていると、下げのペースが方がはるかに早い。相場の上げ流れの最後に参加する人にとっては厳しい状況が続く。

 どうすれば良いかは明確だ。騒がれ始めた市場には、目もくれないことだ。相場をやる人はへそ曲がりでなければダメだとも思う。皆が売っているときには買い、買っているときには売る判断力が必要だと思う。

 ところで話は全く変わるのですが、今週いつだったかワレリー・ゲルギエフが指揮するマリンスキー歌劇場管弦楽団を聞いたのです。サントリーホールで。で、前半がモーツァルト。確か戴冠式だった。がらっと変わって、後半はマーラーの交響曲第5番。葬送行進曲で始まる重い曲なんです。

 で、私の隣に居た人々は、すっごく音楽に詳しそうな会話をしていた。マーラーは好きだとかなんだかんだ。モーツァルト演奏の間は彼等は機嫌良く聞いていたんですな。ピアノは清水和音(かずね)で、なかなか良かったですよ。異変が起きたのは、マーラーの最後の楽章に入ったときです。

 「ゴキッ」と隣で音がした。一人が眠さをこらえきれずに、頭を席の背もたれにぶつけたのでした。女性で髪の毛があるのにかなり大きな音で「ゴキッ」ですからね。その隣の連れ合いの驚愕した顔がまだ忘れられない。あれほど音楽につき、マーラーにつき偉そうにしゃべっていたのに。

 ははは、私はマーラーで寝ることができるのは、なかなか偉いと思いました。だって、何かこう心をかき立てる、不安にさせる曲じゃないですか。その日もそうだった。それにくらべればモーツァルトは聞いていて気持ちが良い。マーラーは疲れる。

 その人はマーラーに加えて、日中きっと疲れていたんです。しかし、聞いていて気分が良いのか悪いのかは別にして、いや凄い演奏で、終わったら一部の人がスタンディング・オベーション。日本でスタンディング・オベーションは凄いですよ。めったにない。

 音楽好き、マーラー好きにもかかわらず、最も盛り上がった最終楽章で気を失って頭を後ろにぶつけ、さらに「ゴキッ」。あとであの二人はえらい喧嘩になったのでは、と心配しました。ははは。


2006年01月24日(火曜日)

 (08:45)いろいろ見ていて良く分かったことがあります。それは、NHKがニュース番組で一番同じ原稿、同じVTRを何回も使っていて、30分見ればNHKが持っている材料がすべて分かるし、一晩たっても持ち種が変わらないケースが多い、ということです。その点、良い悪いの問題は別にし、民放はゲストを呼んできたりVTRを変えてみたり何とか見せる努力をしている。

 例えば昨日10時台のNHKニュースで使われたVTRは、ほぼ今朝も全く同じナレーションで使われていた。見ていて、「またこれかよ」と。登場した記者の説明文まで同じだったような。

 地震報道でも顕著だなと思っていた繰り返し手法がNHKではやや過ぎる。7時56分からやったニュースを基本的には8時45分までずっと繰り返していた。あれだったら、たまにしか見れない「ふしぎ大自然」の方が見たかったと思う。

 NHKはこの3月からニュース番組を9時台に移すそうですが、繰り返し手法をどこかでなるべく少なくする努力をしなければ、視聴者は離れてしまう可能性が高いと思う。誰がキャスターをやっているということではなく、ニュースの扱いそのものが見ている人間に飽きを抱かせる。

 ところで、昨日は午前11時から夕方5時近くまで日下公人さんとずっと対談・対論。出版社の企画によるもので、来週の月曜日も同じようなセッションを行い、出版社のまとめによる形で本になるそうです。

 昼飯も取りましたが、その間もお互いに喋っているので、凄く喋っているのですが、何故かあまり疲れない。終わった後は爽快感さえありました。自分が喋っていて「面白い」と思っていることはいくら喋っていても疲れないことが分かりました。来週も楽しみ。


2006年01月23日(月曜日)

 (23:45)午後11時過ぎに報じられた伊藤鉄男次席検事の発言は、「証券取引の公正を害する重大な法律違反があることが証拠上明らかになった。ライブドアグループの存立の中心のところで違反をしている。全容解明に全力を尽くす」というもの。検察全体の起訴への強い意志が感じられる。任意の事情聴取、地検に移っての聴取に続き逮捕ときたこと、起訴、立件の前哨戦ということだ。

 恐らく検察は、これまでの日本の株式市場で目立った一つの流れ、ホリエモン的な流れが、日本の社会の規律や倫理感を大きく歪めること、その歪みがあとになって矯正できないほど大きくなること、そうしたマネー・メーキング・システムが悪しき組織と結びつくことを警戒したのでしょう。ライブドア関係者が主張するような意図的な捜査方針(それを彼等が言うように国策捜査と呼ぶかどうかは別にして)は確かに感じられる。しかし、今回の捜査とライブドアの悪しき評判の慣行のどちらが日本の社会にとって望ましいかは改めて言うまでもない。

 小菅に入ったのはライブドアのトップ4人。その4人が会社を舵取りしていたと伝えられるから、その4人がまずは20日間強、場合によっては40日間強も出てこれないと言うことは、実質上ライブドアという会社は開店休業という事態になる。一方で東証はライブドアを監理ポストに入れた。これは、「上場廃止の最終判断を下す」ためですから、客観的に見てライブドア・グループという会社集団の存続は極めて難しくなったと言えよう。明日の株式市場がそれを、「予想通り」と受け取るのか、波紋は続くと考えるのか。

 それにしても、二つのテレビ局が東京地検から小菅への車両移動をヘリコプターで追い続けたのには驚きました。そこまで行う必要があるのかどうか。自らが持ち上げすぎたアイドルの末路を楽しんでいるかのように見える。あまり美しい姿ではなかった。

 株式市場のはしゃぎはいつの時代でもある。新しい産業が台頭すれば、それに飛びつこうとする。19世紀から20世紀に移る頃のアメリカでは、自動車と鉄道がそういう役割を果たした。もっとも、自動車や鉄道は虚業にはなりにくい。

 ライブドアが日本経済に占める実業的存在感は、実はないに等しい。しかし、時価総額的には結構な大きさになった。それは脚気反応的に「分割→株価上昇」の想定が市場に働いていたからであり、それをライブドアがうまく利用できたからだ。それにしても、外国特派員協会でホリエモンが言った「悪い人」とは一体誰だったのか。

 エンロンの時もアメリカの株式市場は当初ガタガタした。しかし、ライブドアの実態経済における存在感ははるかに小さい。よって、ライブドアショックの日本の株式市場に与える影響は、それほど大きくないと考える。もっとも、昨年後半の急騰をどう考えるかという課題は残っているが.....。

 逮捕された人間の一挙手一投足は今後伝わらなくなる。必要なのは、虚構の風船が膨らむ前に、月曜日の日経の社説ではないがそれをどうしたら防げるかを考えることでしょう。


2006年01月21日(土曜日)

 (23:13)金曜日の午後から久しぶりに四国・今治に行っている間に、関東は大雪。飛行機も出発は時間通りでしたが、羽田着は上空旋回がしばらく続いて20分ほどの遅れ。加えて赤坂で収録があったので京急線に乗ったのですが、この京急線が遅れ気味。羽田はその後大変だったそうで、朝のフライトはまだ良かったのかなと思っています。

 「雪に弱い羽田」という印象。「取引急増に対応できない東証」と何かつながりがあるような。「万が一に対応できる能力」が不足している、という点については似た状況。どこまで対応出来るようにするのかは、難しい問題ですが、重要なのは需要が劇的に伸びていると言う同じ状況です。航空旅客は増えているし、取引量も増えている。羽田の場合は乗降客の数の処理は進んでいるが、年に一度二度あるかですが、自然現象としての雪にどう対処するのか。

 東証の場合は、気象よりははるかに予想できる事態でした。一部の情報によれば、東証のコンピューター・システムは、約10年前のもので、耐用期限は2004年の後半だったという。つまり、一番東京証券取引所を巡る取引環境の大きな変化(ネットでの株取引の急増)の時期に、東証は耐用期限の来たコンピューター・システムを使っていたことになる。

 これは怠慢でしょう。まあでも怠慢と言えば木曜日のこの番組でも言ったのですが、証券取引等監視委員会(今は捜査に協力しているが、この機関の問題の一つは権限不足)とかその上部の金融庁のそれも指摘されるべきでしょう。地検特捜部が乗り出す前に、これらの機関が出来ることは多かったはずだ。


2006年01月20日(金曜日)

 (13:13)手元に来たFTを見て、「まあそうだろうな」と。またライブドア、東証関係が一面トップ。過去4日で3日そうだ。有名になったというか、悪名高くなったというか。東証の話しである。体質改善と猛省を東証には促したい。

 ところで、今週やっとALWAYS三丁目の夕日を見ました。うーん、久しぶりに良い日本映画だと思いました。そこにある時代性、その中で一生懸命生きる人々、今よりはるかに強い登場人物の感情の起伏、ガキどもの姿。

 漫画が原作のようで、話しは単純だし、モザイクのように話題を折り重ねているきらいはある。しかし、そのみえみえさも許せる気がする。見る人を笑いと涙に巻き込むことに成功している。いいんじゃないでしょうか。もっともっと良い日本映画が登場するのを期待したい。


2006年01月19日(木曜日)

 (23:13)東証のコンピューターシステムが抱える根本的な問題は、世界の主要取引所が分散処理システムを取ることによって取引量が増えた場合でもシステムに対する負荷が大きくならないようにしているのに、東証か相も変わらずセンターコンピューターにデータを集中させ、それに諸々のコンピューターがぶら下がっているという中央制御システムを使っているからだ、という認識が強まっている。私もそう聞いているので、もしそうだとしたら世界のコンピューター・システムの進化に東証は全くついていっていないことになる。

 誰がそういうシステムをつぎはぎで作ったのかは、歴代の東証のシステム担当者の責任なんでしょうが、今後の「システム増強」を東証がするにしても今までの時代遅れのシステムに増築をしていく形なら、問題はちっとも改善しないと思う。問題なのは、東証がコンピューター・ネットワーク社会が持つ取引環境の劇的な飛躍を想定せず、過去のコンピューターがまだ主役になっていない時代のデータから出来高増加予想を控えめに立てたことだろう。コンピューター社会は、いろいろな状況・環境を劇的に変える、という認識が必要である。

 19日の東証の出来高は成約件数ベースで400万件。18日に「これ以上増えたらシステムが持たないので」と言って20分の早期閉場を行ったときに挙げた数字と同じ。つまり19日も市場の予定時間以前の閉鎖の可能性が十分にあったということだ。要するに毎日冷や冷やの取引を暫く東証は続けることになる。

 今週の世界の株式市場の動きを見ると、今週の週前半に東証が下げている間は世界的な全面株安だった。今日は東証が反発に転じたことで、例えばアジアの株式市場はフィリピン市場以外は上げで終わった。今のところ、ヨーロッパ市場も高い。東京は世界的な流動性相場の源泉の一つ。世界第二位の取引規模を誇る東京市場の影響力は、依然として大きい。それを東証は繰り返し想起すべきだろう。
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 今日のラジオ番組の収録の中で気が付いた興味深いニュースとしては以下の二つがあるので、備忘しておきます。

◎米財務省、ハイブリッド車購入に優遇税制

 米財務省は13日、ガソリンと電気を併用するハイブリッド車の購入者を対象に、最大3400ドル(約39万円)の税額控除を認めると発表した。昨年8月に成立した包括エネルギー法に盛り込んだ優遇税制を実行に移すもので、ガソリン消費量の節約などを政策面で後押しする。

 同省は優遇税制の申請手続きなどを公開。1日以降の購入者に税額控除の適用を開始する。ハイブリッド車の購入証明書をもとに、金額などに応じて控除額を決める。  エネルギー自給率の向上を目指す包括エネルギー法は燃料電池車や代替燃料車などの税額控除も盛り込んでいる。財務省は近く申請手続きなどを公開し、優遇税制の適用を始めるとしている。

◎公害対策「日本を手本に」 中国共産党の機関紙

 中国共産党の幹部養成機関、中央党校の機関紙、学習時報は16日付で、日本が戦後行ってきた公害対策を紹介し「経済成長の過程で直面した環境問題を解決してきた日本の経験を手本にするべきだ」とする記事を掲載した。

 中国では、急速な経済発展に伴い環境破壊も深刻化。最近も工場廃水の垂れ流しなどによる河川や農地の汚染が相次いで発生しており、日本の経験を参考に環境対策に力を入れる必要性を強調したものとみられる。

 同紙は、日本で1960−70年代の経済高度成長期に大気や水質の汚染が深刻化して公害病が頻発したと指摘。

 二つは異なった意味合いがあるが、アメリカと中国は二酸化炭素の排出などでは今の世界では同罪の国。財務省のハイブリッド車の税制上優遇は興味深い措置だ。なぜなら、今の世界でハイブリッド車を作れるのは、日本のメーカー中心。ある意味では、GMやフォードなどの米車メーカーに対する警告のようにも見える。だからおそらく日本車のシェアーが上がっても、アメリカ政府は日本車を排斥するようなことはしないでしょう。

 中国の「日本に学べ」号令が、共産党の機関紙から出ていることは興味深い。共産党も中国の欠点、日本の長所は分かっているということだし、それだけ中国の公害が深刻な状況になってきたということでしょう。


2006年01月18日(水曜日)

 (12:13)読売新聞(以下の記事)や時事通信が報じている粉飾決算疑惑がもし本当だったとして、ライブドアが上場廃止になるのかならないのか、これは分かりません。日本の証券行政は、時に会社を素早くパニッシュすべき時にそれが遅れたり(カネボウ)、会社ではなく経営者をパニッシュすべき時に上場廃止にして会社をパニッシュしたり(西武)。

 ライブドアが仮に、プロ野球参入時に伝えられたような粉飾をしたとして、それが個人の犯罪なのか、それとも法人の犯罪なのかは多いに議論のあるところだ。カネボウの場合は法人ぐるみの色彩が極めて強かった。

 ライブドアが上場廃止になれば、その影響は大きい。その影響の大きさに不安感をもって18日の午前の東京株式市場では株価が大きく売られている。まあもともと割高感が強かったし、市場はどちらかと言えば恍惚気味だったので、今回の一連の出来事はそれを覚ます役割を担っている面もある。今日の日経金融新聞が最終面で報じている通りだ。

 もっとも、17日一日だけでライブドアの時価総額だけで1000億円失われたそうだから、市場全体では相当大きな金額が失われたことになる。

 それにしても、今朝の新聞ではライブドア宮内取締役の「堀江は本件の買収は分かっていない」と言う言葉が引っかかりますね。ライブドアの買収劇がほんとど宮内取締役が行っていた、ホリエモンの影は薄かったというのは以前から言われていた。しかし、取締役会には出ていたわけで、恐らく全容は知っていたはずだ。守っているのか、本当にそうなのか。

 昨日から今日の午前までの900円近い日経平均の下げ、それにマザーズの大幅な下げで付和雷同的な買いはかなり振り落とされたとも予想できる。まあ山高ければの良い例ですが、一回悲観に振れた後ですな、ファンダメンタルズが出てくるのは。

 インターネット関連企業「ライブドア」(東京都港区)が2004年9月期決算で、実質的に傘下にある複数の会社の利益を自社の利益に付け替え、経常赤字だったライブドア単独の決算を約14億円の経常黒字に粉飾していたことが、関係者の話で分かった。

 ライブドア本体の不正経理が明らかになったのは初めてで、東京地検特捜部も同様の事実を把握しているとみられる。特捜部は17日、関連会社の証券取引法違反容疑で、ライブドアの会計監査を担当していた港陽監査法人(横浜市)も捜索、本体の粉飾の実態も調べている。

 特捜部は今後、堀江貴文・ライブドア社長(33)、グループの財務責任者を務めている宮内亮治・同社取締役(38)、関連会社「バリュークリックジャパン」(現ライブドアマーケティング)の岡本文人社長(38)の3人から事情を聞き、同グループを舞台にした不透明な経理操作や株取引の全容解明を進める方針だ。


2006年01月17日(火曜日)

 (08:13)普段は事件報道は弱い日本経済新聞ですが、今日は材料が揃っていて圧倒的に他紙を凌駕している。いつ用意したのか、3面には「不正取引は明らか」というIT関連企業の元幹部の話も載っている。

 興味深いのは日経に「東京地検特捜部が専従班の内偵捜査を本格化させたのは昨年秋」と書いていることだ。同紙はかなり以前から特捜部の捜査を知っていた可能性が高いと思うが、この報道ではっきりしてくるのは地検特捜部ががかなり前から狙いを付けて捜査してきたということだ。ライブドアのビジネス手法が、胡散臭い、検察の社会倫理から許せない、社会を間違った方向に向かわせるものとの思いがあったことが推測できる。誰から事情聴取したかというと、「関連会社の元幹部」。

 日経のインタビューで登場する元幹部と地検が話を聞いた元幹部が同一人物かどうか知りませんが(その可能性はかなり高い)、この元幹部はライブドアのやり方に日経紙上で不満を述べているから、そうした”元幹部”を生み出しながら、つまりライブドアは結果的に恨みを買いながら商売を進めたと言うことでしょう。そして、彼等が検察の事情聴取に応じた。

 捜査は11時間近く行われたそうで、その間に「幹部間の電子メールの一部や財務関係の資料」も地検は入手した模様。新聞に載っている捜査理由は「風説の流布」「偽計取引」ですが、それらは報道されている通りとして、この元幹部が日経紙上で明らかにしているライブドアのやり口というのはかなりあくどく、これでは恨みをかっても仕方がないと理解できる。その方法とは日経報道などを総合すると

  1. ライブドアは結果的に買収することになった企業に対して、現金の引き渡しではなく株式交換での買収契約を締結させる。「株価上昇が期待でき、現金よりも有利」と言う理屈

  2. しかし実際に買収が成功すると、被買収会社の元株主(ほとんどは幹部)には、「株価下落のリスクが負えない」と言って突如現金決済が通告され、数億円が支払われる

  3. ライブドアはその後手元に残った株なども対象に株式分割を行い、その結果株価が急騰したら、投資組合を通じてそれを売却。それによって儲けるという仕組み
 日経のインタビューに応じた元幹部は、「信用して買収を受けることを決めたのに、最初から新株売却が目的だったのかと、だまされたような思いだ」と述べて、「不正な取引であることは明らかだ」と述べている。特捜部はこうした発言を含めて、様々な証言を既に得て、それに加えて押収した電子データ(幹部間のメールや電子書類)を背景に捜査を進めると思われる。

 特捜は何を考えているのか。恐らくそれは、「法律に抵触しなければ何をしても良い」というホリエモン哲学の日本社会への波及をパニッシュする必要性を感じていたと言うことでしょう。今朝の日経の一面のコラムに前田さんが、「抜け穴探しに警鐘」という文章を書いておられるが、この中には地検の捜査先が多岐に渡った(事務所だけではなく、ホリエモンの自宅なども)ことを取り上げて、「ライブドアの錬金術全体を調べたという当局の強い意志を感じた」という一文がある。その通りだと思う。

 まあこれは、検察からの踊る株社会への警鐘という意味もあると思う。ライブドアの事業は結局はこうした株取引を含めて金融事業だったことは明らかで、そういう意味ではネットとかITの名前を借りた金融業者だった。日経の一面には、「本体も株式交換偽装」という記事があって、これも興味深い。

 ライブドアは実際には自社が支配する投資事業組合を通じてロイヤル信販(現ライブドアクレジット)とキューズ・ネット(今年2月にライブドアが吸収合併予定)の2社の株主に買収名目の現金を渡した後に、この両社とライブドアとの株式交換を公表し、発行した新株を市場で売却したという。日経によればその収益は数十億円に上るという。

 もしそうだとすれば、ライブドアは被買収企業の関係者ばかりでなく、市場をも「偽計」にかけている。検察はそこにメスを入れたかったに違いない。


2006年01月16日(月曜日)

 (24:13)来日している大宇証券の孫社長と1時間くらい帝国ホテルでお茶。面白かったな。もう随分前ですが、彼が東京の大宇証券の支店長をしているころに、二度ほど酒を飲んだことがある。大宇財閥が解体になったときかその後に孫さんは一度LGグループの商品先物会社の社長に移ったが、その後大宇証券に呼び戻されて、それ以降は社長。

 財閥としての大宇が解体されたとき、大宇証券は銀行管理に入った。そしてその後は韓国産業銀行(KDB)の下に。今でも同行が全体の39%を持つ大株主である。今の従業員は2377人。約半分が男子。店舗数は117店舗。預託資金は5兆8900億円という。

 何が面白かったかと言って、彼が一度は破綻し、自信をなくした大宇証券を立て直すプロセス。財閥の有数の証券会社だったが、財閥が解体された後は従業員も戦意を喪失して、自尊心を亡くしていたという。で孫社長が何をしたか。それがメチャ面白かった。彼が言うのは

  1. (社長になったとき)まず従業員を鼓舞しなければならない、自尊心を取り戻さねばならないと考え、とにかくコミュニケーションを取るために全員と酒を飲むことにした。ビールにウイスキーを混ぜる爆弾酒をどのくらい飲んだか分からない。韓国で良くある方法だが、とにかく飲む、そして飲むことによって団結心を高めた

  2. もっと具体的には、全国で90近くある方面の支店にすべて地元の酒を一カ所にもってこさせ、それを全部混ぜて社員一体のイメージを作り上げた上で、それを全員で分けながら飲んだ。そうすることによって社員の間には一体感と戦闘意欲が沸いてきた。とにもかくにも飲むことでコミュニケーションが進展した

  3. その結果社員の間に団結心と愛社精神が生まれ、事業がうまく回り出して、今では大宇証券は様々な雑誌やテレビの優良企業として大きく賞賛されるまでになった。孫さん自身は、韓国にあって三星、ポスコ、現代などの企業グループの社長と並んで、「ベストCEO」に選ばれたりもしている。韓国のマスコミにほぼ毎日のように取り上げられる会社になった
 とのこと。うーん、自分が昔から知っている人が成功するのは気持ちの良いものです。むろん、孫さんは酒ばかり飲んでいたわけではない。話を聞いているとそれが大きな部分を占めているようですが、「スピード重視の経営」を心がけて、意志決定の迅速化、定例会議の早期開催化など多くの努力をしたという。当時かな、スピードの経済を献上したら熱心に読んでくれて、それを経営に生かしてくれているという。

 大宇証券は、今年6月に再び支店を出す予定だそうです。今、韓国の株式市場は非常に熱を帯びた状態になっている。韓国ウォンも強含みの推移。うまくやれば日本のお金も動くと鼓舞しておきました。まあその他にも僕なりきにアドバイスできることはしておきました。企業のイメージの話など。

 また会う約束をして分かれました。面白かった。


2006年01月15日(日曜日)

 (21:13)今日の日経の「サイエンス」は面白かった。「経済行為 脳科学で解明」は、私が日頃思っていることを科学的に解明しようという努力を感じるもの。つまり、「人間は合理的な判断を下す経済人である」は間違いだ、という考え方。

 私が「いつも違うんじゃないのかな....」と思っているのは、人間を経済行為について「合理的判断を下す動物」との前提を置いて議論をしていること。自分の買い物一つをとってもそんなことはあり得ない。凄く時に、繰り返すが時に衝動的な存在です。人間とは。だから、あらゆる経済理論は土台が揺らぐのだと思う。

 まあだからといって人間の行動は必ずしも非合理的なことばかり、とも言えない。だから難しいのですが。うーん、神経経済学ね。興味を持ちました。


2006年01月14日(土曜日)

 (23:13)NHKが午後9時からのNHK特集の再放送分(昨年9月放送)で、「タクシードライバーは眠らない」という番組をやっていました。大阪の過酷なタクシー業界競争を取り上げた番組。なかなか面白かったのですが、私はGyaoの番組収録の後に渋谷に向かい、そこからの新宿への移動に雨が降っていたのでタクシーを使ったら、その時運転手が明かしてくれた今の東京のタクシー事情をちょっと書き残します。

 実はそのタクシーには二人の乗務員が居たのです。指導員が前席左側にいて、右側には運転手が居た。運転手の方が新人なのかなと思ったら、まあそうらしい。しかし、マナーや言葉遣いなど最後の仕上げをしているのだという説明。グリーンさんだった。左側に座っていた指導員が良く喋る人だった。その人によると

  1. 東京限定の話ではあるが、タクシーの運転手は既に人手不足になっている。どこでも人が取れなくて困っている
  2. そのため、会社に運転手を他の業界から移動させる、その口利きをすると10万円が会社から支給される。同業他社からスカウトして連れてくると20万円もらえる
  3. 最近は金曜日に客がタクシーを拾えないくらいの状況が生まれつつある
 地方はまだタクシー事情は酷いらしい。彼は宮崎の生まれなのだそうですが、同地のタクシー運転手は手取りで10万行くか行かないかで仕事を続けている人もいるという。「だから奨励金も出るし、連れてこようとしているのですが....」と彼。NHKの番組の大きなテーマは、「競争原理の導入は是か非か」でしたが、それも結果は場所によって出方が随分と違うと言うことだと思う。近々大阪に行くので、今の大阪の様子はまた取材したい。


2006年01月14日(土曜日)

 (20:13)金正日総書記の中国訪問は、日本のテレビ各社のカメラが明らかにそれと分かる姿を広州で捉えているので、憶測(ロシアに行ったとか、北京で入院したとか)そのものは範囲の狭いものになりつつあるのですが、それにしても中国もよくあんなことを許しておくな、という気がする。よほど本人が暗殺を警戒しているのでしょう。それだけ自分は狙われていると思っているのだと思う。そうでなかったら、あれほどの警備を頼みはしない。

 せっかく国を出て発展しつつある中国の都市を見たのなら、それを自分の国の発展に生かす術を身につければ良いと思うのだが、あの政治体制では無理でしょう。日本が発展したのは何よりも自由に物事が言える政治体制があったからで、思ったことも言えない厳格な政治体制下で市場経済が花が咲く筈がない。

 金正日の訪中に関しては、今日番組収録した際に早稲田大学大学院教授で元国連ニューヨーク本部法務官の川村亨夫さんから聞いた話は面白かった。主な内容はこのサイトに火曜日にアップされますからそれをぜひ見て頂きたいのですが、世界で一番金正日が嫌いな世界の主要国指導者はブッシュ米大統領だが、その次に彼を嫌いなのは胡錦濤・中国国家主席という話から始まって、マカオの銀行の話など興味深いものだった。

 問題のマカオの銀行は、香港金融界の大物が所有する「バンコ・デルタ・アジア」。米財務省は昨年9月、北朝鮮の政府機関や関連企業と違法活動を行っているとして、この銀行を「マネーロンダリングの主要懸念先」に指定、米銀との取引を禁止した。同行は容疑を否認し、北朝鮮との取引停止を発表した

 北朝鮮は昨年11月の六カ国協議で、この制裁措置解除に関する米朝協議を要求。金桂寛外務次官が今月初め訪米の予定だったが、米国が「説明はするが交渉はしない」としたため、金次官は訪米中止を米側に伝えていた。

 従来から伝えられていることだが、マカオは北朝鮮にとって海外重要拠点。また金正日総書記の私生活にかかる資金調達企業とされる「朝光貿易」もマカオにある。韓国の金大中前大統領の北朝鮮への秘密送金もマカオの銀行口座が使われた経緯があった。アメリカは、マカオやこの銀行が偽米ドル「スーパーK」の流通拠点として知られていることを、特に大きな問題としている。

 川村教授によると、このマカオの銀行の北朝鮮との取引停止は、金正日総書記を初めとする金ファミリーに大きな打撃になっているという。この問題を打開しに中国に行った可能性が高いが、同時に抗生物質の調達も行っている可能性があるという。

 一方中国サイドは、胡錦濤主席が政治的に肌が合わない金正日体制に対して、言ってみれば最後通牒を突き付けていると彼は言う。川村さんは、今年の後半には北朝鮮情勢は大きく動く可能性がある、というのだが。なかなか面白い筋書きだと思う。


2006年01月13日(金曜日)

 (25:13)「だから、small is beautifulだ」なんて単純には言いませんよ。しかし、内閣府が発表した以下の統計は、世界でも小さな国とされる国の方が、実は豊かな生活を営んでいるという実態が浮かび上がる重要なものだ。人口は増え続けなければならない、という議論への有力な反論の一つになりうると思う。

 内閣府は十三日、日本経済の決算書に相当する二〇〇四年度国民経済計算を公表した。ドル換算した名目国内総生産(GDP)の国際比較(〇四年暦年ベース)は、総額規模では米国に次ぐ二位を維持したが、国民一人当たりの比較ではユーロ高の影響からオランダ、オーストリアに抜かれ、十一位に後退。一九八三年以来、二十一年ぶりにトップ10から転落した。

 また、家計の可処分所得に占める貯蓄の割合を示す家計貯蓄率は、七年連続低下して2・8%となり、過去最低水準を記録した。

 つまり、日本は経済の国力的には世界第2位だが、国民一人当たりの豊かさではベスト10から21年ぶりに落ちて11位だということ。この順位格差は、当面は国民一人当たりGDPを上げる形で縮める価値があると私は思っている。

 では世界でどの国が世界で最も豊かな生活をしているかというと、以下の通りだという。

  1. ルクセンブルク   70499ドル 人口   45万人
  2. ノルウェー      55269  人口  457万人
  3. スイス         47923 人口  739万人
  4. アイルランド     45442  人口  392万人
  5. デンマーク      45118  人口  541万人
  6. アイスランド     43093  人口   29万人
  7. アメリカ        39732 人口28142万人
  8. オランダ       37285  人口 3000万人
  9. オーストリア     36004  人口  810万人
 がベスト10。人口は私が外務省のHPから調べました。この後が日本で11位の35922ドル。もっとも内閣府の統計を見ると平成13年の統計では、ヨーロッパ勢は概ね順位がもっと下。日本のその時5位だった。当時と何が違うかと言えばユーロは当時は対円で安かったが、今はユーロが高いという事情がある。だから、為替の持つインパクトは大きいのだが、それでも当時のルクセンブルクの国民一人当たりGDPは44631ドルで世界一。その時日本は、32153ドル(ノルウェーは37611ドル、スイスは34363ドル、アメリカは35309ドル)だった。

 もっとも同じ2004年の統計でも、OECDの統計では、数字が少し違う。OECD統計では日本はオーストリアの上に居る。オランダは日本より上だが。「small is beautiful」という統計は、IMDや世界経済フォーラムなどの競争力調査でも出ていて、ヨーロッパの小さい国の競争力が日本やアメリカよりはるかに高い。競争力が高いから生活水準も高い、と言えるし、大国のコストを払っていないから高い水準の生活が出来るとも言える。言ってみれば、「small is effective」というわけだ。

 人口があまり減ったら国土も守れなくなる、という議論には正当性がある。あまり減ったらその通りだ。しかし、日本が明治維新後にいろいろな国を戦争をした時期の日本の人口は今よりはるかに小さい。この前調べたら戦後直ぐの日本の人口は7199万人だった。しかも今の戦争は、人員を動かすというよりはどちらかというと電子戦争、空中戦争、恐怖の抑止の色合いが濃い。私はあまり減るのは問題だが、1億の人口があれば日本は問題ないし、GDPの規模競争を中国の13億人、インドの10億人としても仕方がなく、国民一人当たりのGDPをいかに上げるかが重要だと考える。


2006年01月12日(木曜日)

 (23:13)去年の総選挙前後に2回訪れてロケ現場を見ていたこともあって是非見たいと思っていた男たちの大和を見ました。尾道の方々が、「自分の息子はこれ.....」とか言って、エキストラで出ておられるシーンなどを写真を見ながら楽しそうに語っていたのを思い出しながら。女性も一杯エキストラで出られていたのではないかと思う。

 ill-fated な船です。映画にも出てくるが世界最大そして最新。しかし、鑑が出来上がったころには戦艦の時代は過ぎ、空母と航空機の時代に入っていた。しかも、それが最後に出撃する時期には日本には空母も航空機も残されておらず、よって一機の護衛もないまま、しかも片道の燃料で出発、あえなくアメリカ軍の猛攻撃で沈没する。

 沈没した大和でかなりの数の戦闘員が生き残っていたのが今まで疑問だったのですが。船が沈む前に「全艦退去」が行われるのを見て、「ああ、そうだったのか」と。映画のところどころに戦争に対する疑問、この船に対する疑問、この船の出陣の仕方に対する疑問も出てきて、特に長嶋一茂演じる上官の一言(日本は精神主義を重んじすぎた云々)が記憶に残ったが、全編は基本的には「男たち」の題名で示される通り、戦争という時代の中での生きた男達の生き様を扱っている。

 これでもかという具合に有名俳優が登場する。この人がこの役でちょい出かよってな感じで。だからちょっと気が散るのですが、力のいれ具合は分かる。全体的な出来は、60点というところでしょうかね。映画としてこうすればいいのに、という場面がいっぱいある。それに2時間30分前後に達する長さもちょっと行き過ぎかな。最初から海外に出すことを前提に作られているようだが、ちょっとこれでは無理かもという感じがする。個人的な印象ですが。改善の余地あり。

 しかし明確に気が付いたことがある。日本の映画にしては珍しく普段は空いているはずの時間帯でしたが、全館ほぼ満席。誰が席を埋めていたかというと、おそらく退職した方々やそのご夫妻。年齢層が映画館にしては圧倒的に高い。戦争を幼児の頃に体験した人々だと思いました。映画後に行ったトイレで出会った方々がそういう人でしたから。もっとも別の回で見れば、年齢層はがらっと違ったかもしれない。

 この映画を最近読んだあの戦争は何だったのかを思い出しながら見ました。船と同じく、乗り組んだ戦闘員の方々にも ill-fated な運命だったと思いながら。船と乗員の悲運がなぜ生まれたのか、はよく考えないといけないとも思いました。


2006年01月11日(水曜日)

 (12:13)今朝の新聞に小さく奥田経団連会長の言葉が載っている。むろん、奥田さんはトヨタ自動車の会長でもある。

「(GMの経営について)相当に厳しいのではないか。(米政府が)資金的援助とか債務を保証するとかいう形で援助することになるのではないか。(GMの経営悪化は)良い車ができない。ガソリン価格が上がった。全米自動車労組との契約が重しになっている。米国の象徴的な産業だから、米政権はほっておかないだろう」
 引用したのは、記事のなかで括弧付きで報じられている部分。つまり、奥田さんが語ったと思われる言葉を引用した。これは考えようによってはこんな小さな記事にしておいて良いのか、という重みを持つ言葉だ。多分、これまで業界関係者の中でここまで言い切った人はいない。アメリカに報道され返されるとかなり大きな記事になると思う。つまり、クライスラー危機が繰り返されるということだ。あのときはアイアコッカがいた。

 そのGMは日本時間の今朝方、つまりこの発言を奥田さんがした(恐らく10日)以降に、大部分の車種(全体の9割に及ぶとの報道あり)について公示価格を平均1300ドル、約15万円引き下げると発表した。GMは今までも値引きをしてきたが、奨励金(incentives)という形で行ってきており、消費者から「不透明」との批判を受けてきていた。それを価格引き下げという形で、誰にでも目に見える形にしようと言うことである。

 GMはその最盛期においては米市場の50%を楽に超えるシェアを持っていた。それが昨年は26%。つまり、企業規模が半分になってもおかしくない状況になっている。市場そのものが拡大しているのでそう単純ではないが、工場閉鎖やレイオフは当然予想されて、実際にそれを最近発表したばかり。

 GMの苦境の背景として奥田さんが挙げた理由の中で、「良い車が作れていない」が一番大きいとして、「労組との契約」を挙げているのが興味深い。GMはむろんアメリカの会社だが、終身雇用制などでIBMなどと並んで日本の会社に極めて近い体質も持っていた会社だった。むろん一種の階級制があるところなどは、日本の会社と違うが。

 そのGMを今になって苦しめているのは、レガシーコスト(legacy cost)といわれる過去からの引きづりである。つまり、企業は自分を縛る契約に縛られる、なるべく身軽な方が良いということだ。それが柔軟さが売り物のアメリカで起きていることが興味深い。

 GMの危機に関して一時同社への出資を検討した投資家カーコリアンの側近は今見たウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、同社に対して「配当の半減と賃金カット」を求めている。それが出来たら出資しても良いと言っているように見える。GMが手元資金は潤沢と伝えられているが、それもかなり使い切ったのではないか。一方で在庫がたまっているので値下げして在庫を減らそうとしている。

 こういう状況では、GM再生の目は見えない。良い車を作るという基本が出来ていないのだから無理だ。だから奥田さんのような発言になるのだと思う。GMの先行きは依然として厳しいと見るのが私も妥当だと思う。


2006年01月10日(火曜日)

 (23:13)所用あって東京の丸ビルに行ったらロビーで琴の演奏が。いいですね、約束時間にちょっと時間があったので、じっくり聞き入ってしまいました。ああいうのがビルの価値を高めるのでしょうね。

 ところで、韓国のファン教授のES細胞論文は、全体が捏造だったとの結論だそうです。このコーナーでも取り上げましたし、Gyaoの番組でも取り上げましたが、国を揺さぶる問題になっているようです。国民の期待を背負った教授の論文捏造。韓国初の科学技術系ノーベル賞受賞者との期待が強かっただけに、国民の反応も様々なようだ。

 興味深いのは、韓国の新聞が最初にこの問題を報道したときには、ネットで強い新聞叩きが見られたこと。圧倒的にネットはファン教授支持の傾向が強かった。最近でこそこの傾向は変わったらしいが、今でも「彼にもう一度研究させるべきだ」との意見も強いという。

 まあそれはそうでしょう。失敗から立ち上がる再挑戦のシステムはあった方が良い。しかしこの研究が極めて政治化されていたことは明確である。ファン教授周りの人が盧武鉉政権にかなり入っていて、科学技術政策を担っているようだ。

 昨年末にこの問題を取り上げたときにゲストの深川由起子さんが、「韓国ではすべてのことが政治化する」と言っていたのを思い出しました。


2006年01月09日(月曜日)

 (23:13)お出かけの電車の中などで、「東大法学部」を読みました。全日本鍋物研究会の水木会長の最新作なので、興味深く拝見。東大法学部、ないしは法学部が日本の政治や経済に果たした役割とその限界については、私も大体意見が一致しています。ただし水木さんのように東大の卒業式を見に行ったり、入学試験の結果発表を見たりはしませんが。

 それよりも、私には最後の方に書いてある「なぜこの本を書いたか...」の部分の方に興味があった。水木さんの生い立ちが書いてあって興味があった。聞いていた部分もあったのですが、「嗚呼玉杯に花うけて....」が水木さんのお祖父さんの作詞だったとは初めて知りました。文人肌の男と書いてあって、「その祖父から強い影響を受けた...」とある。水木さんも作家ですから、文人です。まあ私も影響を受けたと言えば祖父から一番大きいので、何となく分かる気がする。

 この本を読んで、本当に日本の最高学府といわれている学校は大丈夫かいなと思いました。まあ本当に才能がある人は、学校なんてどうなっていても才能は伸ばすんでしょうが。ただしエリートをどう伸ばすのか、彼等を社会のどの位置に置くのか、そしてどう評価するべきかは難しい問題で、私にはまた水木さんとは別の意見がある。
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 ところで先日「就学援助」について書いたところ、非常に興味深いメールを頂きました。この問題が抱えている一面が良く出ていると思うので、差し障りがない範囲で引用します。

 初めて、メールいたします。興味深く拝読しております。現在高2の息子を持つ、働く母親ですが身近に2人ほど、この就学援助を受けていた母がおります。

 2人とも離婚によりシングルマザーとなり、一人は6年前の離婚当時中一の双子の女の子と小5の男の子、そしてもう一人は2年半前に高3、高1の男の子を抱えて離婚しました。

 この2人に共通しているのは、働いているのですが正職員ではないということ、 つまり時給いくらの形で、若いフリーターと、余り変わらないのかもしれません。 養育費も、前者のママはご亭主の仕事が不景気で払いが悪く、 後者はその取り決めさえ出来ない状態で別れました。

 高卒で、結婚前の職歴もそう専門的でなく 急に離婚で就職活動をすると言っても、社会保険が完備されたり ボーナスがあるような職場と巡り合うのは、難しいのでしょうか。 時々食事したり飲み会をする仲で、余り立ち入ったことは聞かないのですが 時々「年金の保険料なんか、別に払わなくても良いのよね」とか 言われてしまうと、返答に困ってしまったりします。 そういう扱いを受けているケースか否か、判らないもので。

 義務教育の段階では、就学援助を受け 二家族とも公立高校へ進学できた子供の学費は、都に申請して 一ヶ月1000円前後の負担で卒業できたようです。 高校へ行けばアルバイトが可能なので、交通費やら遊ぶお金は子ども自身が稼いでいました。

 また中学の修学旅行は、取り合えず保護者が負担、後で区から補助金が振り込まれる形だったのですが 「お小遣いの分も、区が出してくれるんだっけ?」と聞かれ これまた返答に困ったこともありました。

 しかし「お金がない」と言いながらも、粘りに粘って都営住宅の当選を待ち バイトと母の収入で、地道に生活し、とにかく子供たちに高卒の資格を与えることの出来た母の頑張りと それから巨大都市・東京の福祉の素晴らしさには頭が下がる思いです。

 なるほど、離婚が就学児童を増やしている一つの大きな要因なんですな。直ぐ「景気」とか「二極化」を考えてしまうのですが、まあそれも関連しながらも離婚という大きな問題の存在が見えてくる。子供を抱えて離婚したケースというのは、まだ女性にとって過酷なようです。


2006年01月08日(日曜日)

 (12:13)年明け早々、びっくり。いや何にびっくりしたかというと、ちょっとお目にかかれない役満に。麻雀の話です。

 挑戦を受けたので、我が家の息子とその友人二人と年明け第一回の麻雀会合を開いたのです。土曜日の夕方から。結局日曜日の朝まで。まあ連休だからいいかというノリ。

 始まって第一局です。上手にいたN君がリーチ。西を暗カンしていた。うーんと一発フリは良くないと思って私は逃げて、他の二人も振りを回避。そしたらそのN君、第一ツモで「あっ、持ってきました」と上がりを宣言。

 「へえ、凄いな」と思って見たら、ソウズがぎょうさん。どうやら、ホンイツではあるらしい。しかも、赤ソウズがない。見たら白がアンコで入っていて、あれあれと見たいたらそのN君が「これって、高い手じゃないですか」と言うので、「そりゃ高いよ」とじっくり見たら、ありゃ四暗刻なんですよ。西、白、六ソウが暗刻で。で、二ソウと四ソウのしゃぼで、二ソウを一発で持ってきていた。

 我々だけでなく、店全体が騒然。だって珍しいでしょう。同じ四暗刻でもホンイツですよ。あたしゃびっくりしました。彼はまだ大学3年生で、役満をやったことがなかった。だから「これって高い手....」という奇天烈な発言になる。リーチ一発ツモで生まれて初めての役満を四暗刻で、しかもホンイツでやった。

 こりゃ素晴らしいと言うことで、「写真に撮ろう」ということになった。ケイタイカメラをかざして、二人がケイタイで写真をとった。どうするかと思ったら、N君はいつも負けると怒られているお父さんに送っている。帰ってきた返事が嫌に冷めていて、「まだ試合は始まったばかり。これからが勝負.....」と。

 ははは、これには笑った。その時彼は割れ目で上がりましたので、ダントツ一位でのスタート。しかししばらくして調子が悪くなった。その時を見計らって、お父さんから「調子はどうだ」とメールが入る。だんだん調子が落ちて、全体でも負け領域に入っていて、「調子が悪い」と言ったら、お父さんから午前3時前でしたが、「負けて帰るな」(父)、「これからが勝負です。これから取り戻します」(N君)、「それでこそN家の息子だ」(父)とメール交換している。

 「それだったらいらっしたら」と顔見知りのお父さんのことを私は思いましたが、まあ昨晩は寒かったですからね。年初からえらいものをみましたが、お父さんが朝方まで起きていて何をしていたのか知りませんが、結局N君は途中のダレを最後の二局をトップで終わってまずまずの結果。「ああ、素人は恐ろしい....」というお話でした。


2006年01月05日(木曜日)

 (16:13)日本にいなかったので、いなかった間の新聞を読んでいたら、3日の朝日の朝刊一面トップの記事が気になりました。「就学援助 4年で4割増」と。

 就学援助とは、公立の小中学校で文房具代や給食費、修学旅行費などに関する援助を指す。この援助を受ける児童・生徒が、04年度までの4年間に4割近くも増え、受給率が4割も超える自治体もある、というのである。これは朝日新聞社の調べ。

 就学援助が増えていることは、公共事業が減った地方に関しては、増えていることを知っていた。友人の友達が学校の先生をしていて、「就学援助が増えている」といっていたとの話しを聞いていたからだ。

 しかし、この記事によると「東京や大阪では4人に1人、全国平均でも1割強に上る」とある。経済的な理由で、子供の教育に関わる費用を十分に払えない家庭が増えていると言うことである。これは事実だとしたら、「何の景気回復か」という話しになる。

 就学援助の増加には、景気回復に乗れない家庭の増加以上の何かがあるのかもしれない。しかし、今年の日本の景気回復の課題、加えて一つ一つの家庭の課題がここに見えるような気がする。出来る限り回復の裾野を広くすること、個々の家庭も回復の乗れる体制を整えることである。


2006年01月04日(水曜日)

 (23:13)東京の本格稼働は明日ですかね。夕方番組の打ち合わせのために赤坂を歩いていたら、まだお店は半分は休んでいた。街を歩く人の数も少ない。去年末に聞いたところによると、河岸は5日からだそうで、まあ比較的格の高い店(特に魚を使う店)は4日には店を開けない。

 開いた市場としての東京証券取引所は、大幅高。しかしちょっと足下が怪しいような気もする。誰もが、100人いれば100人が強気になっているのが怪しい。4日の市場で目立ったのは中国市場が大幅高になったことか。インドは相変わらず強い。その意味では4日のニューヨーク市場の動向が面白い。朝にならなければ分かりませんが。

 デリーからの飛行機は順調でした。朝強かった霧も夕方には上がって。チャタルジーご夫妻が空港にまで見送りに来てくれて。インドには、また機会があったら行きたい。「今度は田舎とか、スラムを見たい」と彼に言ったら、「じゃ、テントを持ってきて下さい....」と。ははは。まあ彼等が日本に来る方が時期としては早いでしょう。

 飛行機の成田着が午前6時過ぎでしたかね。えらい時間に着く。そういえば、前回も同じ便でした。時間がちょうど良かったので、新宿方面行きの6時50分のバスに乗ったのですが、えらく順調。街もまだ半分寝ている。空気が綺麗なのがいいな、日本は。インドから帰ってくるとそう思う。

 まあでも、秩序だった千葉から東京への道を走っていると、快適と思う一方で、「あのインドのカオスが懐かしい...」とも。おもろい国でっせ、インドは。皆さんも機会があったらいつか。まあ、5年たつと非常に変わっているんでしょうな。

 そうそう、飛行機の中で以前番組に出てもらったパソナの南部さんとばったり。久しぶりとしばらく会話。インドがらみで新しい商売をするそうで、「へえ、パソナがね...」と一瞬思ったのですが、IT技術者の日本への移動一つをとってもそりゃ大きなビジネスにはなるし、なによりも両国にとって役立つ。「なるほど」と思いました。


2006年01月03日(火曜日)

 (10:13)2日のデリーは朝と夕方雨でした。この季節には極めて珍しいそうで、私もこれで前回と合わせて14日くらいインドに居ますが、雨を見たのは初めてです。結構強く降って、この乾いた首都と土地には慈雨だなと思いました。

 実は2日は、朝から雷が鳴った。朝早くです。あまり音が大きかったので、私もうっすらと意識を取り戻して、「あれ、テロかもしれないな....」と思った記憶がある。それは、クミさんも同じだったそうです。テロ予告がいろいろ出ていましたから。しかも3回大きな雷鳴があった。夕方にも雷が鳴りましたが、夕方は雨も来た。納得が出来る雷鳴でした。まあ、テロではなくて良かったのですが。

 以前NHKがインドの農家が井戸を掘って必要な水を得ているが、その水位が徐々に深くなって、深い井戸を掘れる豊かな農家とそうでない農家の差がついて、離農する人も出ているという番組をやっていましたが、井戸の水位が下がっているのは農村だけではないそうです。

 デリーでは、深さ最近20メートル以上の井戸を掘ることが禁止されたそうです。ほっておくと皆どんどん深く掘る。水が欲しいためです。で、深い井戸の掘削を禁止した。何をしたのかというと、雨を飲み水としてリザーブする方法を取り入れたというのです。しかし、私が見て膨大にふくれる都市としてのデリー、その他のインドの都市の水需要を乾期にはほとんど降らない雨に頼るのは無理です。

 だからインドの成長の制約要因の一つは、貧困とか、階級制度とかではなく、実は水にあるのではないか、という気もしています。デリーの本屋で買ったインドの歴史の本にも、インダス文明を築いた民族は、アーリア人に駆逐されたのではなく、水不足で滅亡の道を辿ったのではないかという分析が出ていた。水や森の喪失、それに疫病が古代文明の衰亡に関連していることは、他の文明でも証明されている。この山一つ見えない平原、そこで肥大化する都市としてのデリーに十分な水を供給するのは、将来にわたって非常な困難な仕事に見える。

 3日朝のインドの新聞には、同日の麻生外務大臣のインド入りに関する記事が出ている。インドのエネルギー供給にとって非常に重要な核エネルギーに関する話し合いがもたれると書いてあって、インド側としても先にアメリカと合意した核協力に関する具体的な話しあいの一つとして、日本との話し合いに強い関心を持っているようです。インドと日本の関係は、もっともっと深まる必要があると筆者は思う。インドに駐留する日本のビジネスマンの数は最近急激に増えているという。

 私の今回のインド取材も、今日が最後。えらい霧で夕方の飛行機が飛ぶかどうか知りませんが、まあ一応4日の朝には日本に到着の予定。夕方からは打ち合わせがあるし、5日の早朝は番組がある。出ていなかったら、飛行機が遅れたか飛ばなかったか。

 インド。今の段階で一言で言えば、「So what !の国」かな。いろいろな人がいろいろ言う。この国には可能性もあるし、逆に弱点もある。水もそう。国内に膨大な矛盾も抱え、本音をちらちら見せながら建前を述べる部分もある。しかし、そうした周囲の雑音に対して、インド人やインドという国は「So what !」という基本姿勢なのではないか、と思う。ヒンズー教にはどうもそういうところがる。

 帰国に当たってこのコーナー「爆発中のインド」という文章を書いておきました。暫定的に今回のインド訪問をまとめた印象記です。ご興味のある方はどうぞ。結局、去年は海外が2回でした。ちょっと少ない。


2006年01月02日(月曜日)

 (23:13)滞在中ほぼずっとチャタルジーさんと一緒に、加えて彼の奥さんのクミさんがそれにしばしば参加し、さらに加えて彼の友人が入れ替わり立ち替わりジョインした今回のトリップで面白かったのは、それぞれの人が抱えている問題や悩み、社会全体が抱えている問題などなどがより具体的に浮かび上がってくるところだ。10億人いれば、当たり前だが10億の人生がある。

 まず共通に「これは大きいな」と思ったのは、扶養の問題です。インドでは依然として男子の第一子が親の面倒を見る習慣がある。しかし、IT産業の進展でも分かるとおり、優秀な子供達は故郷を出てバンガロールやコルカタ、デリーに住んでいる。そこに生活の基盤がある。では、親が年老いたときにどうするのか。これは、会ったチャタルジーさん自身を含めて多くの彼の友人達の共通の問題のように見える。「今から考えても仕方がない」ということは分かるとして、あたかも日本の都会に住み多くの地方出身のサラリーマンが直面したのと同じ問題を彼等は抱えているのです。

 それぞれの個人を見てもいろいろ面白い話が出た。皆ざっくばらんで面白い連中だから。母親っこ(mom's boy)で結婚がキャンセルになったり、遅れたりしたA氏の話は泣けたな。一回は結婚式の招待状まで出し終えながら、彼が(ー。ー)yー゚゚゚を吸い、酒も飲むことで奥さん予定の家からクレームが付いて破談になったとも聞いた。今も嫁さんとお父さんの仲が悪い話とか。

 バンガロールで活躍しているビジネスマンは、奥さんがデリーに居て今は別居という状況。彼は「それは最高」と言っていたが、本当かどうかは私には分からなかった。インドでも別居結婚も、離婚も増えている。A氏の凄い美人の妹が辿った道で、インドの女性の生き方が変わってきていることは分かったし、テニスプレーヤーのサニアの「leave me alone」発言と、それを熱狂的に支持したインドの若者達の気持ちも分かる。繰り返すが、10億人いれば10億の人生がある。

 殺人、レープ。インドの新聞の一面にも、そういう単語がいくつも登場する。2日のインドのある新聞では、「Bihar wakes up to New Year massacre」という記事は目を引いた。副見出しは「EBC family of six burnt to death; Bihar's head hangs in shame:Nitish」とある。「EBC」は、「a poor, Extremely Backward Caste family」と説明があって、ああカーストの最下層の貧しい家族かなと分かる。記事を読んでいくと、この事件は一頭のバッファローを盗んだ盗まないと言う話から発展している。次の子供を孕んだ奥さんと子供5人が寝ている家に火が放たれて6人が死んだという話。レープの話もいっぱいある。扱いが結構大きいのは(?_?)か。珍しいのか。

 しかしこういう事があるからインド社会は駄目だ、という議論は見ている限りではない。「まあそんなもんだろう...」ということかもしれない。何もかも良くしようとしたら大変と人々が悟っているように見える。ガタガタしない、ガタガタ言わない。人生をそれはそれとして受け入れるという雰囲気がある。それがインドが日本人を引きつけている一つの理由かもしれない。

 しかし、一方でインドは一生懸命新しい社会を建設しようとしているようにも見える。街は依然として極めて汚い部分を引きづりながら、あちこちで建設が進む。デリーの空港廻りの道路はかなり綺麗になってきた。コルカタには100年、200年のビルがいっぱい立っているが、一方で新しいビルも出来つつある。何よりの不法建築物の撤去が進み始めている。

 若者の行動でも分かるとおり、恐らくインドの社会も大きく変わりつつある。イスラム系の17才のテニスプレーヤーの出現は、恐らくインド社会の価値観を大きく揺さぶっている。誰とは言わないが、牛肉をうまいといって多くのヒンズー教徒が食べていた。私の目の前で。日本人のヒンズー教に関する常識も怪しいものだ。音楽も晦日に嫌と言うほど聴いたが、ノリが良いモノが多い。暴走族らしきバイクの集団もバンガロールで見かけた。交通マナーはめちゃくちゃだが、事故は目撃しなかった。あれはあれで秩序なのだ。

 階級制度、貧困、貧弱なインフラ。この社会が抱える問題は山ほどある。しかしその一方で、世界の最先端を走るITと医療。核を持ち、世界で独特の存在感を誇る。今年は「サウジ国王、シラク、それにブッシュが来る予定」とインドの新聞にはやや誇らしげに書いてある。一方で頻繁に起こるテロ。

 ざっくり考えて、この国は面白くあり続けるだろう、と改めて思う。すべてを飲み込みながら。慣習や宗教など社会的制約は依然として大きいが、何よりも人が自由に、勝手に喋っているのが良い。何せ、世界最大の民主主義国だ。ここが中国とは違う。

 だから私は思う。「So life goes on」だと。インド的。やや日本人の常識を越えた形で。まあでも、「life goes on」は日本でもそうでしょう。テロ、貧困、ITの繁栄、高い経済成長.....想像を絶するような大きな問題と成長要因を抱えながら、インドは恐らく進む。時々この国を訪れる私としては、願わくばこの国が「鼻毛の黒くならない、鼻毛が伸びない国になって欲しい」と思う。それがインドのためにも、世界のためにもなると。


2006年01月02日(月曜日)

 (08:10)今のインドの通信競争事情は、外見的にも、利用者の立場から見ても実に厳しそうです。大体、どの都市でも携帯電話会社の宣伝が凄まじい。特に目立つのは、「Hutch」と「AirTel」です。もう街のあらゆるところで見ることが出来る。そして新しい看板があると、それはほぼこの二社の宣伝です。

 実際もすさまじい。日本から持って行ったシャープ製のボーダフォンを使っているのですが、非常に役立つ。コルコタで通信速度が落ちたのですが、それ以外は日本と同じように使える。私はパケット通信を利用するので「AirTel」を使っているのですが、まごまごしていると接続先(ローミング先)が勝手に「Hutch」に変わっているのです。「あれ、パケットが繋がらないな....」というのはこのケース。「割り込むんですよ」とチャタルジーさん。そのたびに手動でまた「AirTel」に直す。

 ローミング先なので、自動、または手動で先を選ぶ。私はインドの各都市でやってみましたが、音声(通話)とデータ(メール)の両方で持って行ったケイタイが国内並みに使える先は「AirTel」だった。これは本当に便利で、私のように文章を書く必要のない人はケイタイ電話一つもっていけば用が済む時代に入ったと言える。国内PC用のメールはリモートメールを使えば良いし、ケイタイで銀行や証券会社との取引も出来ると思われる。

 新年の午前零時まえからケイタイ電話、ケイタイメールが使えるなくなるのは、インドでも日本と全く同じ。日本では「規制」がかかっているようですが、この国ではそういうことは聞こえてこない。「AirTel」の場合、去年と比べて通話、メールの量が昨年より300%増えたと新聞に出ていたから、そりゃ繋がらなくなる。

 インドのホテル事情は前回時と比べるとかなり良くなっている、というか日本の一流ホテルも顔負けのホテルが出てきている。私がデリーで宿泊したThe Tridentはヒルトン系のホテルですが、何よりも建築物として優れている。ホテルの中央に設置されたブルーに見える水の有り様は、このホテルをとても異空間的存在としているし、箸のイメージを随所に生かしたデザインも素晴らしい。何よりも、一つ一つの建物のコンポジション(立ち位置)が素晴らしいのです。土地をふんだんに使っている。日本では決して出来ないホテルです。グランド・フロアだけ139室のホテルで規模は小さいがモダンゴージャスという感じ。

 バンガロールのThe Leela Palaceは建物としての特徴がそれほどあるわけではない。見ると、「うーん、立派かな」という感じだが、何よりもこのホテルが良いのは、部屋の備品が日本の国内最上級のホテル並みだということです。タオルの質は、私が海外でいろいろ経験したホテルの中でも最上級。夜寝るとき極薄手のパジャマ的なものが置いてあるのも良い。

 さらにこのホテルは、たぶん私は初めてだと思ったが、日本のホテル並みに使い捨ての髭剃りがあった。これは今まで海外のホテルでは経験したことがない。海外のホテルは相当良いホテルでも、櫛がない、歯ブラシない、髭剃りないのケースが多いが、このホテルはそういう意味では良く考えられている。食事も素晴らしい。タンドリ・チキンはジューシーで so far best in my life 。コルカタのPark Hotelは、チャタルジーご夫妻が結婚式を挙げたホテルだそうで、小さいながらも市の中心という存在を良く出している。年末・年始の警備は凄まじく、かつ見事だった。

 インドのホテルではサービスはかなり考えられている。パスポートで私が日本人だと分かっているので、デリーのホテルは毎日JAPAN TIMESの最初のページをネットから印刷して私に渡してくれた。私のようにPCを持って行っている人間にとっては、「ああくれたのか」という程度ですが、必要な人は多いと思う。

 しかし、通信事情では苦労したな。というのは、インドの一流ホテルは全部無線LANを導入してあって、もうケーブルを使っていない。ある意味では日本国内より進んでいる。しかし、私が持って行ったソニーのPCは無線LANの設定が難しいのです。で、そのたびにインド人のIT技術者に部屋に来てもらう羽目になる。「彼等は日本語が読めないので、これは何か...」などと聞いてくる。ほっとしたのはLeela PalaceにADSL回線の出口端子があったのを見付けた時だけでした。

 インドのIT技術者がこういうのです。「ソニーのマシンはエレクトロニクス的には優れている。しかし、HPのPCなどは簡単に無線LANに接続できるのだが、その簡易さがソニーのPCにはないのが残念だ」と。まあ私も「無線LANには今まであまり関心を払ってこなかった...」と思いながら、今度海外でPCを使うには無線LANが絶対的な条件になるので日本に帰ったら無線LANの接続能力を高めなければならないと思った次第。


2006年01月01日(日曜日)

 (25:10)コルカタのNew Year's Eveは「特別の意識はない」どころか、どえらい騒ぎでした。ホテルが特設したディスコは結構なお値段だったにもかかわらず超満員で、ボリウッド(Bollywood インドの映画産業の地ボンベイをハリウッドに見立てた言葉)からの踊り手を数人迎えて、まあ朝まで踊り明かしていたという雰囲気。

 街に出ればホテルのあったパーク・ストリートは超満員。チャタルジーさんの友人の一人が「コルカタ800万人の人口の半分は31日の夜はパーク・ストリートに繰り出す」と言っていましたが、それが冗談だったとは思えなかった。

 霧で閉鎖状態になることが多いデリー空港の状況を勘案して、夕暮れのガンジスを見たので初日の出は空港でということで、朝の早い便でデリーに戻ってきました。別に自分の家が有るわけではないが、最初にインドに入るときは必ずここからスタートするという意味では、「back home」という印象。考えてみれば、日本のように正月を荘厳な気持ちで迎えるというのは、世界ではむしろ少数派。大体が大騒ぎとお祝いで始まる。インドもそれでした。チャタルジーさんの奥さんのクミさんが「デリーも大変な騒ぎでした...」と。

 正月のインドの新聞を読むのは2004年に続いて二度目ですが、この国を理解する上で非常に役立つ。「The Telegraph」という新聞には、「Hello, 2006」と題して、2006年に「所有したいモノは」「個人的な目標は」「デートしたい女性・男性は」といった調査が一面に載っている。結果は以下の通りです。

〔2006年に一番持ちたいモノは〕
  1. 自分が夢とする車 37.4%
  2. フラット(日本で言えばマンション) 31.3%
  3. 自分が夢とするバイク 16.6%
  4. ホームシアター  7.6%
  5. iPod  7.1%
〔個人的な目標は〕
  1. 良い職 33.5%
  2. 望む大学への入学 23.6%
  3. 心の平和(inner peace) 15.6%
  4. 良い男友達・女友達 15.3%
  5. ビジネスの創業 11.9%
〔デートしたい女性・男性は〕
 男性にとっては Sania Mirza(支持率 33.8%) 女性にとっては Shahrukh(同 33.8%)  

 持ちたいものの上位は、「我々と余り変わらないな」という印象。バイク当たりから我々日本人とは違うものが出てくる。「iPod」というのがかわいらしい。個人的な目標に「inner peace」というのが出てきているのが興味深い。まあヨガの国ですから。男性にとってデートしたい女性のナンバーワンに輝いたサニアはまだ17才の、イスラム系のテニスプレイヤーらしい。

 結構傑物で、イスラム教徒なので上の聖職者からはテニスというスポーツを理解していないのではと思えるが、「あんなに肌を出してけしからん...」というようなことを言われている。しかし、「好きでやっているわけではない。これは私の職業。ほっておいて欲しい」と言ったのだそうです。

 「ほっておいて欲しい」は、「Leave Me Alone」だったそうで、それが言ってみればインドにおける「流行語大賞」的な存在で、一躍若者のアイドルになったそうです。世界的なランクから見ればまだ61位程度だそうですが、写真を見るとかわいい。それもあって、「もう立派なアイドル」(チャタルジーさん)と。この一言は、インドのイスラム教社会を変えそうな勢いだそうです。

 まあその他の新聞には、「インドがオリンピックで金メダルを取るには...」とか、今年の Sensex はどこまで上がるのかとか。金メダルに関しては、そういえばアテネのオリンピックの後に何か書いたような気がする。インドは確かに10億の人口を抱えながらオリンピックで、特に最近は金メダルをほとんど取っていない。だからそういう話になるのでしょう。

 インドの株価の話では、「12K」とか「15K」という数字が出てくる。「K」は1000ですから、つまりインドの代表的な株価である Sensex が12000や15000になる日のことを書いているのですが、それは来年中にという記事が多い。まあ年末に9400前後ですから、「あと600ほどは何ものぞ」ということで、「10K」実現の雰囲気は出ているし、それはクリアできると思う。

 しかし、今朝のインドの新聞の一つは、「12K」を超えたら高値波乱圏であり、いったんは急落するという意見が掲載されていたが、私はこの意見に納得性がると思う。世界的な流動性がどうなるか、国内金利の動きはどうか、そしてインフラに対する政府の政策などが鍵を握るという。まあそうなんでしょうな。



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