2004年08月31日(月曜日)

 (07:39)
20日=5.0%
21日=4.2%

 何かというと、このオリンピック期間中の巨人戦の視聴率。カードが広島戦で人気の阪神戦でないにしても、ゴールデンに波を出しているテレビ局としては泣きたくなる数字でしょう。通常、ゴールデンの視聴率は、テレビ局としては13〜15%が目標という。

 今朝の日経産業新聞の最終面には、「巨人戦 地上波から消える ?」という記事がある。そうですよね、一桁台の前半ではきつい。オリンピックという特殊事情があったにせよです。ではオリンピックが終わったら、プロ野球人気は戻るのか。今のままでは怪しい、というのが私の意見です。アテネで金を取っていれば少しは違ったかもしれないが。選手を「たかが」と言う体質では、ファンが付いてこない。ファン(消費者)を大切にしない産業は存続価値を問われる。

 今のプロ野球界の球界再編議論というのは、「巨人戦」とその放映権(一試合1億円)など蜜を巡る戦いだとも言える。しかし肝心の巨人戦が一桁の視聴率しか取れないのなら、そもそも争う意味があるのか、という議論は出てきておかしくない。ゴールデンに一桁台の番組を置く余裕はテレビ局にはないでしょう。

 21日の4.2%は恐らく巨人戦史上最低だという。この視聴率では報道番組も持たない。室伏の金が確定した直後の日曜日のこの番組の頭の視聴率は19%を超え、全体でも12%近くあったという。ましてや日本のプロ野球は、テレビを見ている人の割合が一番高い時間帯を占める。

 筆者は自分も野球好きだから思うのです。「野球はもっと面白く、ワクワク出来るスポーツなのに」と。今のままでは、「老害と言えるような経営者が跋扈し、オジさんくさい選手達がだらだら動き、大リーグに行けない選手達が展開するあくびの出るようなスポーツ」になってしまう。そうなって欲しくはないから言いたいのです。

 ほぼ同じ時間帯のシドニーのオリンピックの平均視聴率が11.6%だったのに対して、6時間も時差のあったアテネ・オリンピックのそれは10.2%に達したという。ほとんどが夜中だったのにです。加えて、筆者のようにオリンピックを殆どBSで見た人も入れると、視聴率はシドニーに負けなかったのでは。同じスポーツでも、時差を超えて夜中でも見たいスポーツがある一方で、もしかしたら他に見るものがないからつけているだけの可能性もある巨人戦の4.2%。

 夜中でも見たいという改革でもしないと、日本のプロ野球の再興も難しいかな。いっそ、シドニー惨敗から首脳陣を全部入れ替えた日本体操協会を見習ったら.....。


2004年08月31日(月曜日)

 (07:31)増えた増えたと騒ぐんで、一体日本のメダル獲得数は全体の何%か調べたのです。新聞などを参考に。私のカウントでは、今回のアテネ・オリンピックで出た金メダルの総数は301、銀も301で、銅は柔道のように正式に最初から銅が二つ与えられる競技もあるし、競泳や陸上のように全く同タイムという結果2個という銅もあって、全部で327個あった。

 日本が獲得したメダルは「16.9.12」で合計37個。総数929個のうち3.98%。金だけを見ると、獲得率は16÷301で5.3%。獲得率は金に傾斜した形で、これは日本が世界経済に占めるGDP10数%から見ると少ないが、人口が世界全体の1/60だとすると1.66%あれば良いのだから、それは大きく上回っていると言える。

 日本の獲得した金メダルの数は東京オリンピックと並んだとよく言われるが、私が調べたら東京オリンピックの時は金メダルは全体で163個しか出ていない。163個の中で日本は16個の金を取った。ということは一割に近い。だから今回のオリンピックの日本の出来が特別に良くなったわけではない。これも私のカウントだが、前回シドニーの時の金メダル総数は288で、今回の301は13も増えている。

 こういうことを調べるにはこのIOCのページが便利なのですが、「スポーツの勢いは経済の勢い」という観点で見ると、今回のアテネ・オリンピックはいくつかの特徴が出ている。「これぞアジア」という国のメダル数を足し上げると63個(中国、日本、韓国、タイ、台湾、インドネシア)になる。これらの国がシドニーで金を全部で何個取っていたかを見てみると43個。たった4年間で20個も増えている。金メダルそのものが4年間に13個も増えたことを考えても、アジアは強くなったと言える。

 北朝鮮も今回のアテネ・オリンピックで4個の銀メダルを取った。これは日本ではあまり報じられていないが、どこかの競技で金メダル争いをしていたということでしょう。オリンピックのメダル・テーブルを見ていて一番私が驚いたのは、人口10億を誇り、今経済も勢いがあるインドのメダル獲得数が銀1に過ぎないという点。リストをまじまじと見ていて、驚愕した。何が原因なのか。これは面白い問題だな。チャッタルジーにメールして聞こうかな.......インドの新聞では、オリンピックはほとんど報じられていなかったりして.....。ははは。


2004年08月30日(月曜日)

 (08:31)あの男子マラソンでの妨害男は、常習犯的な存在だったようですね。アイルランドの牧師だったが、牧師の資格を剥奪され、その後はF1とかでも同じ衣装で妨害工作を繰り返していたらしい。

 デリマにとっては大迷惑。しかし見ていて救われたのは、彼がともかくメダルを取ったことと、最後のスタジアムでの表情が明るかったこと。投げキッスをしていた。しかしブラジルの人達は怒っているでしょう。妨害のあと、明らかに彼のスピードが落ちた。その後の走りはけなげだった。

 日本の選手は案外頑張ったということか。女子のように頭での走りをゆっくり見れることはなかったが、それでも5、6位というのは最近の成績では良かった。しかし女子は二大会連続の金ですから、北京では男子も期待したい。

 ハンガリーのドーピングが今回のオリンピックでは数で突出した。試合前と試合後に提出したアヌシュ選手の尿は別人のものだったというのだから、IOCとしても確信をもってこのハンガリーの選手に疑念を持ち、そして失格にしたと言うことでしょう。「(金メダルを)表彰台で貰いたかった」という室伏選手の言葉は本当だと思う。

 ドーピングについては少し調べたのですが、そもそもこの言葉は「ドープ(dope)」から来ていて、語源はアフリカ東南部の原住民カフィール族が祭礼や戦いの際に飲む強いお酒"dop"だという。これが後に「興奮性飲料」の意味に転化し、さらに「麻薬」という意味でも用いられるようになったそうだ。

 最近はドーピングは「人体に存在する成分でのドーピング」「遺伝子ドーピング」「血液ドーピング」と手が込んできていて、「イタチごっこ」が続いているそうな。途上国などでは一回金を取るとその後死ぬまで毎月何十万というお金がもらえるシステムもあるらしい。「たとえ5年後に死んでも、金が欲しい」と約半数のトップ選手が答えたというアメリカの古い調査もある。古くて新しい問題だということです。


2004年08月29日(日曜日)

 (10:31)ははは、4年ぶりくらいですかね、高円寺の阿波踊りを見ました。本当は見ている最中に参加したくなったのですが、まあ衣装もないし諦めましたが。いつか参加したいな....と。

 雨がしょぼふる中でしたが、多分あれは踊っている人にはちょうど良い軽いシャワーではなかったかと。見ている我々にとっても、それほど気になるものではなかった。会場は家の直ぐ近くでいつでも見に行けたのですが、過去数年は時間が合わなかったような。

 しばらく行かないうちに、目新しい「連」が一杯出てきていた。一番笑ったのは「チルド連」という子供達の連。ナイスなネーミング。これがかわいかったのです。見ていて一番和むのは「ちびっこ踊り」ですね。

 東京のみならず、全国からいろいろな連が来ている。見た後中野の焼鳥屋で食事をしたのですが、そこの中野の人達と「中野にはなにもないな...」という話になった。阿佐ヶ谷には七夕がある。借り物祭りですが、ないよりはあった方が街の意気は上がる。

 面白い話を聞きました。中野の経営者が高円寺に店を出す。2年と持たないというのです。つまり、高円寺は流行の変化が激しくて、店の経営が直ぐに傾くと。高円寺に住んでいる人間から見ても、高円寺の変化は確かに激しい。逆に中野はいつ行ってもあまり変わっていないように見える。サンプラザがあって、サンロードがあって。

 直ぐ隣の町なのに、なぜこうも街の空気が住民も気が付くほど違うのか。その場では結論は出なかった。なかなか面白い問題です。私が最初に認識した高円寺の街は、古本屋の多い、どちらかと言えば学生の街。そのうちサラリーマンが増えて、しかし今は圧倒的にファッション中心の街。今は古着屋さんが多い。


2004年08月28日(土曜日)

 (11:29)ウォール・ストリート・ジャーナルを読んでいたら、いよいよiPodのヒューレット・パッカード・バージョンが出ると。孤高を続けてきたアップルの、本格的な企業連合への踏み込み。と同時に、ハードディスク型音楽再生装置でのアメリカ連合の成立。完全に立ち後れている日本勢がどう体制を整える.....か。

 HPのiPodはなかなかカラフルです。アップルのiPodはせいぜい単色。従来は白しかなかったが、今はミニが出て5色。しかし全体が同一の淡い単色です。しかしHPのiPodは、「printable tattoos」が売り物。写真で見ると、「tattoos」(入れ墨)と言うくらいですから、実にカラフルで、「 users can decorate their iPods with album art or wrap their iPods in their own printable art and photos」ということで、消費者が選べる、持ち込める。

 つまり「my iPod」が出来ると言うことです。iPodは中味は常にそうですが、外見でも。これは売れるかもしれない。


2004年08月27日(金曜日)

 (13:23)韓国銀行が今週発表したBIS統計基準のこの統計は面白いので、ちょっと備忘のために残しておきます。1000人当たりです。

  1. 4355.2枚 アメリカ
  2. 1959.7枚 韓国
  3. 1919.3枚 日本
  4. 1653.4枚 カナダ
  5. 1065.4枚 イギリス
 何かというと、クレジットカードの発行枚数です。繰り返しますが、1000人当たりです。アメリカが突出したカード社会だというのが分かる。韓国銀行が興味を持ったのは、自国経済、国民のカード依存度です。なにせ、韓国経済はカード負債を経済の足かせの一つとしている。250万人から300万人の人が、韓国ではカード負債の返済で困っていると言われる。と言うことは、消費が伸びないと言うことです。

 日本もあまり違わない。しかし、カード社会の浸透する時間の長さは日本の方が遙かに長い。その分、使い方も慎重だと言える。韓国はカードの普及を、90年代の経済危機後の経済の浮揚に使った。そのツケが今来ている。韓国銀行は単位当たり人口に対するカード発行枚数は多いが、「上半期のクレジットカードの利用実績は1日平均601万件で、金額としては9641億ウォンにとどまり、昨年同期に比べ件数は2.5%、金額では35.6%減少した」と指摘している。

 カード利用が金額ベースで35.6%も減れば、国内消費は減る。だから、先週だったか韓国銀行は短期金利を引き下げた。その効果がどう出るかです。それにしても、アメリカのカード社会ぶりは凄まじい。私のようにカードをほとんど使わない人間には、何にそんなに使っているのだろう、と思ってしまう。まあ、日本や韓国は一人2枚っていうことですか。1000人の中身が問題です。


2004年08月26日(木曜日)

 (24:23)一つ勉強になりました。我々はタイの首都を「バンコク」と覚えている。しかし、タイの人々は自国の首都を「クルンテープ」と呼ぶのだそうです。ラジオのインタビュー番組で、タイの邦字紙の編集長の長島さんが盛んに強調していた。

 バンコクと呼ばれる都市が、本当は非常に長い名前を持っていることは最近あるテレビの番組で知りました。その中に「天使の街」といった意味の一群があったことは覚えていたのですが、それが「クルンテープ」だというのです。ロサンゼルスもそういう意味の名前ですが、私の直感だとタイも自国の首都を自国風に呼んでもらおうという努力する時期が来るような気がする。

 というのは、インドはかなり前からそういう努力をして、その方向に世界は動き出している。日本人は依然としてボンベイと呼ぶとある都市を直ぐ思い浮かべられる。海岸の綺麗な街です。

 しかしこの街は、今はムンバイという名前に統一されつつある。イギリスがつけた名前をインドの人々は自国風に呼び直している。その結果、インドの都市の名前は昔風からほぼ全部新しいものに変わってきた。私も今年の初めにインドに行く直前に、「ボンベイ→ムンバイ」と初めて知った。

 だから私も番組の中でバンコクをなるべく「クルンテープ」と呼んだ。最初はです。しかし、番組が進むとどうしても「バンコク」と口から出てくる。通称を変えるのは時間がかかるということですか。しかし、今の子供達はインドの諸都市を今の呼び方で呼ぶ。いずれ「ボンベイ」という名前は消えるのです。


2004年08月25日(水曜日)

 (25:23)このコーナーや私があちこちに書いた文章に関するメールを引き続き数多く頂いているのですが、今日はその中から一つ。

 突然ですが質問があります。 いつも楽しく読ませていただいている " マネックスメール<第1243号 200 4年8月24日(火)夕方発行><伊藤洋一のマーケットあっと・らんだむ> " の 内容についてです。

 オリンピックとからめたお話の中に "もともと「遊び心」を大切にする独自の勤労 倫理を持つ日本" という部分がありますが、これはどういう意味なのでしょうか?  いったいどんな勤労倫理をもともと持っていたのでしょうか? その勤労倫理が"世界への面白い作品提供を続けさせる" と筆されてますが、面白い作品とは具体的にはどんなモノを指しているのでしょうか?

 お忙しい中、乱暴な質問で申し訳ないのですが、すごく気になりましたし興味深い部分でした。個人的な返信は叶わないと思っております。もし機会がありましたらマネックスメールや伊藤さんのHP上でサラッとでもいいので教えて欲しいです。

 今後も活躍(テレビなどでのわかりやすいお話)を期待しております。

 個人的に返信しても良かったのですが、そういわれてみれば疑問を抱く人もいるだろうな、ということでこの場で返信します。

 「遊び心」を大切にする独自の勤労倫理を持つ日本というのは、ニューヨークに4年間いたとき強く思いましたし、日本人だったら絶対そんなことはしないという意味で、今回のアテネ・オリンピックにおけるギリシャの消防士、警官、ホテルの従業員のとった姿勢にも表れていると思うのです。それは何かというと、良い意味で日本人の「仕事の中に簡単に使命感と楽しさを感じてしまう傾向」のことです。

 アメリカ人、ギリシャ人、日本人といっても、個人個人でかなり違います。しかし全体的に言えることは、仕事への割り切りははるかに日本人よりアメリカ人、ギリシャ人の方が徹底している、ということです。英語のlabor(仕事)はラテン語からフランス語に入ってきた言葉ですが、私の印象では「労苦」のイメージが強い。労苦だから、欧米人は基本的には労働を「賃金を貰うための時間と肉体の提供」と割り切る傾向が強い。アメリカの工場労働者を考えても、自ら職場を改善しようというような発想は余り無い。だから植え付けないといけない。

 そこには彼の地にあった一種の階級制の影響を見ることが出来るかもしれない。もともと努力しても上昇余地はなく駄目なのだから、また評価されないのだから、「これをやれ」と言われたことしかしない。それで給料を貰い、残りの時間を使って自己実現する。

 しかし、日本はどうみてもそうではない。日本の従業員のかなりの部分は、職場で少しうまく働けるようになると「この職場には私が必要。私がいなくなれば、ここは大変なことになる」と考える。立証は出来ないが、私が今まで付き合ってきた人の中では、そういう考え方をする人が結構居たし、今でも居る。それが大いなる、またはちょっとした誤解であるにしても、そこまで考え至れば、多少職場に文句があってもそこを良くしよう、頑張ろうという人が多くなる。その中で、仕事と一種の使命感、自らの趣味はある程度一体化する。

 これは全く身近な話で恐縮なのですが、筆者の子供は今年大学に入って自分がつい先日まで大学入試パスのために通っていた学習塾の先生になった。それだけでも私には驚異(脅威)なのですが、その彼が最近「もう自分は何講座もっている。あそこも俺がいなくなれば大変だ.....」と。知りませんよ、その学習塾の体制がどうなっているか。しかし、これこそが日本人が持ちやすい想念(良い悪いは別にして)だな、と思うのです。20才の若者でさえも、仕事を自分を直ちに一体化させる。だからメチャ、バイト代の安いことに文句を言いながら、結構一生懸命働いている。これはあたしにとって興味深い。

 アジア人の中でも、例えば中国の人やその仕事を巡る動きを見ると、そういう使命感とか自己満足はあまりないように思う。今年だけで何回も中国に行っていますが、そこで聞くのは総じて「同じ仕事なら、些少でも給料の高い職場があれば移る」中国の方々の話だ。むろん、例外はある。従業員の定着率の高い職場もある。しかしどちらかと言えば、中国の人々の勤労に対する考え方は欧米に近いような気がする。韓国もそういうところがある。

 日本は違うのです。労働力の流動性が低いという問題もあるが、昔の匠の人々の仕事を見ても、結構「遊び」を仕事の中に入れている。労苦ではなく、自分の社会参加の形、趣味の実現だから、自らが作り出すものには自分を投影する。

 「日本人はよく働く」と言われる。それが前近代的という人もいる。しかし筆者は「そうだろうか」と考えるのです。好きで長くやっている、そこに楽しさを感じている分には、別に自己実現の形なんだからいいんじゃないか、と。だから常々私は超過勤務には「強制された望ましくないもの」と、「趣味と実益の実現の形としての長時間労働」のそれとがあると思う。日本の職場は、これが渾然一体となっている。しかもそこには一種の強い倫理観が働いているから、「オリンピックだから仕事が増える。その際ストをして追加手当を貰おう」というような今回のギリシャの人々が抱いた発想は生まれてこない。ギリシャ人の消防士、警官、ホテル従業員が取った態度には多くの日本人は驚いたと思う。しかし、私に言わせればそう思う日本人の方が世界では珍しい。

 これからソフト化し、製品の中にちょっとした遊びや、新しい発想を入れていかねばならない産業の時代には、「飛行機の中でも良い音楽が聴きたい」とウォークマンを作らせた井深さんのような人の発想、それを面白いと思って製品にしたソニーの技術陣のような組み合わせが必要なのです。アメリカにも例えばもともと遊び心が旺盛なアップルのような会社で iPod のような製品完成に繋がるケースもある。しかし、そういう会社になりうるベースは、仕事に直ちに自らの使命感と趣味を感じやすい日本の企業の方でより発生しやすい、と考えているのです。

 ちょっと舌足らずかもしれませんが、今の私の考え方の一端を書きました。


2004年08月24日(火曜日)

 (25:12)以下はマネックス・レポート向けに今日書いた文章です。まあ楽観的なんですよ、私は当面の日本経済に。日本という国は、悲観論が好きな国ですが。

 「うーん、日本は抜けてきたな...」と思うことが多くなった。アテネでのオリンピックのメダルラッシュだけを見て言っているのではない。企業は厳しい競争の中で、何に力を入れれば良いのかを見抜き、デジタル家電に象徴される高付加価値製品の生産に注力し始めた。「日本経済の空洞化」と言われた現象は知らぬ間に下火になり、むしろ工場は戻ってきている。

 日本の産業競争力の世界における再度の突出は、鉄鋼のようなベースの産業でこそ顕著だ。今年春からの中国の引き締めで中国の鉄鋼輸入は落ちたが、日本の鉄鋼の対中輸出は落ちなかった。なぜなら、他の国のメーカーが作れないものは、売れ続けるしかないからだ。鉄鋼に限らない。90年代よりも、「国際競争で優位に立つ日本の製品」は増えている。

 これはオリンピックでのメダル獲得数増加の背景に繋がる。種目別(製品別)に力点や資金を従来からのしがらみを超えた形で傾斜注入し、日本のスポーツ界にとっての国立スポーツ科学センター(JISS 東京・北区)に相当する研究システムで各企業は発見や改善、それに独創を加えて製品を高付加価値化し、国際ルールとその変化を熟知・勘案した上で世界に打って出ている。自分の優位の在処を探りながら。

 シドニーで惨敗した日本の体操協会は、首脳陣が総退陣し、過去のしがらみにとらわれない努力をして今回の復活を遂げたとされる。これは日本の多くの企業が取り始めた企業行動と似ている。不断の体制見直ししかないのだ。その中で組織内の資金の流れは変わり、ポイントの置き方はより勝てる方向に向く。そのプロセスで、プライドが傷つく人は出るし、給与体系も多くの人が不安になる状況は生まれる。たくさんの試行錯誤があるだろう。しかし、慢心したり変化を嫌がって何もしなければどん詰まりが分かっているだけに、日本の企業は割り切れてきたと思う。呆れ果てるプロ野球界のご老人達を除けば、日本のスポーツ界も良い方向を向いた。だからのメダルラッシュだ。

 これに個人の意識の変化が重なり、長期視聴率低迷の政治が実現不可能な依存主義を売るのをやめれば、もともと「遊び心」を大切にする独自の勤労倫理を持つ日本からは製品ばかりでなくソフト産業の面でも世界への面白い作品提供が続くだろう。日本は時にだらしなく見えるかもしれないが、豊かさと自由な環境の下で「選択肢の多様性」が保証される中で、おもろい連中(日本のトップアスリートもそうだが)が増えていて、勝手なことをし出している。それがいい。

 もっと多くの企業や個人が面白い存在になってくれればと思うが、既に方向はそちらを向いた。「It's cool. Keep right on track !」

 それにしても、野球のオーストラリアに対する連敗にはがっかりしたな。ちょうど食事をしていたときですが、試合の最初の方をちらっと見ていて、福留がワンアウト3塁で三振したときから、嫌な予感がしていて、ケイタイに速報が入ったときに「負けか?」と思ったらその通り。がっくし。同じチームに二回も負けるなんて。松坂は責められない。打撃陣の責任です。

 オリンピックで優勝でもしていれば日本のプロ野球も少しは勢いがついたかもしれないのに、負けではね。日本のプロ野球界は、ファンもイマイチ気持ちを入れられない産業になってしまった気がする。まあ、いつか切り返すかもしれませんが。


2004年08月23日(月曜日)

 (07:00)昨日からの私の一番の疑問は、気象の厳しい北海道の高校が、なぜあれほど打力の強いチームを作り、自らを優勝まで導けたのか、でした。今までの私の常識によれば、日本の北のチームは冬は校庭が雪に閉ざされるケースが多い。だから練習不足になる、というものだった。しかし、打力に加えて駒大苫小牧はエラーも少なかった。

 この私の疑問にある程度応えてくれているのが、今朝の朝日新聞の3面の記事「北から新鋭 壁越え続々」です。この記事のキーワードは

  1. 室内練習場
  2. 晴れた日は雪の残るグラウンドでノック
  3. 雪の少ない福島県の太平洋岸での練習
  4. 春休みの県外(沖縄など)合宿
  5. 暖冬傾向
 でした。各校室内練習場を持ち、フライ捕捉感覚保持の為に晴れた日は雪のグラウンドでノックを受け、同じ東北でも雪の少ない福島県の太平洋岸で練習し、春休みには沖縄など県外で練習する。それでも冬は昔ほどではなく、暖冬が支援材料になる....という話でした。なるほどな、と思いました。そういえば、最近は北の高校がしばしば甲子園の上位に顔を出す。

 優勝旗が白河の関を一気に超え、津軽海峡を渡ったことは「歴史の一ページ」と昨日も書きましたが、このことは高校野球の新たねおもしろさを見せてくれたと思う。つまらなくなったプロ野球と、盛り上がる高校野球。日本のプロ野球は、どこかが間違っているんですよ。そう思う。

 ははは、昨日の午後から自分が一体何時間テレビを見たかを考えたら、恐ろしい数字でした。ま、テレビを見ながら、相場予想を書いたりいろいろしているのですが、それにしても凄まじい。夕べは女子マラソンを見て、室伏の銀まで見てしまいました。眠い。


2004年08月22日(日曜日)

 (16:00)

素晴らしい。

素晴らしい。

 すっごく応援していたんですよ、あたしゃ。ずっと。北海道や東北の高校に深紅の優勝旗を取って欲しいと。おめでとう、苫小牧。

 日本の高校野球の歴史に新たな一ページだと思う。これは「奇跡」と言ったら北海道の人は怒るでしょうか。でもこの苫小牧の打力はどこから出たんでしょうか。打ったヒットは20本を超えた。チーム打率はこの大会を通じて448に達したという。しかも半分は長打。横浜を破り、東海大甲府を破り、そして愛媛の済美を破った。

 監督の言葉に「北海道の人が応援してくれたから」というのがあったが、そんなことはないですよ。私だって応援していた。ある意味で、全国の人々が応援したと思う。監督の生徒に対する言葉、「最高だ....」は本当ですよね。生徒達は素晴らしい。監督が「道産子が...優勝した」と言っていたので、苫小牧には留学組はいないのでしょう。

 20安打対19安打の、13対10の一見大味な試合のように見える。しかしエラーは少なく、見ていて締まった試合でもあった。爽快な試合、爽快な一日でした。tks、苫小牧。


2004年08月22日(日曜日)

 (12:23)別にオリンピック効果と言うことではないのですが、「こういう人間が住んでいる日本っていう国は好き」と思うシーンが増えてきたな。最近で一番強くそう思ったのは、この番組に紹介された「波乗り一家」ですかね。なんだか理由は分からないが、スタジオで見ていて金欠の中でも波乗りガールの娘を中心に一家が回っているのがとっても共感できた。ついそのままスタジオでも言ってしまいましたが。

 なんの脈略もないのですが、音楽の世界ではそれほど有名でもないし大衆的な人気もないと思うけど、鈴木良雄さんが作る音楽には興味があるな。iPod の中には1500曲近くが入っているが、断トツでこのDVDに入っている曲を聞く。それは良いからで、何回聞いても飽きない。こんな音楽を生み出せるのは素晴らしい。鈴木さんは全部自分で作曲している。知らない人が多いだろうし、私も一回しかお会いしていないが、タップの宇川彩子さんも素晴らしい。

 負けた奴も、勝った奴も、今回のオリンピックには面白い日本人が数多く登場している。だから面白い。勝った直後に雄叫びを上げてインタビューの最初に聞かれもしないのにアナウンサーの顔も直視しないで「チョー気持ちいい」と独り言を言った奴、銀を取り「ランクを上げるのに20年かかったので、もう20年...」と言った41才。へえ、61才で金かよ。夜中にテレビを見ていて、「ほんとかよ....」と思って身を乗り出した女子自由形800メートルの彼女。歯が不揃いなのがかわいいですよね。

 田中雅美選手にはもう次のオリンピックはないだろうが、まあでもシドニーの時のチームの銅が一つ残った。個人で取れなかったのは、なにか糧になりますよ。千葉すずさんのように、相方がメダルを取るかもしれないし。井上康生だって終わった訳じゃない。人間にはバイオリズムがある。彼には悪かっただけで、柴田さんには最高にそれが働いただけだと思う。

 日本人が思っている以上に海外の連中が、日本を「 cool」(クール)だと思う理由は私は外国人でないから分からない。しかし、一つ言えるのは選択肢の多様性が豊かさと自由さの中で保証される中で、おもろい連中が増えていて、勝手なことをし出している、その中でもいろいろな意味で美意識を忘れていないからだと思う。

 北島もそうだが、オリンピックのインタビューを聞いていると、「気持ちいい」という言葉が数多く聞かれる。統計を取ったわけではないが、勝った直後に「気持ちいい」と言った日本人ってこれまでそんなにいたかな。安心したっていうのが多かったような。「気持ちいい」っていうのは、本当に自分も楽しんでいる証拠だと思う。

 もっとおもろい人間が増えれば良い、とも思う。また脈略がないが、さて午後は駒大苫小牧を応援しよう。この高校に留学組が何人いるか知りません。しかし、高校野球の優勝旗が津軽海峡を渡れば、それはそれで一種の革命だし、とっても面白いと思う。ははは。


2004年08月20日(金曜日)

 (19:22)試合を終えたばかりの選手の口からは、聞いて記憶に残る言葉が出ても二つか三つ。疲れて興奮していますから。しかし、選手を巡る家族や同僚、先輩の話、それに選手自身の過去に放った言葉にはストーリーがある。

 今朝の新聞では、読売新聞に載っていた阿武の話は記憶に残るものでした。高校二年だったそうです。カナダ・ハミルトンでの世界選手権で銀メダルを取った。自分では満足して日本に帰ってきたそうですが、田村(谷)亮子ら優勝者と記者会見に臨んだとき、ほとんど質問もされずにショックを受けたというのです。

 彼女はその時「この気持ちを絶対に忘れたくない」と、この銀メダルだけを手元に残して、その後にもらった優勝メダルは全部知人や実家に送ったと。悔しかったんでしょうね。高校二年生で世界で準優勝。質問を一杯もらえると思った。当然です。しかし、記者の関心はヤワラちゃんら優勝者に。

 それをバネにしながら二度のオリンピックで一回戦負けが2回。苦しかったと思う。しかし、その苦しさがあったから、今度の金の重みが分かる。モティべーションは高い。逆に井上選手は柔道をやり続けて、勝ち続けて疲れていたんでしょうかね。3連覇の野村は前回のオリンピックのあとブランクを作った。語学勉強とか言って。それが効果を出したのだと思う。だから、井上も少し休めばよい。人生終わった訳じゃない。だって一回金を取っているんですよ彼は。いくら期待が高いと言っても、すべてそれに応えられるわけではない。

 その意味で、競泳の田中雅美選手にはメダルを取って欲しかったな。なんか好きで、ずっと応援していたのです。あとほんのわずかだったのに。結局彼女にはチームのメダルしか残らなかった。彼女も前回のオリンピックのあと2年ブランクを作った。でももう一人の田中には期待が持てると思う。

 アーチェリーの高校の先生の山本さんは味がある。下馬評にも上らなかった選手がメダルを取るのは爽快。女子のテニスのダブルスは試合相手がナブラチロバ(47才)で凄いなと思いましたが、見事な勝利。

 日本はなぜ強くなったのか。詳しいことは分かりません。しかし杉山、浅越の顔を見ていても、ただただ楽しく、しかし一生懸命やっている気がする。重圧はあるでしょう。しかし、なにかこう嫌らしい重さを感じている気配はない。北島もそう。円谷さんの重さに比べれば、皆楽しくやっている。だから、メダルを取れなかった人は残念だが、またやれるならやれば良いと思う。20年ぶりにメダルを取る人だっている。

 そうそう。日本の柔道界では「田村効果」というのが大きいのだな、と思いました。マスコミの「田村(谷)」だけに注目傾向に頭に来ているのは阿武だけではない。野村は大体において田村(谷)と同じ日に試合をする。だから、野村がいくら3連覇で優勝しても、日本のマスコミの一面トップは田村(谷)になる。野村はそれに頭に来ているのです。テレビに出でそう言っていた。「くそ」と思うでしょうね。それがバネになっているとも思える。

 空港などで野村と田村が一緒に歩いていると、日本のテレビのカメラマンは野村を邪魔者扱いにして、野村にぶつかりながら田村(谷)にカメラを向けるのだそうです。そりゃ、野村としても頭に来るでしょう。


2004年08月19日(木曜日)

 (23:22)男子平泳ぎのハンセンの同僚アメリカ選手が北島の泳ぎについて「泳法違反」を言い立て、それをアメリカのマスコミが取り上げ始めたとの記事が気になっていたのですが、この記事を見ても、200メートルでの圧倒的な北島の勝利とハンセンの敗北は「力の差」を明確に示したもので、良かったなと思います。

 正直言って水泳に詳しいわけではない。しかし、泳法違反をアメリカの選手が言ったのは言いがかりの雰囲気が強かったし、この効果は「0.02秒」(でしたっけ)程度。200メートルでは北島のハンセンの差はそれを遙かに上回ったし、その間には日本のかつての岩崎を彷彿とさせる15歳の若者が入ってきた。ハンセンはその新進スイマーにも負けた。

 アメリカ選手はたった一ヶ月に2回のピークを作らねばならないという。国の代表になるのに一回、そしてオリンピックでもう一回。今回のオリンピックはアメリカのスイマーは全体的に不振。そういう背景があるのかもしれない。それにしても、北島は強かった。この記事の「Round 2 also goes to Kitajima, fair, square and well-kicked」という見出しが見持ちよい。


2004年08月19日(木曜日)

 (23:21)恵比寿ガーデンシネマで911を見ました。一杯だったな。ここだけで先行して上映しているので、皆集まってきている印象。何の番組か知りませんが、TBSのカメラも来ていて、賑やかな事でした。終了時に拍手をする人もいたな。小生はしませんでしたが。

 見て思ったのは、911はムーアの反ブッシュ色の強い映画ということで有名になっているが、この監督が本当に言いたかったことは、最後の2分の彼の独白にあったような気がする。社会の底辺にいる人間は、自分たちより上にいる人間達を必ず支えようとする.....なぜだか不思議だ、といったことだと思った。言ってみれば、別にアメリカ社会だけにあるのではない、人間の社会全体にある不条理に対する強い憤懣。

 ムーアの映画が非常に特徴的だと思うのは、政治を論じながら非常に社会的、個人的な映像がふんだんに潜り込んでいる点。政治、社会、個人的感情のごった煮。それが旨く組み合わされている。

 先々週だったかこの番組がマイケル・ムーアを取り上げたときに、彼が「自分の映画は間違いなくドキュメンタリーだ。しかし事実を自分の解釈で組み合わせたもので、それをどう理解するかは見る人の方だ」というようなことを言っていたのを思い出していました。

 彼が継ぎ合わせているシーンとシーンの間には、時間の経過も空間の開きもある。それをつなぎ合わせてある意味を持たせて、見る人に「やはりそうか」と思わせる。スピード感はあるが、「こんなにつなぎ合わせて良いのか」という疑念は常に残るのです。彼の映画には。

 彼をドライブしているのは、反骨精神かな。いつも同じ格好。入賞式など特別のケースを除いて、ジーンズにシャツ。「S」が付いた帽子。彼の両親はミシガン州の自動車の街、フリントのGM工場の貧しい労働者だったという。彼の風貌とか体型、帽子とかには両親の面影を見ることが出来るが、彼は若いときに見た街の不条理な光景を忘れていないのだと思う。日本は違うが、アメリカの自動車工場では昔は非常に鮮明な階級があった。

 かれは自分が若いときに見た階級が、今のアメリカにも生きているではないか、と怒っているように見える。その代表が彼が言うところの「親のコネで良い大学に行き、ビンラーディンの一族と親交とを持ちながら、フセインを悪者にしてイラクに戦争を仕掛け、そのイラクにアメリカの貧しい街、具体的には自分が生まれ育ったフリントのような街の若者を送り込んでいる」ブッシュということになる。

 彼は民主党を応援しているように見える。しかしそれはブッシュ憎しから出ているものだろう。映画の中に出てくるが、アメリカの国政に関わる議員のうち、イラクに自分の子供を送っている議員は一人しかいない、というシーンが出てくるが、それが彼の怒りの方向を明らかにしている。アメリカのシステム全体に対する強い怒りがあるのだと思う。

 おそらく彼の映画を全く見ようとしないアメリカ人は、ムーアが怒るところの社会の不条理の存在を認めながら、しかしそれは受容せざるを得ないし、社会とはそういうもので、アメリカで元首とも言える大統領の権威をあそこまで落とすことは一種の社会に対する犯罪、反逆だと思っている人達でしょう。アメリカには、大統領より偉い人はいない。日本の首相とは違うのです。だから反ムーア感情も強いのだと思う。ムーアの映画は、アメリカ社会の権威体系を崩すことだからだ。

 ムーアが言いたいところの社会の一種の不条理は、多くの人が気づいてきたし、一杯小説や映画のテーマになってきた。だからムーアはブッシュという特徴的な不条理を担ぎ出して映画に今日性を与えたのだ思う。なぜなら、例えばゴアが大統領になってイラクで同じ事をしたら、やはりエリートのゴアを揶揄する映画を作ったような気がするから。彼は体質的にエリート、特に不条理なエリートが嫌いなように見える。

 までも、映画の作り方はうまい。24時間カメラを回されて、それを適当につなぎ合わされたらどんな人でも漫画になってしまうな.....なんて思いながらこの映画を見ていました。その意味では、ブッシュにはフェアではない。民主党がムーアの党大会参加に神経質になった理由はそこにある。

 アメリカの大統領選挙を左右する映画ではないと思う。しかし、見る価値はある。


2004年08月18日(水曜日)

 (18:20)二日ほどですかね、PCを持ち歩く気にならない場所にいましたので、更新はしばらくお休みしていました。でもオリンピックはずっと見てますよ。ほんまに眠い。

 巨人戦より日本対キューバ戦の視聴率の方が良かったとか、良くなかったとか。まあ私も早い時間に寝て、夜中起き出して朝方まで見ていた口ですから、そういうこともあるかな、と。松坂が凛々しかったですな。あんな真剣な顔をしてボールを投げている彼を見たのは久しぶりです。

 右腕に当たった跡はどうなっているんでしょうか。これを書いている段階では、日本はオーストラリアには具合が良くない。疲れているんでしょうか。まあ予選の段階ですから、完全優勝というのは難しいでしょうから、決勝の4チームの残れば、そしてとっておきの良いピッチャーが出てくれば、日本は金は狙えると思う。アナウンサーが悲壮すぎる気がする。まだ余裕があるのに。

 休みの間は温泉などにつかりましたが、あの騒動のあとなので成分分析表などをまじまじと見てしまいました。何時何という人が検査したか、などが詳しく書いてある。「ほんとにそうなのかな」などと。まあしばらく気になるでしょうね。

 考えたら8月末から9月にかけては、また出張などが多い。ちょっと体力温存でゆっくりいく予定です。しばらくは頭の中はオリンピックが占拠という感じですかね。


2004年08月15日(日曜日)

 (18:20)野球の日本対イタリアで中村が右中間にホームランを打った段階で書いていますが、順調ですな。和田のHR性の当たりが取られたのにはびっくして、風がそんなに強いのかと思いましたが、全体的にはイタリアは荒い印象で、日本は問題なく勝てるでしょう。

 中村がHRを打ったときに外野の観客席で小躍りしている板前さん衣装の4人の男性が一瞬映った。顔は見えなかったが、あれは日本の野球チームと一緒に向こうに行っている「分とく山」の伊藤君以下の4人の板前さんチームに違いない。うれしそうだったな。そりゃそうだ。自分が料理を作っているチームが勝たなきゃ、やり甲斐がない。

 そういれば、恐らく今週には野崎さんも行くのでは。いつだったか、そう聞いた。日本の野球チームのライバルは、オランダ、カナダ、キューバ、それに台湾といったところでしょう。まあ気を抜いてはいけませんが。
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 ところで、時間を見つけては忠誠の代償を読んでいるのですが、この本はなかなか面白い。辞めさせられたオニール元財務長官の持っていた資料、合法的に持ち出した資料、それに話を構成した本。

 ブッシュ政権の内部での意思決定に関しては、ボブ・ウッドワードの本などにも出ているが、この本は実際に政権の内部にいて、辞めさせられた人の話をベースにしている。その分、迫力がある。財務長官を受けるとき、辞めさせられるときの話が面白いし、迫力がある。

 まだ全部読んでありませんが、アメリカのブッシュ批判本の中では政権が震撼しただけのことはある。推薦です。ただし、面白くない部分も多い。そういうところは飛ばして読むと良いと思います。


2004年08月14日(土曜日)

 (23:55)金曜日の文章を書いたときにはそれと分からなかったのですが、渡辺さんが辞めたのはスカウトを巡る騒動だったのですな。でも、今回の一連の騒動も辞任には絡んでいるのではないか、と私は思う。渡辺さんが残れば残るほどファン離れが進み、巨人と日本のプロ野球界は苦境に立ち至った。

 それにしても、急にテレビを見る時間が長くなった。柔道の女子、男子の最軽量級の二人、谷と野村の優勝は一本を積み重ねた上での見事なもの。決勝戦が一本にならなかったのは、相手もそれなりきの選手が上がってきているのと、選手も疲れてきていることがあったのでは。連覇と三連覇。ナイス。

 心配されたテロも今は起きていない。オリンピックには多くのアラブの選手も来ている。何を考えている連中か知りませんが、あらゆる国の選手が集まるオリンピックをテロの対象とすることには、テロ組織としてもリスクを感じているのでしょうか。

 女子ソフトボールとバレーボールは残念な結果。しかし、ソフトボールは修正が効くような気がする。ヒットが打てなかったのが残念ですが。まあこういう寝不足がしばらく続きそうですな。


2004年08月13日(金曜日)

 (16:55)ネットサイトのどの新聞にも載っていないのですが、NHKは午後4時過ぎから「巨人の渡邊オーナーが辞任」と。本当かどうか知りませんが、本当だとしてもあまり驚かないな。(その後球団が正式発表)

 「たかが選手」の一言は重かった。今朝のラジオ番組でも言ったが、「たかが選手」と言われた野球選手や彼らが展開する試合をドキドキして見たい我々ファンは、じゃ「たかがファン」ということか。

 巨人戦の視聴率が下がるのはよく分かる。選手云々の問題ではなく、球団のトップがああいう発言を繰り返すなら、ファンは気持ちの上で巨人、プロ野球についていけない。ファンがスポーツ、野球に求めているのはワクワクする心、ドキドキする気持ちであって、その人の発言によって盛り下がる事態が繰り返されれば、やがてその競技への多くの人の関心は離れる。

 女子、男子のサッカーを見ながら、「こちらの方がよほどドキドキする」と思ったのは私だけだろうか。今年は一回も日本のプロ野球を見に球場に足を運んでいない私としては、日本サッカーのトップが全体の盛り上げに力があったように、斬新な発想をもって球界全体を盛り上げて欲しいと思う。野球は選手の一振りで3点差がひっくり返る、球技でも珍しいスポーツだ。サッカーなどとともに末永く日本に残って欲しいスポーツでもある。

 プロ野球も、球界のトップの口からファンをドキドキ、ワクワクさせる発言が出るような、そういうスポーツになってほしいと切に思う。


2004年08月13日(金曜日)

 (09:55)二つのサプライズ、という感じですな。一つは日本の今年4〜6月のGDP統計、もう一つは昨日発表された韓国の利下げ。

 GDPの伸び率(四半期+0.4%、年率+1.7%)は「+4%越え」の声が強かった中での弱い数字。企業の設備投資が横ばいになったのが響いた。個人消費、住宅投資、対外要因などはプラスで、しかし企業の設備投資の伸びの足りなさを埋め合わせることが出来ず。筆者は以前から、ここで日米景気の一呼吸を指摘してきたのですが、アメリカの落ち込みが顕著になったのに対して、日本のそれはたぶんに「こんないいことが続くはずがない...」という心理的なものだと思っていた。

 今回は数字で立証されたことになる。むろん「減速したが成長継続」の状況には変わりはない。企業の設備投資は盛り返す気がする。機械受注の動きなどを見てもそうだし、一度動き出した企業の設備投資意欲というのは、そんなに早く消えるものではない。日本の大企業はみな空母であって、舵は簡単には切らない。

 心配なのは消費だ。調査をすると消費者の景気先行き見通しは強気で、消費意欲は高い。しかし、実際の販売統計を見るとそれほどデパートの売り上げにしろ述べているわけではない。それは経済の構造がそうなっているのだからしかたがない内面があるのだが、消費意欲を高めているのは、国民経済の一部を構成する人々の気がする。

 海外を懸念する人も多い。特に中国とアメリカ。しかし私は中国について言うと「いい感じで減速してきている」と思う。中国の株価の動きを見ても、それほど懸念はしていない。心配なのはアメリカだ。政治的には空白期間にあり、抱える一番大きな対外問題のイラクでは、依然として厳しい状況が続いている。株も弱い。FRBは強気ですが。
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 韓国の利下げは全く予想していませんでした。今になれば意外性のある良い措置との見方も出来る。日本の景気も減速しているのかもしれない、米中もそうという状況。しかし韓国の措置は何よりも「国内消費の盛り上げ」でしょう。最近の韓国の統計で驚いたのは、「消費者信頼感」が厳しく落ち込んでいる。おそらく戦後ないような水準に。

 韓国の消費者はカードローンなどでひどくやられているらしい。その地獄にはまっている人は人口4600万の国で300万人と言われている。大人の一割はカードローンに苦しむと言う構図。これでは消費には慎重になる。

 韓国の引き下げは0.25%。ちょうどアメリカのFOMCが上げた幅。その結果、年率の金利は3.5%になった。同国が複雑なのは、石油価格の上昇などの影響もあって、韓国のインフレ率が7月には過去16ヶ月で一番高い水準、つまり年率4.4%になっていること。つまり、インフレ再燃のリスクを犯しての消費拡大の為の利下げ、という図式。

 金融当局者は、「来年の景気の落ち込みを懸念しての措置」と説明。筆者は全体的には今の世界経済は形が良いと思っているし、事実成長率は平均すると戦後のいかなる時期よりも良いのですが、先行する期待との闘いという意味もあって、各国とも苦労しているようです。

 当面の懸念は世界的には原油相場ですが、どうですかねかなり投機の資金が入っているように思える。消費国が一斉に節約技術に注力し、価格上昇で採算に乗るようになった油田などエネルギー源の開発を行えば、これ以上の急騰は避けられると思うのですが。


2004年08月12日(木曜日)

 (01:55)あらら、遅くに家に帰ってBSを付けたら女子のサッカーをやっていたので、結局ずっと見てしまったら午前2時前に勝利。さい先の良いことだ。スウェーデンは強豪(女子サッカー・ワールドカップ準優勝)だそうで、そこに勝てたのは大和撫子としては上出来のスタート。

 女子サッカーに詳しいわけではないのですが、決定的な局面も日本の方が多かったように思った。ということはあと1点は取れていたような。まあでも日本の女子サッカーがオリンピックで勝ったのは初めてだそうで、ナイス。

 この時間まで起きていると、スポーツ関連のいろいろなニュースが出てくる。横浜の佐々木が8日のヤクルト戦で本塁打を3本連続打たれたことを切っ掛けとしたのでしょう。球団にシーズン途中の引退を申し出たという。男子サッカーではジダンが「家族により多くの時間を捧げるため」とフランス代表を引退の意向と。

 米大リーグではマリナーズのマルチネスが前日今季限りで引退を表明。しかし翌日の第1打席でホームラン。次の打席でも綺麗なライト前のヒット。引退には惜しい。イチローはまたまた3安打。アメリカのアナウンサーが3回も「CRAZY」と言っていたのを聞き逃しませんでした。今季既に彼は177本もヒットを打った。今の調子だと今季250本だそうだ。

 ま、アテネのオリンピックは面白くなりそうです。


2004年08月11日(水曜日)

 (06:24)予想通り0.25%の短期金利誘導目標と公定歩合の引き上げ(誘導目標は1.5%に)を決めたFOMCの声明について一番の印象を言うならば、「FRBは市場ほどにはアメリカ経済の先行きを懸念しておらず、強気だ」ということです。声明には「The economy nevertheless appears poised to resume a stronger pace of expansion going forward」(アメリカ経済は、にもかかわらず先行きより強いペースでの拡大を取り戻しそうだ)という表現がある。

 今回声明が前回(6月29/30日)と変わった部分は、以下の全文の中で赤くした部分です。第二パラの最後の一文のインフレに触れた部分(最近の物価上昇率の若干の上昇は、一時的な要因によるもの)は、多少構文を変えただけで言っていることは同じ。今回変わった部分の前回文章は、

The evidence accumulated over the intermeeting period indicates that output is continuing to expand at a solid pace and labor market conditions have improved.
 のワンセンテンスだった。それを今回は、「最近数ヶ月、生産の伸びは鈍化し、労働市場の回復ペースも低下した。この弱さ(softness)は、主にエネルギー価格の大幅上昇に起因している可能性が強い」と最近の米経済の弱さを解説した後、「しかしながら、アメリカ経済は先行き強いペースでの拡大を取り戻しそうだ」に繋がる。市場のコンセンサスは、この後者について合意がまだ出来ないでいる。FRBは、現在のエネルギー価格の上昇が一時的と見ているようにも見える。

 FRBがそれほど強気ならと言うことで、午前中などしばしば強い売りを浴びる場面があったにもかかわらず、後で引値に触れるようにニューヨークの株価は大幅上昇し、外国為替市場ではドルが強く、債券は若干安い。

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to raise its target for the federal funds rate by 25 basis points to 1-1/2 percent.

The Committee believes that, even after this action, the stance of monetary policy remains accommodative and, coupled with robust underlying growth in productivity, is providing ongoing support to economic activity. In recent months, output growth has moderated and the pace of improvement in labor market conditions has slowed. This softness likely owes importantly to the substantial rise in energy prices. The economy nevertheless appears poised to resume a stronger pace of expansion going forward. Inflation has been somewhat elevated this year, though a portion of the rise in prices seems to reflect transitory factors.

The Committee perceives the upside and downside risks to the attainment of both sustainable growth and price stability for the next few quarters are roughly equal. With underlying inflation still expected to be relatively low, the Committee believes that policy accommodation can be removed at a pace that is likely to be measured. Nonetheless, the Committee will respond to changes in economic prospects as needed to fulfill its obligation to maintain price stability.

Voting for the FOMC monetary policy action were: Alan Greenspan, Chairman; Timothy F. Geithner, Vice Chairman; Ben S. Bernanke; Susan S. Bies; Roger W. Ferguson, Jr.; Edward M. Gramlich; Thomas M. Hoenig; Donald L. Kohn; Cathy E. Minehan; Mark W. Olson; Sandra Pianalto; and William Poole.

In a related action, the Board of Governors unanimously approved a 25 basis point increase in the discount rate to 2-1/2 percent. In taking this action, the Board approved the requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of Boston, New York, Philadelphia, Cleveland, Richmond, Atlanta, Chicago, St. Louis, Minneapolis, Kansas City, Dallas, and San Francisco.

 で問題は、次のFOMC(確か9月21日だと思った)はどうするだろうか、である。市場では見送り説が台頭している。FOMC声明はむろん明言はしていない。しかし、今回の声明を素直に読むと、まだFOMCは小幅利上げを続けたいように見える。その根拠は
  1. 前回の声明と全く同じで、「even after this action, the stance of monetary policy remains accommodative」という表現を使い、「今回の引き上げ後においても、金融政策のスタンスは依然として緩和的」と述べている。つまり、中立にはまだ戻っていない、という認識で「上げたいのかな」と思わせる

  2. (アメリカ経済は)先行きより強い成長ペースを取り戻すと予想しているし、その一部は一時的要因によるものと言いながらインフレは若干加速したとの認識を示している

  3. 持続的成長達成と物価安定に対する両サイドのリスクについて、前回の全く同じように「roughly equal」であるとして、認識を変えていない
 ま、引き続き「the Committee will respond to changes in economic prospects as needed to fulfill its obligation to maintain price stability」とも言っているので、何時FRBが経済に対する認識を変えるか分からない。しかし、今回のFOMC声明は7月20日の議会証言でグリーンスパン議長が示した「強気見通し」を基本的には踏襲したということでしょう。

 試されるのはその認識だが、「FRBは引き続き強気」となれば、原油がバレル45ドル台(WTI)乗せしたことをものともせず、ニューヨークの株がとりあえずはダウで130ドル、Nasdaqで34ポイントも上げたのは頷ける。


2004年08月10日(火曜日)

 (17:35)振り返ってみて、今日私が読んだ新聞記事の中で一番興味を持ったのは、日経産業新聞の最終面にあった「日本のゴルフ場 韓国人が救世主」だったような気がする。先週だったか、富山に行って富山市長と高岡市長の対談に付き合ってきたのですが、その時にも私はこの話題を出した。

 発想の原点は、最近ですが九州の宮崎に行ったのです。大学の友達が赴任していたこともあって。ついでにゴルフ場でゴルフをしたのですが、そこに大勢の韓国の人が来ていた。別府とか温泉と抱き合わせで10万前後のお金で日本に来て遊んで帰るのだそうです。九州の観光業界は、韓国の旅行者で助かっている構図が見えた。

 韓国の人達と付き合っていると、今韓国でブームなのがゴルフと並んで「山登り」だと分かる。私が富山で言ったのは、「その二つが富山にはあるじゃない」ということ。山なら立山がある。韓国にはあんな高い山はない。富山には無論、ゴルフ場もある。

 両市とも資料を見ると事業所の数もこの数年減っている、従業員数も。市の中心部は過疎化し、商店のドーナツ化現象が見える。「どうしたら良いか」というのが両市の市長の対談テーマの一つなのです。

 山登りとゴルフ、温泉、そして雪で台湾や韓国の人にもっと来てもらったら、と私は思った。そういう経緯があってこの記事に私は注目したのですが、この記事の内容が面白いのは

  1. (日本では50万くらいのゴルフ会員権がごろごろしているが)開発規制のかかっていた韓国ではゴルフ場は少なく、会員権はソウル近郊で5億ウォン(5000万円)前後で、かつ会員権がなければプレーは難しい(日本は今は電話一本でいくらでも出来る)

  2. (平日なら日本ではビジッターでも1万円でできるが)韓国のゴルフ場はビジッターでも平日で2万円は取られる

  3. 韓国のゴルフプレー人口は400万人と推定されるが、ゴルフ場は180しかないのに対して、日本はゴルフプレー人口1000万人に対して、ゴルフ場は2400余り
 私も韓国で二回だけゴルフをしたことがある。ソウルでしたときには、スタートがなんと午後3時近くで、最後は照明の中をゴルフをした。ゴルフ場が少ないのだな、と思ったものだ。以前は済州島にゴルフに行けば安いと言う話もあったが、これだと最近はどうだろうか。私が済州島でゴルフをした90年代は確かに安かったが。

 九州に限らず、富山も他の県も、事業所(企業)をそうは呼べないときたら、当面は観光客を増やすべきでしょう。日本には売れる資源がいっぱいある。そういったら、「いや伊藤さん、韓国からの観光客はしばしば毛布を持って行ってしまうんですよ....」と。富山市の人が言っていたな。

 私はその真偽は知りません。まそういうこともあるし、そういう人もいるでしょう。以前はそうだったかもしれない。でも知恵を出せば、いろいろな方法があると思う。日本の旅行業界も、日本人をいかに外に出すかだけを考える時代は終わった。もっと、いかに人を日本に呼ぶか、です。


2004年08月10日(火曜日)

 (07:35)街の風景というのは、時に外見的に、時に内実において常に変わっている、と改めて思ったのが月曜日でした。夕方、高樹町での食事の約束のために西麻布の交差点を通ったのです。青山三丁目の方から。若干渋滞していた。だから、街を眺める余裕があった。

 で、「久しく虎の穴に行ってないな....」と交差点近くになって右を見たら、「虎の穴」が「トラジ」になっている。看板も白っぽい。「あれ...」ってなものですな。そりゃ、同じ焼肉店で店の名前も似ているが、内容は違う。確かトラジは韓国の野菜の一種。姜さんが歌ってくれた「トラジの歌」が忘れられない。

 それは置くとして、渋滞していたし、たまたま手元に虎の穴の電話番号があったので、「いつ変わったのですか...」といった感じで右手に見える店に電話してみたのです。なんと電話番号は変わっていなかった。ははは、女性が対応して出てくれているのが見える。

 店の経営が変わったのは7月5日かなにかだそうです。「虎の穴」は恵比寿か目黒か、別の店舗ではそのまま営業しているらしいのですが、西麻布店は「トラジ」に手放した、というのが実情だそうです。都心に近くて便利な店でしたが。家賃が高かったのかな....なんて。

 4人で高樹町の開化亭で食事を始めたら、一人が「ソーホーズが倒産したらしいですよ」と。NOBU、青龍門などなど多くのレストランを経営するこの会社の事です。私は知らなかった。

 あとで調べたらこのサイトの記事バックナンバーに詳しい一本の記事が載っていた。掲載日7月3日の「時代に遅れた倒産ソーホーズ」という記事です。「レイカサイ」がソーホーズだったとは知りませんでした。まああの店は中味もないのに、マスコミで紹介されすぎましたな。

 それはそうと、民事再生法の申請中ということで、各店舗の経営は続けられている。だからNOBUもそのままです。しかし、10月中くらいには債務額を確定して、その後は外資系かなにかの出資を待つ、ということになるらしい。グループの店も、それぞれの歩みということになるのでしょう。

 オフィスの近くのグループの店としては、Roy'sがある。青山三丁目の交差点から西麻布の交差点に向かう右側です。以前はたまに利用した。最近は久しく行ってないが、あそこもどうなることやら。他にも街ではいろいろなドラマが展開しているんでしょうね。


2004年08月09日(月曜日)

 (12:35)忘れもしません。あれは前回の日韓共催のワールドカップの仙台での戦いでした。日本対トルコ。記憶では1−0で日本は負けた。実に納得できない試合で、試合が終わる頃に降り出したしょぼふる雨の中をがっくりして帰ろうとして「交通手段はどうしようか」と歩いているときでした。

 球場のごく一角を占めていたトルコ人の中の4人だったと思ったのですが、歓喜の中を「ありがと、ニッポン」とか大騒ぎをして踊りながら球場を出て、私の前を歩いている。正直言って、走っていってお尻でもけったくってやろうと思った。マジにです。でも思ったのです。彼等が喜ぶのは自然だな、負けたからって彼等に怒りをぶつけてどうなるものでもない。日本のチームを長い目で見つめよう....と。

 勝つか負けるかの勝負の一瞬においては、私もそうでしたが、露骨な怒りややるせない気持ちのはけ口模索が心に浮かぶことはある、誰でもそうだと思う。心に掛けたチームが負けて心地よい人はいない。だから、中国の人達の怒りは分かる面がある。

 しかし、勝負はこれっきりではない、とも思う。ご近所さんの国、日韓と同じように今後も数限りなく対戦する。だから、日本と中国の関係も成熟したものになって欲しい、と思うのです。今の中国に望むことと言えば、昨日のテレビ番組でも言ったのですが、今の一党独裁の体制を変えない、変わらないとしたなら、政権全体として未来志向的になって欲しい、ということです。

 そう思っているところに、「日本に10年以上在住する上海人」という方から、以下のメールを貰いました。このHPの愛読者の方だそうです。段落の打ち方は別にして、原文のままです。

 こんにちは、はじめまして、このHPの愛読者の一人です、サッカー決勝戦のことについて、投稿したくなりました。

 私も終始見ていました。まず今回のアジア決勝戦において、中国観客の過激な行動を、勝手に代表してお詫びいたします。私の周りの中国友人達も、中国側の礼儀足りない行動に非難をしています。確かに、それまで、観客のそういった態度を誘発するいくつ客観的な要素がありました、しかし、それは各国との文化、スポーツの交流活動の際、怒りを当てる行動はあまりにも筋の通らない話です。

 英BBC放送(電子版)は8日、「中国のファンの行動は、2008年の北京五輪で、中国がナショナリズムをどのように抑えるかという課題を浮かび上がらせた」と懸念を示した。中国側はこの報道を知ったら、どのように考えるのかしら。

 日本と中国は隣同士の国ですが、今、中国は世界各国との活発的なお付き合いの中、なぜか、日本は重要な役割を果たすものの、ほんの少し事で、いつも話題が湧き上がられて、難色されてしまう。

 私の年齢は30代前半ですが、今まで受けた教育の中では、子供時代で見た戦争映画で、可笑しく演じられた日本人像の記憶を除いて(これも芸術の表現といっていいかしら)、特別偏ったものがなかったような気がします。自分では、日中関係の問題において、きわめてバランスの取れた中立立場にいる人だと思います。

 今回のサッカー戦観客も、おそらく私と同じ世代またそれ以下の人は半分を占めると思いますが、なぜ敵対姿勢場内場外含めてほぼ全体を占めるかを考えると、不思議な感じもします。

 結論はおそらく、単純に、スポーツ鑑賞という性格的なものだけだと断言は出来ないでしょう、それは本当に両国の歴史からきているものが重要な要素だとしたら、その激しい感情はなぜ根強くいまだに幅広い国民の中残っているでしょうか、なにか宗教対立のような感情に近いものも感じてしまいます。

 これ以上ならないように、また、世代の入れ替わりに従い、このような国民の感情は薄れていくことを祈りましょう。
・・・・・
 いつもたくさんのことを勉強させていただいて、とてもありがとうございます。 これからもたくさん貴重な意見を読ませていただきます。

 それでは。

 冷静な、良識ある中国の方のご意見を代表としていると考え、「このメールを私のHPに掲載しても良いですか」というメールを送ったら、以下の返事でしたので上記掲載させて貰った次第。
 ありがとうございます。

 そうですね、次回の日中試合で、チームメンバーが倒れてもお互いにすぐ手を差し伸べるようなシーンをたくさん見れたらと思います。

 私の文章は日本語下手で読みづらいと思いますが、先生のHPに載せられるなら、光栄です。私たちはこちらでこういう話題を話しているのが、中国人も、きっと日本人も、この国もっと良くなって欲しいという思いがあるからです。読む人にこの気持ちが伝われることできたらうれしいと思います。

 私も試合中に日中の選手がお互いが倒れたときなどにどういう行動を取るか見ていました。何回か、日本の選手が、中国の選手が相手側の選手に手を差し伸べるのを見ました。選手同士は国際大会というものをよく知っている、そう思いました。


2004年08月08日(日曜日)

 (01:35)アジアカップの決勝、日本対中国はずっと見ていましたが、日本チームはシュート数などでは劣ったものの、ここぞということろを3回決めて圧勝。今までの準々決勝、準決勝が綱渡りだったのでどうかな、という気持ちもあったのですが、終わってみれば文句の付けようのない勝利。コングラチュレーションズです。1点目と3点目は綺麗なゴール。今大会を通じて、日本チームは実に粘り強かった。

 NHKのBSを見ていたのですが、恐らくあまり中国人観衆の態度を映さないようにしていたのでしょう。球場全体がどうなっているのか分からなかった。しかし日本の国歌吹奏の時など、やはり中国観衆はほとんど座ったままだったという。狭隘なことだ。

 日本勝利の後、問題は終わってからだと見ていたので、ずっとニュースに注意していたのですが、やはりいろいろあったようで、こちとら実際にこの目で見ていないので分かりませんが、群衆が騒いだり、日本の大使館の公使の車に何か投げられて窓ガラスが割れたり、日本人選手が乗っていると間違って思われたバスにモノが投げられたり、日の丸を焼いた中国人が拘束されたり。

 国際的な関心も高まっていました。土日のフィナンシャル・タイムズの一面には完全にそっぽを向いた中国サッカーチームの主将LI Weifengと日本チームキャプテン宮本の写真がでかでかと掲載されていた。まあ、そういう瞬間を捕らえた写真なんでしょうが。これでは何かあれば中国当局が「国際的なイメージダウン」を懸念したとしても不思議ではない。実際に7日の中国の新聞各紙は、紳士的な観戦態度を推奨していたと言うが、終わってみれば完敗だっただけに「紳士的」とはいかなかったような。

 中国の人達のインタビューを聞いていると、そういう姿勢が悪いということは分かっているようなんですな。そりゃそうでしょう。しかし日本は昔悪いことをしたから「仕方がない」という受け止め。江沢民の教育効果という気もするし、ネット的感情の横溢という気もする。

 読者の一人の方が面白いメールをくれました。日本でもネットの中心的な意見のやり取りは、どちらかというと愛国的な感情の横溢が見られるという。私は確認していませんが。まあネットは夜遅くに、隣に誰もいない状況でやりますから、昼の常識とはかけ離れた感情がわき、それが先鋭な形で言語表現される。そういう面が強い。

 まあ「悪いことをしている」という意識はあるようなので、時間の経過とともにああいう行動は収まっていくとは思いますが。しかしそれにしても、気分の良いものではない。9月にまた中国に行く予定がある人間としては。


2004年08月07日(土曜日)

 (19:55)サッカー観戦の前に、このページを更新しました。松井の日本時間土曜日午前の試合は見ていましたが、のっけから凄まじかった。ニューヨーク・タイムズの記事の見出しは「Matsui Thunders and Yanks Roll」。まあ、そんなもんです。


2004年08月06日(金曜日)

 (16:21)中国の人手不足に関して、福田さんより以下のメールを頂きました。より身近な取材に基づく話だと思います。福田さんtks。「農村振興策が功を奏し」というのが面白かったですな。経済は複雑系です。

 お元気のことと存じます。こちらは先週末にクアラルンプールに行って風邪引いて帰ってきました・・・。

 さて、きょうのお題ですが、中国の場合、技術者など高級人材だけではないようで す。まず、先月、中国の広州に行った時ですが、進出を決めた某日本メーカーの現地社長は「技術者も一般工員もどちらも足りない。むしろ一般工員の方が集まらない」と言っておりました。

 あれこれ聞いてみると、もちろん生産拡大による労働力不足ということがあるのです が、一つは中国政府の農村振興策が功を奏し、ある程度収入が上がったこと、さらに は労働集約的な労働の場が与えられたため、都市部への出稼ぎ者が増えなくなったこ とがあるようです。

 さらに、これら労働者は技術を持たない単純工であるため、低賃金にとどまらざるを 得ない。とはいえ、都市部では生活コストが高く、労働環境も劣悪なため、敬遠する ようになったという事情も隠されているようです。

 今後、日本企業も含めて労働者の労働環境や賃金、福利厚生の見直しはもちろん、中 国域内でも高技術・高付加価値なものを都市部に残し、単純なものは内陸部へと国内 移転も検討するべき時期に来ているのかもしれません。

 ご参考になれば幸いです。


2004年08月05日(木曜日)

 (22:21)今週は面白いニュースが多い。その一つは、人が余っているはずの中国やインドで実際には「労働者不足」が生じている、という話。例えば今私の手元には、

 急成長を続けるインドの情報技術(IT)産業が、技術者不足に直面している。若手社員の転職だけでなくベテランや幹部社員の引き抜き合戦も日常化。各社とも昇給や特別賞与支給などで社員の引き留めに懸命だ。需要の急増により今後8年間で360万人ものIT技術者が必要になるとの予測もあり、技術者不足はインドのハイテク産業の構造問題となりつつある。

 大手経済紙などによると、昨年度に全体の45%に当たる2万6000人を新たに採用した大手IT企業は、今年4―6月期も欧米企業などからのソフトウェア需要増に対応して大量採用を実施。インフォシス・テクノロジーズが2305人、ウイプロは3015人の技術者を新規雇用した。

 というニュースがある。だから、厳密に言えば労働者不足と言うよりも、人材不足、技術者不足。同じ事は驚くことに中国にも言えるらしい。このところ米系の証券会社のレポートなどにこの手の内容のものが多い。例えばシティグループのレポートは急成長を続ける沿岸地方の不足に触れ、
  1. 人材そのものの需要が急増している
  2. その人材不足が西の供給地区に旨く伝わっていない
  3. 量と言うよりも質での一定の資質、技能を持つ労働者が不足するというミスマッチが生じている
 と報じている。つまり、中国もインドもただ安いだけの労働者が必要な段階から、もっと高い技術のレベルを持つ人材が必要な段階に移行してきたというところがポイントである。不足は賃金の上昇を呼ぶ。その結果は、企業にとっての人件費の上昇と、労働者間の賃金格差の拡大を意味する。

 こうした経済状況の変化は、当然ながら中国やインドの経済の形を変えるし、この両国と先進国、先進国企業との関係を変える。面白いニュースじゃないですか。どの国の経済も決して同じ状態を続けない。常に changing なのです。


2004年08月04日(水曜日)

 (02:21)日本が劇的にバーレーンに勝ったのを知っていたので、中国ーイランの試合結果が気になってNHKのBSを見ていたら、こちらはPK戦に。二人目かな、中国の選手が外したのです。そしたら、解説者が「いつもはこのままでは終わらないのですが、今日はこのまま行きそうです」と言った瞬間にイランの選手が上に外す。

 「解説者も余計なことを言ったな」と思っていたら、最後のイランの選手。何を思ったか、「決まれば格好いい」とアナウンサーが言った緩いシュート。中国のキーパーが反応して右手でそれをはじいて中国の勝ちが決まり。イランは日本と同じ一人少ない中で良く守ったが、勝てなかった。

 それから考えると、日本が一人少ない中で後半、延長と戦って追いつかれ、抜かれても点を取って、最後は1点アヘッドしたのは素晴らしい。球場が圧倒的にバーレーン贔屓だったのに。これで日本と中国が、4年後にオリンピックが開かれる北京で決勝戦。

 中国の観衆のアンフェアな、一方的な日本へのブーイングに関しては重慶の試合の際にその背景と思われる政治的動きについて書きました。8月01日分ですが、重慶以外の開催試合でもこうした状況は続いたようです。日本でもやっと政治家が動き出した。北京で中国の観衆がどのような動きを示すか、注目して見たい。
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 ところで、昨日は西麻布での食事の約束の約1時間前、「そういえば彼はあの近くでは」と思い出して、彼のウェブを見たら広尾日赤。じゃあと思って行ったのです。西麻布と広尾日赤は凄く近い。彼女と会社の同僚が来ていて、30分ほど話しました。痩せたが元気そうだった。

 胆嚢炎なのに、最初それと知らずに胃薬を飲んで出張していたらしい。近所の藪医者の話は面白かった、というか酷い。すっごい痛いみたいなんですな。なにせ、胆嚢に25ミリの石が入っている、と。胆石は我が家のオヤジもそうだったので、大体分かる。人間の体の中にこんなものが....と思えるものが入っているのです。

 「食べたい」とウェブで訴えているのを知っていたので、思いっきりあの近くのレストランの話をしました。早く良くなろう.....という気になるでしょ。患者思いのお見舞い客。でもなんか結構長い間普通の食事が出来ないそうで、最後はちょっと可哀想だったかな....と。ま、はよ良くなってくんなまし。


2004年08月03日(火曜日)

 (18:45)モンスターを試写会で見ました。この映画でシャーリーズ・セロンは2004年のアカデミー賞主演女優賞など数々の賞を獲得した。見終わって、それだけの価値がある演技だと思いました。兎に角、彼女の役作りに対する執念が凄い。あと、ブルース・ダーンなんていう懐かしい俳優も出ていた。

 美しさや激しい動きを期待してこの映画を見ようと思ったとしたら、間違っている。シャーリーズ・セロンも、完全に容貌と体型を変えている。本来は写真の通りの美しい女優(世界で50人のもっとも美しい女性に入るそうだ)が、この映画のために13キロも太った。内容は実に悲惨な話である。アメリカで実際にあった女性連続殺人犯の話に基づく映画。

 あまりにも壮絶で、見終わった後言葉が出ない感じ。アメリカの新聞の評に「ノックアウトされた」というのがあったが、納得。実在の女性殺人犯は実名アイリーン・ウォーノスだが、シャリーズ・セロンは眉を抜き、義歯を付けて演技を行い、かつプロデューサーまで買って出ている。役作りで仕上がった顔は、本人に極めて似ている。体の揺すり、緊張に歪みながら口を動かす仕草など、彼女なりきに本人を研究して作り上げたのだろう。素晴らしい。

 まあ、いろいろ考えさせられますよ。不幸な身の上だから殺人が許されるって言うものではない。買春客だとしてもです。しかし、アイリーンの方にも確かに正義はある。裁判所の裁判官に最後に彼女が叫ぶ言葉が印象的です。見て決してすっきりする映画ではない。しかし見る価値は十二分にあると思う。


2004年08月03日(火曜日)

 (06:45)東京を含めてアジアの市場がむしろそれを懸念材料として下げていたのでニューヨークはどうなるか、と見守っていたら、冷静なエンディングになったようです。何かというと、ニューヨークやニュージャージー、それにワシントンの一部に対するテロ警戒水準の引き上げ。

 とにかく、ニューヨークに住んでいた人間には、「ああ、あれとあれと....」と思い浮かぶビルや地域ばかり。ジョージ・ワシントン・ブリッジを渡った一連の地域には、馴染みもある。ニューヨークの連中はどうするのかな、と思ったら市場は冷静。ニューヨークのダウは40ドル近い上げ、NasdaqとSPも小幅ながら上昇した。それを報じる記事の中に次のような表現を見つけました。

 That stoicism, some analysts said, was a reflection of the fact that new terrorists attacks have been expected for a long time and the way the markets were able to bounce back, even after the attacks on Sept. 11.
 ストイシズムというのは、ニューヨークの新聞記事で見かける単語としては珍しい。まあそうですね。9.11のあとも市場は反発した、というのは事実ですし、私もテロと市場を考えるときにはそう考えてきた。脚気反応はある。しかし、テロで経済の基調は変わらないし、市場はむしろ「テロ慣れ」することもあると。

 それが良いとは言えない。しかし懐の深い市場は、あらゆるものを最終的には飲み込む。


2004年08月01日(日曜日)

 (19:45)この暑い夏。体調を崩す人が多い。私もずっと喉風邪をひいていて、今日あたりからやっと良くなってきた。声がおかしい間は、放送がある度に謝ることも多かったが、今日からは大丈夫かな。昔は冬が寒いので老人が体調を壊すと言われたが、あまりの暑さに年代に関係なく夏は危険な季節になってきている。何も付けずに寝ていれば良い、という夏は昔。今は夏の寝方が一番難しい。

 入院した人は、この人で、金曜日の朝8時ごろ電話をもらった。出られなかったら「3日の昼飯が行けなくなった」という伝言が残っていた。今週火曜日の昼に約束があったのです。

 声はしっかりしていた。何があったのかと思って電話したら出ない。しかしwebは継続されていて「胆のう炎」だという。まあこれは季節とは関係ないのでしょうが。でも、夏で体力が低下したから症状が出てきた、と言うこともあるかもしれない。初診の医者が藪だったらしい。あと10日くらい入院とのこと。まあ、直ることは分かっているから良い休養になるのでは。

 熱中症で3日休んだ人もいますよ。「寝ないでゴルフへ行きましたら、突然耳が聞こえなくなって、熱が出る、頭と喉と目が痛い、胃腸が動かない…と大変でした。」と。そりゃ、この夏に寝ないでゴルフに行ったらやられますよ。夕刊フジだったかな、毎週一回のコラムを持つ望月さん。

 夏はまだ続く。そういえば、今朝の新聞に「家の中でも熱中症になる」と書いてあった。どの新聞だったか忘れましたが。まあみんなで気を付けましょう。


2004年08月01日(日曜日)

 (13:45)重慶でのサッカー場(日本対ヨルダン戦)での中国観衆の所行は、尋常ではない。中国の新聞も「政治とスポーツを混同するな」と言っているようだが、当然の事だろう。日本の国内では、このままでは北京オリンピックは心から楽しめない、という意見も出てくるだろう。

 どうしてこうなのか。私には、日経ビジネスにも紹介した一冊の本を思い出しました。 『「反日」で生きのびる中国』(鳥居 民 草思社)というのです。それだけが理由かどうかは分からない。しかし、考えのきっかけは掴める。その時書いた書評を掲載します。

 評者には、中国がずっと日本に対して矛盾する二つの顔を持つ国に見えていた。行けば歓待してくれる友人達、日本の資本を欲しがる企業や地域、そして日本との貿易量を増やし続けて我が国最大の貿易相手国になった国。日中関係は明らかに緊密化している。

 しかしその一方で、中国は時に激しく、日本人が驚くような反日感情を横溢させ、憎悪を投げつけてくる。つい最近も西安市の大学での日本人留学生の稚拙な寸劇が誇大に伝えられて日本料理屋が襲撃され、若者の間では「抗日宣言」が出された。ネットを利用した対日非難はいつでも凄まじい。歴史があったにしても、しばしば度を超す。笑顔と怒顔。どちらが本当の中国の顔か。

 この本は、多くの日本人が共有しているであろうこの疑問に、明確な、そして信憑性ある回答を与えてくれる。夫人とともにニューヨーク・タイムズの記者として「新中国人」を書いたニコラス・クリストフの言葉「中国人の大多数が抱く日本に対する敵意に、大部分の日本人がほとんど気付いていないことに、私は衝撃を受けている」を手がかりに、推理小説仕立ての、しかし説得力ある謎解きを展開する。

 結論はこうだ。戦争を知らない中国の若者達の間にある反日、抗日、嫌日感情は、国内・党内の権力基盤強化のためにことさら90年代後半に「民族苦」を前面に押し立て、日本を「近くにいる敵」として徹底的に攻撃する教育方針を取った江沢民の政策の結果だ、と。この時期の中国における初等教育の場での反日教育は徹底していたらしい。結果は強い反日意識を持つ「江沢民の子供たち」の誕生で、その「子供たち」が今社会の最前線にいる。いったん事が起きたときの対日憎悪は凄まじくなる。

 しかし筆者は、自己の権力基盤強化の為に異常な手段を取らざるを得なかった江沢民を哀れんでいるようにも見える。80年代には安易な反日に走らなかった知性の政治家・胡耀邦が存在した事実を指摘し、その流れをくむ胡錦濤以下のポスト江沢民世代の新対日政策に注目する。馬立誠、時殷弘らの「対日関係新思惟」(日本との関係改善を訴える)が、新指導部の暗黙の承認を受けている、というのは本当だろう。中国は変わりつつある。

 実は日中は近い将来似た国になる、というのこの本の指摘は興味深い。「高齢社会」「資源小国」という点で、双方で敵意を持つのはあまりにも時宜を得ない。日中はどう見ても、相互に必要としている。中国は曲がった日本に対する教育を正し、一方日本は中国の国民感情をあえて刺激することを避けるべきだろう。なぜなら、「繁栄する隣国が最善の隣国」であり、それは日中関係にも当てはまるからだ。



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