2005年03月31日(木曜日)

 (11:34)昨日まで万博に行っていた身としては、この番組でも取り上げたお弁当論争には興味があるな。

 はっきり言って認めるべきだと思う。35年前の大阪万博の時に食中毒が多かったのが規制の原因だと。私は安全保障上の問題だと思っていましたが、今は食中毒は個人のお弁当よりも給食などで起きる。変なものを持ち込まれても、という理由はあるでしょうがスクリーニングすれば一発で分かるはずです。実際には、お弁当を持ち込む人は少ないと思う。私たちは、カメラを一つ持って行ったくらいです。

 正直なところ、万博会場にはレストランはいっぱいあるが、おいしいものはあまりない。寒かったので、800円の温かいきしめんはおいしかったが、あれも温度で売っていた。でどこが繁盛するかというとコンビニです。コンビニには長い列が出来ていた。おにぎりが飛ぶように売れていた。あれだったら、おにぎりのようなものは入れても良いのでは。

 たぶんおすすめなのは、各国館に併設されているレストランです。私の記憶では、スリランカ、インドなどなどアジアの各国館では食事を提供していた。私はちょっと時間がなかったので食べられなかったが、あれは各国の人が作っているので、今度行ったら食べようかなと思っている。

 しかし小泉首相に一言言われたからって直ぐに「弁当持ち込み可」にするっているのも、定見のないことだ。半年しか続かない万博ですから、いろいろ落ち度があるのは分かるが、もうちょっとあちこちで工夫した方が良いと思うことはある。人気館のあの長い列はどうにかならないのか、と。

 さつきとメイの家なんて、見たくても見れない。インターネットで予約してもこない人が一杯いる、といった問題が起きている。まだ始まって一週間。いろいろ”KAIZEN”してくれれば良いのですが。


2005年03月29日(火曜日)

 (23:34)午前中は中部国際空港に。名鉄で一番速い列車で28分ですから、名古屋駅の近くにいるなら、気軽に行けます。海の上の空港という点では、関空と似ている。しかし、何か楽しい。

 小ぶりなのですが、4階のレストラン街がちょっと意図的に通路など狭く作ってあって、親密感が出るような、横町感覚の作りになっている。かつ、温泉と称する湯がある。事情通によると、あれは只の沸かし湯らしい。しかし、窓から飛行機の発着を見ながらの湯はなかなかのものです。ジャグジーもあるし、寝湯もある。しばらくいて気持ちの良い場所、エンタメ・プレースという印象。あれは、デートスポットになりうる。

 昼は一度名古屋駅に戻って友人らと食事をして、その後に午後3時前に再び万博会場に。ターゲットを絞ってまず日立館に。ちょっと並びました。予約も整理券ももっていなかったので。しかし、面白かったな。その後は三井・東芝館に。これも少し並んだ。宇宙船の、しかも自分が登場する未来劇を。

 その後は無理だと思ったら、なんとトヨタ館が最後の8時のショーだけなんもなしに見られるというので(うーん、最後のショーは狙い目かも)、そこに並んで、比較的短い時間で思いもよらずに人気の企業パビリオン3館を見ることに成功。トヨタ館のショーはたっぷり30分。さすがに良くできていて、見ていて楽しかったし、一番統制が取れていて綺麗でした。力が入っているし、システムの仕組みを知りたくなりました。

 トヨタ館のショーを見ていて思ったのは、「トヨタは、ロボットをしているのはホンダやソニーだけではないですよ」とこのショーで訴えたかったのではないか、と思いました。ソニーのロボットは踊りを踊りましたっけ。しかし、トランペットは吹かなかったような。ホンダのアシモよりも、足の運びがスムーズだった気がした。

 しかし、未来の産業を見通す上では、私は日立館のμチップを使ったコンテンツに非常に興味を持ちました。将来はこのチップは我々の身の回りにいっぱい登場して、例えば各種産品の産地情報だとか、直ぐには見えない製品の情報をもたらしてくれるに違いない。装置的にも素晴らしかった。

 三井・東芝館もそうですが、今まで見た感じでは自然や地球、それに共生をうたっているものの、私的にはこの万博のウリはμチップにバイオメトリックスのような気がする。日立館でも三井・東芝館でも見学者の顔の特徴をコンピューターに取り込んだショーを見せてくれる。非常に個的なんです。マス対象だが、コンピューターの技術で個を取り扱うことが出来るようになった成果。

 まだまだ一部しか見ていない。一回東京に帰りますが、また機会をつくって来たいと思う場所です。あと、その時その時でいろいろなショーをやっているらしい。これも詳しく調べていかないと。今回の私のようにあまり予定もせずに只行ったのでは、なかなか効率的な見方は出来ない。ちょっと反省ですな。まあ、短時間にしてはいろいろなことが出来ましたが。


2005年03月28日(月曜日)

 (25:45)速報によると、スマトラ沖でマグニチュード8.5というマグニチュードで示される地震そのものの強度としては巨大な地震(余震)がまた起きたそうな。当然夜ですから、前回よりも状況は悪いはずで、大きな津波が起きなければ良いのですが。

 ところで、万博見学もあって名古屋に来ています。今の名古屋は見物が多い。中部国際空港を見るのも楽しみで、いつも来ている名古屋ですが、この二つが出来たことにより何が変わるのか、変わらないのか。

 私の友人を含めて、名古屋に実際に住んでいる人たちと話をすると、「その両方に行ったことがない」という人が非常に多い。「いつでも行けるから....」というのが理由で、その辺に万博会場の人出が「思ったより少ない」ということに繋がっているようです。

 月曜日の名古屋は実は一日雨でしたが、万博会場には日曜日よりは人が入ったらしい。日曜日は少なくて、主催者が8万人を見込んでいたのに、実際には5万5000人程度。天気も良かったのに。そこで、「何でこんなに人出が少ないのか」という特集を地元のテレビ局は月曜夕方にしていました。で理由は、「名古屋の人はいつでも行けると思っているから、まだ動いていない」というものでした。

 私が実際にこの目で月曜日に見た印象も、「人は少ない」でした。特に瀬戸会場など、本当に人が少なくて、見物の客より会場の係員の数の方が多い感じ。月曜午前の印象です。ちょっと中途半端ですかね、瀬戸会場は。あまり見所もないように思える。やはり主会場は長久手です。

 ただし長久手の人気企業パビリオンやマンモスが展示されている人気会場の前は凄い人出で、私のようにインターネットでも予約してこなかった人間には、それらを見るのは至難の業に見える。まあ名古屋なんて近いので、インターネット予約が再開されてから予約してまた来れば良いといった考えでいますが。でも人気パビリオンを一気に見たい人は、是非予約を。そうでなければ、人気パビリオンを全部短期間で見るのは至難の技です。

 人気パビリオンもいろいろ入場方法が違う。予約か整理券がなければ入れないトヨタやグローバル・ハウスのようなところもあれば、日立のようにただ並べばみられるところもある。もっとも少ない人出もそこに集中して、日立館では3時間待ちでした。

 各国のパビリオンはいろいろ見ましたが、「なんだこの程度か」というのが多い。最後は土産物屋さんみたいに、いろいろなモノを売っている。まあ魅力をまだ見いだしていない面もあるのでしょうが。


2005年03月27日(日曜日)

 (18:45)ちょっと気が早いかも知れませんが、一時の最悪状態を脱しつつある日本の雇用情勢は、今後かなり好転するのではないか、と思い始めています。それは、最近多くの企業経営者と話すと必ず出てくることだし、例えば以下に掲載するニュースのような状況からも明らかだと思う。

アルバイトタイムス、経常益39%増・前期、広告出稿増える

 無料求人誌発行のアルバイトタイムスの2005年2月期連結業績は、経常利益が前の期比39%増の21億円弱になったようだ。従来予想を4億円ほど上回る。企業が人員募集を積極化しており、首都圏や静岡県内で発行する無料求人誌への広告出稿が増えた。05年2月期の期末配当は実質的に前の期の4倍超となる30円前後とする公算が大きい。

 売上高は24%増の173億円前後となったもよう。うち情報部門は売上高が約117億円、営業利益が20億円弱とともに4割程度増えたようだ。無料求人誌「DOMO」は人材派遣・請負会社や大手飲食チェーンなどの大口受注を獲得。広告掲載件数は約33万7000件と31%増えた。平均単価も16%増の3万円弱となった。

 もちろん、地域的なばらつきはあると思う。しかし、日本を全体的に包む雰囲気はそういう方向に向かっていると思う。その大きな要因は以下のように思います。
  1. 90年代から今までの採用抑制の影響で、事業の各セクターとも人手不足が顕著になっており、特に若年層の負担が著しく重くなっている現状から見て今後の採用増は必至に見える

  2. かつ景気の拡大基調により、事業拡大の切っ掛けが生じつつあるのに、その最大の制約要因が人材(の不足)に移りつつある。これは90年代の企業家の最優先課題が借金の返済だったことからの大きな変化だ

  3. 今後の日本を見ても、労働人口や総人口の減少傾向の中で人手不足、人材不足の発生が目に見えており、今のうちに人材を厚めに手当てしておきたい
 まあそうなれば、日本経済のアキレス腱であった消費にも徐々に明るさが見えてくるということだと思う。


2005年03月25日(金曜日)

 (22:45)以前、日本のいわゆるカレーライスを各国に輸出したらいいのでは、と書きましたが、24日の朝日新聞の夕刊には「和風カレー 中国の陣」という記事がある。これを見ると、和風カレーはかなり中国に浸透してきているようです。この件に関してはその時、多くの方からメールを頂きました。

 私のアイデアは、それを例えばニューヨークなどに売り出しても良いのでは、というもの。まあ誰か考えているのでしょうが。呼び名は「J-カレー」です。正直言って、小生はカレー好きで、インド風のカレーとは違ったおいしさが日本のカレーにはあるし、それは世界で通用すると思っているのです。


2005年03月24日(木曜日)

 (19:45)本屋に立ち寄ってはおもろい本はないか、と探しているのですが、なかなかない。新書が本当にいっぱい出ているので、結構読んでいるのですが。その中で、今読んでいる「模倣される日本」はなかなか面白い。

 確かにあちこちに行く身としては、「あれやこれやで日本は世界から模倣されているな」と思う。この本の言うとおり。しかし逆に日本もあれやこれやで世界をまねている。つまりクロスオーバーの「まねっこの時代」だという気もする。

 世界を駆けめぐる情報の量は、インターネットの普及もあって飛躍的に増大している。情報は増えれば増えるほど、人々の頭に残って、それを自分のものにしようという欲求は高まる。

 どちらがどちらをより多く模倣しているのか、模倣していないのかは難しい問題だ。目新しい分だけ、日本の文化や習慣やその他諸々が世界の人々から模倣されていることはあるかも知れない。本当に良いものが広がる世界で、日本がより模倣されるとしたら、それはそれで嬉しいことだが、こういうことには流行もあるから、一概には言えないのだが....


2005年03月23日(水曜日)

 (19:11) FOMC声明は世界の金融市場に大激震をもたらしました。まあ、「knee-jerk reaction」としてはこんなところかもしれない。東京の株もさすがにこらえきれなくて、日経平均で102円85銭安くなった。当然米債は売られたのだが、興味深かったのは日本の円債が株安を受けて一時買われていたことかな。

 予想はしていても、それが実際に起きると市場は過剰とは言わないが、一端は大きく反応してみせる。そのこと(今回は声明でのインフレ警戒)が持つ本当の意味は、二〜三日たたないと分からないケースが多い。だから、ニューヨークの株価に打撃になったのはその通りとして、23、24日のニューヨーク市場の株価がどう動くかなどが大きなポイントでしょう。

 今のニューヨークの株価の動向などには、経営不振のGMの分などが入っているというのが筆者の見方で、これに対して東京に上場されているトヨタなどの日本車メーカーは好調。ということは、日本の株式市場がニューヨークに右に倣えすることはないと思うのだが、まあ市場の習性としてはニューヨークの大きな動きにはなかなか逆らえない。市場が落ち着くのを暫く眺める、ということになりそう。

 大きなトレンドとしては、世界的にインフレ圧力はゆっくりだが高まっていくと言うことでしょう。しかし、過去の歴史を見ると今の世界の金利水準はまだ株などの市場に継続的に打撃を与えるほどには上がっていない。そういう意味では、それほど心配する必要はないかもしれない。
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 ところで、いつだったか忘れましたが、フランスから木場公園内に来ている「騎馬オペラ」と称する「ジンガロ」を見ました。良くあそこまで馬を調教したものだ、それに乗る乗り手の技術を高めたものだと思うほど出来上がりは素晴らし。派手さはない。暗闇の中で始まり、最後も「あ、これで終わったのか」と思うような意外な展開。オペラやミュージカルにあるインターミッションもないが、私は楽しめました。特に後半は圧巻です。迫力がある。目の前で馬が走り、その上で人間が曲芸を披露する。

 馬と人間の付き合いは長い。馬は車が誕生する前は、人類にとって最高の移動手段であり、馬が戦闘に果たした役割は大きい。モンゴルの大帝国も馬を大量に抱えていたが故の帝国建設だった。今でも馬は競馬や乗馬で親しまれている。その馬をあれだけ見事に調教したことが素晴らしいと思う。見事に横歩きなど、「これは教え込まねば出来ない」ということをさせている。乗っている人が大仰に指示しているわけでもないのに。馬の砂浴びもあったな。馬が砂にまみれて一回転するのです。

 もっとも動物を使うので、臭いは強い。それを消すためもあってか、お香をたいているのですが、それでも臭いはするし、前の方の席では馬が走り回りますから、いろいろなものがとんでくる。それこそ「砂かぶり」ならぬ「泥かぶり」。しかし、良いものを見たな、という印象は残った。舞台はチベットです。舞台の真ん中にはパオのようなものがある。「よく発想したな....」と思う。チベットの僧侶達が来ている。5月の中旬までやっている。

 「これなに」とがっかりする人もいるかもしれない。賛否が分かれる舞台です。「オペラ」というには、歌は少ない。


2005年03月23日(水曜日)

 (05:11)利上げ幅は予想通り0.25%でした。また「measured」の単語も残りました。しかし、FOMCのアメリカ経済に対する見立ては「インフレ圧力は高まっている」であり、その判断が色濃く声明に出て今後の利上げペースのアップを示唆する内容となりました。

 この結果、米債券市場では利回りが大きく上昇、この文章を書いている時点では、指標10年債の利回りは4.85%前後。昨日まではずっと4.5%前後だった。また、まだ終わっていないニューヨークの株は、FOMC声明までは上げていたものの、この声明発表後は下げに転じている。ダウで60ドル安程度。FOMC声明のポイントは、  

  1. 「Output evidently continues to grow at a solid pace despite the rise in energy prices」と生産の増加ぶりに evidently を使って、米経済の力強さを認定したこと

  2. 長期的なインフレ期待は依然として顕現化せず、抑制されているものの(contained)、短期的なインフレ見通しに関して「pressures on inflation have picked up in recent months and pricing power is more evident」と述べて、インフレ圧力の増大を認定したこと

  3. 持続的成長と物価の安定の上ブレ下ブレのリスクに関して、「the upside and downside risks to the attainment of both sustainable growth and price stability should be kept roughly equal」とし、今までの「to be roughly equal」から変更し、明らかに上ブレのリスクを念頭に置いて、利上げのペースアップを予感させる表現にしたこと

  4. 利上げのペースに関しては「measured」の単語を残し、また長期的なインフレ期待の抑制に言及して、利上げのペースは今後も0.25%で進む可能性が少なくないことを示唆した

  5. エネルギー価格の上昇に関しては「The rise in energy prices, however, has not notably fed through to core consumer prices.」と述べて、今後注視すべきであるとの立場を表明した
 ということでしょう。良くできた声明文だし、声明は市場が一番気にした「measured」も残したが、この声明をまともに読める人だったら、「FOMCの現状認識は明らかにインフレ警戒に移ったな」と分かる内容。まあ、その通りなんでしょうな。前回の声明と読み比べると、前回は生産は「appears to be growing」だったし、インフレに関しては「inflation and longer-term inflation expectations remain well contained」だったから、大きくトーンは変わった。

 上ブレ下ブレリスクの関しての表現が、今までの「to be roughly equal」から「with appropriate monetary policy action」という表現を加えながらの「should be kept roughly equal」に変えられた意味は大きい。ほっておけば上ブレするから、そこに意思と「適切な金融政策行動」を入れる必要性に言及している。これは明らかにより強めの利上げが打ち出される可能性を示唆する。

 次のFOMCは4月がなくて5月3日です。その間の物価情勢によるのですが、5月の利上げ幅は0.5%になる可能性が出てきたし、原油価格の高騰が続けばinter-meeting の利上げの可能性さえほんの少し出てきた、と考えるべきでしょう。FOMCの声明文は以下の通りです。

The Fed's Statement March 22, 2005 2:24 p.m.

The Federal Open Market Committee decided today to raise its target for the federal funds rate by 25 basis points to 2-3/4%.

The Committee believes that, even after this action, the stance of monetary policy remains accommodative and, coupled with robust underlying growth in productivity, is providing ongoing support to economic activity. Output evidently continues to grow at a solid pace despite the rise in energy prices, and labor market conditions continue to improve gradually. Though longer-term inflation expectations remain well contained, pressures on inflation have picked up in recent months and pricing power is more evident. The rise in energy prices, however, has not notably fed through to core consumer prices.

The Committee perceives that, with appropriate monetary policy action, the upside and downside risks to the attainment of both sustainable growth and price stability should be kept roughly equal. With underlying inflation expected to be contained, the Committee believes that policy accommodation can be removed at a pace that is likely to be measured. Nonetheless, the Committee will respond to changes in economic prospects as needed to fulfill its obligation to maintain price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Alan Greenspan, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Ben S. Bernanke; Susan S. Bies; Roger W. Ferguson, Jr.; Edward M. Gramlich; Jack Guynn; Donald L. Kohn; Michael H. Moskow; Mark W. Olson; Anthony M. Santomero; and Gary H. Stern.

In a related action, the Board of Governors unanimously approved a 25-basis-point increase in the discount rate to 3-3/4%. In taking this action, the Board approved the requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of Boston, New York, Philadelphia, Cleveland, Richmond, Atlanta, Chicago, St. Louis, Minneapolis, and San Francisco.


2005年03月22(火曜日)

 (08:11)日経の社説は、「日本とインドの距離を縮めよう」。去年の初めにインドに行った身としては、やっと日本でもインドの重要性が知れてきたかという印象。あの国はカオスだが面白いんですな。

 そう言えば、2週間ほど前に確かマネックス用だと思ったのですが、以下のような文章を書きました。今日本人が一番注目している中国と、あまり関心を示してこなかったインドを比較したものです。

 二つの将来の超大国について考えている。「どちらが順調な発展を遂げるのだろうか....」と。

 むろん、超大国とはインドと中国である。ともに人口は10億を超える。両国を合わせると、世界人口の三分の一以上を占める。ともに国民一人当たりのGDPは3000ドルに満たない。しかし、成長率には目を見張るものがある。世界的な資源不足、資源価格高騰の背景には間違いなくこの二つの国の存在がある。

 二つの国とも、人口の数%が今非常に豊かになって、彼等が国の発展を先導している。たった数%の数の豊かな民でも、例えば先進国である日本の人口に迫るから、そのパワーたるや侮れない。

 両方とも弱みのある国だ。今はやや中国の方が発展段階では先を行っている。先にオリンピックをやるのは中国だ。国民一人当たりGDPもインドより高い。基本的には階級はなく、国民の均一性は高いように見える。しかし、何と言っても共産党の独裁国家で、その統治にほころびが見えるのが心配だ。暴動は頻発し、農民や都市貧民の騒ぎも多くなっている。

 インドは昨年私が行った印象でもまだ「カオスの国」だ。厳然とした階級制が今でも残り、一つの国を形成しているのが不思議なくらいだ。民族の数も、言葉の数も多い。何よりも国民の教育格差が大きい。インドの大学は世界的にも高レベルだが、街には文字を読めない人が溢れている。

 ともに発射台は低いから、目先の成長は順調だろう。しかし筆者は思う。中国の発展にとってはやはり「共産党の一党独裁」が足枷になるのではないだろうか。今中国では全人代が開かれている。毎年この会議で新しい社会像が打ち出される。今年は「和諧社会」(目指すは調和のとれた経済・社会)が目標だそうだ。しかし、今年もそうだが中国の市場は全人代のたびに、政策の変更を懸念して不安定になる。

 対してインドは「世界最大の民主主義国家」だ。それを端的に示したのは、去年の総選挙だ。圧倒的に有利だと言われたバジパイは、「貧者の反乱」にあって野に下った。しかし重要なのは、政策の透明性が保持されていたが故に、株式市場の調整はスムーズで今やインドの株価はSENSEXで7000に接近している。つい最近まで6000を割っていた。

 これは誰にも分からない。しかし、筆者の直観は、より順調に成長する国の候補として「インド」を指さす。経済の発展にとって政治システムはもっとも基本的なインフラだ。中国がそれを整える労力と時間はそうとう重荷になるだろう。単なる予感だが、私はそう思う。


2005年03月20日(日曜日)

 (25:38)ついにトヨタが表彰台 ! ハハハ、去年の末に旧知のトヨタの幹部と会ったら、うちには三つの弱点がある。

  1. 戦線拡大による人材不足
  2. F1で勝てない(表彰台に上れない)こと
  3. 株価が上がらないこと
 と言っていた。そのうちの一つがとうとう叶った。嬉しいでしょうね、トヨタのF1関係者は。始めたからには面子もあって止められない。しかし、かかる費用たるや膨大なものだ、と。業績や新車開発などでは invincible な印象がするトヨタですが、まあそりゃ弱点はありますがな。表彰台に上がれるのなら、続けるにしても止めるにしても敗北感はなくなる。身動きが取れるというものです。

 残るは人材不足と株価ですか。まあ今の状態だと戦線は拡大を続けるでしょうから、不足は止まらないでしょうね。株価はどうなんでしょうか。しかし最近トヨタに非常に近い人から新たな懸念材料を聞いた。「車を本当に好きな人が首脳陣にいない」と。

 これは困りますよ。もし本当だとしたら。私は日産に行き詰まった最大の理由は、首脳陣に本当の車好きがいなくなったからだと思っているのです。自分の会社が作っている製品が本当に好きでない人でないと、本当の良い製品は作れないと思う。一つの懸念が去り、そして一つの懸念が出現する。まあ、それが普通なんでしょうが。ただし、私もトヨタの首脳陣全員を知っているわけではないので、本当かどうかは知らない。しかし、ちょっと心配ですな。


2005年03月18日(金曜日)

 (18:38)豆乳が人気だって言うことは知っていました。しかし、それが鍋に使われていようとは。

 誰かから聞いたのです。豆乳の鍋が山里にあると。で、行ってみたのです。どんなもんだろうと思って。肉に変な豆乳の味が付くのではないか、野菜はどのように上がってくるのだろうか、と思い悩みながら。

 一年前まで熊本にいた料理長が、東京に帰ってきてメニューに入れたのだそうです。老舗でも、こうやって新しいメニューを入れるのですね。向こうでじっくり黒豚の肉などをチェックした上で。今は専用牧場で黒豚を飼育しているとか。

 入れるのは黒豚の肉と野菜各種。特に珍しい野菜ではなく、どこにでもあるような。タマネギ、ニンジン、白菜などなど。醤油たれとともに梅たれがあったのが面白かったな。あとは塩と胡椒。牛肉は強すぎて駄目だそうです。豆乳との相性が悪いらしい。

 作ってもらったのですが、見た目は牛乳の中で鍋をやっているようで異様なのですが、できあがったものを食べると、それはそれはさっぱりしておいしい。まあ豆乳そのものをあまり飲まない私なので、それを料理に使うとどうなるかは想像の範囲を出なかった。

 驚いたのは、それであとご飯を入れておじやを作ったこと。ちょっと味が足りなかったが、まあそれなりにおじやにはなっていた。あとは麺を入れる手もあるのだそうです。まあ全体的に面白いとは思う。

 しかし、そういえば今週別の日に食べた四川の鍋、あの真ん中が割れた奴の方が訴えるものがあって良かったな。六本木の刀削麺とかいう店で4人で食べた。この鍋を都内で非常のおいしく作ってくれる店は少ない。刀削麺の店のはまあまあでした。

 私が今まで食べた中で一番なのは、趙楊さんのそれですが、銀座交詢ビルに入ったときからメニューから落ちてしまった。まあガスが使えないから.....とかいろいろ理由がある。私としては、それを回避する方法を考えているのです。

 まあでも、豆乳の鍋。まずは面白かった。


2005年03月17日(木曜日)

 (05:38)「GMショック」はいつか来ると思っていました。水曜日のニューヨーク株式市場の株価下落110ドルのうち、約三分の1はGM株の下落の影響でしょう。ソニーが日本を代表する会社であると同じくらい、GMはアメリカを代表する会社。アメリカの「GMショック」は日本の「ソニー・ショック」に相当する。

 その会社が、ブレークイーブンの予想の時に8億5000万、一株当たり1.50ドルの欠損を予想。今年第一・4半期です。年間ではまだ利益予想が出ていますが、市場は敏感に反応した。石油の高値更新も株価押し下げ要因。格付け大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)はこの日、GMの長期債の格付け見通しを「安定的」から「引き下げ方向(ネガティブ)」に下げた。米ムーディーズ・インベスターズ・サービスはすでに「ネガティブ」に引き下げており、GM債は投資に向かないとされる「投機的水準」に迫りつつある。

 GMの経営不振はこれからのアメリカ経済にとって重い課題になるでしょうね。なにせ、「晴れた日にはGMが見える」とまで言われた会社ですから、それが経営不振の度合いを含めれば、それはもう政治問題です。双子の赤字より、政治的な問題になりかねない。

 石油相場の上昇は、価格が供給サイドより需要サイドに敏感に反応している証拠でしょう。OPECは昨日予想したよりも市場の意表を突いたように最終的には100万バレルの増産を打ち出した。しかし価格はアメリカでのガソリン在庫の減少を背景に高騰した。


2005年03月16日(水曜日)

 (19:33)増産はない、と思われていたOPEC総会ですが、どうやら枠そのものの拡大かサウジの単独増産という形で生産増が決まる形勢。今見ているFTにも「アメリカの強い圧力でOPECは増産へ」とある。

 しかし効果はどのくらいなんでしょうか。生産枠の引き上げも日量で50万バレル程度のよう。この結果、生産枠は2750万バレルになる。1987年に枠の設定が始まって以来の最高だそうですが、他の加盟国の反対でそれもかなわなければサウジは単独で増産するという。

 しかし、今のマーケットのトレンドから見ると、小幅増産ではあまり価格引き下げ効果はないかもしれませんね。むろん反動安は今日の東京市場でも起きていますが、なにせ需要が見えている。その増加はただごとではないペース。中国は昨年36%増やして、今年は少なくとも22%は輸入を増やしそう。総会は今夜ですが、何が決まるか。

 マスコミ報道だと、ライブドアが議決権ベースでニッポン放送の株の50%を取得したそうな。先週は出来高が徐々に減少していたので、売りが少なくなってきたなというのと、ではライブドアの買い増しは難しいのではと思っていたのですが、今週は俄然出来高が増えていた。

 月曜日が比較的出来たのに加えて、火曜日は135万株も出来ていた。これを見て私は「50%は行ったのでは」と見ていた。金曜日の夜に一緒に食事をした人に言ったのです。まあ、今日になってそうだったことが分かったと言うこと。上場廃止が明確になってきましたから、非上場の株を持つのが嫌な従来株主が売りを急ぎ、それをライブドアが買い上げたという図式でしょう。

 でもこれから6月末(ニッポン放送株主総会)までの3ヶ月かなり長いし、いろいろありそうな。株式会社は株主のものという考え方は基本はそうですが、ニッポン放送では労働組合結成の動きが出ていて、今のところ従業員はライブドアの経営に対峙しようとしている。まあ6月末の株主総会は日本の歴史に残るかもしれない。

 ニッポン放送の異議申し立てを審議していた東京地裁民事8部の異議審も、その申し立てを退けた。次の高裁をニッポン放送が求めるのかどうか。


2005年03月15日(火曜日)

 (24:31)昼は内藤さん、下村さんと一緒に韓国の新聞記者さんと食事をしながら、取材に応じました。金融ビッグ・バン後の日本の金融の動き、401kのその後などが取材目的。日本の資産が預金から動かない現状などを知りたかったようですが、まあ私はペイオフもあって日本の資金は動き出している、との見方です。

 「日本は喫煙者が多い」と韓国の記者さん。まあ内藤さん、下村さんも吸いますから。私の制止を振り切って。自分でそう言っておいて二人が吸うと自分もと記者さんが(ー。ー)yー゚゚゚を出して吸い始めたのにはびっくりしました。でも、公共の場所などでは韓国では徐々に煙草が閉め出されているようです。それはいいことだ。

 香港の古川君からは、中国経済の現状に関して一つレポートを送ってもらいましたが、その中には私が先日取り上げた中国沿岸部、特に広東省の人手不足に関する内容もあった興味深かった。

 「春節後も広東省を中心に労働力不足が続いている」ということで、シンセン市の調査では、春節後に不足する労働者数は10万人にのぼる見込みであり、特に電子・電器などの委託加工業での不足が目立つという。

 特徴的なのは、春節後に戻ってきた出稼ぎ者の割合はシンセンで60%、広州で87%にとどまったという。この人手不足は、昨年後半に顕著になったもので、広州、シンセン、東莞などの広東省の主要都市で約200万人に達していると言われる。これは、2004年秋の段階なので、今はもっと深刻化している可能性が高い。

 農業収入の増加や農業税の引き下げに伴い農村部の労働者が都市部へ出稼ぎをするインセンティブが薄らいでいることが背景との見方だそうで、出稼ぎに出た方が名目の賃金は高いものの、手取り賃金や福利厚生を考慮すると、苦労して出稼ぎに出るのに見合わないと考える人が多くなっているという。労働力不足の影響を大きく受けているのは賃金水準が安い企業で、賃金水準が高く福利厚生が整っている企業では労働力不足は大きな問題とはなっていないようだ。

 今回の全人代が打ち出した一つの中国社会の理想型は「和諧社会」。そういう意味では、農村部の人が都市にまで出稼ぎに出なくて良いのは歓迎すべきだが、「人の宝庫」と言われた中国でも人手不足が深刻化してくるのは、世界経済にとってコストアップ要因である。


2005年03月14日(月曜日)

フジテレビ  −1000 234000(− 0.43%)
ニッポン放送 + 850  7150(+13.49%)
ライブドア  + 12   350(+ 3.55%)

 ライブドアがライバル視するヤフー・ファイナンスのページによれば、週明け14日の関連各社の株価の動きは以上です。虎ノ門から神谷町に歩くと右側にあるポニーキャニオンは、非上場企業のようなので、株価の動きは分からない。

 この会社は、俄然「Crown Jewel」として注目されている。王冠についている宝石。貴重ですね。それを移動させてしまう作戦そのものは「Scorched Earth Defense」(焦土防衛、日本では一般的に焦土作戦)という。関連サイトには、こんなサイトも。ロシア軍が自国の土地を焦土にしてナポレオン軍から国を守ったことが切っ掛けだという。攻め込んでも何もない、という捨て身作戦。

 まあ、金曜日の引け後に発表された東京地裁の判断が市場に与える脚気反応(knee-jerk reaction)としてはこんなもんなんでしょうな。ライブドアがまだ買い増すとしたら、一株当たり数百円の割高にこれからはなるということ。日本放送の発行済み株式数は確か3280万株ですから、1%引き上げの為の買い増しには、32.8万株の購入が必要。14日の引値で計算すると、「32.8万株×7150円」で1%の買い増しコストが計算できる。23億4520万円。

 まだヤマは何回も来るのではないでしょうか。アメリカの例を見ても、M&Aの帰趨は最後まで分からない。当面で一番肝心なのは、新株予約権の発行日である3月24日にどちらが裁判所から認められている存在となっているのか。5億円という供託金からは、一審の裁判官達の自信が感じられますが。

 まあそういう技術論は別にして、例えばライブドアが一連の作戦に成功したとしても、そのやろうとしていることが多くの人から「なるほど」と納得してもらえるかでしょう。AOLもタイムワーナーを買ったまでは良かった。しかしその後結局ケーシーは追われた。勝負はそこまで見ないと分からない。


2005年03月13日(日曜日)

 (24:28)ニッポン放送を巡るライブドアとフジサンケイ・グループの争奪戦は、ニッポン放送の異議申し立てを受けて地裁の別裁判官による異議審で新しい判断が下る見通しであったり、抗告があった場合には高裁判断も出る可能性があるなど、新しい展開を見せる見通し。3月24日が新株予約券発行日ですから、その時点でどっちが勝っているかが極めて重要。

 先週の金曜日に出たライブドアの差し止め請求に対する地裁判決の全文が日本経済新聞のサイトに掲載されていたので読んでいたら、マスコミであまり議論になっていない部分に関する文章を発見しました。地裁決定の「仮処分命令の本文」の中の「債権者の主張」の中にある。

 本文の中の債務者というのは、訴えられたニッポン放送、債権者というのは訴えたライブドアです。

(3)債権者の主張

   債権者は、債務者が債権者の子会社となった場合、債権者の行っていたインターネットビジネスと融合することにより次のような効果が得られると主張し、後掲の各疎明資料を提出している。

 ア 債務者がインターネットのポータルサイトを自ら運営することになり、

  1. ラジオの聴取者を債務者が運営するポータルサイトに誘導して、会員化し、聴取者情報を把握することにより、広告主への訴求力の向上や聴取者にあわせた番組づくりができ、また会員化することによって商品代金の決済に必要な情報を管理することもできるため、代金の決算が簡易になり、商品販売も増加する、

  2. ラジオで紹介した商品を債務者の営むポータルサイトのショッピングサイトで特集し、ラジオでは伝達できない視覚情報も提供することで、商品販売を促進するとともに、聴取者のニーズも捉えられることになるし、販売機会を獲得できる、

  3. リアルタイムの放送を聴取できなかった聴取者に対して、過去の番組を有料でダウンロードする仕組みを債務者が運営するポータルサイトから提供することにより、課金収入を得ることができることはもちろん、ラジオ放送そのものへの聴取者の繋ぎ止め効果や満足度向上に役立つ、

  4. 以上のようなサービスの向上によって、債務者のポータルサイトの魅力が増して訪問者が増加し、その結果、ラジオ放送自体の聴取率が上昇し、サイトともども広告媒体としての価値が増加して広告収入が増加する。
 ライブドアはニッポン放送、さらにはフジサンケイ・グループと業務提携して何をしたいんだろう、とずっと言われてきた。その点でこの文章は、債権者(ライブドア)が裁判所に提出した資料そのものですから、明確です。これを読むと、ライブドアは今の放送の中味、つまり報道の仕方を変えるとか、新しいドラマを作るとか、歌番組を変えるとか、そういうことには全く興味がないように見える。放送そのものには興味がないのだ。

 やりたいと言っていることは、ニッポン放送の聴取者を「会員化し、聴取者情報を把握すること」であり、ポータルサイトとしてのニッポン放送のサイトで商品売却をして「商品代金の決済に必要な情報を管理し」、「ラジオで紹介した商品を債務者(ニッポン放送)の営むポータルサイトで特集して商品販売を促進」することのようである。さらには、「リアルタイムの放送を聴取できなかった聴取者に対して、過去の番組を有料でダウンロードする仕組みを債務者が運営するポータルサイトから提供することにより、課金収入を得る」ことである。

 でも私は思うのです。最後の再放送による課金は問題ないとして、その前の聴取者の会員化、物品販売などについては「そんなことをして良いのだろうか」と。そりゃテレビやラジオで紹介した商品をそのまま局のネットサイトでショッピングの対象とすれば、売れるかも知れない。しかし、例えばこの番組の小島奈津子さんが着ていたものを、そのままショッピングの対象としてか、オークションの対象としてか売ることが「放送とインターネットの融合」として相応しいものなのかどうか。

 筆者はこの週末に、果たしてアメリカやイギリスの放送局のサイトがショッピングやオークション、さらには金融取引が出来るかかなり見てみて見ましたが、そういうサイトは一つもなかった。ほとんどが日本の多くに放送局サイトと同じ番組関連である。まあそれが今でも「世界の流れ」「放送局サイドの自制」でしょう。シッピングやバンキングは、放送局のサイトでやるものではない。

 この点がちっとも議論になっていないのが不思議でしょうがないのです。私はしてはいけないことだと思う。


2005年03月12日(土曜日)

 (08:28)米国産牛肉の輸入再開問題は日米間の摩擦になりそうな空気ですが、そこで問題の中心にいるかのように報道されているのが内閣府食品安全委員会。金曜日のラジオ番組はこの問題を主要テーマの一つとして扱ったので、事前に調べたのです。実はこの委員会の名前は良く聞いていたが、実態を詳しく知っていたわけではなかった。もっと知らねばと思って。

 内閣府食品安全委員会は2003年7月に設立されている。BSEの国内問題が発生したことを受けて。組織の概要と構成は、かなり複雑です。評価チームだけでも、化学物質系評価グループ、生物系評価グループ、新食品等評価グループなど。

 委員長は、寺田雅昭さんという方で、1936年生まれ。京都大学を出られて医学博士。前職としては、国立がんセンター総長。専門分野は分子腫瘍学。あと6人の方が委員としていらっしゃる。役割は、「食品の安全性を中立・科学的に評価し、農林水産省などに必要な措置を勧告する」となっている。専門調査会としては、BSE関係を審議するプリオン専門調査委員会など。

 要するに、「必要な措置を勧告」をする行政組織なんですな。で、結論を出すのは、農林水産省であったり、内閣府であったりする。ところが今の報道だと、「責任は食品安全委員会」というような見方になっている。そういう受け止め方をされるのなら、私がもし委員だったら結論を出すのは怖いでしょうね。仮に長い日本の食肉輸入の歴史の中で、一例でもヤコブ病が出たら、「あの委員会の委員達が認可したから」という事になりかねない。

 こういう考え方も出来るのではないでしょうか。例えば、私がアメリカに行く。まあ問題なく私は牛肉を食べるでしょうね。96年までにロンドンやパリには何回も行って、特に牛肉をオーダーして食べた記憶はないが、パーティーなどでは出ますから食べたでしょう。だから食べている。

 考えてみれば、世の中に絶対安全な食品なんてものはない。食べる方の体調もある。一定のリスクを抱えながら我々の食生活というのは成り立っている。食品安全委員会に100%安全と言ってもらうよりも、ある程度の安全性に関する情報を開示してもらって以降は、それを使う側の判断に任せるという方法もあるのではないか、と思うのです。いろいろな意見があるでしょうが。


2005年03月10日(木曜日)

 (20:22)今日一番笑ったニュースは、以下の中国からのものでした。彼の国の実態を捕まえるのはなかなか難しい、という新華社電。

中国の04年GDP、地方政府分集計すると13.4%の伸び

 中国の各省や自治区、直轄市の統計を足し合わせると、2004年の国内総生産(GDP)の伸びが実質13.4%となり、中央政府の国家統計局発表の9.5%を3.9ポイント上回ることが分かった。地元の経済発展の実績が地方官僚の出世を左右することが多い中国では、経済統計を水増しする傾向が強いためだ。

 新華社が伝えた。北京で開催中の全国政治協商会議で李徳水国家統計局長が明らかにした。各地の統計を合算すると昨年のGDPは国家統計局の発表より2兆6582億元(34兆6000億円)多い。上海に隣接する江蘇、浙江両省の合計値に匹敵する。

 李局長は地方政府内の各段階で少しずつ数字を上乗せしているほか、集計作業がいいかげんで、原データの信頼性も低いなどと指摘。大企業の売り上げを複数の行政単位で二重計上する問題もあるとしている。

 これに対し、国家統計局発表のGDPは「国際的に通用する方法で独立集計している」とし、数値の乖離(かいり)は主に地方の責任であることを強調した。

 「地方政府内の各段階で少しずつ数字を上乗せしている」
 「集計作業がいいかげん」
 「原データの信頼性も低い」
 「大企業の売り上げを複数の行政単位で二重計上」

 中国の地方政府の役人が、鉛筆をなめながら自分の省や行政単位の成長率を引き上げている姿が浮かび上がる。「地元の経済発展の実績が地方官僚の出世を左右する」というのだから、彼らは一生懸命なんです。じゃ、積み上げ数字が信頼できないとしたら、中国の公式発表成長率はどうやって9.5%とはじき出されたのか。「国際的に通用する方法で独立集計」という国家統計局の方法とはなんぞや。

 このニュースでは何も触れられていないので不明です。ま、どこの国の統計だって、多少のブレ、実態とのずれはある。しかし、地方の積み上げの数字と国家統計局の国際的に通用する独立集計との差が3.9%もあるとは。

 中国関連のニュースでは、「中国政府は独自技術の開発力強化や環境保護など経済の「質」向上に重点を置いた産業政策をまとめた」とのニュースもあった。中国の人自身が、あまり中国の製品を買いたがらない。私がいろいろの人と話した結論です。「質への転換」。中国の役人の評価体型を変えないと、難しいんでしょうね。
 ――――――――――
 木曜日には、今度は東京で同一グループ系の大企業の幹部の方々との会合があり、そこでの意見交換は面白かった。そこから得た印象としては、今年、来年と日本ではかなりの雇用ラッシュが起きるだろう、ということです。これまで日本の企業は採用を絞りに絞ってきた。少数採用された企業の若者は、働きに働かされてきた。もう限界なんですな。彼らはスキーにも行けないくらい酷使されている。

 だから、最近の高卒の就職率上昇や有効求人倍率のアップで示された雇用の増加傾向は続くと思う。日経のニュースに、正社員の採用でしたっけ、それが増えたというようなニュースがあったと思ったのですが、それは本当だと思うし、今後も続くと。

 その結果何が起きるかというと、1990年代の初め以来実に10数年ぶりに有効求人倍率が「1」を超えるのではないか、ということです。企業には、日本の人口減少も見えている。最近会った何人かの経営者は、「今後人材が採れなくなる」と見通しのもとに採用計画をとっていると言っていた。

 あと面白かったのは、中国の沿岸部での人手不足がかなり深刻だ、という点。聞いてはいましたが、結構凄まじいことになっているという。転職率も高い。あれやこれや(電力不足もあり)で、工場を日本に戻す動きも続いているようです。工場が戻ってくれば、またそこで人材採用が生ずる。生ずれば、雇用者所得(賃金)はいずれ上がる。上がれば、消費者のフトコロは多少で温かくなり、消費が増える、という図式が見える。


2005年03月09日(水曜日)

 (24:25)ははは、せっかくの大阪なのに結局2時間30分ほどしか居ませんでした。そのうち、1時間は講演でしゃべり、残りの時間は移動に使っただけ。

 行ったのは大阪証券取引所。北浜にあって、去年オープンしたばかりとあって、さすがに新しい。主催者に「3階までいらしてください」と言われたのでエレベーターに乗ったら4階からしかない。あれ、と思っていたらこのビルは3階まではエスカレーターで行って下さいということで、また乗り直し。

 講演相手はIPOを狙っている人達と言うことで、今回のライブドアとフジサンケイ・グループのニッポン放送を巡る争いを例に引いて、株を上場することのメリットとリスク、上場とはどういう意味があるのか、過去の投資ブームの例などをイントロに。

 若い人が中心なんですが、若い女性が数多くいたのには驚きました。まあ彼女たちが企業の経営そのもの動かしてはいないんでしょうが、ちょっと頼もしいなと思った。せっかく大阪に行ったのだから、いろいろな人と喋ったり、食べたりしたかったのですが。

 タクシーの運転手と話していたら、今大阪は全国で四番目の都市らしい。勢いにおいてです。名古屋、東京、福岡、そして大阪と。名古屋と東京の順番を入れ替える人もいるんでしょうが。


2005年03月08日(火曜日)

 (18:25)新聞では「最終的に誰が責任を取るのかの体制が明確でない」とか「今後の再生のシナリオが明確でない」などあまり評判は良くない。しかし、8日の株式市場でのソニーの株価は全体が小幅反落となった中で170円、4.18%も上がって4240円となった。

 市場はとりあえずは、経営メンバーが一新されて「何が始まるのだろう」と期待している雰囲気である。そうですね、日本よりも世界が驚いたというのが本当のところだろう。日本の会社であるソニーに、イギリス生まれのアメリカ人であるストリンガー氏が就任したことです。ニューヨーク・タイムズのネットサイトでは、長い間トップだったし、ウォール・ストリート・ジャーナルのトップにもなっていた。それだけ関心が強いと言うことでしょう。

 ソフト部門とハード部門にそれぞれのエースをもってきた印象。しかし、ゲームの久多良木さんが取締役を降りるとは思わなかった。社長の有力候補だった。中鉢さんは、「good listener」と出井さんが評している。逆を言えば、久多良木さんは個性が強くて、他人の意見をじっくり聞くようなタイプではなかったということでしょう。どちらかと言えば、天才肌の人と聞いている。

 一方またまた株価が下がったのは、ライブドア。8日の東京株式市場では9円、2.78%下がって315円。300円割れが迫ってきた。2004年の7月には1000円をはるかに上回っていたから、ずいぶんと下がったものだ。

 この日フジテレビの日枝会長は、フジのTOBでニッポン放送の株の39%強(議決権ベース)が集まったことを公表。このラウンドはフジの勝ちです。商法の規定により、ニッポン放送によるフジに対する議決権は消滅する。

 まあ、これからまだいろいろ局面があるんでしょうな。日枝さんは、「ライブドアとの業務提携の可能性はない」と言い切った。さて、ライブドアがどう出てくるかというのと、ニッポン放送のフジに対する新株予約権に対するライブドアの差し止め仮申請にどういう地裁判断が下るか。私はまだいくつも山があると思うが。


2005年03月07日(月曜日)

 (10:25)へえ、出井さんと安藤さんは辞めるのか。日経報道だけですが、可能性は高いと思う。まあ今のままだとソニーもじり貧ですから。株価は正直で、今朝の10時前後ではソニーは先週末比70円高。全体が上がっているとはいえ、久しぶりに足の軽い動き。

 実は出井さんについては、今朝ここに一つ文章を書いていました。ちょっと偶然ですね、その日に日経報道とはいえ出井さんの辞任が報じられるとは。ソニーの歴代会長の歴史の中では、出井さんは今のところ評価は低い。14人抜きでトップに立ったときは話題を集めたものですが。

 人はいろいろなものに取り憑かれるのです。新技術の可能性に取り憑かれたり、宗教に取り憑かれたり。それがうまく回転するときと、逆回転するときと。新しい社長の中鉢(ちゅうばち)さんは57才だそうな。あれ、そうしたら下馬評の高かった久多良木さんはどうなるのだろう。

 ライブドア対フジサンケイ・グループの争いは、今週一つのヤマ場を迎える。さっきリンクを張ったサイトは基本的にはこの問題を扱っていますから、関心のある方はどうぞ。
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 それにしても、今朝は面白いニュースを目にしました。九州の福岡県のある場所で、廃線になった鉄道のレールが盗まれた、というのです。なんと400トン分も。鉄道の鉄は極めて純度が高く上質なんだそうです。かつ、中国の需要が強くて、鉄くずの相場も上がっているという。

 近所のインタビューを受けたおばあちゃんの受け答えが傑作だった。戦争を知っているであろう年齢のこのおばあちゃん、「あたしゃ、戦争がまた始まるのかと思った....」と。これには笑えた。

 鉄は株式市場でも高い。一時50円を割っていた住友金属が今朝など202円ですからね。復配も発表したし、中国の需要も増えるし。「もう日本の鉄は駄目...」と言って大手鉄鋼メーカーを辞めた知人も居たな。それはそれでいいんでしょうが、誰かの歌ではないが「時代は回る....」


2005年03月05日(土曜日)

 (23:25)エスカレーターと階段が共存する場所では必ず階段を利用する人間なので今まで気が付きませんでしたが、久しぶりに乗ったエスカレーターで面白いことに気が付きました。大江戸線の中野坂上駅です。ここは珍しく階段がない。長いエスカレーターが三基付いていて、朝は二基が降り、夕方は二基が上り。

 土曜日の夜ですが、六本木からの帰りに左側の上りのエスカレーターに乗った。乗ったまま珍しくじっとしていたのです。そしたら面白いことに気が付いた。中央の二基目の上りエレベーターの人の方が、私より遙かに速く上に上がる。歩いてもいないのにです。かなり速い。「おかしいな」と。一基目のエレベーターに多くの人が乗っているのは確か。しかし、それが理由ではないように思えた。

 不思議だと思ったことは直ぐに聞くのです。駅員さんに聞いた。そしたらちゃんと理由がありました。ラッシュの時に上りを二基とも同じスピードで動かすと、下のホームに人が溜まって人で溢れる。そこで一基はスピードを上げて人を上に素早く移動させる、のだそうです。一度にどっと電車から人が出てくると、あの狭いホームでは確かに危ない。なるべく素早く人を地上に上げないと。そういう訳だったのです。

 それにしても、大江戸線の六本木駅を地下から全部階段で上に上がるのは結構大変ですよ。私は毎回それをしている。最初の階段の5段目くらいに「地下40メートル」とか書いてある。だからあそこは地下42メートルくらいからスタートです。ははは、途中でちょっと息継ぎをしないといけませんが。
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 六本木に行ったのは、Sideways(サイドウェイ)を見に。アカデミー賞の候補になったあまたの映画の中で、一番異色な映画ではないかと思っていて、それがやっと今日から公開になったので。いつ行ってもあの六本木の映画館は良い。当日にネットで簡単に予約できる。

 ははは、笑い転げましたね。題名の通り、「(人生の)わき道」に関する映画だが、実によく出来ている。ワインのように熟成する二人の人生。この映画は他のアカデミー賞作品から比べると格段に安いお金で作られているそうだ。

 そう言われてみれば、高いお金など必要な場面など何もない。俳優も他の映画では脇役が多い。しかし実に良い味が出ている。映画館中が笑いに包まれるシーンがいっぱいあった。会話の英語も分かりやすい。そしてその笑いの中に人生があるのです。面白かった。


2005年03月05日(土曜日)

 (13:23)底冷えのする土曜日で、今夜からはまた雪だそう。長く外に出る気もしないので、本などを読んで過ごしましたが、「青いあひる」は懐かしさが漂う、しかし読み応えのある本でした。著者はこの研究会の会長でもある水木 楊さん。

 今まで彼が雑誌に掲載してきた短編小説を六編収容しているが、半分これは水木さんの自叙伝だと思う。本の題名にもなっている「青いあひる」などは、恐らく上海生まれの水木さんが日本に引き揚げてくるまでのまだ幼児・子供だった頃の思い出が中心になっているのでしょうし、最初の「イエスタディ・ワンス・モア」も彼がロンドン特派員だったころの実話がベースになっているのではないか、と思う。でも100%ではない。彼は、「どこまで本当ですか」と聞いても、応えてくれないでしょうね。

 水木さんは、日本経済新聞の論説主幹まで務めたジャーナリストですが、その職を去った後も活発な執筆活動を展開している。その好奇心の旺盛さは私もいつも舌を巻いているのです。仕上がってくるものは、いずれも素晴らしい。

 この本は、恐らく水木さんを知っている私のような人間の方が面白く読める。しかしそうでない人にも、興味深く読めるのではないでしょうか。この六編の中では、私は「イエスタディ・ワンス・モア」が一番好きで、次が「青いあひる」かな。「青いあひる」は捕らえようによっては重要な証言になっていると思う。


2005年03月04日(金曜日)

 (23:23)今週最も注目されていた経済指標である米2月の雇用統計での雇用創出数は、26万2000人。予想よりちょっと弱めだが、それでも4ヶ月ぶりの高い伸び。英字紙の一部はこの数字に関して「reportthat was't too hot or cold」と表現。

 「熱過ぎず、かといって冷た過ぎもせず」と言えば、「Goldilock economy」を連想するから、そりゃ株は上がる。そしてなお良いことに、債券相場も反発するということになる。まあ、朝にならなければ分かりませんが、株は確かに上がっている。ダウで10900ドル台。ウォール・ストリート・ジャーナルは今回の数字について以下のように述べる。

The payroll numbers suggested that the labor market continues to be on the mend, but hasn't yet reached full health, analysts said. "Job creation was solid in February but the underlying details indicate this strength was somewhat suspect," said Steven Wood of Insight Economics. "The recent pace of job creation appears to have settled in at a moderate, but not robust, pace."
 まだ雇用の伸びは本格的じゃない、と言うわけです。ちなみに、家計調査で算出される失業率は、民間労働力(civilian labor force)が15万3000人増えたのに、雇用は97000人減少したために5.4%と今年1月の5.2%から上昇した。もっとも1月の失業率低下が予想外だった。労働市場が良くなると、「それでは私も」と働き口を求める人が多くなる。労働市場の全体的な改善にもかかわらず、当初は失業率が上昇するのは、よく見られる現象です。

 どのセクターで雇用が増えたのか。サービスが20万7000人(うち小売りが3万増)、建設で3万人、製造業で2万人など。ただし、時間当たりの平均賃金は15.90ドルで前月と変わらず。雇用する側は、賃上にまでは追い込まれていないし、賃上には慎重だと言うこと。アメリカ経済の69%を占める消費を元気づけるためには、雇用ばかりでなく、手取り収入が増えないと。そこでは先月は結果は出なかったことになる。


2005年03月03日(木曜日)

 (23:21)私の記憶の中では、3月3日とか4日というのは本当によく雪が降る。3日には当時国立大学一期校(古いですね)の試験があった日で、本当にその日に狙いを定めたように降ったもので、受験生が雪で試験に遅れたとかニュースがやっていたのを覚えている。

 3日の夜からの大雪予想はまずまずの当たりですかね。東京の都心では夜の8時過ぎから雨が降って、誰かの歌ではないが「夜更け過ぎには雨は、雪へと変わるだろう....」という世界になりそう。東京オリンピックは「晴れの特異日」に計画されて、実際にはその通りの晴れになったが、3月3、4日は「雪の特異日」だと言う。新聞にも書いてあった。私の感覚が間違っていなかったと言うこと。

 「春の雪」というわけですが、春の雪と言えば三島由紀夫の「豊饒の海第1巻 」としての「春の雪」を思い出す。今ネットの書店で探したら、もうハードカバーはなくて、文庫本で写真がない。当然か。確か私は初版本で持っていた。

 夕方のラジオは、台湾の早田さんに電話で。今時チルダを使っている面白いURLですが、陳総統の独立を巡る発言で保守派が怒っているというニュースから入った。台湾の独立問題が複雑なのは、台湾の大部分の人にしてみれば、台湾は別に今でも独立していないわけではない。中国の本土とは別の政府を持ち、別の憲法を持っている。

 しかし肝心なのは、台湾は中国から渡ってきた国民党が長らく支配していたし、国の名前も彼らが付けたもの。憲法もそう。だから改めて「独立」を宣言して、一部の人々は「台湾共和国」を宣言し、そして独自の憲法を持ちたい、ということらしい。それが独立であると。それには中国は怒る。

 今の憲法が不便なのは、国民党が中国全土を支配しているときに作られたもので、例えば選挙の定数などが本土を対象に決まっていたりして、全く実情に会わないらしい。国民党にしてみれば、また中国本土に戻るのが一つのスローガンだったから、これは変えられなかったということです。しかし昔からこの島に住んでいる人達は、今ではかなり違った考え方を持っている。

 でも早田さんと話していていつも思うのは、中国本土の政治家、それに台湾の政治家がどういうトーンで話していて、それが実際には何を意味するのかは、我々日本人が理解するのはかなり難しいということ。今回の旧正月だってその直前に両者の関係を緊張させるニュースはあって、周りは心配したが、ちゃんとチャーター便の形にしろ相互訪問が出来て、中国の航空機が初めて台湾に降り立った。

 アメリカが東アジアで一番不安定な地域と見ているのは、北朝鮮を除けば台湾海峡です。まあでもそこを巡る両者の関係を言葉だけで解釈しようと言うのはなかなな難しい。長く両方に住んだことのある人の解説が引き続き必要そうです。


2005年03月02日(水曜日)

 (19:21)おお、FTは大胆な。まあでもこのくらいの方が記事を読む気がする。

 何かというと、一面トップの「Japanese economy heads out of recession 」という記事。まあ私は日本の昨年後半からの景気の弱含みは、FTが使っている「recession」という言葉よりは、「soft patch」がふさわしいと思っていたので、突然「heads out of recession 」と言われても、なんだかな.....という感じですが、「heads out of」と言い切るところなんぞは気持ちがよい。

 週初に発表になったサラリーマン所帯消費2.6%増加、12月の17万人増に加えての1月雇用の47万人増加などを含めて、1月に関する指標が軒並み良かったことを取り上げて、「リセッション脱出に向かっている」と。見方としては間違っていないと思う。私はずっと書き物にも講演でも、「soft patch」はまもなく終わると主張してきた。

 海外経済には懸念はない、というのが私の見方だ。これは何回も書いているので書かないが、問題は日本国内の雇用と所得の伸び。しかし、雇用は伸ばさざるを得ない状況に日本の企業は来ていると思う。昨日会食した経営者も、暫く先のものすごい人手不足を予想して、様々な形での雇用を増やしていると言っていた。

 レイオフが大規模に発表されるのに対して、雇用は概ね one by one でニュースになりにくい。しかし実態は多くの企業が中途採用を含めて雇用増加に走り出しているというのが実態だと理解している。なにせ、今まで絞りすぎた。企業の中には、これから会社の中堅になっていく層が異常に薄いところが多い。絞りすぎて人間の数が少ないから、この世代の連中はスキーにも行けない。全国どこもスキー場は閑古鳥だ。

 あとは、所得の伸びですかね。日本はねたみの強い会社で、給料が増えても「増えた」と言えない。経営者もそれを良いことに、留保を厚くして給与を抑えてきた。「中国が後に来ているぞ」と。しかし、国民の所得が増えなければ、消費は増えない。先進国の経済は6割から7割が消費で出来ている。

 もっと大胆に企業は勤労者の所得を増やして良い局面に来ていると思う。所得増加へのモメンタムが生まれれば、日本経済の6割を占める消費は勢いづく。


2005年03月02日(水曜日)

 (08:21)うーん、この単語はこれまでに何百回と使ってきたのに、その意味を知らなかったのは問題だな....と自分を責めているのです。何かというと、「Prius」。トヨタのハイブリッドカーです。

 昨日訪問した会社からもらってきたパンフレットをまじまじと見ていたら「Prius」とはラテン語で「〜に先だって」という意味だそうな。なるほどね。他車や他社に先立って、また環境に優しい製品という思想に先立って.....といろいろ「〜に先だって」は考えられる。良い名前です。

 今地球上を走っている車の数は大体7億5000万台だと見積もられるという。まあ、誰も正確に数えたわけではないでしょうが。うち、ハイブリッドカー・プリウスは12万台しか売れていない。1997年に売り出してこの方、だそうです。まだ小さい。リッター35キロ走るこの車が主流になれば、車が消費するガソリンはかなり減少するでしょうに。


2005年03月01日(火曜日)

 (23:21)久しぶりに旧知の評論家さんと経営者の方と。いろいろ話しをして面白かったな。「袖ヶ浦」という今は私なぞは「ゴルフ場のある場所」としてしか知らない地名は、その昔は今の東京湾全体を指して使われた名前だとか、今のその経営者の方の一番の悩みは、「いかんとも変わらない50代の社員の四分の一」だとか。

 袖ヶ浦というのは、昔から響きの良い名前、地名だと思っていましたが、やはり由緒のある名前だったようです。こういうページもある。今後ゴルフに行くときには、名前の由来に思いをはせながら行かないと。

 東京でもそうなんですが、古い地名、町名にはみな由緒がある。そういう地名、町名の改変は、由緒の消失につながる。惜しいことです。東京の地名で使われなくなったものも多くなった。

 経営者の方は、全て順調にいっているように見える方。しかし、あえて「何が一番悩みですか」と聞いたら、「50代の社員の四分の一が、押しても引いてもいかんとも変わらないこと」と。歳ではなく、性格だとおっしゃる。この年代になると開き直りも出てくるんでしょうな。

 会社の書類の流れのコンピューター化を図る。しかし、いかんとも変わらない連中がいる。当然「生産性パラドックス」が起きる。日本の企業がまだこういう問題に直面しているとは驚きでした。まあでもこの問題は、あと5年くらいで解消する。

 「コンプラが会社を潰す」という話しも面白かったな。今会社で一番威張っているのは、なんとコンプラなんだそうです。これは評論家さんの話し。本来はリスク回避をするセクションですが、いつのまにか「これはいい、これは悪い」と会社の作法にまで口を出す。それで元気がなくなった会社を筆者もいくつか知っている。困ったものです。



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