2004年05月31日(月曜日)

 (19:34)ペンと時計が大好きな私ですが、最近一つの法則を見つけた。それはペンに関するもの。

 ペンと言っても、万年筆はまず使わない。ボールペンです。伊勢丹の6階とか小田急の上の伊藤屋さんとか、定期的にチェックする。そしてごくたまに、「これはいい」というのを発見するんです。それを買う。使い勝手やデザインを勘案して。

 しばらく使うと、「ますます気に入った」となる。で、「これを長く使うためには換え芯が必要」と何本か換え芯を買う。しかし、換え芯を買うと、本体をなくすのです。

 このところずっと、ラミーの三色ボールペンが好きで使っていた。赤、黒、青。赤を結構使うのです。一色ではあまり役立たない。ラミーの三色は、本体がブラックとシルバー(確か L-459と456)があって両方持っていたのです。しかし換え芯が必要なまでになって、換えをまとまって買ったら、その直後にシルバーをなくした。どこに行ったか分からない。悲しい。

 で、しょうがないと思って買いに行ったら衝撃の事実にぶち当たった。メーカーが生産を中止した、と。「もう全くありません」と両方の店で日曜日に言われた。ショックです。今ラミーが作っているのは4色だけ。これはちょっと形状に難がある。また作ってくれないかな、と思っているのです。

 ラミーだとピコも好きです。ジャケットを着ないときに、ズボンのポケットにちょこっと入れておける。デザインが良い。黒だけだと、モンブランの新作に結構良いのがある。ま、メーカーに自分の好きなデザインのものを作り続けてくれとも言えないのですが、好きのものが消えるのも寂しい。


2004年05月31日(月曜日)

 (07:34)思い出しました。先週何曜日だったか、六本木ヒルズに行ったのです。麻布10番の方向から入ってゲートビル(TSUTAYAが入っているビルです)を過ぎてケヤキ通りを通り過ぎてタワーに向かおうとしたら、蜂のお尻を並べたような商品の山の展示があった。3山くらいありましたかね。なんだろう、と思って通り過ぎた。

 昨日のEZ!TVで放送直前にVTRを見ていたら、「なんだ、あれか」。あれは、ダイソン社の黄色いサイクロン型掃除機を積み上げたものだったのです。それまでテレビのクイズ番組などで商品として「サイクロン型掃除機」を宣伝していたが、実物を見るのは初めてでした。見て納得。掃除機の中に入ったゴミが本当にサイクロンのように回る。

 それにしても、番組で小島さんも言っていましたが、今まで成熟商品だと思われていたものが突然時代遅れになる事態が続いている。技術革新の時代なんですな。洗濯機がドラム式になり、テレビが薄型になり、そしてウォークマンもipod にその地位を奪われようとしている。「これはこういうもんだ」という受容をするのではなく、「ここから更に便利になるはずだ」という発想と、それを具体的に製品にしていく努力。

 見ていてダイソンさんは、「イギリスの現代のエジソンか」といった印象。でも、これはこういうものだ、と思わなければ我々も最終的には革新者、発明家になれそうな気がする。「これはこういうものだ」と思っちゃいけないんですよ。私もレストランが今まで刺身でしか出していなかったものを、「焼いてくれる」と言ったりしているのですが、それじゃ足りませんよね。

 いつも、気にしてよ....


2004年05月30日(日曜日)

 (11:54)3月と4月に2回に渡って合計8日ほど中国を訪問した時の取材や印象をベースに、chatのコーナーに比較的長い文章として2004年前半、世界を吸引する中国を纏めました。

 現地での取材や印象以外に、帰国した後の番組の中でのゲストの言葉などを収容してあります。ご興味のある方はどうぞ。


2004年05月29日(土曜日)

 (19:38)ははは、本一冊が店の宣伝のようなものですが、嫌みはない。裁判官から60才で和食の世界に入った方の、一種の履歴本。本屋でふと手に取った。サイトを見たらここでした。

 食べることが好きな筆者は、時々「天ぷら屋」はどうかな...なんて考える。ま、今の職業は職業として、他にやるとしたら天ぷら屋はいいな.....なんて。香りの良い天麩羅、特に野菜天麩羅が好きなので。

 まあこの本を読んで、本当に大変だなあ...と。店をやっている人の話しを聞いていると、本当に寝る暇もない人が多いのですが、この本の主人公もそのようです。まあ「パル」のご主人のような生き方も良いのではないでしょうか。今度大阪に行ったら寄ってみたい店です。「鯛かぶと煮」は美味しそうだな。
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 天麩羅屋はおくとして、先週金曜日でしたか初めてレスタジに行きました。隣のサドレルには以前行った。ワインリストが充実している。私を含めて4人で。ちょうど天気もよさそうなので、事前にテラスを指定しておいた。

 風はありましたが、暖房を入れて貰ってちょうど良い状態に。東京でテラスで食事を出来る時期は短い。以前よく行ったのは、月の庭のベランダですが、最近はいつ電話しても一杯。もう九州などは梅雨だそうで、次のテラス、ベランダでの食事は秋ですかね。レスタジはちょっと高いが、料理は良い。日本人の女性と結婚したカプリ島出身のイタリア人としばらく話しをしていたら、面白かった。


2004年05月28日(金曜日)

 (09:38)共産主義を標榜する政党までを連立の中に入れるインドの新しい政権(9党連立、国民会議=ソニア総裁中心)の政策を注目していたのですが、スローガンは「economic reforms with "human face"」ということになったようです。わかりやすい。だから言語明瞭と言える。しかし、その本当の意味するところ、それに実現性は見えない。

 政策綱領を見ると、インフラへの投資、財政赤字の削減、テクノロジーやサービス、輸出産業への投資促進を通じて成長率で7〜8%の成長を目指すという。しかし、利益を上げている国営企業の民間売却は抑制し、また労働者の雇用・解雇の自由度を落とすなどの政策も入った。ソニア・ガンジー総裁は今回発表された政策について

the mandate of the people for a strong, secular government for all, es pecially women, youth and the weaker and poorer sections
 という言葉を使っている。「すべてのインド国民、しかし具体的には女性、若者、弱者、貧困者の為の政府」というわけだ。しかし政策実施の指揮権を取るシン首相が実際にどういう政策をとるかは分からない。というのも、こうした”看板”は、連立を構成する左の政党のメンツを立てるためのものとも言われているからだ。それでも、「human face」を具体的施策として並べると以下のようになるという。
  1. 農村地帯のインフラに対する公的、民間投資の促進
  2. 農業関連のリサーチ促進と支援事業
  3. 農産物を対象とする市場の育成
  4. インド国民全員に、年間100日の雇用を保証
 「顔」を立てるために、経済の活力が失われるケースがあることは、世界の戦後の歴史が教えている。「顔」を捨てて現実と向き合うことが、しばしば最終的には「顔」を救うことあるのだ。なのだが、選挙の結果は天の声だから、その声を入れて政策を運営しなければならない。インド新政権の課題は、民の声(選挙結果)を聞きながら、バジパイ政権が生み出したインドの高度成長路線を継続することだろう。成長率を落とせば、貧しい人間をその貧しさから救うことも出来なくなる。


2004年05月27日(木曜日)

 (23:58)木曜日の「Asia Today」はまたまた中国を取り上げて、JETROアジア経済研究所の渡邊真理子さんに話を伺ったのですが、2週間前のJCIFの石井さんの話と同様、極めて興味深いものでした。備忘の為に番組も終わりましたので要点を書き残しておきます。

  1. 今回の中国の引き締めでは、選択的、裁量的な引き締めの方向が取られ、実際にその方向で効果が出始めていると思われる状況になっているのは残念だ。この方法は94年に当時の朱鎔基首相がとった手法と同じで、それ以来の中国の金融市場の整備、市場における金利機能の発揮を考えれば、マクロ的な手法(金利操作)が取られてもしかるべきと考えていたが、今回も採用されなかったことになる

  2. しかし、今の中国の「投資過熱」を招いた原因が、振り返るに銀行サイド、特に中国の貸し出しの7割を占める4大銀行の貸し出し姿勢の変化に起因していると思われることを考えれば、理解できないわけではない。その貸し出し姿勢の変化とは、「株式上場を控えた不良債権比率引き下げを、これら4大銀行が不良債権の処理というルートではなく、総貸し出しを急速に増やすことによって薄める、数字を小さくする方策」を取ったことだ。この銀行側の姿勢の為に、中国では貸しが急激に増え、それが投資過熱を招いた面があると見ている。よって結果的には、今回の引き締めが選択的、裁量的な方向を向いたのは良かったのかもしれない

  3. その結果はすでに出始めている。特定業種を狙い打ちした選択的、裁量的引き締めは、すでに効果を見せ始めているし、効果発揮は直ちに現れるとも考えられ、その場合には選択的、裁量的引き締めは終了し、マクロ金融措置の発動なしに、中国は引き締め以前の状態に戻るだろう。中国の不良債権比率は依然として銀行により20〜40%と非常に高く、一番の問題を抱えているのは農業銀行である。しかし、こういう問題を抱えながらも、中国経済の成長は続くと見ており、2004年度も8%の成長は出来ると考える

  4. 中国の企業のクリエイティビティに関しては、日本企業のように本当に斬新な製品を生み出すという面ではまだ問題が多いが、経営手法の面では過去20年にいろいろと新しい手法は見られる。よって必ずしも創造性がない、というわけではない。またこの問題では地域差もあって、一般に中国では上海は物まねがうまい、と言われている。北京とか四川とかその他の地域の方が中国的革新の動きが見られる

  5. 中国経済が今後5年くらい抱えるであろう一番大きな問題は、「強すぎる政府」をどうコントロールするかである。純粋に民間の企業は、行動の面でも発想の面でも非常の斬新で活力を感じる。しかし、官の世界やそれにつながるシステムは硬直的で、中国経済の発展を阻害している。その良い例は、官に発展を阻害された東北地方などで、それをまた官が主導して開発している、という矛盾がある
 最後の二つは、私が3月、4月の一連の中国訪問で強く問題意識として持った問題を投げかけたことに対する回答。「learning curb」を中国はいつ抜け出せるのか、という問題意識です。話を伺いながら、この人はよく勉強しているな、と思いました。予定にはない質問が多かったのですが、良く答えていただけたと思います。渡邊さんには感謝。


2004年05月26日(水曜日)

 (23:52)試写会の券が送られてきたのでシルミドを見ました。韓国つながりで。彼の国では大人気だったそうで、日本でも6月の初めから一般公開される。そういえば先週土曜日にソウルのミョンドンを朝歩いたとき、映画館の前に若い連中が凄い列を作っていた。知らない映画でした。韓国では今映画が熱い。

 JSAが非常に良い映画だったので、「南北」「軍隊の話」など共通項があるこの映画は最初から見たかった。見ながら、もうこういう映画を作れるのは世界でこの半島の二つの国だけだな、と思いながら見ました。迫力がある。体制とその中の運命に翻弄された男達の物語。

 韓国の男が中心の映画と言えばチングもありました。これから公開の映画ですから、中身はあまり書かない方がいいでしょう。でも、なぜかこの映画を見ながら、「ミッドナイト・エクスプレス」なんかを思い出していました。

 実話に基づきながら、全容がまだ明らかになっていないので「一部文学的解釈を施しました」と映画の最初に出てくる。この映画を巡っては遺族から損害賠償も出ているようですが、まあこういことは実際にあったのでしょうな。そして、国の方針が変わったこともあったかもしれない。

 見ても損しない映画です。凄く感動する、といったことではない。話が強烈すぎて、かえってじわりとこない面もある。しかし映画を見終わっても、登場した人物の顔がなかなか頭から消えない。それだけ記憶に残る映画である、ということでしょう。


2004年05月25日(火曜日)

 (07:52)写真を二つ。一つはこのサイトの「2004.5.25」に掲載されているもの。左から私、内藤さん、姜さんです。韓国で舟に乗ったのは最初です。この写真は私が持っているのより良い。で、そのままリンクを張ります。この3人と姜さんの息子さんの4人で主に韓国で行動しました。というか、私たちは連れて行って貰いました。

 もう一つは、私が比較的よく行くマンクマの戸田さんから、「若かりし頃の写真」の提供がありましたので、それを私がスキャナーで読み取って掲載します。「嫌がりながら嬉しそう」という状況だったので、しばらく掲載しましょう。

 この写真のころから料理の腕が良かったかどうかは知りません。ちょっと聞いたところによれば、「それ以降に見よう見まね」ということでしょうが、結局料理は心ですから。料理のうまい、楽しい先輩です。


2004年05月24日(月曜日)

 (07:52)我々がソウルに行っている間、日本は「小泉首相の再訪朝」関連報道一色だったんですね。まあ、ソウルのホテルでたまに見る日本のテレビでそうだとは思っていましたが。でも、韓国はこの問題は報道はしていましたが、人々の関心が高いということはなかった。韓国の人からこの問題を聞かれることもなかった。

 今朝のどこかの新聞に、NHKの日曜夜の大河ドラマの視聴率(12%台)が「冬のソナタ」(15%台)を下回ったことを取り上げたコラムがありましたが、韓国の人は一様に「日本で冬のソナタが何であんなに人気なんですか....」と不思議がっていました。ビジネスマンも若い女性も。これには返答に困った。行く直前の朝日にだったか、この問題を特集している記事があったので姜さんに渡そうと思ったら忘れてきてきまった。

 帰国は昨日午後でしたが、23日は姜さんに連れられてソウルから北上、38度線の板門店の手前で右に折れて、38度線に沿って移動。最近ではこのルートが「行楽ルート」になっているようで、確かにレストランなどもあって、車も多かった。韓国の人にとって北が脅威でも何でもなくなってきている、という印象が強かった。道も鉄道も北と統一された時に備えた作りになっている。

 最近一般にも開放された新羅敬順王(973年頃)の墓というのを見に行きましたが、そこは少し前だったら「民統線」といって非武装中立地帯の下にある一般市民が決して入れない地帯の中だった。今は韓国の人が持っている身分証明書(国民皆背番号制)があれば入れてくれる。我々は姜さんの証明書で入りましたが、整備されている地帯以外にはどこに地雷があってもおかしくない、という場所。しかし、そこにも多くの韓国の市民がこの場所を訪れていた。

 北は脅威ではないが、今の状態で北が崩壊しては困る、というのが韓国の人の本音なんです。韓国はやっと国民一人当たりGDPで1万ドルを取り戻したところ。3万5000ドル以上の日本とは格差があるし、人口も4800万人で北の2200万人に比べてそれほど多いわけではない。今の統合は負担が多いのです。「統一」という看板は引き続き掲げている。しかし、「not now」というのが実情です。

 帰国した昨日は昼飯を韓国のビジネスマンの方々と一緒しましたが、一人は失職状態でFPを目指して勉強中で、今後は自分で会社を興すことなどを念頭に置いて今「勉強中」と言っていましたし、もうお一方は消費者金融の会社を興すことに注力中。韓国のビジネスマンも「さまざま」という印象。日本の同じです。

 ホームレスの数も多かった。市庁舎の近くのホテルだったので、どこに行くにも地下道を通らねばならないのですが、朝行ったら段ボールの家がいっぱいあった。女性は見かけませんでしたが。ま、ホームレスの数よりは、友人と連れだって韓国ツアーに来た日本人の女性の方が多かったかな。昔の「焼き肉+エステ」に加えて、「ヨン様ツアー」の方々もいたのでしょうが。

 後者が狙いの人は、ソウルで一番と言われていて、隣接地にデパートを持っている名前のホテルがいいですよ。彼はここと契約しているんでしょうね。デパートにもホテルにも、彼の笑顔だらけでした。それにしても、金浦発羽田の帰りは、行きよりも時間が短いこともあって一層国内出張という印象がする。


2004年05月23日(日曜日)

 (09:52)「これからソウルで売れる、増えるのは何か....」とふと思ったら、それはエスカレーターでした。内藤さんとも意見が一致した。なぜって、日本では高齢化社会に事前対応して日本中の駅や上下のある場所、階段のある場所でエスカレーターの設置が進んでいる。最近驚いたのは地下鉄・新宿3丁目駅と伊勢丹を結ぶほんの数歩の小さな階段にもエスカレーターが付いた。こうした現象は日本中で進んでいるのでしょう。

 ところが韓国では首都のソウルでも、日本ほどにはエスカレーターがない。ソウルの道路は広くて車に乗っている分には良いのですが、いったん歩行者になると大変なのです。なぜなら横断歩道、歩道橋というものがなくて、大体歩行者は地下道に潜らされるのです。しかし、そこにはエスカレーターがない。皆歩くわけです。日本より平均年齢が低いのでしょうが、出生率1.17を勘案すれば、韓国も急速に高齢化する。だから、いずれ、階段という階段には今の日本のようにエレベーターやエスカレーターが付くだろう....と。それにしてもソウルの道は広すぎる気がする。道路の向こうは別の街のような。
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 それはそうとして、土曜日は2002年末にもお世話になった信榮(シンヨン)君の先導で午後からソウルの市内を見て歩きました。80年代から何回となくソウルに来ているのに、いつも動いていると言えばホテルのある市庁舎の周辺かヨイド。今回は車で本当にソウルの市内を移動しました。

 発見したのは、ソウルは緑(山が多いせいもある)と坂の多い街だ、と言うことです。ミョンドンも少し坂ですが、市の中心部を出ると本当に緑が多く、かつ坂が多い。まあ季節が良いということもあるのですが、これは発見でした。逆になくなったのは漢字です。ずっと以前に来たときには、商店の看板などには数多く漢字が残っていた。しかし今の韓国では古い寺の門にくらいにしか漢字が残っていない。だから、日本人にとっては、ソウルは中国に行くよりも何が何なのか分からない街になりつつある。

 信榮君には、ソウルの新しい街をいくつも紹介してもらいました。2002年末にはCOEXモールを教わりましたが、今回は信榮君の綴り説明によれば

Upjohn dong
Chong dam dong
 という二つの街。彼の説明によれば、前者は「例えば男が髪をカットする場合に、他の地域よりは三倍は取られる街」ということだった。実際に歩いて見ると、来ている女性は皆瀟洒な感じで可愛く、着ているものもお金がかかっている感じ。「以前ブリトニー・スピアーズが来たときも、ここで遊びました」と信榮君。まあ低層、2階か3階の建物の連続した街で、青山ほど洒落てはいない。しかし、ソウルの他の地区とは雰囲気が違っていた。

 後者は「これからショップが並ぶのだろう...」という発展途上の、そして坂の街。既にマックスマーラなどブランドショップが出店し始めていました。まだちょっと時間がかかるかな。しかしどの街を歩いていても、女性のメガネがなかなかソウルは洒落ている。日本の女性のメガネよりも多彩です。コーティングが施してある、ちょっと洒落たサングラスタイプのものが多い。


2004年05月22日(土曜日)

 (17:52)姜さんがセットしてくれた韓国のエコノミスト、マスコミの方々との会合は実りあるものでした。出席したのは全部で7人。通訳の時間がかかりますから、予定より長くなったのですが、あまり時間は気にならなかった。私たち二人を含めて5人が韓国の政治・経済・株式市場、日本の経済・市場といったテーマで簡単な冒頭報告をして、あとは質疑応答を行うという展開。通訳は日本での永住権を持っている蔡さん。

 会合の中で出てきた意見や統計で気になった事項をアットランダムに並べると以下の通りです。

  1. 今回の総選挙でウリ党が勝ったのは、「盧武鉉を感覚的に支持している」連中の力が出たためだと思う。必ずしもノサモ運動の連中とは同一ではないが、運動の方向性は似ているし、弾劾騒動がそれを加速した。後戻りは嫌だ、ということだ。しかし、今の韓国の政治には左翼的で時代錯誤的な動きがあるのが気になる。例えば1970年代のドイツで見られたような社会民主主義的な労働者の権利の保護の動きがあるが、これは今後の韓国経済の発展にとって懸念材料となる

  2. 韓国の全労働者に占める製造業労働者の割合は、80年代後半の28%近くから急速に低下して、現在は日本のそれをも下回り、20%を切ろうとしている。日本の全労働者に占める製造業労働者の割合は70年代の28%近くから実にゆっくりと低下してきているのと対照的で、「韓国は既に製造業の国ではない」とも言える状況である。しかし、では韓国のサービス産業に直ちに明るい見通しが立つかというとそれは必ずしもそうではなく、韓国経済の展望がクリアに開けない理由になっている

  3. その韓国の製造業の中でも、サムスンの地位は圧倒的である。昨年は5分の一になったが一時は同社が支払う法人税は韓国の全法人税収入の四分の一を占めたし、同社は

    「韓国の株式市場の時価総額の22%」
    「全企業の純利益の25%」
    「全輸出の16%」
    「貿易黒字の三分の一」

    を占める。つまり韓国経済はサムスン依存が極めて高い(一方で、同社はデジタル家電、半導体、TFLLCD、携帯の四事業がよくバランスしていて、同社が突出しているだけであって他の韓国企業の影が薄いというわけではない、という意見もあった)

  4. 韓国の出生率は1.17で、日本の1.32よりも低い。若い女性の結婚年齢は年々上がってきており、男女平等(法制度や賃金面で)が進む中で、独身の道を選ぶ女性は多いし、結婚しても子供を欲しがらない夫婦も多い。今の韓国の人口構成は比較的釣り鐘型で良いが、あと10年後は出生率の低さは大きな社会問題となる
 などでした。私からは日本経済の話をしたのですが、韓国サイドの参加者の話を聞いていて思ったのは、今の韓国経済には日本経済には存在する「浮揚感」はないのだろうな、という印象を受けました。株式市場の動きにもそれは現れている。今回の一連の世界的な株価の調整局面(4月23〜5月20日)を見ると、世界の市場の中で下げた幅が大きい方から見ると、アルゼンチン(−22.12%)の次が韓国で−17.98%。対して日本は7番目の−10.38%になっている。日本の市場の方がしっかりしていたことになる。

 「韓国が全労働者に占める製造業労働者の割合」で見て「製造業の国ではなくなりつつある」という話はおもしろかった。日本では「やっぱり日本は製造業の国だ」という議論が強いのと対をなしている。では韓国は何の国になるのか....という疑問だ。むろん、生産性が上がっている、といった議論は可能だ。しかし、日本の製造業労働者割合(全労働者に対する)がゆっくりしか下がってないのに、韓国のそれがどうしてこんなに急速に下がっているのかは調査する価値があるな、と思った。


2004年05月21日(金曜日)

 (17:52)考えてみたら韓国は2002年末以来の約1年半ぶり。まあ暫く来ていなかったな、という印象。しかし羽田ー金浦は本当に「国内出張」の感覚で良い。10時羽田、午後2時過ぎにはソウルのホテル、という手際の良さ。

 前回のソウル訪問の際にあちこち案内してくれた姜さんの息子さんである信榮(シンヨン)君が金浦空港まで我々二人を迎えに来てくれた。彼とは車の中で話しましたが、今就職が決まりつつある最中だとか。自動車に一つ決まり、他の可能性も探っているのだとか。日本の大学のように大学が学生の就職に関与して、一つ決まったら「はい君はここ」という決まり方はしないそうです。

 韓国の大学生の就職もネット中心。出来の良い学生は、ネット経由でいくつもの企業からokをもらって、逆に出来の悪い学生は一つもokをもらえない、という状況らしい。これは採用する側にとってもリスクです。去年の場合は、中小証券会社の一つは20数人に合格通知を出したのだが、結局一人も入ってこなかったということがあったらしい。

 ソウルの街は、1年前とまだあまり変わった印象はしない。しかし、車は整然と道路を走り、かつてみられたけたたましさは感じられない。ワールドカップの時に来た時よりも、さらに街に落ち着きが出てきている印象がする。もっともこの国の政治は「落ち着き」にはほど遠く、新議員がどっと入ってきたウリ党にしろ、いつまで一体感を保てるのかはかなり難しい状況だと思う。

 夜は、姜さんの呼びかけで集まる韓国のマスコミ人、ビジネスマンなどの前で私と内藤さんが短くしゃべって、あとは意見交換という会合がある予定。

 そうそう、2時間あまりの飛行機の中で朝鮮半島をどう見るかという本を読みました。ま、既成概念にとらわれずに数字のところから日本に一番近い半島、二つの国を見よう、という本なのですが、最後の最後に

朝鮮半島を「学ぶ」ということは、結局は、人間について「学ぶ」ことなのだ。
 と書いてあって、「まいったな」という感じ。さらにこう書いてある。「朝鮮半島は取り立てて、世界の他の地域と比べて変わった地域ではないと言うことだ」と。まあそうだ。偏見と先入観にとらわれすぎている、ということでしょうが、本のエンドとしてはどうなのか。ま、最後まで読みましたが。


2004年05月21日(金曜日)

 (07:52)今朝の日経新聞には、「中国利上げ観測後退」という記事があるが、これとの関連で言うと昨日の「Asia Today」(私が担当している番組)でのインタビューは興味深いものでした。この番組では毎週、アジアに関する専門家をインタビューしている。今回はJCIFの石井・アジア第一部部長でしたが、石井さんも日本でよく言われる「利上げ」は中国が抱える経済問題への正しい対処ではない、という見方だった。

 石井さんに聞いてびっくりしたのは、中国経済の先進国経済から見た場合のいびつさです。先進国の経済を見ると、GDPの構成は大体6割(日本)から7割(アメリカ)が個人消費で、あとは20%台の設備投資や輸出、住宅投資、公共投資などから出来ている。つまり経済に占める個人消費の割合が大きい。

 しかし中国経済は個人消費が40%台と低いのだそうです。代わりに何が大きいかというと、設備に対する投資。これが個人消費と同じくらいの40%台だというのです。つまり、中国経済というのは異常に企業の投資が大きい経済ということになる。つまり通常の先進国の「景気加熱」ではない、というのです。過熱しているのは一部の業種、地域での投資

 ではそういう状況に対して経済全体に影響を与える利上げをすればどうなるか。過熱していないところまで抑制が働いて、逆に冷え込んでしまうかもしれない。そこで、「中国にとって一番良い金融政策は何か」と言えば、過熱している部分(不動産、セメント、アルミなど)、不必要な投資をパニッシュし、そこほかは金融を潤沢につけている政策だ、というのです。つまり、金利操作のような一律の措置はよろしくない、と。

 つまり今の中国に必要なのは、裁量的な金融政策となる。当局なり銀行が「必要」「不必要」を峻別して、裁量的にお金の流れを統御すること、だと。どうも周・中国人民銀行総裁もそういう方向での金融政策運営で腹を決めたようなのです。

 そこで私が思ったのは、「裁量」はしばしば「恣意」につながる、ということです。また裁量を下す方の人間が優秀なら良いが逆だと悲惨だな、と。石井さんも「それが問題」と。しかし、おそらく「利上げすれば」問題解決、というのは先進国経済に慣れた人間の発想なんだろう、と。

 3月に上海に行って銀行のエコノミストと話したときも、「単純な利上げ操作」には反対であり、もっときめ細かい措置が必要、ということを言っていた。「利上げ」「利上げ」と騒いだ中国とアメリカの金融政策。少なくとも前者は、我々の先進国的発想がどうも間違っていたように思う。自分が住んでいない国を理解するのは、なかなか難しい。


2004年05月21日(金曜日)

 (07:43)この時期の台風はちと早いのではないですかね。久しぶりに、「台風ってこういう感じだった」と思い出しました。

 ところで、木曜日には実に久しぶりにここで食事をしました。韓国訪問を前にしては最強のメンバーで。毎日新聞社のソウル特派員で最近帰国した沢田さん、東洋経済新報社で韓国滞在歴の長い福田さん。二人の韓国感、北朝鮮感など興味深いものでした。また彼らの日本における代表的朝鮮半島コメンテーター評も面白かった。

 22日は先輩と二人でソウルに居ますが、韓国国内の小泉再訪朝への反応などを見れれば良いと思っています。6カ国協議への対応などで、北朝鮮には新しい動きが見えるような気がする。国も行き詰まってきているように私には見える。

 1年ちょっとぶりの韓国ですので、新しい面が見てこれればと思っています。ま、このコーナーで取り上げた韓国製品の品質と競争力の問題も大きな課題です。あそうだ、玉ひででは、ちょうどテレビなどで有名な「八代目」がいらっして、軽く挨拶しました。相変わらずおいしい。昼から長い列が出来ていました。


2004年05月20日(木曜日)

 (07:41)本当に日本の証券会社もダメですな。このコーナーで取り上げているとおり、インドでは政変があって市場が大きく揺れた。ソニア・ガンディーが首相就任を「イタリア人だから」ということで辞め、経済改革に実績のあるシーク教徒のシンさん(山ほど居ますよ)が首相になる方向で動いている。

 先週末、今週初めとムンバイのボンベイ証券取引所の株価は20%近く下げて、その後大きく戻している。しかし日本の投資家がこの大きな動きに参加しようと思っても出来ない。つまり、世界の市場に日本の証券業界全体としてアクセスを持たないのです。既存の大手も、ネット証券もダメ。

 世界経済の多極化(BRICSなんて言葉もある)の中で、日本の投資家が目配りした方が良い市場は増えるでしょう。しかし、目配りしても参加できないのではなんにもならない。新興市場の動向は、既に世界の株式市場を動かしている。それは今朝の日経金融新聞の最終面「インド、先進国市場動かす」が書かなくても自明のことだ。

 今儲かっているからといって、日本の証券会社には慢心して欲しくない。日本の投資家さえ興味をもっている海外の市場に投資するルートを持たないのなら、その存在価値はない。海外勢にもっていかれるだけだ。
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 久しぶりにこのコーナーを書き換えました。ご参考に。


2004年05月19日(水曜日)

 (07:38)予想されたことですが、ブッシュは日本時間の19日朝に今78才のグリーンスパンFRB議長の再任を発表。現行任期切れは6月20日で、一ヶ月前の発表。新しい任期は4年。ブッシュ大統領は「(グリーンスパン議長の政策は)helped unleash the potential of American workers and entrepreneurs" and expressing "great continuing confidence in his stewardship.」と賞賛。つまり、アメリカ経済に活力と安定をもたらしたと言っている。

 実はグリーンスパンのFRB理事としての任期は2006年2月1日に切れる。彼が最初に、かつ正式にFRBの理事・議長に任命されたのは1987年の8月11日。ブラックマンデーの直前。しかしその時の理事の椅子は任期前に退任した理事の残りを埋めるものだった。ずっと議長ではあったが、彼が正式に自らの任期(14年)として理事になったのは1992年2月1日。

 その理事としての任期は、2006年の2月1日に切れる。ということは、議長としての4年の任期中に理事としての任期は切れる。理事の14年任期は再任が不可能。じゃ、「理事ではなくて議長」という事態になるが、ウォール・ストリート・ジャーナルの記事にはこう書いてある。

By law, he can't be renominated to the board. He can, however, continue as chairman until his successor is named and confirmed by the Senate.
 つまり理事としての任期が切れても、「新議長が指名され、上院によって承認されるまで」は議長であり続ける、ということ。つまり、次の大統領が新しいFRB議長を選ばなければ良いのだ。ということは、彼は恐らく2008年の6月20日まではFRB議長ということになるのでしょう。その時彼は82才。

 ちょっと高齢かなとも思うのですが、他にこれという人もいない。グリーンスパンの時代は続く、ということです。ま、グリーンスパンに関して

グリーンスパンの魔術
グリーンスパンは神様か
と二冊も翻訳・書き下ろしの本を出している人間としては歓迎ですが。


2004年05月19日(水曜日)

 (07:22)今週いつだったか忘れましたが、週末のテレビ番組でもやっていたし、それでなくても見ようかなと思っていたので、東中野のポレポレ座でharukoを見ました。

 午後6時30分から始まって終わったのが午後8時ですから、全編で1時間半の短い映画。済州島から日本に来た、放蕩三昧でどうしようもない夫との葛藤を繰り返しながら、8人の子供を抱えながら一生懸命に生きた在日韓国女性HARUKOと、それを取り巻く家族の物語。

 見ていて、「在日の方の映画だが、これは日本の戦中、戦後の一断面そのものだな...」と思いました。警察のやっかいになるかどうかは別にして、生活が厳しかったのは引き揚げ者もそうだったでしょうし、ずっと日本にいて生きていた人間にとっても厳しい時代だった。

 戦後直後の新宿が頻繁に出てくる。これも懐かしい。絵を撮ったのはHARUKOの息子さんですが、息子そのものも頻繁に登場する。母としての思い、夫への消えない憎しみ、子や孫を思う強い気持ち。一言で言えば、最近のトーンとして淡い映画ではなく、濃い映画です。


2004年05月18日(火曜日)

 (13:38)おお、これは便利。4月頃でしたが、「5月には出来るようになります」と千駄ヶ谷駅の近くのコンビニ(Newsday とか言いました)の人が言っていた。それ以来忘れていたのですが、今日店員に「(スイカ使用)できる」と言ったら「できます」ということで、キャッシュレスでスイカを使って実際に買い物をしてみました。

 買い物をして、やり方は Edy に近い。カードを通すのではなく、上に触るか触らないかの程度にかざすのです。感知器の上で。そうすると、請求金額がスイカの残高から引かれる。これは便利ですよ。コンビニで買い物をする時に一番やっかいだと思うのは、一年玉とか5円玉がいっぱい返ってくること。支払いの時に気を付けてもなかなかうまく合わない。

 早くスイカが使える店が増えて欲しい。駅の近くばかりでなく。今まではオフィスの近くのコンビニで買い物をしていましたが、スイカが使えるようになったので駅の近くでなるべく買い物をしようと思います。スイカは関西でも使えるようになったのではなかったかな。ナイス。


2004年05月18日(火曜日)

 (06:38)目を覚ましたら、これまたよう世界的に株価が下がっている。インドは先週末の6.10%の下げに加えて、月曜日は11.14%下げたようで、月曜引け段階のSENSEXは4505.16と年初の6000から25%の下げ。ソニア・ガンディーが首相になる方針は決まったものの、組閣や他党との連立の見通しが立ちにくい、というのが急落の背景。取引所当局は日中二回に渡って取引を停止し、株価の下げに歯止めを掛けようとしたが、それに失敗したと関連記事にある。

 世界的な株価安の背景としては、

  1. 原油高
  2. 金利上昇懸念
  3. トルコ、イラクでの新たなテロ
 となっているが、加えての各地でのローカルニュースが株価を不安定にしている。インドではバジパイ政権の経済活性化策が継続されるかの懸念が強く、日本はUFJショック、台湾では中国の台湾に対する「一つの中国受け入れ要請」、香港は中国の利上げ懸念...と並ぶ。

 昨日一日の下げ幅を見ると、5%を超えているのはインドネシア、韓国、台湾、3%を超えているのは中国(DJ CHINA 88)、日本、シンガポール、タイなど。欧州は下げてはいるが、全般的に1.数%の下げ。つまりアジアの下げがきつい。その分だけ資本が出て行っている、というのが分かる。ニューヨークはダウが150ドル前後の下げのあと、105ドルの下げ。ま、山高ければ谷深しで、今度は逆に谷深ければ山高し、という転換点には近づきつつあるように見える。

 韓国製品に関しては、引き続きいろいろな方からメールを貰っています。tks。紹介できないメールもありますが、まとまったご意見のものは掲載させて頂きます。実は韓国の姜さんからずっと「来ませんか」と言われていたこともあって、今週末にこの先輩と韓国に行くことになりました。羽田ー金浦が開通して飛行時間は片道2時間、総移動時間(片道)にしても恐らく4時間かからなくなりましたので、ちょっと行ってくるという感じです。皆さんに提示している問題意識も持ちながら見てきたい、会ってきたいと思います。

 メール4=お元気ですか。たまにテレビでご尊顔を拝しております。伊藤さんがご提起されて、韓国製品についていくつか意見が集まっているようですね。きょう掲載されている分を拝見すると、たしかにごもっともなんですが、私の考えではどの購買層にしぼっているかで見方は変わってくると思うんですよ。

 全体的に、特にサムスン製品など、普通に使う分には日本製と変わらないし、ソニーのパソコンやウオークマンみたいにすぐに壊れることはないぶん(これは個人的考えですが)、技術水準は変わりません。また、韓国で生活するとサムスン製品などを買って、アフターサービスを受ける時などは日本の時よりはるかに精神的ストレスを感じることがなく、きちんと対応してくれます。その点では日本以上でしょうね。

 ただ、DVDプレーヤーの場合でも、たとえば1万円のサムスン製と3万円のパイオニアやパナソニックが並んでいると、日本人としてはどちらを買うでしょうか。やはり3万円の方を買ってしまうと思うんですよ。これが中国だったら、1万円を買うでしょうね。彼らはぎりぎりの予算で、機能をよくばりませんから。しかも、サムスンとか「見る」といったらこれだけの機能に絞った形で作ってしまいますから。日本人の場合、基本機能プラスアルファを望んでしまい、かつそういった高付加価値的な家電製品なら欲張ってしまうものです。パイオニアでも取材した時に調べたのですが、DVDレコーダーでも、最高機種が一番売れるのです。

 ドライヤーとかアイロンとか、単一機能で用が済むようなものなら、韓国企業はばっちり作りますが、ちょっと高付加価値になるとどこかでガタが来てしまいます。韓国生活時代でも、冷蔵庫やエアコンといった単一機能・白物家電はストレスがなかったのですが、それ以外ではだましだまし使っていました・・・。

 携帯電話の例でも、確かに中国・東南アジアでは高機種製品が売れています。ノキアを超えた、モトローラと互角、一方で日本企業はどうしたんだ、という声が出てくるのは自然だし理解するのですが、その一方で、NECやパナソニックも高機種で売れているんです。なぜかサムスンの方が派手。日本企業がマーケティング不足なのかもしれませんが、実売とリピーターでは日本企業が上のはずです。しかもサムスン製が高いのは、携帯電話部門で言えばまだ日本企業と比べ力不足のシステムLSIの部分が追い付かないから。その分、この分野では進んでいて層が厚い日本企業のほうが安定的・安価で供給できるわけです。

 車の場合でも、私はアメリカに住んだことがないのでわかりませんが、「これだけ乗 れればいい」「こんな感じで利用できればいい」と割り切った購入の仕方をするのではないでしょうか。日本人もそういう面はあると思いますが、いかんせん日本の場合は選択肢がありすぎます。企業も多く、いちいち韓国企業に目を向けなくても、日本企業で事足りるのです。車のような耐久消費財でそれなりの大金を投じて買う物であれば、やはり知名度があってその国で歴史と定評のある企業のものを買うのが当然の流れではないでしょうか。個人的には現代を買ってみたいと思うのですが、あいにく車を運転しないので・・・。日本進出の時のキャンペーンでは、それこそサンタフェをくれるというので応募した のですが、みごとに外れました・・・。

 確かに伊藤さんがおっしゃるとおり、食わず嫌いはどうかと思いますが、だからといって韓国に追い付かれる、追い抜かれる、日本はどうした、というのは早急な話しではないかと・・・。現に、サムスン関係者の誰に聞いても、日本企業について傲慢な態度を取る人は一人もいません。以前、ソニーの利益をサムスン電子が追い抜いた時、あるサムスン電子の役員が韓国マスコミに「ソニーに勝った」といったはしゃいだコメントをしたときに、出井会長の前でサムスンの李健煕(イ・ゴニ)会長がその役員に謝罪させたという逸話もあります。

 一昨年に「サムスン電子」という本を翻訳して出したときに痛感したのですが、この本の内容はサムスン電子の強みを紹介したものですが、単調でおもしろくない。経営学の教科書をそのまま実践している、いわば当たり前のことを当たり前のようにこなす企業という印象がありました。ですが、裏返してみると、「当たり前のことをきちんとこなす」ことがどれだけ難しいか・・・。それをやってのけるサムスンは、やはり底力は蓄積されているし、世界企業といえるほどの立派な企業と言っても十分なことなのでしょう。

 ご参考になれば幸いです。長々と失礼しました。(福田さん)
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 メール5=いつもwebを興味深く拝見しております.僭越ながら,日頃の感想を先に書かせていただくと,既知のことについては共感できることが多いので,知らないことについての分析も,安全というか,安心して受容できるサイトという印象を持っております.しかも,視点が斬新で更新の頻度が高いので敬服しております.特にインド・中国・韓国など海外の現場からの分析は特に勉強になりました.

 長野といえば,先日のプロジェクトXで放映された超音波医学の黎明期の話に 登場するalokaの工場が上田にあり,小生も長野市の病院にお世話になったこともあります.さて,前置きが長くなりましたが,小生は,現在,都内で産婦人科医をしております.超音波を用いた診断が一応,専門のひとつです.ということで,医療関係における韓国製品についてのこれまた,個人的印象を書き連ねます.

  1. 超音波の機器について韓国のベンチャーでmedisonという会社が3次元超音波を販売していました.3次元超音波というのは立体的に見えるというものです.具体例は以下のサイトなどにございます.

     http://www.shinozuka.com/US/index-j.html

     medisonは元々,3次元に表示させるソフトの開発会社でオーストリアのkretzという機器の製造会社を買収して製品化して販売していたように記憶します.3次元超音波の機能的には日本のメーカーの8−9割程度で,価格が3割程度なのでお買い得ということでシェアを伸ばしていたと記憶します.現在はGEに買収されました.ただ基本となる2次元の超音波の画像自体は,粗が目立ちましたが,これは小生が超音波の専門家としてみているからであって,通常の医師・検査技師あるいは決済権限のある事務方であれば,違った判断をされる可能性があると思います.溜池通信の意見と似たものになりますが,基本的な超音波の素子の作りなどアナログの部分でまだ日本に一日の長があるのではないかと想像しております.ただ,日本のメーカーの存在感が低下してきている印象はあり,これは,貴兄の問題提起と関連あると思います.

  2. 医薬品について=こちらは韓国メーカーは表では見かけません.また,話題にもなりません.漢方というか東洋医学の薬品には製造にかかわっているところもあるのでしょうが,それこそ偏見でもあるのか,表にはでてきません.(欧米の企業との連携はむしろアピールされますが,)国内では日本製が大手を振っていますが,欧米の巨大企業が進出してきていています.世界的には日本で最大の武田でも中堅というのが日本の存在感のなさを現しているといわれています.
  3. 治療機器について=これは圧倒的に米国製です.アイデア的にはイスラエルの製品に意表を突かれるものがあり,注目しています.

     http://fus.breastopia.or.jp/

     ↑では米国で開発と記載されていますが,オリジナルはイスラエルです.こちらはむしろ,貴兄に現地訪問の折りにでも俎上にのせていただきたいもののひとつです.以上,他の読者のメールに触発されてとりとめもなく乱文,書き連ねました.失礼のほどお許し下さい.これからも楽しみにしております.(木戸さん)


2004年05月17日(月曜日)

 (17:38)5月16日の韓国製品のクオリティーと価格、もっと言えば競争力に関する文章に関して、既に幾つかのメールをもらっています。私にはアイデアがなかったことが徐々に明らかになってきている。幾つかを掲載します。

 メール1=さて、韓国の件ですが、最近韓国車の新車をよく街で見かけます。HYUNNDAIとKIAです。今は同じ会社になっていますがデザインもなかなかよく、価格も安いため売れているようです。10年前には米国で韓国車に乗るのは貧困家庭の人だけであったと記憶していますが、今では一般の住宅街でも新車をよく見かけます。

 某調査会社が先日米国内で販売された自動車の品質調査結果を発表しました。それによると新車100台あたりで何件の問題が指摘されたかを示す指数で順位が決まり、少ないほど品質が高いという調査の中で、全体平均は119件であるのに対して、トヨタが101件で1位、ホンダ、現代が102件で2位でした。(現代は昨年の10位から躍進した)

 この品質調査は2004年型の新車を購入またはリースしている約5万人を対象にしたものでした。韓国車はかなりのレベルまで来ています。私の友人の車好きの人に言わせると、韓国車と日本車の一番の違いはエンジンの性能で、それ以外ではほとんど差がなくなってきているとのことです。エンジンの性能といっても一般の走行にはほとんど支障のないレベルです。

 ヒュンダイはアラバマに工場も作り、かつての日本車のような摩擦を避ける準備も着々としているようです。(長井さん)
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 メール2=はじめまして。いつも楽しく読ませて頂いております。

 小生は韓国製(ブランド名忘れました)のドライヤーを愛用しております。3年程前、Nationalのドライヤーが1年ちょっと使用しただけで動かなくなり、保障期間の1年も過ぎていたことから買い替えたのです。(怒)

 秋葉原に買出しに行ったのですが、店頭にはここぞと韓国製のドライヤーが並んでおりました。韓国製という悪い(根拠のない)先入観があったのですが、値段も日本製に比べ7割程度で、まったく同じ機能が付いていたので購入致しました。その後、そのドライヤーは一度も壊れることなく、順調に動いております。

 小生の韓国製品に対する偏見はドライヤーの熱風とともに、溶けてなくなりました。 日本製品もかつては欧米において「ギズモ」と呼ばれガラクタ扱いされていたとのこと(1950年代のことでしょうか?)その後の評価の変わり様は周知の通りです。偏見はいかんと身にしみております。

 ジメジメした日が続きますね、お体ご自愛ください。(三谷さん)
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 メール3=いつもホームページ楽しく拝読させて頂いています。実は数年前に大学院生だった頃(97年頃です)、一度メールさせて頂いたことがございましたが、その頃からずっと必ず定期的にチェックし、勉強させて頂いていました。私は今はなけなしの研究者として働いていますが、その関係でソウルに一年半と、上海に一年ほどおりました。5月16日付けの日記にございましたマッコロー氏の指摘は、私も共感できます。

 ほんの10年ほど前は韓国製品と言えば安かろう、悪かろうが相場で、日本の家電製品はデザインも品質も相手にならないくらい優れていたものでしたが、ここ数年で一気に情勢が変わってきた感があります。朝鮮日報でも今年4月8日付けで、中国の若者は日本製より韓国製の方がデザインがいいと答えたという博報堂のアンケート結果がでています。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/04/08/20040408000049.html

 私も上海で生活したおり、DVDレコーダーやテレビなどでは、日本製品はやたら機能が多くて(裏返せば品質がいいんですが)、高いですが、LGや三星の製品はデザインが良い、品質も心配するほどではない、値段もまあ高くない。携帯電話は日本製はみるかげもありません。冷蔵庫やクーラーは松下や日立が健闘しており、日本でもよく報じられますが、しかしこれは韓国より中国の地元企業に急速にキャッチアップされています。

 その他化粧品では、最近よく資生堂の健闘が伝えられますが、私は高級化粧品を除いては韓国製が強いと思います。韓国製も品質はかなり向上してきてますし、しかも日本製ほど値段が高くないです。

 あと日本でも話題になった「冬のソナタ」が昨年の2月頃に上海で放映されブームとなったのをはじめとして、テレビドラマ、ポップスなどでは、今現在上海では韓国が圧倒的に露出度が高いです(中国で有名な日本人と言えば、山口百恵、千昌夫、谷村新司なのですから)。「冬のソナタ」は日本製と韓国製の違いをよく示していると思います。

 過密なスケジュールのせいで、画面のすみっこにスタッフがうつったりなど、確かに技術的なつめは甘いかもしれない。しかし「冬のソナタ」は面白い! こうして見ると5年くらい先、明らかに日本製のシェア拡大が期待できるのは、自動車くらいしかないのではないでしょうか。

 ただ韓国でも、例えば携帯電話では、5年以内に技術的に中国においつかれるという調査結果がでるなどして、最近になって「あせり」も感じられているようです。

 長々と書いてしまい、失礼しました。ますますのご活躍をお祈り申し上げます。(五石さん)

 ま、読者の皆さんはこうしたメールを読んで何を感じられるでしょうか。日本人、日本のメーカーもこういう声をしっかり聞かねばならない、と思います。


2004年05月17日(月曜日)

 (17:35)先週の後半から政治家ばかりでなく様々な分野の人が、この問題に発言するに付け自らの年金支払いの履歴に関して公表を行っている。で、「あれ、わいは..」と思い直してみたのです。基本的にはずっと組織に所属していて厚生年金に加入を続けているが、一度転職したときに一ヶ月ほど空白を作った記憶がある。であの時はどうだったかな、と思ったのです。

 今朝ですが早速ネットで社会保険事務所のサイトに行って、最寄りの事務所に電話をしてみたのです。直接行ってもいいな、と思っていたのですが、小島さんから聞いたら電話で済みそうなので。そしたら以下の三点が分かれば、電話での問い合わせに応えてくれることが分かった。

  1. 基礎年金番号(10桁)
  2. 住所
  3. 生年月日
 基礎年金番号通知書というのがさてどこにあったか、と思ったのですが、机の中を開けたらあった。で要件が揃って、教えて貰ったら、「伊藤さんの場合は完全に厚生年金で繋がっています」という答え。

 「あれ、じゃ、あの空白は...」と思ったのです。転職して直ぐ次の会社に行くのが嫌で意図的に一ヶ月空白を作ったように思った。で、以前居た会社に電話したら、今でもいる同期が出てきて、実際に私が会社を辞めた日付は、私が思っていたより一ヶ月遅かったことが分かった。これで社会保険事務所の資料と一致する。形式的には前の会社を辞めて直ぐ次の会社に切れ目なく入っている。

 で思い出したのは、「ああ、あれは有給消化だった」ということです。有給は通常辞めるときまでにはかなり貯まる。それを消化すれば、一ヶ月くらい直ぐに時間は立つ。まあ一応社会人になってからは空白はない、ということです。
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 まあでも、「じゃお前、前の会社辞めてフリーになったらどうだった..」と言われれば、ほぼ確実に空白が生まれただろうな、という気はする。30歳代で年金のことを念頭に置いて行動する奴なんて少ない。少なくとも当時はそうでした。

 昨晩のテレビ番組でも言いましたが、今年金を問うという本を読んでいるのですが、1940年代の発足時からの日本の年金制度がいかに継ぎ接ぎで出来ていて、それゆえに複雑になり、そこに政治的打算や保身、歪み、楽観的な経済見通しの横溢があったかが明確に書かれている。

 この本を読んでいると、「しきり直しが必要だな」と思う。私は従来から言っているとおり、税方式で基礎年金を構成し、あとは積み立てに比例させる方法が良いと思う。今の制度は法律を作っている人でさえも分からない複雑なもの。「消費税のことは考えない」なんて言っている場合じゃないだろう、と思うのですが。


2004年05月17日(月曜日)

 (07:34)北朝鮮が小泉首相の再訪朝を受け入れるなど最近とみに動きを見せているが、それがなぜかということを考えている中で、興味深い記事にいくつか出会いました。

 当然ながら、北が動くのは苦しいからでしょう。日曜日のテレビに出ていた専門家の話では、「北朝鮮始まって以来初めて、首都の平壌で4月1日から一般市民に対する配給が停止された」と言っていた人が居たし、地方の困窮ぶりは激しく餓死者が出始めている、との説もある。この国にとって春は常に厳しい。「春窮」という言葉もあるようで、食料が一番底をつく時期、というわけだ。

 中国国境の町での復興作業を見ても、近代的なパワー機器はまったく使われていない。まずガソリンがないから動かせない、という事情があるでしょうし、そもそも機器もないのだろうと思う。

 こうした中で興味深かったのは、フォーサイトの6月号に載っていた北朝鮮関連の4本の記事。その中でも北と中国との関連を扱っている記事で、「中国は東北大開発の自らの計画と、北経済の立て直しをリンクして考えている」としている部分。

 このコーナーでお伝えしたとおり、私も4月に瀋陽に行ってその発展の遅れに驚いた人間である。他の中国の大都市、例えば上海、成都、近くでは大連とも全く違う景色が瀋陽には展開していたのである。中国の中でも「10年は遅れている」という印象だった。であるからして、「中国の内政課題は西部大開発から東北大開発に移りつつある」というこの雑誌の指摘には頷ける。

 では中国は東北地方をどうすれば発展の軌道に乗せることが出来るのか。先に指摘した通り、中国の東北部は産炭地域であり、かつては重工業地帯として中国を支えていた。しかし、(一時は脚光を浴びた地域であるがゆえに)経済開放地域の指定を得られずに新産業の波にも取り残された。今は「市場ない、資本ない、人材ない」になった。

 北朝鮮が経済改革に成功すれば、中国の東北部の企業にとって北朝鮮は市場になりうる、と中国は考えているのかもしれない。迂遠な話しに聞こえるが、そういう可能性はある。「市場」が出来るわけだ。そもそも中国の北朝鮮に対する政策は、「睦隣、安隣、富隣」だという。

 つまり、関係が良好な、安心できる、そして豊かな北朝鮮が望ましく、その方向にもっていきたいというのだ。中国と北の関係は必ずしも常に政治的に睦まじいわけではない。北のサイドからは中国は限りなく修正社会主義に見える。自分の方が正統だ、という気分があるらしい。対テロ戦争で中国、ロシアまでがアメリカの方針に乗ったときは、この両国を北は間接的に非難さえした。

 しかし北の方にも事情がある。いかんせん経済事情が悪い。日本に頼ったり、中国に頼ったり。そうした中でいよいよせっぱ詰まった、というのが北側の事情だろう。最近の中国との関係改善の筋書きの中で北朝鮮が日本とも正常化に向けた動きが出来れば、苦境から抜け出せる切っ掛けを掴めるかもしれない、という思惑が金正日の中にはあるのだろう。
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 そういう事情はあるが、だからといって金正日が小泉首相の願う形で動く保証はない、というのが今回の再訪朝のリスクだろう。直近で犯罪を犯したことを認めた国に、二回も行く。向こうのトップの来日もないままに、である。外交的枠組みをはみ出した訪朝で、当然ながら国民の期待のハードルは高い。

 恐らく、ジェンキンスさんを除く7人の家族は一時的にも、帰国するのでしょう。問題はそれ以外です。死亡したと北朝鮮から発表された中にも、「調べたら存命だった」というような人が居るかもしれない。加えて核とミサイルの問題がある。火曜日に先遣隊が行くそうで、その結果次第という面があるという。日程が決まってから、という頼りなさはある。


2004年05月16日(日曜日)

 (12:34)この数日間で一番気になったニュースは、次のようなものでした。伏線は、今週の日経ビジネスに掲載された

「サムスンのブランドは松下より上」
「日本勢は自国優先を見直せ」
 というサーキット・シティー・ストアーズ(米家電小売大手)CEOアラン・マッコロー氏の指摘。この中でマッコロー氏は
  1. 日本の電機メーカーはかつての米国の自動車メーカーに似ているのかもしれない。韓国サムスン電子のテレビの品質を、消費者はほかの有力ブランドと比べても、高く評価している

  2. 若者だけではない。家電製品のデザインやファッション性は重要である。ほぼ同じ大きさと機能の薄型大型画面テレビでサムスンを松下電器産業の「パナソニック」よりも高い値段で販売した

  3. 私は日本を訪れるたびに、日本メーカーは国内市場を優先して新製品を発売しているように思えてならない。もっと米国市場に目を向け本気で商品を開発すべきではないだろうか
 と。まあ、日本のメーカーがアメリカ市場を気にする具合と、アメリカのメーカーが日本市場を気にする具合を比べれば、前者の方がはるかに強いと思うのですが、デザインやファッションで負ける、品質で負ける、という話しは聞き捨てならない、と思ったのです。その上で、今週末のニュースとして以下の調査報告に気が付いた。
現代サンタフェが米消費者満足度調査で1位

 現代(ヒョンデ)自動車のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)「サンタフェ」が2004年型乗用車・軽トラックを対象にした米消費者満足度調査で1位となった。

 米自動車業界の専門コンサルティング会社のオートファシピックは今月7日(現地時間)、「現代自動車のサンタフェが消費者満足度調査で最も高い点数を獲得、中型車部門の自動車消費者満足賞(VSA)を受賞した」と明らかにした。

 毎年消費者満足度調査を発表するオートファシピックは「昨年9月から12月まで新たに車を購入した消費者3万2000人余を対象に、車の性能と安楽度、安全度など44項目についてアンケート調査を行った」とした。

 どうですかね。品質調査というと、今まではアメリカの車社会の中では日本車がトップというのが定番だったのでは。それが外れてきている。ちょっと気になったのです。日本はこの分野ではトップを走り続けるべきだ、と考えているので。

 どうでしょうか。私もそうですが、家電量販店などに行っても普通の日本人は韓国製のところにはあまり行かない。少し素直な気持ちで両国の製品を比べる必要もあるのかな、と。そうすることによって、日本のメーカーにはより一段と良い製品を作ってもらおう、ということです。食わず嫌いは良くない。

 このコーナーの読者の方で、日本製品と韓国製品の比較に関して何か調査したとか、ご意見のある方はメール下さい。


2004年05月15日(土曜日)

 (09:34)インドの総選挙結果(バジパイ敗北、ソニア・ガンジー率いる左派系国民会議派の勝利)を受けて同国の株式相場がどう動くか、そして最近下げが厳しい他のアジア市場は、と土曜日の朝チェックすると、やはり相当厳しい結果が出ている。

 インドでは代表的指標であるSENSEXは金曜日に6.10%も下げて引けは5069.87となった。一日で6.1%の下げはきつい。過去4年で一日の下げとしては最大だそうだ。私が今年の初めにインドに行った時は、「(SENSEXは)6000に乗った、下回った」という話しをしていましたから、これで今年に入っての下げは二割に達した。市場が何を懸念しているかと言えば、

  1. イタリア人のソニア・ガンジー(暗殺されたラジブ・ガンジーのイタリア人妻)が首相の座を求め、インド史上初の外国出身指導者になるのか明確には述べておらず、「次の政府の形」が見えない(ソニア自身の政治的手腕は未知数だと言われる)

  2. 具体的な形は見えないが、次の政府がバジパイが進めた改革路線の一部を巻き戻し、その結果インドの経済成長のペースが鈍るのではないか、との懸念
 などである。先日触れたが全く予想外の野党勝利を可能にしたのは、今までのインドの目覚ましい経済成長から取り残されていた貧困層の支持。新政権はその支持に応える必要がある。豊になれる人は先に、という政策を取るにしても限界がある。

 アジアの株を不安定にしたもう一つの要因は、中国の引き締め策の内容に関する懸念である。金曜日に発表された同国4月の消費者物価指数上昇率は3.8%と、3月の3.0%、予想の3.2%をともに上回った。これは中国としては7年ぶりに高い消費者物価の上昇率である。当然、予想以上の引き締めが実施されるのではないか、との見方が市場で強まって、中国本土、香港、それに台湾の株価は大きく下げた。

 見ていると中国の引き締め策というのは、直接的に金利を上げるという先進国型の方法ではなく、「このプロジェクトへの融資は駄目」といった形で選別的に行われるケースもあるようだ。だから「中国の引き締め策が経済に与える影響」という観点からは、なかなか明確に先が見通せない。そういう不透明感があり、その分だけ引き締め懸念がなかなか収まらないきらいがある。

 韓国の市場も2.7%も下げた。原油高、米金利引き上げ懸念が材料。そうした中で東京の市場が引けに掛けて反発したのは、その前に日本の市場はドン、ドンと大きく下げて一種の底値感が出たからでしょう。

 世界全体の市場を見ると、金曜日のニューヨーク市場もダウは小幅高ながらNasdaqが下げるなど相場は不安定。過去の市場を振り返ると、金利が上がる直前、上がり続けているときは株式市場は不安定。まだその流れから世界の株式市場は抜け出ていない、ということでしょう。ただし世界経済を全体的に見ると、成長率の上昇、失業率の低下傾向、新たな成長センターの登場など、良い兆候はいくつもある。


2004年05月14日(金曜日)

 (13:15)小泉首相が来週末にも北朝鮮を再訪問する、と聞いて最初に思ったのは、ジェンキンスさんはどうなるんだろう、と。地村さん、蓮池さんの子供さんに加えて、曽我さんの子供二人に夫である脱走米兵のジェンキンスさんが8人の中には含まれる。

 しかし、ジェンキンスさんは脱走米兵という位置づけで、北朝鮮を出て日本に来た瞬間に逮捕される危険性があると思いましたが。一つ考えられるのは、アメリカとはこの問題に関して話がついているのかもしれない、ということ。日米間で。しかし、どうもそうでもないような気もする。話はこれからかも。

 正直言って私にとっては「再訪朝」は予想外です。一国の首相が、相手のトップの訪問を待たずに再び行くというのは、外交の常識からは外れている。金正日という人が、友邦国であるロシアと中国にしか行かない人であるという事情はあるにせよ、二度連続の同一国へのトップ訪問はあまり例がないのではないか。

 にもかかわらず小泉さんが行くと言うことは、彼にとっても政治的得点になる、つまり世論の支持を得られるという判断があったに違いない。得点としては、再訪朝すれば8人が確実に帰ってくる、という保証があったと考えられる。しかし、北朝鮮は一人の帰国に関して10億円を要求しているとの話がある。国費で彼らを養ってきたという判断があるにしても、10億円は法外ではないのか。

 条件は包括解決だったはずで、核の問題はどうなったのか。アメリカ、もっとそれ以上に日本にとって北朝鮮の核の問題は大きいはずで、アメリカは核問題抜き日朝間の関係改善を好ましく思わない筈だし、それには正当性があると私も考える。

 8人が帰ってくれば経済援助を再開するという段取りだろうが、その経済援助が北朝鮮という日本にとっても望ましくない体制を生き延びさせる危険性はないのだろうか。あと、帰ってきた5人とその家族の8人以外にも、拉致の疑いのある人たちは結構いる。横田さんのお嬢さんの話もある。そういう話がうやむやになってはいけない。

 一歩進むのはいい。しかし、どうも筋書きがはっきりしない小泉首相再訪朝の報道ではある。


2004年05月13日(木曜日)

 (23:15)夕刻にインドの与党、バジパイ首相が率いる与党が総選挙で負けた、と聞いた瞬間から、「よし、今日の夕食はMOTIだ」と。それ以前はほかのところに行く予定でしたが、MOTIには少なくとも少数のインド人がいる。機会があったら話でも聞くか....と。

 毎週木曜日はこの局「Asia Today」という番組をやっているのです。ナマで、午後7時30分から午後8時10分まで。終わると大体3人ほどで食事に行く。今日は番組でもインドを取り上げたし、インド・デーということで、インド料理店としては比較的好きな赤坂のMOTIに。ここは安くて旨い。

 今年の初めにインドを回ったこともあって、日頃から関心を払っているのですが、バジパイの敗北は驚きでした。私だけでなく、世界のマスコミも、そして予定された選挙を半年前倒し実施したバジパイ自身にとっても予想外だったのだと思います。その理由は何か。ニューヨーク・タイムズの記事には以下のような端的な表現がある。

anger among millions of India's rural poor over being left out of the economic boom fostered by the current government
 つまり、貧者の怒りだというのです。上の説明にもあるのですが、では彼らはなぜ怒っていて、一方でバジパイは選挙を前倒しした方が議会の勢力を伸ばせると思ったのか。バジパイの読みは、今のインドはすさまじい経済成長の最中にある。国民の多くもそれを喜んでいる。だから、今選挙をやった方が「次の5年」が保証される、と。

 しかし、一人一票の選挙は文字が読める都市の豊かな人間だけがやるわけではない。インドには約3億人前後(全体人口は10億人と言われる)の非常に貧しい、文字も読めずに、農村地帯に住む人々がいると言われる。バジパイは彼らの「怒り」を読めなかった、ということでしょう。一方では、ガンジー率いる野党はそれが旨かった。その結果は、誰でもが驚くバジパイ与党の敗北となった。ニューヨーク・タイムズには以下の文章もある。

"Basically it is the anger of the working class," said Sawali Rai, 34, who works in a public sector bank. "Privatization, no government jobs, prices rising. On the pressure of the World Bank they are pressuring the common man."
 MOTIのインド人に聞きました。「バジパイが負けたが.....」と。彼は言うのです。「バジパイは悪くなかった。国を豊にしたのだから....」と言う。「それでも負けたぞ...」と私。すると彼は、「私は今インドにいないから実際には良く分からないが...」という。

 日本に来ているインド人ですから、豊だし、文字も読めるのでしょう。バジパイを負けさせたのは彼らではない。選挙は難しい。バジパイの過ちは、世界的にも高く評価されているインドの奇跡があまねく国民全体に及ぼすのに時間がかかったということでしょう。しかし筆者はそれが果たして出来たかどうかは不明だ。

 中国には選挙がないから、今の不均衡が放置できているという面がある。インドは「世界最大の民主国家」と良く言われる。であるがゆえに、発展の不均衡への貧者の怒りは政権交代も引き起こした。問題は、バジパイなきあとのインドがどの方向に向かうかです。経済政策、対パキスタンなど私にとっても興味深い。


2004年05月13日(木曜日)

 (07:15)寝るときには既に100ドル以上下げていて、私が寝ている間に167ドル安の急落を演じていたニューヨークの株価(ダウ平均)は、起きて見た終値では25.69ドル高。Nasdaqも40ポイント近い下げだと思っていたら、引けは5.76ポイント安の小幅安の終わり。

 何があったんだろうと思って市況記事を読むと、その理由よりも「これは市場が転換点を過ぎた証拠。今後数週間は上げの方向」という解説が載っている。こういう解説は相場を理屈だけで考える人には、「なんだ」と思われるかもしれないが、当たっていないこともない。

 相場は売る人と買う人で出来ているから、理由がなんであれ売る人がいなくなれば上がるしかない。ウォール・ストリート・ジャーナルなどの記事は、昨日ザラ場での急落でニューヨーク市場では「売れる人がいなくなった」から、相場は反発した、と見ているようだ。こういう文章もある。

 "This is the type of key reversal day that usually signals a healthy advance over the next couple weeks," said Barry Ritholtz, chief market strategist at Maxim Group in New York. "Despite all the geopolitical turmoil, you've exhausted the sellers today. Now the direction of least resistance is up … anybody who wanted to sell blew out today. This feels very much like a capitulation [market] bottom."
 朝方の急落の記事には、「利上げ懸念」「イラク情勢」「3月の米貿易赤字の月間史上最高(460億ドル)」ともっともらしい材料が並んでいたのが、引けのダウ上昇記事では「過ぎた金利上昇懸念への反省」「石油価格も今後は下落」という理由が並ぶ。相場に取って付けた材料というのは、この程度のものです。相場は、相場自身で論理を持つ。

 昨日は世界中の株式市場の最近の値動きをチェックしていたのですが、BRICsを中心にこのところの下げはきつかった。一番はB(ブラジル)かな。ロシアも酷く、インド、中国も大幅。ま、BRICsなんて言葉が出来るときは相場的には一巡している。相場は誰も気づかない時が良い。

 金利と株式相場の動きを見ると、利上げ懸念があるときが一番の夜明け前。つまり株価が不安定な動きをする。利上げが始まると揉み合いが始まり、利上げが一巡して今度は上げに転じる、という動き。金利が上がるのは経済活動が活発だからで、企業収益が上がればPER面からも買える銘柄が増える、という仕組みです。

 まニューヨークの市場が本当に「turning point」を曲がったのかどうかはまだ不安なところがある、というのが私の意見ですが、一つ言えるのは「市場が一番不安定な時期」は終わったのだろう、とは思う。


2004年05月13日(木曜日)

 (07:05)民主党の後継を巡る朝日新聞の記事は見ていて面白い。この新聞は突出して岡田幹事長を民主党の代表にしたいらしい。いや正確には、したかったらしい。

 今朝の2面の記事も、なぜ自分たちが報道していた「岡田後継」ではなくて、「小沢後継」になりそうになっていたのかを説明して、その一方で社説では「本当に小沢さんですか」という切り口になっている。「岡田にしたかった」と言っているようなものだ。まだ「岡田代表」に未練を残している。

 多分、菅さんを中心とするグループを取材して、「岡田後継」と考えて記事を作っていたんでしょうな。しかし、世の中はそうは動かなかった。自分の辞任問題でも、「小沢さんは3党合意に反対したら出てこない」という読でも、菅さんは甘かったと言うことになる。

 今朝私が読んだ政治記事では、日経の2面の「混迷民主、小沢氏の独壇場」が歯切れが良くて良い。私もこの見方に賛成です。つまり、岡田幹事長は小沢さんに「党内整備をしてこい」と言われたに等しい。つまり、自分に対する反対を一掃してくれれば、「なってやるよ」と言われた、ということだ。

 昨日電話で話をした元民主党の幹部は、「岡田さんは一番の責任者。代表にはなれない。小沢さんの線で決まり」と言っていた。その通りに動いているということになる。枝野、野田さんなどの恐らく小沢さんに良い感情を持っていない人達はどうするんでしょうね。「時間を稼げば稼ぐほど、小沢体制が固まる構図」という日経の読みも正しいと思う。

 それにしても、清新を売り物にする民主党が老獪と言われる政治家に対抗馬も出さずに代表を座を譲り渡す、ある意味では悲哀ですし、対抗馬も出ない人材不足の政党なのか、とも思う。当選一回の新人議員が70人もいるという民主党。まずは選挙を戦える人、顔というのが本音なのだろうが、小沢さんがそのレベルの人間でとどまるかどうかは大いに怪しい、と思う。だから、期待ができる面もあるのですが。


2004年05月12日(水曜日)

 (23:55)夕方オフィスから千駄ヶ谷までのんびり歩いていたら、駅に近づいたところがいやに華やいでいる。旗は一杯立っているし、駅から降りてくる大勢の人が皆若い。東京ドームの観客よりも目が輝いているし、女性が多くて華やか。

 「ここはどこだ」と思い直すと、東京体育館。「ああ、バレエボールか....」と。いや、結構な盛り上がりで、そういえば巨人戦の視聴率がバレーに負けた、というのを思い出して、「これじゃそういうこともあるな」と。

  注意深く見ると、女性には何故か背の高い人が多い。うーん、彼女らは中学、高校時代にバレーボールをやったことがある人なのかな....と。駅にもかなちゃんとめぐちゃんの大きな写真が。でもあたしゃ、プロチックな佐々木が趣味だな。

 プエルトリコにも勝って、五輪出場に王手とのこと。14日ですか、韓国戦は。
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 それにしても、ジャイアンツの阿部は凄まじい。たまたま中継を見ていたら、打点、打率、HRの3部門で彼は今トップになっている。つまり三冠王。しかも打点は2位と10点差、HRも断トツ。打率も3割5分を超える。

 7回だか8回のホームランを見ていたのですが、あの外角高めの球を体を崩されずにレフトにホームランするとは。驚愕しました。開幕33試合で20本。マクガイアの35試合で20本の従来の世界記録を塗り替えたとか。ヒーローインタビューは「記録より記憶」の清原でしたが、阿部の一言も欲しかった。しかしどうせ彼は「最高でーす」としか言わないから、選ぶ方も回避したのかも(?)。

 ニューヨークの松井が「慎之助はどうしちゃったんだい」と言っているのが思い出されました。冗談ではなく、松井も阿部のパワーが欲しいのでは。エンジェルス戦での第三打席のあのライトへの打球は、スタンドインさせないと。そしたらその段階でもうヤンキースの8−4だった。あのときは、松井がちょっと非力に見えた。


2004年05月12日(水曜日)

 (07:55)おお、これこれ。「Small is beautiful.」

 自分の持ち物で何に今一番不満かというと、携帯電話です。必要もないし、使ったこともないのにカメラが付いている。不必要なものが付いているから、重い。いつも手にする度に、「冗談じゃない」と思う。夏は特にもの入れとしてのコートのポケットもないので、130グラムもする携帯をどう所持すれば良いのか迷う。

 ドコモのリリースから「premini」を見ると、重さは69グラム以下とある。ナイス、もう一度ナイス。夏と書いてあるが、出たら直ぐ買う予定。今の携帯はとにかく重くてどうしようもない。早く「premini」が欲しい。


2004年05月12日(水曜日)

 (07:45)「(代表受諾を)真剣に考える」「(要請を)重く受け止めたい」との小沢さん(民主党代表代行)の一言で、「小沢民主党」の可能性がぐっと高まってきた。恐らく、この人でしか民主党は参議院選挙を期待を持てる形では戦えない。だから選択肢は狭まっている、と筆者には見える。この小沢さん、日本の政界では本当にユニークな人だと思う。経済界、ビジネスマンの間にも、小沢人気は結構高い。

 多分小沢さんとしては、枝野政調会長ら「小沢代表」に反対している人達まで「小沢擁立」で一致するか、挙党態勢が出来るかを見ているのだと思う。自分が代表に就任することでまた自分が所属する党が割れるようなことになると、出足から躓くことになる。それは小沢さんとしても避けたいでしょう。彼には、「党を小さくすることがうまい人」というイメージが付いている。それを覆さないと、国民は「またか」と思う。

 民主党は役員会一任で年金法案修正(付則)に関する三党合意を了承し、衆議院本会議でも大多数の民主党議員は賛成を投じた。しかし、かなりの数の議員は起立しなかったか、採決の際に議場から出たか、小沢さんのように最初から本会議を欠席した。

 そうすると、今の執行部と可能性としてある次の小沢執行部のこの問題を巡る断絶はかなり大きい、ということになる。その点の論理的整合性、継続性をどうとるかなど、小沢代表を巡る問題は多い。挙党態勢もそうですが、これらをどう処理するのかが、小沢民主党の最初の仕事になる。

 なぜ国民の間に小沢人気が高いのか。まず第一は主張が見える、ということだと思う。今回の年金を巡る問題でもそうだし、憲法問題でも彼の主張は見える。何かしてくれる、という期待がある。彼の「異質性」にも興味を引かれる人が多いのでは、とも思う。安易な妥協はしない政治家であって、なおかつ日本の政治の核に近い人としては、彼は突出している(小泉さんよりもそういう面がある)。

 ではなぜ、小沢警戒論が強いのか。一つにはウリの一つである「異質性」と、それがもたらすフリクションでしょう。このフリクション故に、例えば羽田孜にような極めて近かった人まで遠ざけてきた。ま羽田さんは今回は小沢さんを推しているようですが、心中は穏やかではないでしょう。そういう人は、民主党にも自民党にも結構いるに違いない。だから、彼が民主党の代表になった瞬間から、彼を引きづり降ろそうという動きは党の内外で表面化するに違いない。

 冗談ではなく、小沢さんにとっても最初の関門は「年金を払っていたのか」でしょうが、その後も倒小沢の動きは表面化する。小沢さんもそれを知っているから、時間をかけて党内の意見統一を待っている、というのが現在の状況だと思う。せめて党内を固めないと、攻めに出られない。

 彼が民主党の代表になったら民主党は政権を取れるのか。これは分からない。ただし次の参議院選挙の観点からは、自民党としては「一番嫌な民主党代表」でしょう。野球でも「相手が嫌がる戦略が一番良い戦略」と言われるから、民主党が選ぶ戦略としては悪くない。

 しかし、岡田さんが代表になるより、小沢さんが代表になった方が、民主党が再び割れる可能性も高まる気もする。そうすれば、二大政党制は日本には当分こない。一方で、小沢さんが民主党代表になれば、自民党の中にも手を出すでしょうから、政党再編になる可能性もある。韓国の政党は、誰が大統領になるかで組み替えが頻繁に起きるが、小沢さんはそういう雰囲気を日本の政界にも持ち込むかもしれない。

 彼が民主党の代表になれば、良い意味でも悪い意味でも日本の政治は面白くなる。恐らく選挙の投票率も高くなる。それは政治が脈略のない辟易とするドラマの場から、多少は論理が入るからだし、個性が強い人同士の対決(小泉 対 小沢)の図式になるからだ。

 で、小沢さんってどういう人、と思って彼のサイトを見ていたら、プロファイルのところに面白い資料があった。1942年5月24日生まれ。つまり今は61才ということになる。今の総理大臣である小泉純一郎さんは同じく1942年だが、誕生日は1月8日で、小沢さんよりは学年では一年上。見てくれより、結構若い。

 意外にも(失礼)、慶応ボーイ。慶応大学出身、という意味ですが、昭和42年に慶応を出て、その後日本大学の大学院へ。そして昭和44年の12月には衆議院議員初当選とある。つまり、民間で働いた経験は恐らくゼロということになる。履歴にない。これは結構凄い。無論二世です。その後は議員歴が並ぶ。平成に入って自民党幹事長を3期もやっている。

 サイトにある「パーソナルデータ」というのが面白い。お姉ちゃん二人の末っ子。予想通り、血液型はB型。子供は男3人。奥さんとは、田中先生(角栄さんでしょう)の紹介でとある。歴史が好きで、「許せないこと」は「事実でない報道」「筋が通らないこと」とある。彼の目で見て、今の日本では「事実でない報道」が多い、ということでしょう。

 日本食が好き、と。そういう印象がする。岩手出身ですから、「そう書くしかない」ということもあるのでしょうが、まあそうなんでしょう。好きな歌は、「北上夜曲」とある。あと「舟歌」「青き狼」。この「青い狼」ってどんな歌でしたっけ。(ー。ー)yー゚゚゚は吸わず、酒はビールと日本酒。

 座右の銘は「百術は一誠に如かず」と。なるほど。でも「術」も使っているように見えるが。好きな言葉は、「変わらずに残るためには、変わらなければならない」と。日本を考えているのでしょうな。はてまた、自分も。

 5月24日で62才。さてその時彼はどういう公的地位に居るのか。


2004年05月11日(火曜日)

 (23:45)大阪難波の南海サウスタワーホテルが外資に買収されてスイスホテル南海になった....。それは知っていましたが、11日に初めて、その改名後の新しいホテル内に入りました。7階で講演会があったため。

 車寄せは大きく変わった。凄く遠回りになった。運転手さんが戸惑うくらい。つまり、車での侵入が面倒になった。以前も紹介した大阪の六本木ヒルズ(?)が出来たため。しかし、ホテル内は基本的な配置は変わっていない。でもちょっと豪華になった。支店の人間によると、「お昼も3000円では食べられなくなりました...」と。値段も上がったと言うことか。

 このホテルには、以前は何回か泊まったのです。何もない桜ノ宮の帝国や、大阪城の近くのオータニよりこのホテルの方が難波の真ん中にあってどこに行くのも便利。ロケーションが良いのです。下の街には大阪らしい飲食店も山ほどある...というわけで。今回も泊まろうと思ったのですが、予定が詰まっていて大阪には2時間半いただけで帰ってきてしまいました。今度は、と思っています。

 しかし、思えば日本のホテルももうかなりの部分が外資の軍門に下った。悪いと言っているのではなくて、日本の会社ではうまいこと経営がいかないのですかね。タクシーの運転手によると、スイスホテルに名前を変える時は、どう改装されたとか、大阪ではいろいろとテレビ番組にされて放映されたらしい。

 東京にもあと数年で外資系の有名ホテルが更に次々と進出する。防衛庁の跡地、東京駅の近く。迎え撃つ日本のホテルも大変です。どうも日本のホテルは、「特徴の出し方」が下手な気がする。
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 大阪からの帰り、初めて新幹線の品川駅を使いましたが、「この駅は、東京の西に住んでいる人間にとっては便利だ」と思いました。東京駅は山手線のリンクの中では東に属する。東京駅の新幹線ホームから中央線に乗り換えるのは大変な長さを歩かねばならなかった。品川駅でも新幹線ホームから山手線に行くのはちょっと長いが、それでも東京駅の歩き距離よりは短い。

 今後は西への出張は、行きは東京駅から、夜間の帰りは品川駅利用にしよう...などと考えました。西から品川駅止まりの切符をまじまじと見ると、「品川駅(東京都区内)」とあって、東京駅行きのチケットと同じ扱い。そのまま都内なら同一切符でも行ける。ところで、東京駅から品川駅までの新幹線チケット、というのもあるんでしょうな。利用する人は珍しいでしょうが。


2004年05月10日(月曜日)

 (23:11)金融市場全体の一環として株式市場も見ているのですが、実は最近嫌な予感がしていたのです。相場を長くやっていると、相場が大きく反転(今回の場合は下を向く)する時の特徴的現象というのがいくつかある。

 一つは、インディケーターと言われる人が、今までの主張をひっくり返したときです。具体的には、今まで代表的に弱気だった人、または逆に強気だった人が相場観を最後の最後になって転換し、「私も見方を変えました」と言った時。大体そういう時は、それまでの相場の流れの最終局面の場合が多かった。

 誰とは言いませんが、日本の株式市場では今まで弱気で鳴っていた人が最近、「強気になりました」と発表して、新聞記事にもなった。で私は、「嫌だな.....」というか、彼こそ最後っぺかな、と。

 加えて言うと、この連休中には、それ以前の相場活況を見て日本のネット証券が一斉に設備増強をした。個人投資家の注文を処理するため、という理由だが、短期的にはこういう時は相場の転換点になる可能性が強い。なぜなら、世の中そんなにハイの状態は続かない。まあ今の世界的な株安は、超緩和相場から業績相場に転換するまでの短期的な調整でしょうが。

 ま今起きていることは、パラダイムシフトだと思う。超低金利から金利上昇局面への、そしてデフレからマイルドなインフレの時代への。経済のパラダイムが変わると言うことは、相場の枠組みも変わるということ。だから、相場は揺れる。しばし、乱気流でしょう。


2004年05月09日(日曜日)

 (17:11)御柱祭りの話を何回か書きましたが、先週後半で分かったことは、「なんだ、結構行っている人が多いんじゃない」ということ。つい最近飲んだNHKの友達もそうだったし、西麻布の行きつけの店のご主人もそう。あと「私も行きました」と何人かの方からメールを貰った。

 まあ世の中狭いという話しですが、そう言えば金曜日もビックリしました。マンクマで放送局の若手二人と食事をしていたのです。静かに。そしたら、もう帰ろうと思った時に、10数年前に為替をやっているときに極めてお世話になった商社の方が見えられて混乱状態になった。

 しかも驚いたのは、その商社の担当者はマンクマのご主人の戸田さんの高校・大学の極めて親しい友人だと言うのです。もうひっちゃかめっちゃかになりました。かつ、その担当者(今はもう役員さんですが)と一緒に見えられた方が、私が連れて行った放送局の若手と趣味で接点があったりして。

 まあ、その前にも知り合いの方何人かに会いましたが。人の出会いという意味では、面白いこのごろです。しかし、20万人も詰めかける祭りで偶然会うというのはあまり例がない。
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 菅さんは一日忙しそうですね。午前中だけで二つの番組で見かけました。金曜日に書いたように、福田さんが辞めた段階で菅さんは完敗です。あと何をしても駄目。それが政治の力学というもので、それが出来なかった段階で「素人」と呼ばれても仕方がない。

 しかし、着地点はまだ分からない。民主党も党の結束をどこで見つけるのか、三党合意をどうするのか。自民党だって7兄弟をどうするのか。民主党が反攻に出られるとしたら、首脳陣を入れ替えて「さあ、そちらの番」と出たときです。

 思うことは、これでまた政治家であり続けることの条件が厳しくなったのかな、ということ。昔は政治家のスキャンダルと言えば、金、女性が主だった。しかし今は、場合によってはケアレスなミスで一つの手続きを怠っただけで責任を取らざるを得ない状況に立たされる。どこかの新聞の「政治の変質」とかいう文章が面白かった。

 そういえば「消費される政治家」という本があったな。そして、その速度は確実に上がっている。


2004年05月07日(金曜日)

 (13:11)たしか「たそがれ....」からアカデミー賞外国映画賞受賞の夢を奪ったのはこの映画だったな、という気持ちと、予告編を見て見たいな、と思っていたこともあって、今週シネスイッチでみなさん、さようならを見ました。

 この映画を見ながらなぜか思い出したのはビッグ・フィッシュです。考え方というか、人生の意味のとらえ方が似ているな....と。ともに主人公は死に、そして「幸せ」が残る。人生の意味とは、という主題。

 良い映画だとは思います。レミの息子の資本主義の落とし子のディーラーが、いやに親孝行なんですな。あれほどつきあいもなかった父親の為に。結局母親が偉い。レミも憎めない性格が人を集めている。息子もカネを使っている。まあ、ああいう終わり方も良い。ちょっと周りの人間に迷惑を掛けすぎのような気もしますが。

 アングロ・サクソンのラテン化......というのは、ちょっと考え過ぎですかね。


2004年05月07日(金曜日)

 (11:11)福田官房長官が年金未納問題で辞任。これは冷徹な政治判断なんでしょうな。逆に言えば、民主党、もっと具体的には菅代表はそれが出来なかった。

 福田さんとしてはこう考えたのでしょう。今の民主党の党内情勢から言えば、菅代表の辞任は必死。辞任したときに火の粉が自分に降りかかってくるのは必定。そのケースで辞めれば、「世論の圧力に抗しきれず」ということになる。そのくらいだったら、政治生命を最終的に引き延ばす(復活を含めて)、潔さをアピールするためにも今自分が最初に辞めた方が良い。

 菅さんには、「まさか福田さんは辞めないだろう」という慢心があったのでは。しかし、これで菅さんは潔さでも福田さんの後塵を拝したことになる。これでますます菅さんが代表にしがみついている理由はなくなったし、客観的な情勢から言っても民主党はきわめて厳しい立場に立つ。なにせウリだった潔さでも自民党に後れを取った。

 もっと言えば、福田さんには自分の早期辞任で今菅代表を追随辞任に追い込めば、民主党の跡目争いは混乱状態になる。小泉政権の延命につながる、との読みがあったのかもしれない。今の民主党のメンバーだと、誰がなっても座り心地は悪い。まあ自民党の完勝ですな。


2004年05月06日(木曜日)

 (08:11)へえ、知らなかったな。「公売」ね。ネットで調べたら「公売とは、国税を滞納したことにより、国税局や税務署が差し押さえている不動産等を、入札等の方法により売却する制度」とある。

 いや、朝起きてスタンバイを聞いていたのです。そしたら現場にアタックのコーナー(泉さんでした)で、この言葉が出てきた。どうして出てきたかというと、東京都が公売で手に入れた主に動産(骨董品、美術品などなどモノ)をヤフーのネットオークションを使って売る、それを税収にするという方針を明らかにしたこと。

 それも知りませんでした。なにせ、今日も新聞がない"(^_^;)"。今までは骨董業界などに値段を付けて買い取って貰っていた。しかしそれでは安くしか売れないし、よって税収があがらない。

 このコーナーで何回も書いているし、実際にネットオークションに参加した人は分かると思いますが、これはモノを高く売るには便利な方法です。なぜなら、ネットオークションでは参加者がどうしてもビッドアップせざるを得ない精神状態になる。相手が見えない、参加するとすぐ「落とそう」と熱くなる。

 インタビューでもやっていましたが、まあ買う方もそれと通知されたら普通のオークションとは違う反応を示す人もいるのでしょうが、それが欲しいという人は買うんでしょうな。なかなか良い方法だと思う。
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 知らない単語と言えば、ブッシュ大統領がアラビア語の二つのテレビを通じて「中東のアラブの人々」に向けて行った謝罪の中に出てくる「abhorrent」も知らなかったな。

  1. 〈人が〉(…を)ひどくきらいな《 of... 》 She is 〜 of waste.  彼女は浪費がきらいだ

  2. 嫌悪を催させる,虫ずが走るような;[be abhorrent to A]〈A(事)と〉相入れない;〈A(人)にとって〉嫌悪すべきものである。Waste is 〜 to her.  浪費を彼女はひどくきらう
 とプログレッシブ英和中辞典にはある。へえ、「of」と「to」の使い分けがあるのか、と。ウォール・ストリート・ジャーナルに声明全文と記者会見のやり取りが出ていたので全文読んでみたのですが、「これでアラブの人々が納得するのかな....」と。言っていることは、事実そう言うことはあって我々はそれを adhorrent に思うし、よって徹底的に調査してそれを公表する、ということです。

 このブッシュ演説とほぼ同時に、イラクではキミット准将がイラク国民に謝罪している。虐待はフセイン政権でも行われていたのでしょう。しかし、アメリカはイラクに「公正明大な民主主義、誰もが幸せになれる民主主義」をウリにイラクに13万以上の軍隊を送っている。その民主主義のウリの相手国であるイラクで、捕虜の虐待という国際条約違反を行っていたのでは、誰もがその主張に疑問と憤りを持つ。

 「ウリ」で躓く国、団体、人は多い。じゃ、ウリを出さなければと思うのだが、そうはいかない。同じ国民年金の不払い問題でも、打撃は自民党より民主党にとって大きい。これはやはり党としてのウリがそこにあったのに、それが守れなかったからだ。その収拾にはかなり力がいる。

 アメリカも民主主義がウリだった。このウリを守るためには、アラブの人々も納得するような徹底した公表と説明が必要。しかし、もっと驚くような事実が出てくるような気もする。そうこうしているうちに6月30日が接近している。もう2ヶ月ない。ブッシュ政権には正念場だ。


2004年05月05日(水曜日)

 (08:00)今度のFOMCの声明のメッセージは明確です。それは、アメリカの中央銀行が超緩和状態を終了し、まず中立に戻す、そしてその後も引き締めを続けるかもしれないということです。どちらにしろ、現象としては短期金利は引き上げられる。

 中国も引き締め、アメリカも引き締め。イギリスもまた利上げをするでしょう。世界は明らかに90年代の「異常な緩和の時代」の終焉を迎えている。専門的な観点から言うと、今後数ヶ月のFRBの動きを直ちに引き締めと呼べるかには疑問がある。やはり厳密には、まずは超緩和状態の中立への戻しですが、いずれにしろ金利は上がる。

 前回(3月16日)の声明に比べて主要な違いは以下の点です。

  1. 「hiring appears to have picked up」という形で、最近になっての雇用の増加傾向に言及した。前回は「new hiring has lagged」(新規雇用は遅れている)となっていた。つまり、FRBが超緩和継続の一つの理由としてきた雇用情勢の改善を指摘した

  2. 長期的なインフレ期待(米企業、国民の)は引き続き低いままであって高まっていないと認識した上だが、今回の声明では「incoming inflation data have moved somewhat higher」と足下ではインフレ率が高まりつつあることに触れた。前回の声明では「increases in core consumer prices are muted」となっていた。つまりインフレ見通しを厳しくした。物価の番人として身構える必要があると認識した

  3. 前回声明まであった「デフレのリスク」に対する認識を今回は文言の上からも払拭した。具体的には前回3月の声明で「The probability of an unwelcome fall in inflation has diminished in recent months and now appears almost equal to that of a rise in inflation」と「unwelcome fall in inflation」(歓迎すべかざるインフレ率の低下)に触れていたがこの文言は削除され、「the risks to the goal of price stability have moved into balance.」物価安定という目標に対するリスク(歓迎されざる上昇、または下落)は均衡した、という表現になった。つまり、金融政策を超緩和から中立に戻す必要性を認めた

  4. であるが故に、前回の声明では「With inflation quite low and resource use slack」となっていたのを「with inflation low and resource use slack」として「quite」を落とし、さらに一番重要なのは「it can be patient in removing its policy accommodation. 」(3月声明)と利上げに忍耐強くなれるとしていた部分を、「policy accommodation can be removed at a pace that is likely to be measured」とした
 わかりやすく言えば、「もうそろそろ利上げする」と言っているのです。FRBとして「利上げを我慢し、忍耐強くなっていられる」時期は過ぎた、と。だから、「patient」も削除した。

 「policy accommodation can be removed at a pace that is likely to be measured.」というのは、なかなか翻訳しにくい。「きっちりと計った形で緩和をやめていく、除去する」ということでしょう。「measured」には無秩序にならず、きっちりと計って、というニュアンスがある。この言葉は、1994年の時のような突然に利上げし、その後も市場が驚くようなハイペースの利上げを続ける、というようなことはしない、という決意が伺える。市場に安心して下さいよ、と。

 実際に市場は動揺しなかった。ニューヨークの株式市場を見ると、ダウは月曜日の88ドル近い上げにわずかながら上乗せする形で、声明を受けた火曜日にも3ドル上昇した。Nasdaqも11.76ポイントの上昇。つまり、FRBにとっては株価の上昇は「measured rise」という形になった。安心したでしょう。

 債券市場はちょっと複雑だ。短期の2年とかは動かなかった。FOMCの「利上げしてもmeasured な形で」と言ったから、安心した面がある。長期(10年、30年)は声明が発表された直後は値上がりした。つまり金利は低下した。

 しかしその後は、「FOMCのインフレの先行きに対する見通しは生ぬるい。もっと引き締めが必要」という見方が台頭する中で、長期金利は上昇した。ウォール・ストリート・ジャーナルの市況記事にはFOMCの声明に関して、「that was very very benign statemet」というコメントがある。つまり、生ぬるい、もっと利上げに積極的にならなければ長期債は買えない、というのです。火曜日の引けでは10年債の利回りは4.55%(前日は4.50%)になった。30年債の利回りは、5.337%(5.282%)。

 外国為替市場で進行したのは、ドル安です。「measured」な利上げならもう織り込んでいたからでしょう。かつドルにとって重荷になったと思われるのはイラク情勢です。人質問題でアメリカはまたまた苦境に立たされている。
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 では、FRBはいつ利上げするのか。「at a pace that is likely to be measured」と言っているのだから、あまり急いではいけない。だからFOMCの開催日以外の利上げはないでしょう。それは「measured」とは言えない。次のFOMCは6月29/30です。どうかな、6月に利上げが行われる確率は20%以内、という感じかな。一番4年ぶりのアメリカの利上げがあるだろうと思うのは、その次のFOMCである8月10日です。「policy accommodation can be removed」と言った手前、あまり「remove」が先になっては声明の信頼性が問われる。「policy accommodation can be removed at a pace that is likely to be measured. 」という文言に一番合うのは8月だと思う。むろん情勢は変わりうる。

 ま、FRBの金融政策の超緩和から中立への戻しが市場にショックを与えずに「measured」(計ったように)な形で行くかどうか。火曜日の市場の反応を見ると、第一歩は成功だったと言える。

  1. 今回、5月4日のFOMC声明
  2. 前回、3月16日のFOMC声明
  3. 今後のFOMC開催予定


2004年05月03日(月曜日)

 (25:00)相変わらずどっぷりと御柱で時間を過ごしているのですが、幼なじみや親戚の連中と話していると、「祭りとお金」「祭りと男」といった話がいっぱい出てくる。その中には、ずっと地元で過ごしてはいない私のような人間には、以前小耳に挟んだものの、改めて聞くと「えっ、そうだったの」というような驚く話もある。

 私は知らなかったのですが、御柱に関してはNHKが4月28日の夜に総合テレビで午後7時30分から1時間30分の長きにわたって特集を放送していたようなのです。それは、昭和31年の御柱、昭和60年代の御柱、それに今年の御柱を時代背景の変化の中で取り上げたものだったらしい。その中には、御柱の華である木落しのハナ(坂道を転がり下りる御柱の一番先端)に乗りたい男三人の駆け引きの話とかが、かなり綿密な取材のもとに出てきたというのです。

本2の頭でロープに乗せてもらう  その番組は機会があったらビデオで見てみたいのですが、私が聞いた話で面白かったのはまず「御柱とお金」かな。諏訪大社上社の場合は、御柱は全部で8本です。それを上社の氏子衆の各地域が山から巨木を神社まで曳航する。山あり、急坂あり、川ありの結構きつい道のりです。8本には本宮1から4、前宮1から4があるのですが、当然どの地区も本宮の一の御柱を取りたい。

 どの地区がその年にどの御柱を担当するかはこのお祭りの少し前に決まる。今は抽選です。今は公正明大だが、かつてはそうではなかったらしい。どの地区も本宮の一が取りたい。それが駄目なら本宮の二。一番人気がないのは、前宮の四です。木も一番小さい。これは見て歴然です。差をつけて山から木を切って、曳航する。本宮の一が一番立派な木です。その立派な木を皆曳きたい。同じ御柱でも、本宮の一を籤で引き、山から里に曳いた地区は、その後6年間は鼻が高い、というわけです。

 かなり昔からどの御柱をどの地区が曳航するかは抽選で決めていたらしいのですが、昔はその抽選がかなり眉唾物だったらしい。抽選の紙にはかなり読みにくい字(ここの老人は、みみずと言っていた)でどの御柱か書いてある。で、その紙を開けた神主が「本宮の一」とか言うと、それで決まった、というのです。誰も文句は言えない。では各地区としていかに神主に自分たちが欲する御柱を読ませるか。それは神社への貢献がものをいったらしい。

 各地区には抽選総代というのがいる。つまり、何番の御柱を担当するかの抽選をする時に、地区を代表して出る人です。ただしその人は抽選だけ担当する訳ではない。一緒に神社に対する貢献もしなくてはならない。各地区で抽選総代が決まって実際に抽選が行われるまで、約2ヶ月あるらしいのです。つまり60日間。

 その期間に総代さんがやらねばならないのは、毎朝、どんなに寒くても地区の何人かの代表を伴って神社に祈願に行く。総代が個人としてその時に包むのは、毎朝10万円だと言うのです。つまり、それを60日間繰り返すから抽選の朝までに個人負担分として最低600万円が消える。それは総代の名誉であり、負担であり、それでも総代をやりたい人は結構いるらしい。総代と一緒に行く人も、10万円とは言わんが何万か包む。神社にとっては膨大な収入です。中には、億の単位の鳥居を献上する向きもあるという。

 それでも「本宮の一」が取りたい。子供のころから親に、「御柱はお金がかかる」と聞いていたが、今回いろいろな話を聞いて、「なるほど」と思った。だから、御柱の年には「土地を売った」というような人が諏訪の盆地には結構出てくる。下社の方でも、同じようなことが行われているに違いない。つまり、16本の御柱にはそれぞれ皆、地区の人たち、その総代の思い、そしてお金が動いているのです。総代だけが動かす最低のお金だけで、600万×16本。それは、9600万円です。この祭りには、ま、億のお金が動いている、ということです。

 私はそれを否定的に言っているのではない。そういうものなんでしょう。諏訪の人間はそれを楽しんでいる。6年に一度の祭りだから、それを区切りにして生きているのです。一生に一度あるかないかの総代になって、そのために個人財産600万(それだけではなく、もっとでしょうが)を支払っても、「本宮の一」がとれれば良い、と考える人がいるはずだし、それはそれで良い、と私は思う。逆に順位の低い御柱を引いたら悲劇です。お金を使った上に、「なんだ」と周りから言われる。だから、なりたくない人も大勢いる。燃える人がやるのです。

 神社の名誉の為に言うと、今回あたりは抽選はまったくいかさまなしになったらしい。なぜなら、抽選の場にテレビカメラが入った。抽選の紙にも「みみず」ではなく、誰が見ても間違いないように「本宮一」から「前宮四」までの指定がくっきりと書いてあった、というのです。抽選順位を決める抽選も3回やったらしい。しかし、そういう公正明大な抽選になっても、総代は地区の人間を引き連れて60日間毎朝神社に行って祈願し、そして気持ちを残してきた、というのです。全国の祭りで、この種のことが行われているのでしょう。
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 お金だけではない。男も動く。良い悪いの問題は別にして、以前は御柱にはいっさい女性は関われなかった。綱を引くことも出来なかったし、ましてや御柱に乗ることは出来なかった。今でも、女性は綱も御柱もまたいではいけない、という規則を守っている地区もある。相撲の土俵のように、それは伝統だったのです。

 今はかなり違う。綱を引くのは女性を含めて家族総出だし、威勢の良いお姉様達が、むしろ男よりも勇ましく御柱の上に乗っている。ただし私はめどでこという上社の御柱の角に女性が乗っているのは見たことがない。御柱のような勇壮な祭りは、依然として男の祭りなのです。

 だから、諏訪には「御柱男」という人種がいる。御柱になると活躍する男達です。木落しのハナに乗り(冗談ではなく、死ぬかもしれない)、寒い中川越で川に投げ出され(上から押されるので、溺れる)、めどでこに乗って神社の石の鳥居をくぐり(鳥居が崩れたらどうするんだろう)....と危険と同居する。

 今はどうなっているかあまり知りませんが、私が子供のころはよく死人が出た。一番出たのは木落しで、傾斜角度40度のところを100メートル巨木がころがり落ちる。その木の上に乗っているわけだから、木の振れ具合、ころがり具合で事故が起きる可能性がいつでもある。それでも、あの木に、しかも先頭に乗りたい男は大勢いる。御柱で大けがとか何かあっても、その家族は諏訪ではそれを御柱のせいにはしない。

 明確な定義は聞いたことはないが、「御柱男」というのは、そういう危険を何回も乗り越えてきた、マネッジできる男達ということでしょう。屈強だし、運動神経が良くなくては出来ない。6年に一度しかないから、「何回も乗り越える」のは容易ではない。加齢するから、それでも御柱男でいようとしたら大変です。しかし、諏訪にはそういう人種が居て、近所では「御柱男として有名」なんて人が出てくる。

 親戚の集まる場で、「俺も諏訪に残っていたら、あそこに乗れたかも」と言ったら、即座に「無理」と言われた。つまり、諏訪にずっと住んでいるかどうかが問題なのではない、というのです。ああいう祭りの場にすっと入っていける「におい」を持っている人間じゃないと駄目だ、というのです。若い頃から消防で地区に貢献し、ことあるごとに酒を酌み交わした仲間が、御柱のハナをとったり、メドデコに乗る。結構厳格な世界らしい。「そうじゃないでしょ...」と言われてしまった。ま、そうだ。

 確かに、危険と同居しながら祭りの中心にいる彼らには、妖気が漂っているような気がする。一種の興奮状態です。巨木にも妖気が漂っているが、それがあの周辺に充満する。一歩間違えば大けが、もっと悪ければ死ぬ世界ですから、興奮状態の中で神経を張りつめる。だから、御柱が終わると腑抜けになる人もいるに違いない。そしてまた次の御柱を待つ、ということになる。

 中学生のころだったかな。親父が、「祭りは為政者にとって民衆の不満のガス抜きの場だ」と言っていたのを今でも思い出す。それも当たっているのでしょう。しかし、ずっと見ていて、一般の人も自ら「ガスを抜き」たいんだな、と思える。だから、ガスが抜けるほどに祭りには華がなくてはいけない。その華の中には、祭りの華やぎ、歓声、驚嘆の声、非日常性、財産消費、衣装、様々な御柱専用の器具、掛け声、歌、群衆、時には死や大けが、そして祭りの終わり、がなくてはならない。

 上社の御柱の祭りとしての終わりは、4日の本宮での建て御柱です。つまり、巨木を諏訪神社上社の四隅に建てる。3日に見たらもう穴が掘ってあった。4日は雨らしい。でも次は6年後だから、見に行こうかなと思っているのです。


2004年05月02日(日曜日)

 (23:59)土曜日の夜から諏訪に来ています。なにせ6年に一度のお祭り。次はもう2010年近くですから、やはり見ておかないと、ということです。

 不思議なものですな。祭りの人混みの中を歩いていると、どこかで見たような。向こうもこちらをそう見ている。どこかで会っているんでしょう。車は通行止めですから、自転車で家の近所の同年代の先輩、後輩らと一緒に行って祭りに少し参加して(綱を引くのです)、その後は私は予定の消化。

 6月に出身高校で講演するので、高校の同期との打ち合わせやその時に一緒に対談する高校・大学の先輩である茅野市の市長との顔合わせなど。まあそれを口実に、祭りの沿道で軽い宴会やっているわけですが。

 御柱も、5月に入って行われるのは、上社、下社とも里曳きと言って、賑やかに盆地の道を巨大な柱を引くこと。危険は作業は先月に済ませている。明日も、明後日も予定があって、明日は御柱のうち数本が建て御柱と言って、神社の中にきちっと建てられる。明日も行く予定です。



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