2003年09月30日(火曜日)

 (07:54)日曜日28日に書いたテレビのコントローラー、リモコンに欠如している「直前の画面に戻る」に関しては、ケーブルテレビのリモコンの一部に「チャンネルリターン」というそれに似通った機能を持つものがあることが判明しました。何人かの人からのメールで分かったもので、私も確認しました。

 しかし、リモコンの大部分に関しては、この機能を持つものはない。「技術的に簡単なことだと思われ、家電メーカーがちょっとユーザーの声を聞けばできることと思いました」とメールをくれた人もいました。私もそう思います。テレビもせめてブラウザーが持つくらいの機能を持たなければ、話にならない。フラットだけが顧客吸引の手段ではない、と思う。


2003年09月29日(月曜日)

 (18:54)数日前に発表された数字ですが、備忘のためにも記録しておきます。アメリカの「貧困所帯率」(poverty rate)の問題です。米国勢局(CENSUS BUREAU)が今年3月に78000所帯を抽出対象にした調査によると、アメリカの同率は2002年に12.1%(3460万人)となり、前年の11.7%から上昇した。

 2年連続の上昇。90年代初めを除き、その後10年ほどアメリカの貧困所帯率は一貫して下がっていたが、2000年代に入ってからの短いリセッションで上昇に転じた。、去年は改善の兆しが見えなかった、ということだ。

 それによると、2002年のアメリカの調査対象所帯の平均所得は、42409ドル。120円換算で日本円にして508万9080円、110円換算で466万4990円。これは、ドルベースで2001年より1.1%の減少だという。

 では、アメリカで貧困所帯とはどういう所得階層を言うのか。所帯だから、一人所帯、三人所帯など細かく決められているらしい。

貧困所帯の定義

一人所帯=65才以下の年齢で、かつ年間所得が9359ドル(110円で102万9490円)以下
三人所帯=夫婦二人、子供一人で年間所得が14480ドル(同159万2800円)

 アメリカのリセッションは2001年11月にオフィシャルには終わったのに、その後も所得レベルは改善していない、貧困所帯率が上昇しているというのはこれまでのところの joblessまたはjobloss な回復と関連していると思われる。雇用の増加の方向に景気が回転しないと、ブッシュの再選は危ういが、その兆しはまだ見えていない。


2003年09月29日(月曜日)

 (17:54)レギュラーシーズンを松井が終了。テレビのインタビューを受けたアメリカの観客の一人が、「MVPは松井かポサダだと思う」と言っていた。そうとも言える成績だと思う。新人として全試合出場は凄い。ヒット数は179。

 トーリが松井の日米を通じての記録に配慮したのは、明らかに彼に実力があるから。なければ、配慮する余地もない。外していた。そういう意味では、「心苦しかったことも」という松井だが、チームメートに実力を認められ続けての出場だったといえる。

 30日からは直ぐにプレーオフが始まる。日本の日本シリーズは10月18日からで、それまで気が抜けてしまうのとは対照的に、緊迫した試合が続く。松井が今後ポスト・シーズンを全部戦えば5、7、7で19試合ある。記憶に残る活躍を期待した。


2003年09月28日(日曜日)

 (10:54)いまふっと思い付きました。テレビのコントローラーには我々が慣れ親しんだ機能がない、と。それは「直前の画面に戻る」です。少なくとも我が家のテレビのコントローラーにはない。

 なぜ必要かというと、例えばケーブルテレビで17チャンネル(杉並ケーブルではBS1)を見ている。次にCNNを見たいと思ったら、ケーブルのコントローラーを手にとって、「CNNは確か36だったな....」(杉並ケーブルの場合)と思い出しながら、3と6を押す。そこまでは仕方がない。しかし、また17チャンネルに戻るときに、また「17だったな...」と考えながら1と7を押すのは面倒。「直前の画面に戻る」があれば便利です。

 ケーブルに入っているBSチャンネルならまだいい。ケーブルに入っていない各テレビ局のBS局、CS局からケーブルチャンネルに渡るとき、そして戻るときなど、コントローラーをいくつも使い分けないといけない。これは面倒じゃないですか。

 ブラウザーにある「直前の画面に戻る」があれば、これは簡単に解決できる。なぜ必要かというと、その人その人によって違うのでしょうが、例えばあるチャンネルで番組を見ているが、裏番組でも気になる番組(スポーツでもなんでも)があって、しばしばそこを見ながらテレビを見たい、ということがある。「直前の画面に戻る」があれば、簡単に行ったり来たり出る。

 出張に行くともっとひどい。チャンネルが全部いつも住んでいる地域と違う。NHKを見るつもりで1を押すと、他の地域では地方局になったりする。この場合も、直前に戻るがあると、自分の見ていた局からあまり離れずにテレビをサーチできる。

 テレビの局数も昔とは比べモノにならないくらい多くなってきた。むろんブラウザが対応している画面の数よりは少ない。しかし、多局化が進む中では「直前に戻る」がテレビのコントローラーにも必要に思うのですが。


2003年09月27日(土曜日)

 (07:54)うーん、この記事は面白い。そう思うな、日本人のブランド志向は既に終わりつつあると。

 面白い単語が登場する。「brand fatigue」。なかなか面白い表現です。訳すと「ブランド疲れ」。ブランドは希少だからブランドであって、青山に行っても銀座に行ってもどこにでもあるのならブランドじゃない、と私はずっと思っていました。そういう店を覗くことがあるが、ショップの開店時は店内喧噪だがその他はあまり客は入っていない、というのが実感です。

 それにしても、この記事を読んでいくと面白い内容がいろいろ出てくる。特に私が驚愕したのは

The trend is sending ripples through the $55 billion global market for luxury goods. When their purchases abroad are included, Japanese consumers buy about 40 percent of the world's high-end handbags, shoes, watches and other items, according to Merrill Lynch estimates.
 の部分ですかね。世界のラグジャリー製品市場(ハンドバッグ、時計、その他製品)の規模は550億ドルだが、日本人の海外購入分を含めると、その40%を買っているのは日本人だ....と。時計の宣伝は本当に日本の、特に男性誌に多いが女性誌にも載っているのでしょうか。

 だから、「For many brands, success in Japan is crucial to a strong global franchise. But it is no easy thing to achieve.」と。そりゃそうでしょう。ブランド・メーカーの死命を制するのは、日本人ということになる。しかし、矢野経済研究所の調査によると、1996年以降で日本人のブランド商品購入額は3割り方減っている、という。だから、「no easy thing to achive」(達成は簡単ではない)となる。

 目的に合致した良いモノを探し、それを買ったらブランドだったということはある。しかし、私の場合は最初から何々が欲しい、と思って探したことはない。それが普通になるんじゃないでしょうか。この記事は、日本が不況だからだとか、人口の老齢化などがブランド疲れの背景と解説しているが、これはちょっと陳腐な解説という印象がする。

 では、日本人の次に「brand seekers」(ブランド狂い)になるのは、どこの国の消費者か。私の個人的な印象を言うならば、間違いなく中国だと思う。中国でビジネスをしている人は皆私に言います。「中国人は、日本人以上にブランド志向だ」と。まあそれは、上海の街を歩いてみると分かる。


2003年09月26日(金曜日)

 (14:54)マイクロソフトがトロンの共同プロジェクト(情報家電向け)に参加し、両者が提携することになったとの昨日夕刊からのニュースは、じわりと誇らしかったですね。トロンは、東大教授の坂村健さんが作ったパソコン用のOS。70年代から80年代の初めにかけてだと思った。そのころからマイクロソフトのWindowsがPC向けに卓越した地位を占めていたわけではない。

 トロンは日本人が考えただけに、画数の多い日本語や中国語まで念頭に置いたOSだった。対してWindowsは基本的にはアルファベットを使用する言語のOS。基本的な処理能力はトロンの方が上だった。処理能力が高くなければ、日本語や中国語をうまく処理できない。

 世界全体を考えたOSとしてなら、PC用ソフトとしてもトロンの方が優れていたのではないかと思う。しかし、80年代の半ばだったが日米貿易摩擦華やかしころ、貿易摩擦とは関係ないはずの分野(ソフトウエア)なのに、その脅威を認識したアメリカ政府の圧力による取引材料として、日本はトロンの開発継続を一端諦めさせられた、と私は理解している。それがPCの世界でのWindowsの今の地位に繋がった。

 しかし、トロンはどっこい死ななかった。今では携帯電話とかエンジンの制御に使われていて、今後一気に広がると思われている情報家電では有力なOSになると見られている。良いのは応答速度が速いことだ。100万分の一秒。対してWindowsは1000分の一秒。圧倒的にトロンが優れている。移動する携帯端末などは、どうしても素早い応答速度が欲しい。

 どういう合体OSが出来るか知らない。またそれを情報家電メーカーがどう採用するかも知らない。しかし、狙いとしてはWindowsCEとトロンをうまく使い分けて情報家電に理想的なOSを作ろうと言うことだろう。それがマイクロソフトの狙いに見える。

 Windowsは二つのフロントで挑戦を受けている。リナックスとトロン。その二つに挟殺されるお恐れを抱きながら、マイクロソフトは生き残りをかけていると言える。情報を扱えるのは今やコンピューターやこの個人向けバージョンであるPCだけではない。日本人のケイタイの使い方を見れば明らかだ。

 あの時(80年代)からトロンが広くPCに使われているようになれば、日本人もアルファベット用のOSであるWindowsの不便さから逃れられたはずだ、という思いがある一方で、やはり良いものはきちんと生き残ってその価値を後々でも認められるな....と思う。


2003年09月26日(金曜日)

 (01:54)久しぶりに良い本を読みました。「武士の家計簿」というのです。気張った本でも、大売れする本でもないでしょう。地味な本です。私も何の気なしに、確か水曜日だと思った。新宿の紀伊国屋で買ったのです。読んだら面白かった。

 何が書いてあるかというと、サイトにはこう説明してある。

 「金沢藩士猪山家文書」という武家文書に、精巧な「家計簿」が例を見ない完全な姿で遺されていた。

 国史研究史上、初めての発見と言ってよい。タイム・カプセルの蓋を開けてみれば、金融破綻、地価下落、リストラ、教育問題…など、猪山家は現代の我々が直面する問題を全て経験ずみだった!活き活きと復元された武士の暮らしを通じて、江戸時代に対する通念が覆され、全く違った「日本の近代」が見えてくる。

 まあそうなんですが、ちょっとこの文章は力が入りすぎている。まあ、宣伝だから仕方がないが。実際には、古文書を丹念に読み解いて、猪山家という加賀藩の下級武士一族の当時の生活を再現し、その一族の人々の生き方を丹念に、丁寧に追った本である。書き方の淡々としたところも良い。

 私が例えばNHKの大河ドラマのようなものがなぜ嫌いかというと、歴史のごく一部なのに、それがあたかもその時代の全てであったかのように事大主義だからです。しかし、歴史は少数の人間だけが作ったものでもなく、その時代の物語が一つだけ、一つの視点だけで見れるものでもない、と思うのです。生きた人間の数だけある、筈だと。

 そういう意味で、各時代に歴史書にも残らずに生きた人がどう生き、何を思っていたかは非常に興味がある。しかしそれはしばしば残っていない。この「金沢藩士猪山家文書」というのは、そういう意味で希有な古文書なんでしょう。それが残っている。どういう家計状態だったかも含めて。私がタイムマシンで見たいのも、こういう歴史です。

 面白い指摘がいっぱいある。江戸時代が終わったとき、士族達がなぜ反乱を起こさなかったのか。それは、士族、武士の大部分は江戸時代における「身分コスト」の重みに辟易としていたからだ、とこの本には書いてある。「身分費用」という言い方ですが、つまり侍で居ることには非常に大きなコストがあってやめたい奴が江戸時代の終わりには一杯いた、というのです。この本にはこう書いてある。

 江戸時代は「圧倒的な勝ち組」を作らないような社会であった。武士は威張っているけれども、しばしば自分の召使いよりもお金を持っていない。武士は身分のために支払うべき代償(身分費用)が大きく、江戸時代も終わりになるとそれほど「お得な身分」ではなくなってきていた。一方、商人は大金持ちだが卑しい職業とされ、武士の面前では平伏させられ、しばしば武士に憧れの目を向けていた....
 こういうのを社会学では「地位非一貫性」というのだそうだ。今の我々が住んでいる社会でも、「地位一貫性」を崩そうという力は働いている。権威とお金が両方存在するところは、次々に叩かれる。良い悪いは別問題として、人間の社会の力学はそういう方向に向かうのでしょう。としたら、そういうことを承知の上で社会の仕組みを作った江戸という時代はなかなか優れものです。お笑い芸人が、官吏や大企業のサラリーマンなど問題にならないくらい多額の稼ぎがあるのも、ある意味では当然という見方が出来る。

 今の時代も変化が激しい。しかし、江戸から幕末も変化が激しかった。では、猪山家の人々はどう生きたのか。土地が値上がりした東京と、下がった金沢。資金の運用はどうする....。日本は江戸の昔からある意味で市場経済だったな、と改めて思う。

 まるで現在と同じような苦難と変化への取り組みが展開されるのです。人々の。成功する人、失敗する人。時代は変わり、人間も変わっているように見える。しかし、内容はそれほど変わっていない...と改めて思います。良い本です。

 著者の履歴を見ると、いろいろな大学の講師をしている人で、その中に大妻女子大という文字も見える。見たことあるかな.....。


2003年09月25日(木曜日)

 (06:54)ニューヨークの株はよく落ちましたね。ダウで1.57%の150.53ドル、Nasdaqで3.05%の58.02ポイント。特にNasdaqの落ちは最近では記憶にないもの。

 ウォール・ストリート・ジャーナルなどの市況記事を読んでいると、株安の背景としては石油輸出国機構(OPEC)の90万バレル、3.5%の原産決定(減産後の日量は2450万バレル)、valuation、ドル安が挙げられている。しかし、OPECの減産とドル安は付け足しの理由に見える。

 ドルは円に対してはそれほど落ちていないし、OPECの減産決定も surprise ではあるものの、減産幅を見てもそれほど驚くものではない。昨年同期比では原油価格は8ドル依然として安い。原油相場は9月は軟調に推移し、月中4ドル下げて25ドル前後になっていた。つまり、OPECは25ドル以下の原油価格を嫌がったと見える。このOPEC決定を受けて、ロンドンとニューヨークの原油価格は28ドル台になった。

 結局はNasdaqを中にした valuation の問題だったと思われる。今までのNasdaqの株価は、「良きこと」を全て織り込み、妥当な懸念を忘れてきた。今後の相場は悪い材料にも神経質な展開となろう。

 上昇したのは債券です。10年債は4.13%に、30年債は5.032%に利回り低下した。ドル安をニューヨークの市場が懸念していたとしたら、債券利回りはこれだけ下げはしなかったでしょう。ということは、株式市場の下げ理由の一つとしているドル安は、「やや」ですが付け足しだったということになる。10年債が4%、30年債が5%を割るかどうかが今後の焦点となる。

 OPECの減産決定は予想外でしたが、イラクからの原油が今後出てくることに備え、事前に石油価格の大幅下落を避けるための措置だったのでしょう。原油価格の崩落阻止は、OPEC外の産油国であるロシアにとっても好都合である。

 今回のOPEC総会にはイラクからも新政権の代表が出ていて、今現在のイラクの原油生産量が日量180万バレルであり、これを来年3月までに280万バレルまで引き上げる方針であることを明らかにした。なおOPEC声明の肝心の部分は以下の通り。

Having reviewed the current oil market, the Conference noted that, whilst the global economy appears to be improving, only normal, seasonal growth in demand is expected for the fourth quarter, and the market continues to be well-supplied. In view of the continued rise in non-OPEC supplies and the ongoing recovery in Iraqi production, stocks have been replenished and are rapidly reaching normal seasonal levels, with the supply/demand balance for the fourth quarter 2003 and first quarter 2004 indicating a contra-seasonal stock build-up. This could have a destabilizing effect on the market which requires a reduction of supplies from all producers to ensure stability.

The Conference noted its decisions in January and April 2003 to adjust the production ceiling prior to the supply disruption from Iraq. Noting, also, the gradual return of this Founding Member to the market, and in order to ensure balance to the market, the Conference decided to return to the ceiling of 24.5 mb/d and the agreed production levels. In this regard, all Member Countries reiterated their commitment to the agreed production levels and underlined the special importance of full compliance and strict discipline in implementing such agreements.

 皆入れない単語としての contra-seasonal というのは、「非需要期」という意味なんでしょうな。今のままだと非需要期には在庫が貯まる、それが価格を不安定にするから、今のうちに減産しておく、と言っているように見える。声明文を読んでも、イラクの市場への再登場が減産決定の大きな理由になっていることが分かる。ということは、OPECは原油をバレル25から30の間にしたい、ということです。


2003年09月24日(水曜日)

 (11:54)祝ヤンキース優勝、ということですね。簡単な記事は、ここにあります。これまでの松井の軌跡とともにどうぞ。


2003年09月23日(火曜日)

 (22:34)23日の香港市場では、non-deliverable forwards市場で、一年物のドル・人民元が1ドル=7.98人民元と過去最高の人民元高・ドル安になったという。市場は一年後のドル・人民元相場が8ドルを割る、約3%は上昇すると見ている、ということになる。オフィシャルは、8.28元。
 

The exchange rate system and policy are a country's internal affair and no other country has the right to interfere," the China Daily said, quoting an unnamed spokesman for China's foreign exchange regulator. "On this issue, China has always been independent and highly responsible.
 中国政府の当局者が、「(人民元の問題は)国内問題で、他のどの国にも介入する権利はない」といっても、市場は先行きの人民元高を見ていることになる。であるが故に、華僑など中国にルートのある投資家は、中国人が「熱銭」と呼ぶところのホットマネーを盛んに中国に流入させているという。

 中国が問題が起きたときに最初に示すリアクションとしては、今回も典型的なものでしょう。表面的にはもっと強硬な発言が出てくるかもしれない。しかし、事態が収まったころに行動するというのが中国のやり方です。しかし、今回の場合はそれが何時になるかは分からない。ただし私には、先物市場の予想は妥当なもののように見える。


2003年09月23日(火曜日)

 (21:34)予想されたことですが、世界経済はG7以前よりははるかに不確定な道を歩いている印象がする。ドル安と世界的な株安。少なくとも月曜日の市場は危険だった。この問題に関してはここに文章がありますから、ご興味のある方はご覧を。23日のニューヨーク市場の動向が持つ意味合いが大きい。

   それにしても、綺麗な秋の朝でした。午後からは湿度が高くなって普通の天気になりましたが、午前中は素晴らしかった。景色がキラキラしているのです。これは、空気中の塵が雨で流されていたことと、朝陽がもたらした贈り物でしょう。お袋を連れて3人で狭山の霊園に行ったのです。ご先祖様を供養するために。実に大勢の人が来ていた。「日本人の祖先を敬う気持ちは変わっていないな....」と。単純かもしれませんが。

 その墓地には、歌手で若者に人気のあった尾崎豊のお墓があってそこが賑やかなのですが、今日はそれ以外のお墓が皆賑やかだった。なにせ、墓地に人の列が出来て、それぞれのお墓で植木を剪定したり、花を飾ったり、線香を捧げている。今週末も人出が多いのでしょう。

 人出が多いと言えば、帰り道に伊勢丹にも寄ったのですが、ここも人が凄かった。男の新館がオープンしたばかりということと、天気の良い週末というのが重なったからでしょう。しかし、伊勢丹で全てを語ることは出来ませんが、デパートもかなり変わってきた。「何でもあるが、買いたいものがない」という状況を何とか変えたい、という気持ちは分かる。

 豪華品の展覧会という雰囲気が漂う。スーパーやコンビニとは明らかに違う雰囲気が漂う。しかし、見る人が多くなったが、買う人はなかなかいないようにも思えた。その辺をどう実際の客にするのかが重要な戦略なんでしょう。


2003年09月21日(日曜日)

 (12:05)ほう、安部晋三さんが幹事長ですか。当選3回、49才ですから、党の要の職としては異例ですが、これに一番焦っているのは合併野党なんでしょうな。小泉・安部コンビは、選挙ではかなり手強いと予想できる。安部さんは、菅さん(確か56か57才)よりはるかに若い。

 複雑な気持ちなのは、官房長官に留任の福田さんですかね。自分の下の人間が、一挙に党の一番さんになった。福田さんはお父さんは首相。安部さんのお父さんは確か総理・総裁にはならなかった。年齢の差もある。しかし、総じて言えることは、小泉さんというのは、なかなかうまい、ということです。党のお年寄り達は、幹事長が49才になったら、ちょっと青ざめているでしょう。

 あと注目は、閣僚人事ということでしょうか。しかし、私の記憶では安部さんが幹事長と予測したマスコミ、政治評論家は誰もいなかった。当選3回というので、予想もされなかった、ということでしょう。マスコミの想像力も低下している、ということですか。


2003年09月18日(木曜日)

 (17:50)弁護士のところには困った話ばかりが持ち込まれる。商売柄、そうなんでしょう。日頃そういう場面に居合わせない人間にとっては彼らの喋ることには、興味深い一般的な話もある。

 工場の事故が多い。そういう話をしていたら、「我々の業界では、合併した金融機関との交渉も難しくなった、というのが一般的な認識」と。なぜかというと、いろいろな機関がリストラ的な意味合いもあってあちこちに人を動かす。その過程でベテランを外して新人を入れる。

 そうすると何が起こるかというと、今まで例えば弁護士が簡単に金融機関との間で処理できていたことが、突然ややこしくなって事柄が進まなくなる、というのです。「我々にとってはえらい迷惑」と彼は言う。そうなんでしょうな。特に合併銀行は酷いと。ずっと昔に合併した銀行は良いが、その他は大変な状況だそうだ。

 「どう、感覚的に不良債権問題は進展している....」と私。ある弁護士は、「全然減っていない。増えているよ...」と。路線価格の下落などもあって、彼らの感覚で言う不良債権は増加しているのだそうです。倒産や自己破産も多いと。「若い人は、返さなくてはいけない、ということを忘れて買いに走る」と。何を買うかというと、欲しいもの。中には全く貯金がないのに、全部借金して結婚式を挙げ、そして家具を揃えてマンションを借りた猛者もいるという。「ちゃんと教育しないといけないんじゃないの...」と某氏。

 まあ今の日本はいろいろな意味で大きく変わっているのです。でも思うのは、変化の意味合いを知らない人が多すぎる、それは決して一人一人の人にとっても社会全体にとっても良い結果にはならない、ということです。最後は皆で今の日本の教育の不毛についての話に及んでしまったのです。


2003年09月18日(木曜日)

 (07:50)ニューヨーク時間の17日夕方に証券取引所の緊急取締役会が開かれるのは知っていましたが、「グラッソ辞任」に一気に進むとは驚きました。辞任要求の声は高まっていましたが。では、あのお金の支払いはどうなるのか。

 36年間NYSEで働いた報酬が1億3950万ドル、約162億円というのはさすがにアメリカでも論争を巻き起こした。この間に投資家は企業スキャンダルで大きな損失を被ったこともあった。辞任要求を出していたのは、「some NYSE directors, floor traders, investors and legislators」と、広範にわたっていた。

 しかし一つ思ったのは、「アメリカの資本主義も少し変質してきている」という印象です。勝者はそれなりきの報酬を受け取ってしかるべきだ、というのがアメリカの常識だった。最近これが変わってきている。NYSEはアメリカの資本主義の総本山だ。

 企業の経営者の場合は、一方でリストラをして労働者の数を減らしているのに、ただ経営が成功したから高額報酬を貰うのはいかがなものか、という考え方が今では強い。最後にあまり大きな批判を受けずに身を引いたのはGEのジャック・ウェルチくらいか。その意味では、日本の資本主義との距離はまだ大きいが、多少埋まった印象もする。

 昨夜のニュースでたまたまビル・ゲーツがニューヨークの学校システムの改善に5100万ドルを寄付するとCNBCが報じていたことを思い出した。ビル・ゲーツはそれを狙っているかどうか知りませんが、その富をしばしば寄付に回すことで、その巨額な富に対する周囲の羨望の視線を柔らかくしてきた。今回もそういう結果になると思われる。

 グラッソの巨額報酬も5年前だったら認められていたかもしれないが、今だと無理だと言うことだろう。4900万ドル程度もとりあえず貰わない、といった姑息な収集策を提示したことも、他の取締役の反感をかったのかもしれない。

 NYSE's Embattled Chairman Grasso Resigns New York Stock Exchange Chairman Dick Grasso resigned late Wednesday after a public outcry over a $139.5 million pay package that he had built up over 36 years at the NYSE. Larry W. Sonsini, chairman of a Bay Area law firm, was appointed interim chairman.

 The move came after directors held an emergency board meeting following calls for the Big Board chairman's resignation in recent days by some NYSE directors, floor traders, investors and legislators. Critics were furious over his pay package as investors emerge from an unprecedented period of corporate scandal.


2003年09月17日(水曜日)

 (06:50)予想通りのFOMCによる金利据え置き決定でした。ただし、ニューヨークの株の上昇は予想を上回った。理由付けは

The Federal Reserve reassured Wall Street that it could count on record-low interest rates for a long time to come, and investors responded by snapping up stocks, sending the Dow industrials up by triple digits.

The Dow Jones Industrial Average gained 118.53 points, or 1.3%, to 9567.34, while the Nasdaq Composite Index rose 41.56, or 2.3%, to 1887.26. The S&P 500-stock index advanced 14.51, or 1.4%, to 1029.32.

 ということで、低金利の持続確約が投資家の株買いを誘ったというもの。アメリカの投資家の株選好は根強いと言うことでしょう。ただし、債券はまちまちで長期金利が下げ始めた訳ではない。FOMCの声明は以下のように述べる。
The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate at 1 percent. The Committee continues to believe that an accommodative stance of monetary policy, coupled with robust underlying growth in productivity, is providing important ongoing support to economic activity. The evidence accumulated over the intermeeting period confirms that spending is firming, although the labor market has been weakening. Business pricing power and increases in core consumer prices remain muted. The Committee perceives that the upside and downside risks to the attainment of sustainable growth for the next few quarters are roughly equal. In contrast, the probability, though minor, of an unwelcome fall in inflation exceeds that of a rise in inflation from its already low level. The Committee judges that, on balance, the risk of inflation becoming undesirably low remains the predominant concern for the foreseeable future. In these circumstances, the Committee believes that policy accommodation can be maintained for a considerable period.
 8月の声明と違うところは、赤で示した部分です。つまり、8月は「although labor market indicators are mixed.」となっていた部分を上記のように改訂した。FRBとして、また国民に雇用を保障しなければならない金融当局として、「労働市場は軟化している」と認めた。「mixed」と「weakening」では印象は相当違う。この声明を読んだ人は、「FRBは労働市場の弱さを懸念しているのだな...」「雇用環境が改善しない限り、超緩和策を続けるのだろうな」と思う。ということは、「for a considerable period」の長さが長くなった、決意が固くなったように見える、ということです。

 日本の中央銀行もどちらかと言えば、緩和策の継続を表明し、その為の措置を続けている。世界第一、第二の経済大国が「超緩和策を続ける」という意思表明になった。株が上がるのは、initial reaction としては当然だったかもしれない。

 同じ日に発表されたアメリカの消費者物価(8月)は、全体がエコノミストの事前予想通り0.3%の上昇。しかし、食料・エネルギーを除いたコアでは、事前の0.2%のアップではなく、わずかに0.1%の上昇。アメリカの物価はFRBが言っている通り極めて安定しているし、金融政策当局者の頭に「デフレ」の文字がちらちらしても良い状況にはある。ということは、FOMCは間接的に長期金利の上げすぎに警告したということか。


2003年09月15日(月曜日)

 (23:50)3連休なんかがあると、「今日は何日だっけ...」という感じですな。日曜日の夜のテレビ番組の為に東京に戻った以外は、この連休は諏訪にほとんど来ています。14日の日中は隣家の同級生の急死に伴う葬式の為、15日の早朝にまた諏訪に戻ってきたのは、歩行運動とその他の所用の為。

 ほんまに人間はいつどうなるか分からない、というのが小中学校の同級生の訃報。前日まで全く平常だったというのです。いろいろや役職をこなし、活発だったという。しかし、心臓の不整脈という持病はあったのせよ、翌朝には亡くなられた。ご家族とか身の回りにいた人は驚いたのではないでしょうか。本当に隣家の同級生で、子供のころは野球などをしてよく遊んだ。驚きました。

 歩行運動は蓼科でしたのですが、暑かった。気温は30度を超えたのではないでしょうか。高校の同級生たちと歩いたのですが、「こんなことはなかった」と。普通、諏訪はお盆を過ぎると、さっと涼しくなるのです。しかし今年は違う。夏が9月に来た感じ。

 しかし湿度は低い。その分だけ、歩いていても、体を動かしても楽だし、汗もかかない。宿に帰ったら、阪神の優勝決定。18年ぶりですか。おめでとうさん。祭りですな、これは。ENJOY !


2003年09月14日(日曜日)

 (07:50)先週金曜日の日経金融新聞の最終面が最近の株式相場の上げに関して、『「おいしい局面」もう終わり ?』だったと思ったら、今朝読んだウォール・ストリート・ジャーナルには、「Strategists Advise Caution In Trying to Catch Cyclicals」というアメリカ株に関する同趣旨の記事が。これだけ日米の経済紙に同じような記事が載るのは、世界経済のグローバル化、シンクロ化の証拠か。

 とまれその理由は、日本の方は先週後半のGDP改定値(日本は第二・四半期に断トツの高成長先進国になった)にも関わらず東京エレクトロンなど通常先駆する株が下げ基調だったことを「上げの一番おいしいところは終わった証拠」と主張。同株は先週金曜日には70円ほど上げているが、確かにチャートを見ると他の銘柄が上げていた最近において頭が徐々に重くなってきている。

 ウォール・ストリート・ジャーナルの記事はERIN SCHULTEという女性が書いたもので、趣旨は「Cyclical stocks are up a whopping 46% since March, more than twice the gains of more defensive names. Some on Wall Street are sounding the alarm, saying they're selling the pricey stocks that have factored in too bullish an economic scenario.」というもの。日経金融新聞と、言わんとしていることが似ているのだ。

 ジャーナルの記事は、銘柄群が見せる市場特有の動きからの判断とともに、「米景気の持続性への懸念」を主要な懸念材料としている。なぜ懸念が出るのか。「雇用が一番の問題だ」とウォール・ストリート・ジャーナル。

 私は気が付かなかったのですが、先週インターナショナル・ペーパーが従業員の3.5%にあたる3000人の削減を発表したのだそうだ。確かに景気回復のこの局面での大企業による大規模解雇は珍しい。米8月の雇用統計では、今のアメリカ経済が実は「jobless recovery」(雇用の回復を伴わない景気回復)ではなく、「jobloss recovery」(雇用削減を伴う景気回復)であることを鮮明にしたが、インターナショナル・ペーパーの動きは、9月もその傾向が続くことを示唆しているのかもしれない。

 アメリカ経済の太祖は消費だから、雇用の伸びが期待できない時には持続性に疑念が付く。当然である。消費者は雇用の持続性に疑念を持っているのではないか、と勘ぐる統計は8月の小売売上高統計(金曜発表)である。税還付もあってエコノミストは1.6%の大幅増加を期待していたのに、出た数字はわずかに0.6%の増加。これでニューヨーク市場では株と為替が売られ、債券が買われた。消費者が雇用の面から手放しの消費はできない、と考えているとも見える。だとしたら、GDP統計の中で20%くらいしか占めない設備投資に期待がかかるのだが、それだけのパワーがあるかどうか。

 相場に表れた変調は、為替市場にも見える。日本の通貨当局が介入していると思われるドル・円は参考にならない。ユーロ・ドルの相場を見ていると、米景気回復期待が強かったし盤石に見えた夏場に大きく上昇したドルは、先週のFTの記事を借りれば「たった一週間で貿易加重平均で3%、対ユーロで4%下落した」。このFTの記事は先週末のニューヨーク市場の動きが入っていないから、実際にはドルは両方でもっと大幅な下げになったのだろう。週末の相場を見ると、ユーロ・ドルは引値が1ユーロ=1.1290ドル前後。金曜日のユーロの高値は1.1327ドルまであった。つい最近に1.07ドル台があったことを考えれば、ドルの下げが際だってきた。

 中国と日本の通貨当局のドル買い介入がなかったら、ドルがどこまで落ちているのかは想像に難くない。貿易加重平均でみると相当大きな下げになっていたはずだ。夏場までアメリカに入っていた資本が、徐々に出て行っているのが分かる。面白い図式だ。世界でもっとも景気の回復が遅れている欧州の通貨が対ドルで一番上げて、世界で一番の高成長国の日本の通貨がアメリカの通貨に対して介入故に横ばいの動き。どこか無理がある。

 ドルが下がり始めれば、アメリカの金利は下がりにくくなる。膨大な借金国のアメリカが資本を引きつけようとしたら、その成長力か、金利ファクターが大きい。覇権国の魅力というのもあるかもしれないが、それは最近はどうだろう。せいぜいアメリカは、「もたつく覇権国」だ。とすれば、住宅ローンの借り換えでブームを迎えていたアメリカの消費は、jobloss への懸念もあって今年後半から来年にかけて消費を息切れさせる可能性が高い。ブッシュにとっては最悪の時期に、景気への懸念が強まることになる。

 であるからして、ブッシュはあらゆる手だてを講じようとするだろう。それは日本への円高の受け入れ要請かもしれないし、財政にさらにムチを入れることかもしれないし、FRBに緩和を要請することかもしれない。しかし、それらはなかなか難しい。外交で国民受けすることも用意できそうもない。なにせ、外交こそ今やブッシュにとって重荷になりつつあるのだから。

 日本の景気は「アメリカ依存」と考えられていて、事実そういう面もあるが、中国に依存する部分も多く出てきている。鉄鋼などはもうアメリカの景況よりも、中国で何が起きるかに依存する部分が大きいのでは。海運などもそうだし、建設機械などなども中国ファクターが大きい。世界経済における中国の存在感は増している。

 日本の株式市場の先行きを見る一つの視点は、出来高かもしれない。8月中旬からの出来高の推移を見ると、株価の上げ局面では着実に出来高が増えていることが分かる。下げに転じると出来高は減少する。この関係は明確だが、全体的に見ると8月下旬から9月の初めまでは10億株を割る危険性はほとんどなく来た。12日はSQ(special quotation 特別指数での精算日)で出来高は増えているから参考にならないとして、全体的な流れでは9月中旬に入って出来高は減少気味で、このままだと9月後半は10億株を割れそうな状況になっている。まあ私は日本株の今後の動きには悲観的ではないが、ウォール・ストリート・ジャーナルが言うような「a whopping 46% since March」(whopping とは「非常に大きい」の意味)なハイテク、景気敏感株の上げはまあ一服するのだろう、という感触はもっている。それが何時起きるのかを正確に予測することは難しいのですが。


2003年09月11日(木曜日)

 (23:50)FTの見出しは「Japanese growth overtakes that of U.S」、つまり日本の経済成長率がアメリカのそれを追い越した、と。そりゃそうだ。日本の今年第二・四半期の実質GDP伸び率は1.0%で年率3.9%。対して、アメリカの同期の伸び率は年率ベースで3.1%。確かに追い越している。

 FTは日本のGDP統計について「legendary unreliability」と余計なことを言いながらも、実質ではなくて名目でも日本の同期GDP伸び率が0.5%のプラスになったことを「重要なこと」と述べて、この名目での伸びが続くならば、日本企業の企業収益は今後大幅に伸びることになるだろう、と。

 ヨーロッパの主要国のGDP伸び率は実質で大部分がマイナスですから、先進国の中では今の日本は一番成長率が高い、ということになる。海外の投資家からつい最近まで”割安”と思われていた日本の株が、この成長率の高さもあって8週連続の買い越しになるのは当然か。

 しかし、その先進国一番の成長国になった日本が、相も変わらず為替介入を続けていることで、FTのその隣の記事にはついに「Target yen,GM urges Washington」とある。私の記憶だと他の米自動車メーカーの首脳よりも、GMのトップがこういうことを言い出す、言い始めるというのは珍しい。なぜなら、GMは伝統的に自由貿易の旗振り役で、海外諸国・業界非難の先頭を切ることはなかったからだ。

 GMのワゴナー最高経営責任者は、「米政府が為替問題の矛先を中国の人民元に向けているのは的はずれで、日本の市場での円安誘導介入阻止にこそ注力すべきだ」「そうワシントンに働きかける」と述べている。選挙が来年に控えていることを念頭に置いて、ブッシュ政権の政策に圧力を掛け始めてきたのである。

 古典的な方法だ。私がアメリカに居るときから、米自動車メーカーは景況が悪化すると「日本のせい」だといって、不公正貿易、円の操作などなどの理由をつけて責任逃れをしてきた。そう言っても、アメリカ車の品質が向上するわけではない。遠吠えなのだ。しかし、例えばトヨタがアメリカ市場でクライスラーの第三位の地位を奪った、といったニュースが出ると、非常にビジブルだからこうした非難が蠢き出す。

 しかし、一方でいかんとも日本の通貨当局の説明責任を果たしていないように見えるのは残念だ。急激な円高は好ましくないと言ってスピード調整が基本的な視座であると言いながら、どう見ても「せき止め方式」をとっている。つまり、115円を絶対割らせない、そのためには押し上げ介入も辞さない、という。多分これは海外から見れば奇異に見える。何せ世界で一番成長率の高い先進国が、通貨の動きを目に見える形で規制しているからである。

 日本の輸出企業は例えば円が110円になったらそれほど脆弱か。なってみなければ分からない面があるが、海外への工場移転も進んでいるし、筆者はそれほどでもないと思う。多少円高になったときの自動車メーカーなどの株価を見ていると、そうである。一時の120円台の前半から既に5円近くも円高だから、これは「行き過ぎ」、ずっとその水準にいる人民元とは違うという論理には無理がある。

 中国に人民元の切り上げを求めている先進国として、今の日本の為替政策はどう考えても誰をも納得させられるものではない。じゃ、これをいつやめるのだろう。今のままだと、選挙を控えたアメリカでは、対日批判が強まると思う。ブッシュ政権の高官からは、日本を名指しした形での非難は出ていない。しかし、議会はもうすぐ動くだろう。企業と議会が動けば、政権も動かざるを得ない。

 心配なのは、その時に逆に急激な円高に行き過ぎる危険性がある、ということである。なぜなら、圧力が溜まってしまっているから。介入は市場が disorderly になったときだけという基本原則を守っていた方が、逆に極端な円高にはいかないと思う。というのも、長期的に見た場合の円安バイアス(その時は対ドルではなく、対人民元、対ユーロかもしれないが)は、人口動態を見ても動かないと思うからだ。


2003年09月11日(木曜日)

 (17:50)おやおや、このうえリッツ・カールトンですか。グランドがあって、その上にリッツとなれば六本木は以前のホテル不毛地帯(全日空さんには悪いが)から、一挙に林立地帯となる。

 旧防衛庁の跡地はいったいどうなるのか、という大きな疑問の一部が解けた。ヒルズのように大きなコンプレックスになる、ということでしょう。ということは龍土町の辺はすっごく良い街になる可能性がある、ということです。さっき来た日経からのニュースには、以下のように書いてある。

 三井不動産などが六本木(東京・港)の防衛庁跡地で進めている再開発地区に 、米国系の高級ホテル「リッツ・カールトン」が2008年開業する。同再開発は 在計画されている中では国内最大級で、進出企業が決まったのは初めて。東京都 心は高級ホテル進出が相次ぐ予定で、競争が激しくなりそうだ。リッツは米国のホテルチェーン大手、マリオット・インターナショナル傘下。
 リッツがマリオットの傘下だとは知りませんでした。何せ全く対称的なホテルなんですから。私が知っている限り、大阪のリッツはネット環境という意味では日本で”最低”の上のクラスのホテルです。以前なにかの仕事でリッツでネットを使おうとしたら、「ADSLはありません」ときた。唖然としました。電話線が唯一の環境だった。あの大阪一のホテルでですよ。経営が苦しいのだろうな、と思ってしまった。

 逆に名古屋のマリオットは素晴らしい。ここでは一泊したのですが、部屋の端子をPCに差し込むだけでつながる。しかもかなり早いスピードで。有料かと思って「ok ボタン」を待つと出てこない。東京都内の主要ホテルは大体一日1500円の料金を課金し、「ok ボタン」を押してやっとつながるADSLシステムだと聞いています。

 しかし、マリオットではそれがない。「あれ、つながったかな」と思っているともうつながっていて、バシバシ使える。確認のためにフロントに電話したら、「こちらはサービスの一環としてやっております.....」と。素晴らしい。それが今時のホテル、ってえもんでしょうに。


2003年09月11日(木曜日)

 (07:50)アジアではSARS再発への懸念、欧米では9.11の接近で、と説明されている。しかし昨日の世界的な株安は、結局のところ「valuation fear」(割高懸念)でしょう。特に「tech」(ハイテク)に対する。

 ニューヨークの株価がそれを物語っている。ダウが1%にも満たない下げ(86ドル)だったのに、Nasdaqは2.6%(50ポイント弱)の下げ。この点では、今朝の株価の動きを見て昨日の日経夕刊の「今のハイテク銘柄の株価は、利益予想の上限を織り込んだもの。それを外せば株価は大きく下げる懸念がある」という趣旨だった。

 昨日のNasdaqの下げは、テキサス・インスツルメンツの収益予想が市場予想を下回った、というもの。悪くはないんです。しかし、「市場予想を下回る」という部分が重要で、株価はこれを主な材料にハイテク株中心に下げた。一言で言えば、「tech valuation fear」というわけです。

 最近の東京市場は強い。今日の東京市場は下のどの水準で、どのくらい押し目の買いが入るのか注目でしょう。あまり下げなければ、東京市場は本当に強いということになる。春までの東京市場が違うのは、売れる人が少ないという点です。機関投資家も個人も株を春までにかなり手放してしまった。それまでは、買える人がいなくて、売りが institutionalize されていたのと対称的でした。今日は東京市場の強さをはかる良い機会になる。


2003年09月10日(水曜日)

 (15:50)日本は何かとリバイバル・ブームですが、アメリカもそういう傾向かもしれない。「サイモン&ガーファンクル」が復活して、来月18日から全米ツアーをするという。ブッシュが日本に来ている間に復活演奏をするというわけです。

 懐かしいですね。ずいぶんこのグループの歌は聴きました。一端解散して確か1981年にニューヨークのセントラル・パークで実に大規模な無料コンサートをした。その時のビデオはケーブル・テレビを見ているとよく出てくる。どんな歌声になるのか。日本でもタクシーに乗ると、「YMOは面白いバンドだった」といった黄色いステッカーが貼ってある。彼らを愛した団塊の世代は、まだ大きなマーケットです。

 そういえば、先日多摩のモノレールに乗っていたら、隣の学生がなにやらごそごそと取り出した。ちょっと驚いたことに、それがLPレコードだったのです。あの大きな。我が家にももう使わなくなったLPレコードが200枚以上ありますが、もうずいぶん演奏してない。プレーヤーもない。

 しかし、LPレコードが復活の兆しを見せていることは知っていました。伊勢丹の本館の地下に変わった店を集めたコーナー(階)があるのですが、その壁際のCDなどを売っている一角に、LPレコードがまとまって置いてある。むろん売り物として。ということは買っていく人が居る、ということです。私の隣に座った学生がどこでLPレコードを仕入れたか知りません。年齢からして、またジャケットからして昔からもっていたものではなかったと思われる。

 多分、LPはただ聞くだけでなくディスクジョッキーなどで有用なんですな。手でLPを操作しながら音楽のペースを変えていく。しかし、プレーヤーや針がなかなか手に入らない。一般の人に再び広く使われるようになるのは難しいでしょうが。


2003年09月09日(火曜日)

 (15:50)NHKがサイトでは午後2時28分に報じたブッシュ大統領の訪日(アジアでの国際会議に関連して、その直前に)が実現すれば、今年から来年にかけての日本の政治にも大きな影響を与えるでしょう。NHKはこう報じている。

 アメリカのブッシュ大統領は、来月17日から2日間の日程で、日本を訪れる方向で最終的な日程の調整を進めており、滞在中、首脳会談を行い、北朝鮮の核開発問題やイラクへの復興支援をめぐって、意見を交わすことにしています。
 当然そのころには自由民主党の次期総裁は決まっている。しかし、日本の総選挙はまだ行われていない。早くて11月です。ブッシュとしては小泉さんが総裁に再任されるのを読んだ上で、その総理再任を確実にし、その上で自分の来年の再選に必要な条件整備にくるでしょう。誰よりも再選を望む大統領としては、当然の措置です。

 ではブッシュにとって日本が力になってくれる、小泉さんに助けてもらえる、と思っていることは何でしょうか。それはイラクと経済です。イラクでは、先に議会に要請した870億ドルの全部をアメリカがまかなうのは難しい。先の15分間の国民向けテレビ演説で、

Next month, he will hold a similar funding conference for the reconstruction of Iraq. Europe, Japan and states in the Middle East all will benefit from the success of freedom in these two countries, and they should contribute to that success.
 と述べていた。欧州や日本、それに中東諸国からの「contribute」がアメリカは欲しい。つまり、自衛隊のイラク派遣と戦費・再建費用負担です。日本は湾岸戦争で確か120億ドル、1兆2000万円出した。国民一人一万円だったと思った。今回のアメリカの希望はどうでしょうか。多分同額程度です。しかし、財政事情は90年代の日本と今の日本では違う。これをどうするか。

 経済では、アメリカの産業と雇用が活性化することで、日本の支援を求めるでしょう。多分その中に、ドルを通じてのアメリカ経済の競争力回復が入る。入らなくても、市場はそう予想する。あとは、日本企業の対米投資の促進を求めるでしょう。この問題をどうするか。

 北朝鮮対応もむろん討議議題になる。韓国紙によれば、北朝鮮は射程4000キロの新しいミサイルを開発中とも言われる。どうでしょうか。アメリカに届くのかどうか。対北朝鮮姿勢では韓国の足下が揺れているだけに、日米同盟を確認することになるでしょう。日本としては、よくよく国益を考えておく必要がある。


2003年09月09日(火曜日)

 (07:50)今朝の朝日に「いい子が演じきれなくて」という記事がある。地方によって版は違うのでしょうが、東京では25面です。その中には、「過剰適応症候群」といった専門用語も登場するのですが、文章全体は「自信がない日本の子供」の特集。

 身の回りには自信に溢れる連中がやや上回る(子供の野球部の友達など)ので、へえそうかな、という感じがするのですが、確かにアメリカの子供達と日本の子供達を比べると、「日本の子供はおとなしい」「自信がなさそうに見える」という印象が強い。

 子供の問題は、この番組でも先週でしたか、特集でした。少年犯罪の多発を日本よりも早く経験したアメリカを二ヶ月も走り回って取材した大作。キーワードは「warning sign」(危険を知らせる兆候)でした。つまり、殺人とか大きな事件を起こす子供はその前段階で兆候が出てくる、それを探知するのが重要だ、ということでした。番組では22もの心理学会が発表した兆候がでていた。動物を虐待する、モノを壊す、切れるなどなど。

 番組に出てきた町沢先生は、「(対応が)日本はまだ遅れている」と。スーツも着ずに出てきた、おもしろい先生です。町沢先生と言えば、『なぜ「少年」は犯罪に走ったのか』という本に出てくる。番組が進行する中で思ったのは、結局「どうやってサインを知り、そして適切な対応をするのか」です。

 昔は日本では子供の周りにがいっぱいあった。誰かが見ていた。「サイン」を掴めた。大家族ですから、おばあちゃんがいて、おじいちゃんがいて、そして近所も緊密だった。母親が子供Aを可愛がれば、おばあちゃんがBを可愛がるといった状況。しかし、今は子供を取り巻く目が少なくなっていると思う。だから、子供がサインを出していても気づかない。

 子供の部屋の個室化も問題、と町沢さん。番組がVTRの最中にスタジオで我々に話してくれた。先生によると、大きな犯罪を起こした子供は大体において個室を持ち、その部屋に鍵をかけて親も入れなかったケースだという。親が入れなければ、子供が何をしているかわからない。顔を会わせることも少ない。

 大きな問題を起こした子供の部屋に事件後に入ってみるとHビデオがヤマのように積んであったりしたりするという。だから先生は、「子供の部屋用に鍵を渡すなんて、親も馬鹿だ」と。子供が部屋に鍵を求めても、渡してはダメと彼は言う。今時ですから子供が個室を持つのは良い。しかし、鍵はダメ、という。

 どうやってサインを見抜くか。番組の中で提案らしきものが出てこなかったので、私が一つ言ったのは、一日に一回、子供の目を顔を5秒でも10秒でもじっと見れば良いのでは、というものでした。子供の目や顔には何か書いてあるはずです。恐れ、自信、甘え、友達との間で抱えている問題。体調も分かるでしょう。

 決して思いつきで言ったのではない。常々そう思っているのです。人間関係の基本だと思うのです。顔にはいろいろなことが書いてある。顔をじっと見れば、今その人が何を考えていて、何か問題を抱えているかどうかが分かる。で、言ったのです。

 しかし、番組が終わって日曜日の夜中に家路につきながら、「もう一言言えば良かったな」と思った。それは特に子供については、「5秒でも10秒でも顔や目を見た後、気づいて良いと思ったことを褒めたらいいと思う」と言えば良かったと。褒めらることを嫌う子供はいない。素直ですから。

 本は読めば読むほど、いろいろな事件の経緯を知れば知るほど、子供たちは認知と自己顕示を欲していたケースが多いと分かる。大人だってそうでしょう。認知されれば、自然と自己顕示が出来る。認知してもらえないと、大人は自己アピールする。認知されない子供の自己顕示は、時に残酷になる。

 「褒める」というのは、認知そのものだし、あまりに的はずれでなければ褒められている人の自己顕示に繋がる。日本は「褒め」が足りない社会だと思う。もっと「すごいね」と素直に、時に過剰に言っている方がうまくいくケースが多い。子供にも、まず目と顔を見て、良かったら褒めてやる。彼、彼女の自信にもなる。

 そんな単純かことで問題のすべてが解決するとは思いませんが、小さな行為の集積で少しでも日本の子供の自信が回復してくれれば良いことだと思うのですが。


2003年09月08日(月曜日)

 (09:50)日本時間午前9時半からのブッシュの全米向けテレビ演説をCNNで見ていましたが、「nothing new」でした。今駐留しているアメリカ軍をいつ引くのか、彼らがクリスマスをアメリカで迎えられるのか、大量破壊兵器はどこに行ったのか、フセインはどうしたのかなどなど、聞きたいことには答えなかった。

 さらに言えば、ブッシュはイラクとアフガニスタンのオペレーションの為に新たに870億ドルの予算を請求。この金額が新しいと言えば新しい。今までは600〜700億ドルと言われていたので、870億ドルはこれを大幅に上回る。

 単一年度だけの予算で870億ドルですから、これはアメリカにとっては負担です。だから世界の支持が必要になる。しかし、CNNのロンドンの女性が言っていたように、指揮権も放棄せず、苦境になってからの援助要請には、欧州の連中はなかなか乗れない。日本も国連決議を欲しいでしょう。自衛隊を出すには。

 結局わざわざ演説することによって、「アメリカ国民に訴えた」「時間を下さい...と」というのが当たっているのではないか。9.11の二日前というタイミングがブッシュにとっては好都合だったのでしょう。イラクでアメリカとブッシュ政権は明らかに行き詰まっている。  日本の名前は二回出てくる。日本、ドイツは戦後の復興においけアメリカが成功した例だという部分と、870億ドルの戦費の負担に関して。前者はブッシュが良く引き合いに出す。しかし演説直後のCNNの出演者が、「じゃ、ドイツや日本で戦後にアメリカ兵を襲う事件が頻発したか....」という発言が重かった。ブッシュは類似を強調するが、イラクやアフガニスタンは戦後に置いてもアメリカを戦勝者として迎える国民の数は少ない。宗教の違いか。

 二番目の日本登場の部分は以下ですが、日本にも具体的に今月中にも要請が来るでしょう。小泉後の小泉か他の首相にとって課題となる。アメリカは超大国と言っても自国で自国が起こした行動の経費を賄いきれない帝国だということです。870億ドルを足すと、アメリカの財政赤字は5600億ドルに達し、双子の赤字は1兆ドルを大きく上回る。

Later this month, Secretary Powell will meet with representatives of many nations to discuss their financial contributions to the reconstruction of Afghanistan. Next month, he will hold a similar funding conference for the reconstruction of Iraq. Europe, Japan and states in the Middle East all will benefit from the success of freedom in these two countries, and they should contribute to that success.


2003年09月08日(月曜日)

 (07:15)今朝の朝日を見たらAERAの広告に『伊勢丹「メンズ発信地」の強気』とある。まあ何が書いてあるかは想像が付く。「今月リニューアル」と。厳密には、9月10日です。「一人勝ち」とも書いてある。へえ、伊勢丹は一人勝ちなのか。

 実は日曜日に事前開店しているというので、行ってみたのです。しかしちょっと混乱状態。なにせエスカレーターが動いていない。10日までには動かすのでしょうが。だから、1〜2階には人が一杯いるのですが、4階以上の階には人が少ない。賢いのは本館の連絡通路を使って上の階に出れば良かったのですが、何せ新館に入ってからエスカレーターが動いていないのに気が付いた。エレベーターは人で一杯で、結局階段を上がったのです。6階まで。

 シックになりました。館全体が重くなった印象がする。しかし例えばスーツ売り場などは、セッティングが暗くなったのに暗い生地が多くて、また従業員の方も皆クロを来ていて、逆にモノトーンになってしまった。ワイシャツも以前は簡単に手に取れたのに、今回はそうはなっていない。不便なこと、あれ、ということも増えている。

 3階だったか4階だったかは本館の4階のようになった。つまり、ブランド街的な印象に。だから、例えばネクタイを探そうとすると、一つ一つの店に少しずつ置いてあるので、非常に時間がかかる。不便なことも多い。

 でもまあ、40億円も使った変えたそうで、なかなかチャレンジングではないでしょうか。地価から入ったら、まず靴下売り場。以前はここはワイシャツだった。その奥が靴で、これは変わらず。しかし、5万円程度の靴が大きな顔をしている。蒸れそうな靴が多くて、「誰が買うんだろう...」。

 日本全体で小売業の二極化が進んでいるように思う。一方でブランドショップ化、もう一方で「スーパー化」。まあ、ドンキホーテのように「ごっちゃ煮化」「エンターテイメント化」とも呼べる動きもありますが。

 AERAの指摘通り、「デパートは文化の発信地」と思う。伊勢丹の男の新館が完成したときに何を発信するのか。完成したら時間を見つけて行ってみたいですな。消費は経済の最先端ですから。


2003年09月07日(日曜日)

 (13:15)このコーナーで以前予想したことがあると思いますが、やっぱしこうなりましたか。ということは、パスポートは取り直し、ということです。

 私の今持っているパスポートは2008年の5月まで有効で、その間は更新手続きは不要な筈だった。ところが....。まあこういうテクノロジーの変化の激しい時代に、10年間も身分証明の一番重要な媒体が変わらないというのは、最初から難しかったんでしょうね。外務省も親切心からですが、状況の変化は読み間違えた。

 自動車運転免許や健康保険証はどうでしょうか。これも近い将来何か大きな変化が起きそうですな。μチップも一個5円くらいになると大きく伸びる。


2003年09月07日(日曜日)

 (03:15)ほう、ブッシュが日本時間の月曜日午前9時30分、米東部時間の日曜日夜8時30分から全国向けテレビ演説をイラク問題でするのですか。ま、アッバス首相が辞意を表明したパレスチナ情勢についても触れるかもしれませんね。

 下にあるAP電の通り、イラクに関するブッシュ政権の政策、行動に関しては批判が強まっている。国際的にも、国内的にも。ブッシュが気にしているのは、国内からの批判でしょう。日々死傷者は増え、アメリカの財政にとっての負担は増大している。アメリカ軍の駐留費用は月40億ドルとされ、それを裏書きするように米政権はこのたび議会に対して追加で700億ドルの対イラク関係支出を議会に要請した。これは年間3500億ドルを上回る国防予算にアドされ、年間5000億ドルになんなんとする財政赤字を膨らませる。

 ブッシュ政権としては、イラク問題で民主党に攻められるのは分かっている。来年の大統領選挙もあるし、国民にきちんと説明して、立場を明確に、かつ強くしておこうという狙いがあるのでしょう。ブッシュがこの手の全国向け演説をするのは5月1日に「イラクにおける主要な戦闘は終わった」と述べた空母アブラハム・リンカーンからの演説以来だという。

 第三パラの文章に、「それ以来、ブッシュはイラク再建がどのくらいお金がかかり、米軍がどのくらい駐留せざるを得ず、ブッシュ政権が主張した大量破壊兵器はどうなったかについて述べていない」という下りがある。だから、そういうことについて話すのでしょう。  ホワイトハウスのマクレラン報道官は、「ブッシュ大統領はこれまでの進展具合と今後生ずるニーズに関して」述べる、としている。私が予想するに多分ブッシュは、ブルータルなフセイン体制を打倒したことの正当性を述べ、これには多くの国が参加してアメリカは孤立しておらず、今後はアメリカ兵の死傷者をこれ以上増やさないためにも、国際的な協力の進展、国連軍の関与増大が望ましいと述べ、そして民主的イラクの新政権樹立のためにアメリカが尽力することを宣言するでしょう。

 ブッシュは、国連には新決議案の採決を求めるでしょう。ロシアは派遣される国連軍の指揮権がアメリカにあってもかまわないという態度を示している。「それでも、軍隊を国連の平和維持軍の一環としてロシア兵を派遣する用意がある」と。ただし、アメリカ軍の国連軍に対する指揮権では、フランスが反対し、ドイツは国連軍としてもドイツの軍隊をイラクに出すことはしない、と述べている。だから国連決議の採択は独仏との摺り合わせ次第ということになる。

 ブッシュは徐々に国際問題でも、ちっとも改善しない雇用でも来年の大統領選挙が厳しくなった。15分の演説でどのくらい支持率を上げられるか。テレビ演説ですから、記者からの質問は受け付けないのでしょう。

President Bush will address the nation Sunday night about Iraq amid growing U.S. casualties and criticism about his handling of the war against terrorism, White House officials said.

Mr. Bush will speak from the White House at 8:30 p.m. EDT for about 15 minutes. The last time Mr. Bush made such a speech was on May 1 when he landed on the deck of the USS Abraham Lincoln and declared that "major combat operations in Iraq have ended.''

Since then, the president has not spelled out how much rebuilding Iraq will cost, how long U.S. troops will have to be stationed there or what happened to the alleged weapons of mass destruction that the administration said Saddam Hussein had.

White House press secretary Scott McClellan said the address would focus on progress so far and "our needs going forward.''


2003年09月06日(土曜日)

 (09:15)秋刀魚に「樽もの」というものがあるのを、初めて知りました。大学の後輩二人と久しぶりに萬久満に行ったのです。なにせ、ここのご主人は我々の先輩に当たる。

 店に入ったら、我々より先に来ている客に秋刀魚が出される直前だった。それがまたうまそう。で、「あ、それいいなあ....」と言ったら、ご主人が「でしょ、三つ取っておきました...。なにせ樽ものだから...」と。

 こちとら、「は.....」ってなものですな。秋刀魚と樽はどう考えても結びつかない。解説はこうでした。普通秋刀魚は発泡スチロールの箱に氷などとともに詰められて河岸に送られてくる。しかし、産地でどうみてもこれは出来がよいと思われる40尾程度を、特別に樽で送ってくるのだそうです。特に脂の乗った上物を。「今日はそれを仕入れたんですよ....」と。

 そりゃ、いただかないといけませんわね。3人で各一尾。まあ時期が時期ですから、最高でした。今年食べた秋刀魚の中でも超秀逸。店がけむりで真っ白になりましたが。季節ですから、土瓶蒸しも良かった。

 この店は、行くといろいろと変わった一品を食べさせてくれる。ポイントは突然いかないこと。事前に「どこそこの誰です」と言う。ご主人は客の顔を思い浮かべて、河岸当たりで「今日はあいつにはこれを...」と考える。それで、双方向というわけです。私はいつも食べていますが、後輩二人が食べた特別料理も実にうまそうだった。それは小生が発想・発案したものでしたが。

 これから季節になるのは、上海蟹ですかね。その話をしていたら突然彼が、「日本の中華料理屋はボリ過ぎ...」と。「へえ、じゃここで出来る」と私。「蒸すなら」とご主人。それじゃ人集めるから、ということで、「上海蟹プロジェクト」が成立。中華の店以外で食べたのは、あまり記憶にない。楽しみ。うまいものを割安に食べられるのなら、それにこしたことはない。
 ――――――――――
 最近食べた変わったものと言えば、趙揚の趙さんに作ってもらった「三不粘」はおいしかった。ものの本には、「サンプーチェン」と書いてあるが、私の耳には「サンプーニエン」と聞こえた。「粘」は「粘土」の「粘」ですから、「ニエン」と聞こえても妥当に思える。

 「三不粘」とは要するに、「三つにくっつかない」という意味です。私が記憶したのでは、「皿」「箸・スプーン」、そして「歯」に付かないです。だから、「三不粘」。味も素っ気もない機能的な名前ですが、中国でも「作れる料理人は少ない」(趙さん)ということ。何せ店のメニューにもない。私が思い出してその場で「不の付くデザート」と言ったら、「ああ、5分待って」と言って趙さんが作ってきてくれた。

 一緒にいた中国人も知らなかった。多分、中国でも珍しい。一緒にいた中国人の女性が頼んだデザートは、「黄金ケーキ」(彼女はそう呼んだ)でした。これも恐らく卵の黄身を使っている。形は羊羹、ぎざぎざの切り目が付いていて、色は卵焼きの黄色を少し黒くした感じ。噛むと強い粘りがある。味は甘い。でも「でも三不粘にかなわない....」と言ったら、その女性は「私は子供のコロから食べているこれが好き」と「黄金ケーキ」を指した。内藤君も「三不粘がいい」と言っていた。ま、いろいろです。

 中華のデザートというと、杏仁豆腐、タピオカ、胡麻まんじゅうなど数多い。しかし日本では一般的に食べられているのは前二者ですかね。それじゃ面白くない。本当に中国人が経営している店だったら、「これ作って」というのも楽しい。応じてくれるかどうは知りません。

 「三不粘」は、神田の龍水楼のHPを見ると、一日前に要予約とある。しかし、趙さんのところはそんな感じじゃなかった。まだ龍水楼には、行ったことはありません。ここに行ったら、羊肉のしゃぶしゃぶを食べて三不粘、と決めているのですが。


2003年09月05日(金曜日)

 (07:04)頭に浮かぶのは、「jobless recovery」という言葉ですかね。今朝アメリカの市場をチェックしていたら、債券相場の上昇が目立った。そしてその中に債券反発の材料として、以下の文章が。

Treasurys jumped after Federal Reserve Governor Ben Bernanke indicated the central bank has room to cut interest rates if the jobless recovery continues. "Growth that is generated solely by increased productivity, and that is unaccompanied by substantial employment growth, may possibly require monetary ease, rather than monetary tightening, in the short run,
 つまり、今のアメリカ経済の回復はもっぱら「生産性の上昇」によって支えられている。日銀と違ってアメリカの中央銀行は「雇用の維持・拡大」も政策策定の上で考慮するように規定されているから、この形での景気回復が続くとしたら、FRBとしては「もっと金融緩和をする可能性もある」とバーナンキ理事。それを裏付けるような統計が以下です。
The Labor Department reported the productivity of workers at nonfarm businesses grew at an annual rate of 6.8% during the second quarter. That was revised up from an earlier estimate of 5.7%. Since the economic recovery began in the final months of 2001, productivity has grown at an average annual rate of 5%, the fastest burst of productivity growth for the early stages of a recovery since the early 1960s.

In the long run, economists agree that fast productivity growth is a blessing. It means the economy can grow faster without creating inflation, and that supports corporate profits, workers' wages and the government's ability to reduce budget deficits. It also attracts foreign investment, critical to maintaining the nation's large trade deficit.

In the short-run, however, strong productivity growth has been associated with the nation's stagnant job market, because it has allowed corporate executives to meet relatively small increases in demand without hiring additional workers.

 つまり、非農業部門の労働者生産性のさらなる上昇。今年第二・四半期は当初発表の5.7%のアップではなく、実は6.8%もの上昇でしたと。つまり、一人の労働者が生産できるものがそれだけ増えたと言うこと。ということは、同じ生産量を上げるには、より少ない労働者で済む、ということです。実際にそうなっていることを示すのが、ちょっと時間軸が短いのですが、以下の統計です。
In economic news, the Labor Department said jobless claims rose by 15,000 to 413,000 in the week ended Aug. 30, after increasing by 7,000 a week earlier. Economists had forecast a decline of 4,000 jobs. The four-week moving average, which smoothes out weekly fluctuations, rose to 401,500 in the latest week, up from 397,250 in the week before.
 真ん中の記事の通り、生産性の上昇は結構なことです。長期的には。インフレなき成長を可能にし、企業の利潤を上げ、最後には労働者の賃金を上げ、政府には財政赤字の返済を可能にさせ、さらには海外の資本を引きつけ、貿易赤字削減の原動力になる。

 しかし短期的には、企業は同じ生産量で満足している間は、生産性の上昇はそれだけ少ない労働者で済むことになり、リストラが加速することになる。つまり、需要が増えなければ、企業は「より少ない従業員」に帰着する。これは、景気指標としては経済は強いのに、雇用関連統計が弱いという事態になる。今のアメリカです。

 昨日、私がもっとも衝撃を受けたニュースは、朝日新聞の一面左側にあった。以前このコーナーで、かつての同僚のお兄さん(東北地方で先生をしている)の話として、「小中学校には給食費も払えない生徒が居る」ということを紹介した。朝日の昨日の記事がそれを裏書きしている。

就学援助受ける児童生徒が急増 不況影響、10人に1人

 学校生活で必要な文房具代や給食費、修学旅行費などの援助を受ける小中学生が急激に増えている。文部科学省によると02年度は115万人で、全体に占める割合(援助率)はここ5年間に1.5倍になっている。10人に1人いる計算だ。長引く不況や親のリストラなどの影響が子どもの生活にも出ていることがうかがえる。

 「要保護」(親が生活保護を受けている子)が全体の1.05%、「準要保護」(それに準ずる境遇の子供)が9.73%と、併せて10%に達する。社会全体が豊かで、別に働くなくても十分な所得を保障されていて、子供もなに不自由なく過ごせるなら良い。しかし、アメリカも日本もそこまで行っていない。ということは、雇用がない人が多いというのは、本人にとっても家族にとっても悲惨です。

 日本の今進みつつある回復も、「jobless recovery」である可能性が強い。当面は。しかしその後はどうだろう。日本はアメリカほど生産性の上昇が進行していない。ということは、日本の場合は景気が良くなれば、企業は雇用を増やす。しかし問題は、「ミスマッチ」があることだ。労働者が提供できる労働力の質と、企業が臨む労働の質とがマッチしていない。ただ景気を回復させただけではダメで、このミスマッチの問題解決を今から考えておかないと、「子供に給食費を持たせられない」層が厚くなってしまう。

 日本ではこの問題がまだ置き去りだ。その点が、総体的な回復基調の中でも心配なのである。


2003年09月04日(木曜日)

 (07:04)これを読むと、9月16日の次回FOMCは「据え置き」ということなんでしょうな。「for a considerable period」での超緩和姿勢を約束しているFRBが、「景気は全般には回復している」と述べているのだから、これ以上緩和する必要もないとなれば、据え置きしかない。

 今回のベージュ・ブックで気がつくところと言えば、最初の

Reports from the twelve Federal Reserve districts indicate that the economy continued to improve in July and August. Eleven districts say that activity levels increased during the summer. In some districts, improvement occurred in selected sectors, and in others, it was broad-based. Even in the Dallas district, where activity remains generally weak, contacts are said to be more optimistic.
 このなかで気になるのは、「continued to improve」の部分と、単語としては「broad-based」、それに経済活動が相対的に弱かったダラス連銀地区でも経済活動に楽観的になれる状況になっている、という部分でしょうか。8月中旬に起きた大停電については、ニューヨーク、クリーブランド、アトランタ、シカゴ、ダラスの各連銀が報告の中でコメントしたそうですが、「総体的なアセスメントは時期尚早」としながらも、数日間の生産活動の停止にもかかわらず、企業は停電の間に失われた生産や出荷の取り戻しには困難に直面しなかった、と述べている。大騒ぎした停電も、全般的な米経済活動への影響はなしということでしょう。

 FRBが心配しているな、と思うのは「物価と雇用」。しかし、この二つについても以前よりは悪くなったということではない。むしろ多少は改善の兆しあり、ということのようです。物価については、「these encouraging signs haven't translated into inflationary pressure. "Most product prices are reported to be stable or lower," 」とした上で、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、

Several Fed officials have warned that while the economy may be recovering, there is so much slack in the economy that underlying inflation, already about 1%, could drop further. If the economy were to stumble again, it could come close to zero and even become deflation, or generally falling prices. This is one reason the Fed has indicated it will keep rates low for a "considerable" period.
 と分析している。つまり、かなり目につくようになった景気拡大の兆しにもかかわらず、インフレ圧力が高まる兆候はないし、リスクとしては低いインフレ率が一段と低くなる方が大きい、というのである。

 雇用に関しては、今週末に発表される雇用統計がもっと雄弁だと思うが、このレポートは以下のように述べている。

Labor markets remain slack across the nation, with few reports of occupational shortages. Employers in a number of districts indicate that wage increases, when they occur, are modest, but the rising cost of benefits--notably health insurance--has raised compensation costs.
 「依然全体では低調で、職種による不足の報告もあまりない」と。つまり、生産活動はかなりの領域で活発になってきているが、雇用の増大に繋がっていない、と。その分、アメリカ経済は生産性を上げているが、しかし所得を得なければならない労働者は良い職に就けていない、ということである。これは長期化すれば、アメリカ経済の69%を占める消費に打撃になる。

 しかし、今現在を見るとアメリカ経済はその持続性への根強い懸念(特に消費者の借金体質や双子の赤字)にもかかわらず、先行き楽観論が強いということでしょう。だから、火曜日に100ドル以上上げたニューヨークの株価は、水曜日も50ドル弱の上げになっている。さすがにNasdaqの上げのペースは少し鈍化しましたが。

 水曜日の世界の株価は、本当にすべての市場を巻き込んだ、という印象。でもまあ、ちょっとスピード違反気味ですが、昨日喋ったパリー・サンフランシスコ連銀総裁が「the most likely outcome appears to be that the economy will show reasonably strong growth for the rest of this year and then pick up some more steam in 2004」と言っている中では、今の上げは正当化されるようにも見える。

 しかし昨日の東京もそうですが、金利の上昇にはニューヨークでも多少歯止めがかかったようで。これが一休みなのか、それとも景況改善を織り込んだ証拠なのか。まあ、まだわかりません。


2003年09月03日(水曜日)

 (17:04)所用をすませて会社に行くと、「北朝鮮が12時に重大発表」と。まあ日本人の普通の感覚だと、拉致関係での解決策提示かミサイル発射、それとも核実験などを思い浮かべますよね。私は冗談で、「金正日がどこかの工場でも視察するじゃないのか...」と。

 相場が動いたのです。多少のドル高に。あとの二つを市場は想起した。直ぐ戻りましたが。実際に発表されたのは、「金正日総書記の国防委員長再任」。最高人民会議で決まったと言うことですが、重大ニュースといっても、国による「意味合い」の格差の大きいこと。とんだ人騒がせでした。


2003年09月02日(火曜日)

 (17:04)中国らしい。米選挙民の期待を背負って乗り込んだスノー財務長官に持たせるおみやげを、もう決めているようだ。基本的姿勢は、「安定した人民元は、中国の持続的成長、金融安定、それに発展の要石であるからして、将来における実質切り上げの可能性は残すものの、当面は拒否」というもので、その代わり

  1. 国内の輸出産業に一段の競争力を与えていた一部輸出補助金の削減、ないし廃止
  2. 3560億ドルにも及ぶ外貨準備を使って、米財務省証券のこれまで以上の購入
  3. 中国からの海外旅行者に、今まで以上の外貨携行を促し、また輸出企業が外貨を留保することを奨励し、個人、企業の海外からの輸入を促す
 などを短期的な措置をして用意したという。輸出補助金のカットや削減では、関連業界は約5%の輸出価格引き上げを余儀なくされる、と専門家の話が紹介されている。

 スノー財務長官は、日本でも塩川財務大臣とも合意したが、現在1ドル=8.28の人民元の実質的切り上げを要求しに今日から北京に行っている。以上の提案はニューヨーク・タイムズが報じているものだが、もし本当であり、スノー長官がそれしか得られないとしたら、まあ「肩すかしだが多少のおみやげは...」といったところか。

 「圧力を受けたときには動かない」という中国の伝統は生きていると言うことです。しかし、中国は今のままの為替レートを維持すると、国内流動性の増大によるインフレ懸念と、対外貿易摩擦の増大という二つの問題に直面する筈である。今はまだ前者は出ていないが。人民元の切り上げはその二つを一気に解決する手段なのだが、インフレが顕在化するまではまだなかなか動きそうもない、といったところでしょうか。


2003年09月02日(火曜日)

 (07:04)今朝新聞を読んでいて興味深い事に気が付きました。「中国が兵力を20万人削減し、ハイテク化を推進する」というニュースに関連してです。

 へえ、じゃ今の中国の兵力は現在はどのくらいなのかと思ったら、日経には英国際戦略研究所の「ミリタリーバランス」の数字として227万人とある。人口を12億とし、そのうち男性を6億とすると、全男性に占める軍人の割合は0.3%となる。20万人の削減ということは、人員ベースで見た場合の1割削減に相当する。

 日本の場合はどうか。自衛隊の兵力は26万人とされる。1億2000万人の総人口、男性は6000万人とすると、全男性に占める軍人は0.4%で、中国の割合に極めて近い。

 中国の兵員削減は当然でしょう。最近の戦争を見ていれば、ゲリラ戦的戦争を除けば、基本的には勝負を分けるのはハイテクの力となったことは明確。兵員の数を誇る時代ではない。中国もアフガニスタン、イラク戦争を見ての方針変更だったのでしょう。アメリカの軍事力の源泉はハイテクだ。

 しかしそんなことを考えていたら、「では北朝鮮の120万とも言われる兵力は異常でないか」と言うことに気が付いた。100万ではという説もあるが、インターネットで最新情報を調べると、120万という説が多い。

 私の記憶だと北朝鮮の人口は2200万人。男性が1100万人とすると、120万人というのは、子供、老人を含めて全男性の1割強、10人に一人以上は軍人と言うことになる。日本、中国の0.3〜0.4%に比して、異常に高い比率だ。

 日本はそうではないが、アジアの諸国の軍隊の中には、部隊の中に企業を持って生産活動をしているところもある。だから軍隊が全部非生産的な存在ということではないが、しかし基本的には軍隊は平時においても、生産活動をしない。ということは、国の経済を豊かにする存在ではない、ということだ。軍隊を維持するには膨大なコストがかかる。どの国でも、国防費のかなりの部分は固定的な人件費である。

 ということは、常識的に考えて北朝鮮が軍隊を大幅削減して生産活動に回し、兵力を例えば10万人とか5万人に削減したときに初めて経済の離陸が始まる、という予想が出来る。それまでは、国の経済は膨大な軍事費(人件費)に圧迫され続ける。

 北朝鮮は、経済の改革とかいろいろな試みをしているようだ。しかし、「先軍政治」と呼ばれる何でも軍事優先の方針を大変革しないと、恐らくあらゆる経済改革は失敗するだろう。加えて現代グループなど北朝鮮に積極的な投資をしてきた企業群は、今大きな動揺に見舞われている。かの国の経済は、美女軍団が振りまいた笑顔とは裏腹に、客観的に見れば苦しくなるばかりということだ。


2003年09月01日(月曜日)

 (03:04)やっぱり見てしまいました。女子マラソンでの日本のメダル2個は素晴らしい。男女ともマラソン団体が金というのも、日本の若者がたとえ一部であろうとも、一般的に考えられている以上に、世界に負けずにしっかり目的に向かって歩んでいる証拠ではないでしょうか。末続、室伏のメダルも良かった。

 特に末続の男子200メートルでの銅メダルは、世界の人々の日本人観、アジア人観を変えたような面もあったと思う。そういうシーンを集めたにしても、フランスの人々の「びっくりした」というコメントは本気だと思う。アフリカ系の人々全盛の短距離で、アジアの人間が入ったのは快挙ではないでしょうか。

 また全くの個人的印象ですが、競技を見ていてやり投げとハイジャンプはきれいな競技だな、と思いました。ヤリにせよ、人間の体にせよ、宙を舞って飛んでいる姿が良い。女子のハイジャンプの南アフリカの選手(クローセとか言いましたっけ)は、飛ぶ前の仕草も絵になっていた。

 繰り返しになるのですが、絵になっているからつい見てしまう。デジタル時代のコンテンツの王様は、スポーツということでしょうか。



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