2003年03月31日(月曜日)

 (13:45)富士写真フィルムがカラーの静止画を扱い始めたのは昭和33年であることがわかりました。親戚にこの週末に会ってあの写真の話をし、そこでわかったもの。8ミリ・フィルムやスライドの方がカラー化が最初に実現したのだそうです。普通の写真はそれより遅れた、という。

 先日紹介した私の曾おばあちゃんの写真は、従って恐らく昭和33年か翌年の34年の写真です。ということは、1958年か59年。ほぼ半世紀前の写真ということ。懐かしい訳です。


2003年03月29日(土曜日)

 (13:45)イラクにばかり目が集まっているので、土曜日のネクスト経済研では、北朝鮮問題を取り上げました。改めてこの国が置かれている環境が専門家の話でわかっておもしろかった。

 「(日本の北朝鮮外交は)手詰まり」とよく言われるが、「本当に手詰まりになっているのは、北朝鮮なんですよ」と重村さん。世界中の目と耳はイラクに集まっている。しかし、本当に今日本人が見ておく必要があるのは朝鮮半島情勢ではないのか、というのが今回の番組の狙い。もう一回整理してみよう、と。  ゲストは、拓殖大学教授の重村智計(しげむら・としみつ)さんと、「軍事研究」編集委員の河津幸英(かわづ・ひでゆき)さん。二人の話が一つの点で非常にマージした(重なった)と思うのは、我々が考えているほど北朝鮮は指導者を含めて大胆ではないし、選べる選択肢が数多くあるわけではない、という点だ。

 たとえば北朝鮮は何かあったら「ソウルを火の海にしてやる」と言う。しかし河津さんは、北朝鮮がソウルを攻めるには軍隊を南下させねばならないが、戦車や兵站を担うトラックを動かすためには燃料がいる。しかし、今の北朝鮮にはそれがない。だから、「北朝鮮の軍隊は攻められたら戦う能力はあるだろうが、誰かを攻める力は弱い」と軍事専門家としての見方を披露。重村さんはこれに関連して、「今北朝鮮に入っている原油は中国からの50万トンだけ。軍事行動をしていない日本の自衛隊が使う原油は、年間150万トン」だと数字を示してくれた。つまり、今の北朝鮮にはエネルギーという点で、「攻撃的軍事能力はない」との見方。ミサイルについても、「核を搭載しなければ、それほど脅威ではない」(重村さん)と言う。

 北朝鮮の食料や燃料の状況はどうなっているのか。食料は相変わらず厳しいが、悪化しているのは燃料不足で、最近では平壌でも停電が頻繁に起きているという。だから、アメリカと日本にエネルギーの供給を止められている北朝鮮の方こそ、「どこかで事態を展開させたい」と考えているという。一時次々に外交カードを切ってきた北朝鮮が最近静かなのはなぜか。重村さんは、「北朝鮮はアメリカがイラクを攻める前にアメリカと話をしたかった。もう(対イラク戦争が)始まってしまったので、カードを切る意味がなくなっているのではないか」との見方を示してくれた。

 では北朝鮮はカードも切らずに何をしているのか。金正日はすでに43日間も北朝鮮のメディアに出てきていない。「恐らく」としながら、「軍の幹部と一緒に24時間CNNやABCを見ながら、イラクに対するアメリカの戦争の手順を分析し、それを北朝鮮に当てはめた場合の作戦を考えているのではないか」と重村さんは観測する。

 アメリカはどう考えているのか。ニューヨークから前日帰られたばかりの早稲田大学大学院アジア太平洋研究学科の川村教授には電話で番組に参加頂いたが、「イラクと北朝鮮を明らかに区別して考えている」という。アメリカの本音は、「(北朝鮮は)今直ぐのアメリカにとっての脅威ではない。イラクとは違う」(川村さん)ということもあるし、「今のまま身動きできなくしておけば、金正日の体制はいつかつぶれると見ている」(重村さん)ということもある。重村さんは、アメリカが「北朝鮮が一線を越えた」と見るのは @使用済み核燃料からのプルトニウムの抽出 A核の輸出――。重村さんは、「北朝鮮は恐らくプルトニウムを抽出する」として、その際に事態が動く可能性があると予測された。

 日本はどうすればよいのか。「原則は譲らない」というのが必要な姿勢だという。「拉致問題の解決なくして、国交正常化なし」という今の原則を曲げない、ということだという。北朝鮮に利権がなかった小泉首相だからここまで情勢を動かせた。この姿勢を続ければ、困っているのは北朝鮮だから事態はいずれ動く、と。蓮池さんの子供向け手紙が拒否されたとかいろいろ問題はあるが、今の日本は原則を守りながら、「いつでも交渉する用意はある」との姿勢を北朝鮮に示すのが賢明というのが重村さんの結論だった。


2003年03月28日(金曜日)

 (18:45)いったいこれはなんぞや、という感じですな。英語ではSARSで、調べたらSevere Acute Respiratory Syndrome の略。respiratory は「呼吸器官の」という意味で、従って翻訳は「重症急性呼吸器症候群」。この厚生労働省のページにQ and Aがある。

 まあ、皆さん気をつけましょう。最近アジアに行った人。ああ、上海に行った人がいたな。むろん、彼は菌に冒されるような柔じゃないですが。


2003年03月28日(金曜日)

 (18:40)もう何曜日だったか忘れてしまったのですが、渋谷のセルリアン・タワーの2階にジャズ・クラブがあるというので、3人して行ったのです。入り口で昔の知り合いに会ったりしたのですが、入ったらこの人のセッションが組まれていた。

 恐縮ですが、知りませんでした。エバンゲリオンの歌というのも。しかし、声を聞いていて「ヒーリング・ポップス」というジャンルの分け方を聞いて、「そういうのもありかな」と。確かに歌声は綺麗だし、本人も言っていたが聞いていると眠くなる。

 声の質がちょっと違うように思ったのですが、それでも聞いていてエンヤを思い出しました。むろんエンヤの方がより透明な歌声ですが。今売れているだけの人だけではなく、いろいろな歌を歌っている人がいるというのは、良いことだと思います。

 店の名前は、思い出しましたJZ BRATというのです。骨董通りの近くにある Body And Soul よりはちょっと大きいかな。また行っても良いのですが、ジャズ・クラブとしては後者の方がよく出来ているかな。


2003年03月27日(木曜日)

 (14:40)ついにアメリカでも「戦争長期化」を予測する記事が出始めた。戦局から言っても、侵攻してきたアメリカ軍に対する姿勢を見てもその可能性はあるということでしょう。ちょっと経済や市場に対するスタンスを考え直さなければいけないかもしれない。ワシントン・ポストの記事から。

War Could Last Months, Officers Say

Despite the rapid advance of Army and Marine forces across Iraq over the past week, some senior U.S. military officers are now convinced that the war is likely to last months and will require considerably more combat power than is now on hand there and in Kuwait, senior defense officials said yesterday.

The combination of wretched weather, long and insecure supply lines, and an enemy that has refused to be supine in the face of American military might has led to a broad reassessment by some top generals of U.S. military expectations and timelines. Some of them see even the potential threat of a drawn-out fight that sucks in more and more U.S. forces. Both on the battlefield in Iraq and in Pentagon conference rooms, military commanders were talking yesterday about a longer, harder war than had been expected just a week ago, the officials said.


2003年03月27日(木曜日)

 (06:00)あちこちに原稿を書いたり打ち合わせ・食事会があったりで、ここへの書き込みは何か久しぶりですが、イラクの戦況はかなりこれまでとは様相を変えているようです。早起きしてワシントン・ポストを見たらアメリカ軍がバグダッドに攻め込むのではなく、共和国防衛隊の一部がどうやら南下してアメリカ軍と対峙する方向に動いているらしい。

 この記事同紙の一面トップで、米東部標準時の午後3時25分(日本時間の27日午前5時25分)にアップされているから、私が読むつい30分くらい前にかかれたもの。見出しは、「Elite Iraqi Units Reported Moving to Challenge U.S. Troops 」となっている。これが大きな局面展開なのかどうか。

Battling sandstorms and then rain that turned the desert to tank-trapping mud, U.S. troops on the southern approaches to Baghdad faced an audacious challenge from Iraqi defenders tonight as columns of elite Iraqi units were reported rolling south to confront them in what is shaping up as the biggest battle of the week-old war.

The surprising reports followed a difficult day of day of fierce fighting and dogged Iraqi resistance, which began with the devastation of a Baghdad neighborhood that was apparently caused by errant U.S. air strikes. Iraqi authorities said at l4 civilians were killed and another 30 injured.

 「The surprising reports」と。そりゃそうでしょう。でも考えてみれば、イラク側から見れば「侵略軍」だから、攻められるのを待つより侵略軍の駆逐に動き始めたということでしょう。他の新聞には、こういう記事はまだないようです。

 アメリカ軍は南から勢いよく進軍した。兵站線は延びた。そこにイラクの民兵組織が攻撃を仕掛けている。バスラを制圧せずに北に攻め上ったが、南が不安になって軍をアメリカは南に展開しているという。昨日の軍の記者会見でも「急ぎすぎたのでは」という声が出ていた。

 イラクに侵攻したアメリカ軍は、ここ当面の正念場ということです。アメリカの対イラク進軍の前提は、「市民から解放軍として迎えれる」だったが、どうやらまだそれは実現していない。


2003年03月25日(火曜日)

 (07:18)調整が強まるという予想通りでした。特に、東京を終えた後の欧米の株。欧州が軒並み3%強の下げになったのに加えて、先週末まで8営業日連続してダウで1000ドル、約13%上昇したニューヨークの株は、今週の月曜日に307.29ドル、3.6%下落。引値は8214.68ドル。Nasdaqも3.7%下落し、一方で原油は反騰気配で、ドルもやや下がった。

 「reverse」というのがキーワードでしょう。昨日の日中思ったのは、週末の戦況が必ずしも米英軍有利になっていないのに、「東京は手放しに上げているな....」という印象だった。昨日の東京の上げを見て、ポジションを軽くした人がいたとしたら、正解です。

 日米とも中央銀行頼りになっている。日本では25日に日銀の臨時金融政策決定会合が開かれる。銀行保有株の買い取り額の増額(2兆から3兆円程度に)や、資金供給ルートの多様化などが議題と見られる。その程度なら、市場への影響はあまり大きくないと思われる。

 アメリカでは、ブッシュがグリーンスパンと会談。ただしグリーンスパンは、この会合での結論を繰り返したと思われる。長期化の兆しはアメリカ経済にとって重い。


2003年03月24日(月曜日)

 (08:18)爆撃を終えて帰還途中のイギリスのトルネードがアメリカのパトリオットに撃ち落とされたのは衝撃的ですね。イギリスとアメリカは「coaliton の連帯は深まりこそすれ、信頼が揺らぐことはない...」と言っているが、特にイギリスの動揺は深いと思う。それを調べていて、以下のようなタイムズ紙の文章を見つけました。

 どうやらIdentification Friend or Foe (IFF)というシステムの問題とその導入に関する問題らしい。つまり、味方と敵を識別するシステム。どうも、イギリスはこのIFFシステムの導入が遅れていた。

The number of UK soldiers killed by their US allies in "friendly fire" incidents in the 1991 Gulf War was nine - the same as the number killed by enemy fire.

Today's accident is a major embarrassment for the coalition because hundreds of millions of pounds have been spent on reducing the chances of friendly fire casualties, including a system known as Identification Friend or Foe (IFF).

In January this year the commander of the nine British soldiers killed in 1991 accused the MoD of "serious negligence" for not introducing IFF quickly enough.

And a year ago the National Audit Office said that, although the MoD had invested £400 million, it was acting too slowly.

It said the system was still not fully compatible with equipment in other Nato countries, including the US.

The system, if fully implemented, should mean that US and British systems would recognise each other and be unable to fire on each other. A military source in the Gulf today said: "No pilot will fly without a serviceable IFF system. If it's not serviceable you don't go."

The other possibility is that the IFF system failed at the Patriot end rather than on the plane.

 システムが抱える問題が良く出ている。いくら良いシステムを作っても、それがあまねく組織に普及し、それに関わる人間が完全に使いこなせないとむしろ事故のもとになる。IFFはイギリス軍の運用が遅れ、それが今回の悲劇を生んだということでしょう。それにしても、湾岸戦争で死んだイギリス兵のうち9人は「friendly fire」(味方の砲弾)であり、この数は的の砲弾で死んだ9人と同じ、というのだから悲惨だ。


2003年03月23日(日曜日)

 (00:18)テレビも新聞もネットも同じような情報を繰り返し流していて辟易とするなかで、ウォール・ストリート・ジャーナルの

Au Revoir, Security Council(さようなら安保理)
というこの記事は、なかなか主張がはっきりしていて頭の体操には面白かった。

 「さようなら」の対象が「安全保障理事会」であって、「国連」ではない点がミソ。戦争が終わったらイラクの再建で安保理が再び機能できるし、アメリカはまた安保理の枠組みに戻らねばならないとアナン国連事務総長もフランス、ロシアも言っているが、「そうは思わん」という書き出し。

 国連論に関しては、3月16日に私のこのサイトに長い文章を書きました。国連が問題が多い機関、システムであることは間違いない。カンボジア、ソマリア、ハイチ、ルワンダ、ボスニア、コソボなど重要な紛争で国連がうまく機能しなかったことは確かだ。また、独裁国家であろうと加盟を許して、そのレジームに国連が正当性を与えていることもウォール・ストリート・ジャーナルのこの記事が指摘している通り。

 この記事の面白い点は、「フランスのような過去60年間一貫して大国ではなく、アメリカの力を削ぐことだけを目的にしている国が拒否権を持ってきたこと」をおかしいと主張し、「一つの解決法は、もっとその権利を持つに値する国である日本かインドに拒否権を与えることだ」としている点と、逆にアメリカが国連には残るが安保理から脱退することだと主張している点。

 どうやら、この新聞はチェイニーが先週の日曜日に「Meet The Press」で表明したような「a world of shifting coalition」を理想としているようだ。何かというと、問題ごとに組み合わせを変えていく連合。どの問題でもアメリカが中心にいることを想定していそうなことが気になるが、確かに機動的ではある。イラク問題に手一杯で、北朝鮮の問題に安保理は取り組みも出来ない。また北朝鮮の問題になぜフランスが口を出すのだ、という気持ちもあるのだろう。

 「安保理なしの国連」の方がましというのがこの新聞の主張で、それで「さよなら安保理」となっているのだが、これは通常に日本人の発想を超えている。そこが読んでいて面白い。さあそこをどう考えるか。


2003年03月22日(土曜日)

 (21:18)私にとって、とっても、とってもノスタルジックな写真です。諏訪に行ったのです。法事で。祖母の実家の、祖母にとって兄に当たる人の23回忌、その奥さんの33回忌で。両親が動けないので、諏訪での法事はなるべく私が代理で出ているのですが、今回の法事は私も子供の頃本当にお世話になった人達のそれで、義理ではなかった。

 その宴会の席で見つけたのがこの写真です。私の祖母の母、つまり私のとってひいおばあちゃん(曾お祖母さん)。写真があり、かつ私が記憶の中で鮮明に残像を残しているもっとも遡れる、懐かしい祖先です。

 祖母は我が家に300メートルくらい離れた家からお嫁に来た。で、私は小さい頃祖母に連れられてよく彼女にとっての実家に連れて行ってもらったのです。そこには、祖母の母親がいて、行くと必ず「よく来た」といって何かくれた。アメが多かったと思う。

 私が確か3〜6才のころかと思う。尊祖母は、当時優に80才を超えていた。しかし、写真で見るとおり背中もまるまずにしゃきっとしていて、話し好きだった。それは良く覚えているのです。ですからもう確実に40数年前の写真です。半世紀前に近い。セピアにはなっている。しかし、カラー写真です。

 カラー写真は当時は珍しかったと思う。なぜなら、両親の結婚写真は白黒ですから。カラーは出始め。その理由は、私の叔母(父親の妹)がこの写真館の息子で、当時富士写真フィルムに勤めていた人と結婚して、その人が写真が趣味でそれはまめに写真を撮ったのです。それが残っていた。

 フジテレビの番組によれば、日本人はほぼ全員が9人の母親から生まれたそうな。同じような話は、ラテン、ゲルマンを問わずおよそ白人は全員9人の父親から生まれた、という調査結果があるという話を聞いたことがある。まあそんなものでしょう。現存する人類は、どう考えても非常に少数の母親から生まれてきたことに間違いはない。

 そこから数えて自分が何代目に位置するのか知りません。確実に言えるのは、写真の彼女は私にとって3代前の祖先ということです。ああ、タイムマシンが欲しい.....。でも普通、4代前の祖先に会ったことがある、記憶に残しているという人が少ないのでは。ですから、3代前の曾おばあちゃんの写真が出てきたことは嬉しいのです。


2003年03月22日(土曜日)

 (06:18)アメリカの金融市場にとってこれまでの戦局は、「so far so good」のようです。土曜日の早朝にニューヨーク市場の動向を見る限り、ニューヨークの株はダウで235ドル以上上がって8500ドル台に乗り、逆に石油価格は30ドルを大きく割って27ドルに落ちた。ドルは大幅に上昇して121円台に。逆に景気改善を予測するように債券は売られて、10年債の利回りは4%の大台に乗った。

 金融市場が心配していたのは、「イラク軍の反撃」「イスラエル攻撃」「対米やその他地域でのテロ」などだったが、それらは起きていない。米英軍の進軍は今までのところ順調のようです。空からは、「"shock and awe" 」とラムズフェルドが言うところの爆撃が我々が知りうる限りでは対バグダッドを中心に日本時間の早朝に行われた。イラクの人々にショックを与え、人々に畏敬の念を起こさせる爆撃、というわけです。アメリカは命名するのがうまい。

  地上軍の進軍も続いている。イラク国境から500キロほどの距離にあるバグダッドにあと200キロに迫っているとの報道もある。しかし、イラクは首都防衛を主要な目標にしているのでしょう。ということは、一番のヤマ場はこれからだとも思える。

 一方、戦後のイラクをどうやって治めるのかのせめぎ合いが既に始まっている。どうやらイギリスは戦後当面のイラク統治権限を米英軍の将軍達に与える国連決議を狙っているようだが、シラクはそれに反対する意向を示した。アメリカは戦後の対日、対独統治のイメージを持っているようだ。その後統治権限を国連に、そしてイラク人にという図式を描いているという。

 問題はバグダッド占拠とフセイン捕捉、そして戦後の統治の形だと思う。そういう意味では、今のアメリカの金融市場は早すぎる戦勝のユーフォリアのようにも見える。


2003年03月21日(金曜日)

 (00:18)世界で誰よりも深甚な関心を持って今回の紛争を見ているのは、北朝鮮の指導者・金正日でしょう。イラクの指導者の帰趨は、自らの帰趨でもありうる。最近情勢判断に間違いが目立つこの人が、事態の推移をどう見つめているのか。

 一方、赤坂のアメリカ大使館の近くの警備は凄まじく、私も通りかかったときに別に荷物検査をされたわけではないのですが、「どこに行くのですか...」と。近くのラジオ局で仕事があって行ったのですが、こうした状態が続くとあの近くのホテルなどは迷惑でしょう。

 ところで、日本時間の20日午前11時30分過ぎに日本のテレビがバグダッドをナマ中継中に伝えた大きな爆発音は、どうやら「フセインの居場所」に関しての諜報情報を手がかりにフセインを直接狙ったアメリカによる攻撃だったようです。その45分後にブッシュは全米向けに演説した。日本時間の20日午後12時15分でした。

Mr. Bush addressed the nation from the Oval Office at 10:15 p.m. Wednesday night, about 45 minutes after the first attacks were reported against an installation in Baghdad where American intelligence believed Mr. Hussein and his top leadership were meeting.
 ニューヨーク・タイムズはこの試みに関して「an apparently unsuccessful attempt to kill Saddam Hussein.」と失敗との判断を表明。一つの根拠は日本時間の20日午後のフセインのテレビ演説が「アメリカ軍による20日未明の攻撃」とはっきり時間を述べていること。山勘で時間を挙げて事前収録した可能性もありますし、コンピューター処理した可能性もあるのですが。

 短期的な情報に振り回される日々が続きそうですが、そうした中で先行きに響く大きな動きや方向を見ながらいきたいものだ。戦争開始後の各国の反応を見ると、ロシアのプーチン大統領の批判が一番強い。


2003年03月20日(木曜日)

 (07:38)開戦の接近で一番救われたのはブレア英首相、という構図のようです。朝海外の新聞を読んでいますが、どうやら英国ではブレア株が急上昇している。

 The Daily Mail, a conservative newspaper normally critical of Mr. Blair, hailed him as a "prime minister at the peak of his powers, willing to lay his future on the line for a cause in which he passionately believes." In full control of the government, Mr. Blair made it clear Wednesday that the overthrow of Mr. Hussein was now a major war aim. Before, fighting to gain public support, Mr. Blair said his aim was to disarm Iraq of weapons of mass destruction and not necessarily to remove Mr. Hussein.
 デーリーメールはいつもはブレアに批判的な新聞だそうです。ところが、「自らが熱意を持って信じる大義につながる道に未来をかける意志を持った、力のピークにある首相」と絶賛。自らの党からは離反者が出ましたが、形としてはブレアはイギリスのすべての党(労働党、保守党、その他)から全てその対イラク姿勢を支持された形となった。変化は激しい。今後もそうで、戦争が長引けば彼の立場はまた微妙になる。

 この記事は「ここ数日は(イギリスでは)反戦のデモも少ない」と報じている。それを読んで思い出したのは、対アフガニスタン戦争の前のパキスタンの状況です。あれだけ反米デモが多かったのに、直前になったら全く見られなくなった。「もう始まるのだからやっても仕方がない」という判断の反映だという見方も出来るが、人間の心理のムーブメントとしても興味深い側面だ。

 「regime change」が目的ではない、あくまでも大量破壊兵器の廃棄が目的だと言っていたブレアも、ここに来て(水曜日になって)「the overthrow of Mr. Hussein was now a major war aim」と。これでstanding はアメリカと同じになったと言うことです。ということは、対イラク軍の目的な「フセイン一家の捕捉、ないし殺害」「それに続くイラクの体制転換」となった。
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 ところで19日はテレビ東京の「モーニング・サテライト」(朝9時前から一時間)という番組に頼まれて出て、高村前外務大臣と一緒でした。彼は直前に中東を訪問した。話をしていて、同じ政治家でも随分と迫力が違うな...と。いや誰と比較して、という訳でもないのですが。

 しかし、「アメリカの対イラク戦争の目的は」と聞かれて、「バグダッドの制圧」と彼は答えた。言いにくいのかもしれないが、あまりも実態とかけ離れている。日本の外交が分かっていることも口に出さない隔靴掻痒なものになっている、という印象を受けました。あれでは、まともな議論も出来ない。もうちょっと現実的な言葉を使った方が良いのではないかと思いました。

 番組の司会は八塩さんでしたが、彼女は3月一杯で番組を降りる。4月からは有給消化で、その後は退社だそうです。番組のCMの最中などに話していて、「オビで疲れました...」と。「テレビは人間を疲弊させる」という田丸さんの言葉を使っていましたな。ま、しばらく休養で、「そのうちまた何かしたい...」と。まあそうなんでしょうね。


2003年03月19日(水曜日)

 (07:43)パウエル国務長官が火曜日に、「“We now have a coalition of the willing that includes some 30 nations who publicly said they could be included in such a listing,” Mr. Powell said, “and there are 15 other nations, for one reason or another, who do not wish to be publicly named but will be supporting the coalition.”」と述べて「有志国連合(a coalition of the willing)」に名乗りを上げた国として数えたのは以下の通り。パウエルは約30と言っている。

 Afghanistan、Estonia、Netherlands、Albania、Ethiopia、Nicaragua、Australia、Georgia、Philippines、Azerbaijan、Hungary、Poland、Bulgaria、Italy、Romania、Colombia、Japan*、Slovakia、Czech、Republic Korea、Spain、Denmark、Latvia、Turkey、El Salvador、Lithuania、United Kingdom、Eritrea、Macedonia、Uzbekistan。日本についてのマークは、「*Japan's participation will be only after the conflic」となっている。ウォール・ストリート・ジャーナルから。

 30カ国を眺めていると、メキシコも入っていない。カナダも。アメリカの裏庭と言われた南米もほとんどない。逆に、東欧・バルト諸国の参加が目立つ。「名前をはっきり出せない15カ国がアメリカを支援」というのは、この手の大きな問題としては異常なんではないでしょうか。


2003年03月19日(水曜日)

 (06:43)FOMCは極めて希有な判断を示しました。金利据え置きは予想通りですが、「短期的な地政学的状況とそれが経済に及ぼす影響に関わる尋常でない不安定要因に鑑み、物価安定と持続的経済成長に関わるリスク・バランスを通常と同様に性格付けすることが出来るとは思わない」との判断を示した。

 要するに、アメリカ経済が景気悪化に向かっているのか、インフレ・リスクありの方向に向かっているのかは判断できない、どこに向いているのかを指し示すことは出来ない、と言っているのです。この判断は、ブッシュが演説をして以降に決められている。

Release Date: March 18, 2003

For immediate release

The Federal Open Market Committee decided today to keep its target for the federal funds rate unchanged at 1-1/4 percent.

While incoming economic data since the January meeting have been mixed, recent labor market indicators have proven disappointing. However, the hesitancy of the economic expansion appears to owe importantly to oil price premiums and other aspects of geopolitical uncertainties. The Committee believes that as those uncertainties lift, as most analysts expect, the accommodative stance of monetary policy, coupled with ongoing growth in productivity, will provide support to economic activity sufficient to engender an improving economic climate over time.

In light of the unusually large uncertainties clouding the geopolitical situation in the short run and their apparent effects on economic decisionmaking, the Committee does not believe it can usefully characterize the current balance of risks with respect to the prospects for its long-run goals of price stability and sustainable economic growth. Rather, the Committee decided to refrain from making that determination until some of those uncertainties abate. In the current circumstances, heightened surveillance is particularly informative.

Voting for the FOMC monetary policy action were Alan Greenspan, Chairman; William J. McDonough, Vice Chairman; Ben S. Bernanke; Susan S. Bies; J. Alfred Broaddus, Jr.; Roger W. Ferguson, Jr.; Edward M. Gramlich; Jack Guynn; Donald L. Kohn; Michael H. Moskow; Mark W. Olson, and Robert T. Parry.


2003年03月18日(火曜日)

 (18:43)「鳩君.....君だったのか...」ってなもんですな。午前中はお休みをもらって狭山湖の近くにある霊園にお墓参りに行ったのです。早めにと思って。結構な人がもう来ていました。しかし、狭山はまだ売りの緑もなく、西武・ダイエーのオープン戦でやや賑やかな程度。

 午後の2時に赤坂で会合の予定があったので、午後の12時30分位には霊園を離れてモノレールで立川に行き、そこから中央線の快速に乗ったのです。午後1時ちょっと過ぎだったと思った。「これなら、楽勝...」と思いながら。乗るといつもの通り直ちに眠りに。

 はっと目を覚ましたら、電車が止まっていて「下りの特急が異常な音で今車体を調査しています....」というアナウンス。なんじゃこりゃ、ってなもんです。本当に動かない。その時に会合には間に合わないな....と腹をくくり、直ちに電話、というわけです。理由は会合を終わってオフィスに戻ってネットを見て判明しました。

18日午後1時17分ごろ、東京都小金井市本町のJR中央線武蔵小金井駅構内を通過中の新宿発松本行き下り特急あずさ59号の運転士が、異音を聞きつけ電車を止めた。駅員らが調べたところ電車に異常はなかったが、ホームにいた乗客の話から、1羽のハトが先頭車両にぶつかったことがわかった。点検作業のため同線は上下線とも一時ストップ、5本の列車に最高8分の遅れが出、計2500人の乗客が影響を受けた(朝日新聞)
 ははは、私は1/2500だったというわけです。そうですね、鳩は大きいから当たり方によっては大きな音がするかも。運転手さんは心配だったんでしょうね。何か大きな事故の前兆ではないか、と。おかげで私は遅れましたが、まあそういうことはありますよ。鳩さんに合掌。


2003年03月18日(火曜日)

 (07:43)予想通りの展開ですな。それにしても、アメリカの株式市場の動き(282ドル高)は、市場が持つ特徴が色濃く出ている。

 それにしても、今回の事態の推移にはいろいろなキーワードを思い浮かべることが出来る。

 the power of street vs super power

 精密誘導攻撃 vs 市街戦

 国連の脆弱性の改めての露呈

 お節介で、他の国にとっては時に脅威にもなる善意

 独裁というシステムを国内的に突き崩すことの困難性

 超大国との付き合いの困難性

 内政不干渉を基本とする世界的なコンセンサスの脆弱化  

 まだまだいろいろあるでしょう。しかしもう始まってしまうと言う観点から見るのなら、アフガニスタンとは状況が違う中で、アメリカがどのような形での軍事的勝利を収めるのかが重要なポイントです。今後の世界の形を考える上で。株式市場の反応は、「短期勝利」を前提としている。

 戦争の展開に関しては、3月10日の時点でかなり詳しく予想しておきましたので、ご覧下さい。


2003年03月17日(月曜日)

 (07:43)ウォール・ストリート・ジャーナルを読んでいたら、アゾレス会談のあとの3カ国首脳の記者会見録全文がここ(物理的にアクセスできないかもしれませんが)にあったので、読んでいたら今後の展開を読む上で興味深い文章がいくつかあった。

We're committed to the goal of a unified Iraq, with democratic institutions in which members of all ethnic and religious groups are treated with dignity and respect.

To achieve this vision, we will work closely with the international community, including the United Nations and our coalition partners.

If military force is required, we'll quickly seek new Security Council resolutions to encourage broad participation in the process of helping the Iraqi people to build a free Iraq.

 というのがブッシュ。イラク領土の保全と再建には「国際社会の協力」が必要だとして、その中に国連を入れていること。これは戦後のイラクで復興を「a coalition of willings」だけでやるのではない、というサインです。17日一日の外交用かもしれませんが。イラク再建では安保理の決議も必要だと言っている。
This trans-Atlantic link, this trans-Atlantic solidarity, has always been, is and should continue to be, in my opinion, a great European commitment. And as such, amongst other things, we express it this way: Without this commitment, today's Europe could not be understood. And without that commitment, it would be very difficult to picture the Europe of tomorrow.

So I would like to invite our friends, our allies, to leave aside any circumstantial differences and to work together seriously for that commitment of democracy, freedom and peace, so that this becomes a commitment of us all.

 というのはアスナール・スペイン首相。フランスとドイツがアメリカと対立していることから、「米欧対立」がマスコミの一般的捉え方。スペインも「古い欧州」の一角だが、アメリカと歩調を合わせているし、「米欧のリンク」維持は現在も今後も欧州全体が目指すものであると。このリンクがなければ、「将来の欧州の図式も描けない」と。
Some of you will have heard me say this before, but let me just repeat it. I believe Europe and America should stand together on the big issues of the day. I think it is a tragedy when we don't. And that trans-Atlantic alliance is strong, and we need to strengthen it still further.
 ブレアも同じようなことを言っている。まあ、もう一度読んでみますが。私の今回のアゾレス諸島会議の分析は、ここに掲載の予定である。


2003年03月16日(日曜日)

 (11:43)土曜日の「ネクスト経済研」は非常に興味深かった。最近では一番面白かったと思う。議論が分かれる問題ですから、一方のゲストがもう一方のゲストの主張に「評価に値しない」と言い放つスタート。「どちらかが帰ってしまうのでは....」と思う最初の20分でした。

 今まで左目で見ていたテレ朝のサンプロも付け足しでこの問題に触れてはいたが、1時間の間この問題をずっとやったのは「ネクスト経済研」がイラク危機発生後では初めてでは。以下の文章は、私の番組に対するエッセイです。表面的な問題よりも、今こそこういう議論をしておくべきだと思う。

 読者がこの文章を読むときには、イラク情勢がどう展開しているか分からない。しかし、鮮明になったのは、国連、特に安保理の「機能不全」「問題解決能力の欠如」である。15日土曜日昼前の放送時点の状況を言うならば、国連安保理は「(合意形成で)万策尽きた」という状況なのだ。

 日本は国連憲章が第二次世界大戦の敗戦国である日独を対象とした敵国条項(第53、107条など)を残す中でも、国連を一貫して外交の中心に置いてきたし、今でもそうである。しかし、基本的には第二次世界大戦の戦勝国体制の永続化、理念化で出来た今の国連体制が本当にこれからの世界のシステムとして永続性のあるものなのか、価値のあるものなのかは検討に値するのではないか。ただ国連を理念化し、人類が得た最高の果実というような考え方をするのではなく、その現実と限界を見よう、今後はどういうシステムが理想的か、または理想とは別に実際の世界が動く方向はどうか、その手の議論が日本では欠如しているのではないか、というのがイラク問題を契機にした番組の趣旨だった。

 議論は緊要だ。この文章を書いているのは、米英西のアゾレス諸島会談の前だが、この場で新決議案の行方に対して悲観的な判断が下されれば、アメリカは国連安保理での議論を打ち切って、新決議案を採択するにしろしないにしろ対イラク攻撃に踏み切る可能性が高い。昨年秋の1441という国連決議を根拠に攻撃するから国連の権威が全く失われる訳ではないが(アメリカが国連の権威を借りているという意味で)、直前までの国連安保理での議論が無に帰すという意味では、「安保理の機能不全」は明らかだ。仮に議論することそのものだけが国連の役割だとしたら、世界における平和達成システムとしての国連に対する我々の期待値は下げねばならない。では、「世界の平和維持には」どんなシステムが必要か。

 二人のゲストをお迎えした。財団法人日本国際フォーラム理事長の伊藤憲一さんと、国際ジャーナリストの田中 宇(さかい)さんである。お二人の意見はかなり違い、伊藤さんが田中さんの意見に対して、番組の最初の方で「評価するにも値しない」という厳しいやりとりの中で始まった。司会をしている私としては、「ゲストのどちらかが帰ってしまうのでは」と思い、「そうなっても仕方がないかも」と考えながらの最初の20分ほどだったが、議論そのものは今の私にとっても大きな問題意識の一つだったので面白かった。

 伊藤(憲一)さんは言う。「そもそも第二次大戦の戦勝国体制である国連が、普遍的な理想を体現する組織だなどとの幻想を日本は捨てるべきだ。アメリカが新決議なしで対イラク攻撃に踏み切り、それに成功すれば国連は急速に国際連盟(あっけなく崩壊した)と同じ道を辿る。日本は安保理の常任理事国入りなど無駄な努力をやめ、米英などとともに国際新秩序形成に参画すべきだ」と。伊藤さんは、「アメリカとフランス、ドイツとの対立の根本原因は、ソ連の崩壊で欧大陸諸国に東からの脅威がなくなり、アメリカの威力を借りる必要がなくなったこと、アメリカが突出した超超大国になって、それを牽制する必要が生じ、この必要性にロシアも中国も気付いているから」と解説。「誰も意識しないが、冷戦構造のような二極構造になる可能性も」と。

 田中さんの国連に対する認識はかなり違う。「アメリカの中でも国連に対する議論は割れている」と。その通りである。であるから、今後の展開次第という面は残るとしながらも、「アメリカが対イラクの戦争に踏み切れば、アメリカが国連に距離を置く一方で、国連は非米同盟(反米ではなく)になる」と予想する。伊藤さんよりは、国連の存続意義を強く支持しているように見えたし、アメリカは自分をそこまで追い込むべきではないという主張。彼は番組出演時でも、「アメリカの対イラク攻撃はない」可能性が高い、と述べた。

 筆者が番組の前も、そして番組を進行しながらも思ったのは、例えば民主主義もリスクとしては衆愚政治に陥ったりする。しかし、独裁制などと比べての「less evil」の政治体制として世界で広く支持されている面があったが、それも綻びを来してきているのではないか、という点である。国連が「二重基準(ダブル・スタンダード)」を持った国際社会での民主主義であることは明らかだ。米英仏ロ中の5カ国には他の参加者には認められない「拒否権」がある。なぜか。第二次世界大戦の戦勝国だからだ。ルーズベルトはフランス抜きの4カ国体制を最初構想したと言われる。しかしフランスを入れた。アメリカが「フランスを甘やかしすぎた」というのはこの点も指す。ソ連が持っていた拒否権をロシアが引き継いだ法的根拠も筆者は知らない。つまり、かなり「いい加減なダブル・スタンダード」なことは確かである。

 しかしそれでも今の国連を「less evil」(選択肢の中でより悪くないもの)として維持し、それを基盤(国連改革を含めて)に世界のシステムを考えるのか、伊藤さんの言うように「今後かなり時間がかかるかもしれないが、アメリカを中心に進むであろう新しい世界秩序作りに日本は参加し、そこに新たな位置を占める」のか。

 世界各国も迷っているように思う。例えば、今の展開の中で一番難しい選択を迫られているイギリス。そのイギリスが誇る新聞ファイナンシャル・タイムズの3月14日の社説「Stand-off at the Security Council」は、この新聞としては歯切れの悪い社説で、珍しく国連の役割に関して何を言っているのか分からなかった。二番目の「Banking on a crisis」という日本の金融システムを取り扱った社説が「日本の銀行は国有化」という明確な主張を持っているのと対象的。

 この問題を考える上で、ジャパン・タイムズの3月13日付けに載ったジョージ・ソロスの「A bubble of U.S. supremacy」(アメリカの優越性を巡るバブル)は興味深かった。ブッシュが依拠し、その政策の基本にあるとも思えるアメリカの超大国認識、優越認識(supremacy)は「世界のGDPの30%を占め、世界の軍事費の40%を占める」(伊藤さん)という実態を持ちながらも、「今や株式市場におけるバブルのレベルに達したと」いうのだ。バブルも根拠を持つ。しかしその根拠を市場は誤認識、過大評価する。それがバブルであり、今のアメリカの超超大国認識にもそれが見られる、と。としたら、評価バブルに見舞われているアメリカにだけついて行くのは賢明ではないのかもしれない。

 一つはっきりしているのは、日本はしっかりと地に足をつけて今後の国際社会の行方を見定めて、立ち位置と今後の方策を考える時期だということだ。その検討の対象には、むろん国連という戦後システムも含まれる。


2003年03月15日(土曜日)

 (06:05)寝ている間に、こんなことになったのですか。フセインの退陣、ないしは国外退去が目的になりつつあるということでしょうな。しかし、それは「大量破壊兵器の廃棄」以外は言っていない国連の他の諸国の意向とは違っている。ま、この問題はいつでも大きく動きうる、ということです。

Bush, Blair, Spain's Aznar Will Meet to Discuss Iraq

WASHINGTON -- President Bush will travel this weekend to the Azores Islands in the middle of the Atlantic Ocean to confer with his two closest allies on Iraq in a hastily arranged meeting aimed at raising pressure on Iraqi President Saddam Hussein.

Mr. Bush, British Prime Minister Tony Blair and Spanish Prime Minister Jose Maria Aznar will discuss strategies for salvaging the trio's troubled war resolution at the U.N. The leaders also are likely to discuss plans for Iraq in any scenario in which President Saddam Hussein is deposed.

Billing the meeting as a diplomatic summit, officials said the leaders won't discuss battlefield tactics and detailed military strategies, even as they acknowledged that Mr. Bush was prepared to drop his bid for a U.N. resolution and fight Iraq without the world body's consent or assistance.

White House spokesman Ari Fleischer didn't say there were any assurances the three leaders would be able to agree on the language for a new resolution. He repeatedly said the summit is a "last effort" at reaching a diplomatic agreement that would put enough pressure on Mr. Hussein "to see the writing on the wall and get out of Iraq.


2003年03月14日(金曜日)

 (18:05)昨年4月に始めたこの局の番組「ネクスト経済研」が、今週で「50週目」です。50と聞くと、「一年経ったのだな....」と。なぜなら、一年は52週ですから、50週目ということは、あと2週間で一周年ということになる。

 地上派の番組は、盆、正月などに休む。特別番組が入るからで、それ以外でもスポーツ・イベントなどで休みが入って、一年間に52回やることはマレです。週一の番組は。しかし、BSはそもそも盆、正月という発想があまりない。ですから、週一の番組は確実に年間52回ある。

 VHSのテープが溜まって困ると書いたのは、この番組のテープです。今週の分が送られてくれば、50本目。しかし過去一週間程度の間に25本のVHSテープをDVDに移し替えることに成功しました。

 そして不要になった25本のVHSテープのうち、10数本は「欲しい」と要望を寄せられた方にお送りしました。なんなりとお使いください。そして、今後はVHSのテープ送りを局に止めてくれるように頼んだ。なぜなら、時間設定して番組をそのままDVDに録画すればよいからです。

 それで初めてBSらしい綺麗なままでの録画が出来る。毎週局が宅急便を使うコストもかからなくなるし、我が家の部屋も綺麗になるしと良いことだらけ。ただし、録画を忘れるリスクはありますね....。本当は局にDVDディスク送りを依頼したのですが.....。テレビ局はなかなか対応が出来ていない。


2003年03月14日(金曜日)

 (06:05)イギリスの最終的な六つのベンチマークは以下のようになったようです。しかし、フランスはこれに拒否権行使を強く示唆、この結果米英西が提案し、イギリスが修正案をつける予定だった新決議案は採決されるかされないかわからない状況となった。ブッシュは先週の記者会見では「負けても採決」と言っていたが、それではブレア政権が苦しくなりすぎる。

  1. A statement in Arabic to his country by Mr. Hussein admitting that Iraq sought weapons of mass destruction and is now renouncing them.
  2. Surrendering stocks of anthrax or proving an estimated 10,000 liters of the agent have been destroyed.
  3. Sending 30 Iraqi scientists and their families to Cyprus so that they can be questioned about Iraq's weapons program without fear of intimidation.
  4. Surrendering mobile biological-warfare production units.
  5. A commitment to destroy its Al Samoud 2 missiles.
  6. Accounting for drone aircraft.
 多分、14日に採決するにしろしないにしろ、その直後にアメリカは数日の期限(ジャーナリストや人間の盾の人々の国外退去の期間)を置いて、最後通告を突きつけるとみられていたがが、フライシャーは採決が来週になる可能性も示唆している。これは、イギリスに対する配慮でしょう。


2003年03月13日(木曜日)

 (06:05)イギリスが13日の安保理で提出すると見られる新決議案の修正事項(6項目提案)を読んでいると、各紙によって微妙に違う。ということは、表現とか期限がまだ詰まっていない、ということでしょう。イギリスはこれを、「フセインが期限までに達成すべき基準(benchmark)」と呼んでいる。

 達成期限は、ミドル6が要求している45日間より短く、一週間から10日。しかし、アメリカがイギリスの提案を飲むかどうかは不明の状況。イギリスの案は、フセインが受け入れそうもないという点において、ほぼ確実に武力行使に繋がるもので、そういう意味では「regime change」を目標にしているアメリカが受け入れ可能なものになっている。

 ただし、アメリカ政府部内では「進まない外交」に堪忍袋の緒を切らし始めている向きもあるようだ。このところしゃべると必ず問題を起こし、スペインの首相から「黙らせろ」と言われたラムズフェルドは、「(イギリス抜きの)対イラクでのアメリカの単独行動」の可能性を示唆。あとでこれを修正したし、イギリスのブレアは「参加する」と述べたものの、この「単独敢行説」が株価を押し下げた。  6条件に関しては、最初に掲載するのがウォール・ストリート・ジャーナルやワシントン・ポストに載っていたもので、次がニューヨーク・タイムズに掲載されていたもの。日本の新聞はニューヨーク・タイムズ版を採用しているところが多いが、いくつかの新聞のそれにはやや翻訳に疑問符が付くものがある。。

  1. A television appearance in which Mr. Hussein renounces weapons of mass destruction
  2. Baghdad's permission for 30 key weapons scientists to travel to Cyprus to be interviewed by U.N. weapons inspectors
  3. The destruction “forthwith” of 10,000 liters of anthrax and other chemical and biological weapons Iraq is suspected of holding
  4. Surrender of and explanation for biological weapons production
  5. A commitment to destroy proscribed missiles
  6. An account of unmanned aerial vehicles
 ――――――――――
  1. Mr. Hussein must admit on Iraqi television that he possesses weapons of mass destruction and will now disarm fully.
  2. He will account for and destroy stocks of anthrax and other biological and chemical weapons.
  3. Mr. Hussein will permit 30 scientists and their families to fly to Cyprus for interrogation by United Nations weapons inspectors.
  4. He will admit to possession of an unmanned drone aircraft discovered by inspectors.
  5. He will promise to destroy mobile production facilities for biological weapons.
  6. Mr. Hussein will pledge to complete the destruction of all unlawful missiles.
 フランスは、ミドル6が提案した45日間の延長案も「その期限切れで自動的に攻撃」という内容だから賛成できない、という立場。しかし、彼らにとっての落としどころはこの辺にあるのかもしれない。ただしこれはアメリカがノーと言っている。

 苦しくなったのはフレア政権です。国連決議なしで戦争に踏み切った場合には、特に戦争が長引けば、フレア政権は飛ぶ。何人かの閣僚は辞任し、労働党が彼を見放すでしょう。世論はもう「新国連決議を取れない場合の彼」を見放している。ここ数日がヤマ場ということだ。


2003年03月13日(木曜日)

 (00:05)「どんなところかな...」「どんな人かな...」という二つのかねてからの疑問が、一挙に解けました。慶応大学の藤沢キャンパスと村井純さん。

 ある雑誌の企画がらみで、12日にわざわざ辻堂の駅まで行って、タクシーで藤沢キャンパスに。社会勉強にもなる。一度行ってみたかったのです。どんなところか。びっくりしましたね。凄い田舎で、施設はまだ10年くらいしか経っていないので綺麗なのですが、とにかく周囲に何もない。まるで神奈川県の筑波のような感じ。

 春休みの最中と言うこともあったのでしょうが、学生もすっごくまばら。この場所でコンピューターで言うところのイニシャライズされ、この地に住んで4年を過ごしたら、それはそれで社会性とか、社交性に問題のある学生がやや多く出るのではないかな...と人ごとながら心配になった。

 それはさておき、村井さんと面と向かって会うのは初めてです。IPV6の講演会(去年の末に経団連会館であったと思う)などではこちらは聴衆の一人として拝見し、質問もぶつけた(彼は私の質問を覚えていてくれましたが)こともあるのですが、一度会いたいと思っていた。

 面白い話とか、彼が言うところの”やばい”話がいろいろ出てきました。30分ちょっとの予定が、1時間になりましたかね。詳しくは雑誌の記事を読んで頂ければ良いのですが、ネット草創期の話とか、IPV6をからめた日本のネット環境に関する認識、どんな人との出会いを大事にしていたかなどがミソでした。

 彼に関しては、伝聞情報が山のように流れていて、何冊もの本になっている。しかし今回の文章は、もっぱら彼から聞いたことだけで書こうと思っているのです。なぜなら、彼自身が自分に関する伝聞情報や周囲の勝手な分析に癖壁としている様子が伺えたし、彼の言葉以外から導入する必要のある情報はそもそも少なくていい、と思うからです。そういう意味では、もう一度1時間くらい会うと面白いのですが。

 それにしてもあのキャンパス。建物(私が見に行ったのはたった一つですが)の外見はいいのですが、一歩中に入ると「故障」と紙が貼られたコンピューターが廊下にごろごろしていたり、その他の機材が部屋からはみ出して出張ってきていて、廊下は僅かに人が通れるくらい。面白い建物ですが、「もうちょっと綺麗に使ったら....」と思いました。居心地はいいんでしょうが。


2003年03月12日(水曜日)

 (09:05)銀行は何でこんな簡単なことが出来ないのだろう、と思っていたことの一つがネットバンキングで出来るようになりましたね。ネットで送金すると同時に、その送金先にメール、メッセージを送る機能です。

 先週末から今朝の午前9時までみずほはネットバンキングを止めていた。けしからん....と思っていたのです。その間にもいろいろ用事があって利用したかったのに出来ない。平日の二日間を止めるのですから、相当な根性だと。

 今朝入ったところ、画面的にはあまり大きな変化はない。最近の不祥事の関係もあるのかもしれないが、「第二暗証番号」というのが銀行サイドから付与されることになったことと、このメール機能が変化点かな。「遅れて申し訳ない」とか、「この前の飲み代の精算分です」とか、メッセージを入れられる。また、今のところですが、操作感は向上した。

 今までは不便だったのです。ネットで送金して、またメールや電話で知らせるというばからしさ。これからは送ると同時にメールで連絡できる。連絡先を携帯メールのアドレスにすれば、オンタイムで相手方に送金が連絡できる、相手方もネットバンキングをすれば、入金をほとんど即時に確認できる(営業時間中ですが)ということになる。

 この機能は、他のネットバンキングのサイトも採用して欲しいものです。


2003年03月11日(火曜日)

 (23:59)1997年から続けている「サイバージョーク」の2003年版をここにアップしました。ちょっと遅かったですかね。

 しかし、いろいろやっているものですから、腰を落ち着けてなかなか作れない。しかし、それほどたいした仕事でもないので、時間を見ては今後も作っていこうと思います。何か良いジョークがあったら、送って下さい。


2003年03月10日(月曜日)

 (18:59)ニューヨーク・タイムズのネット版を読んだら、米政府当局者の話として、「最後の望みは残しているものの、アメリカは新決議案の安保理通過に必要な9票を取れないでいる」とある。「Urgent Diplomacy Fails to Gain U.S. 9 Votes in the U.N.」という記事で、チリとギニアが「イエス」とは言えないとは言っているらしい。

 チリが反対しそうだというのは、この国の代表が「10日間では短すぎる」と言った段階から明確な兆しがあった。ミドル6のうち、少なくとも5カ国が賛成しなければ賛成国9にならない。今のところ明確に支持しているのは、アメリカ、イギリス、スペイン、ブルガリア。

 苦しくなったのはブレア政権です。新決議なしで戦争に入ったら「辞任する」という閣僚が何人かいる。そこでアメリカは「数日」なら、17日という期限を延ばしても良いと言っているらしい。しかしいずれにせよ、先週ブッシュが記者会見で述べたとおり、新決議案を採決にかけるという。負けても戦争に入る、というのがブッシュの今の姿勢。

 一方ワシントン・ポストには、イランのの核開発のペースが加速しており、この微妙な時期にブッシュ政権にとっての大きな課題になりつつあると報じている。加えての北朝鮮で、ブッシュは一挙に大きな問題をいくつも抱え込んだ形となっている。

 一つアメリカにとって朗報は、トルコでエルドガン氏がこの日曜日に国会議員に返り咲き、与党・公正発展党のトップとして首相への道筋がついたことか。彼が首相になれば、アメリカ軍の駐留にokがでる可能性が高い。


2003年03月09日(日曜日)

 (18:59)ほんまに時間がかかります。この週末これまでに、時間を見つけては10本のVHSテープを5枚のDVDRWに転換しました。各1時間のVHSテープですから、10時間はかかったということです。

 もっとも当たり前ですが、ずっと掛かりっきりではない。初めとエンドの面倒を見るだけで良い。間の時間は別のことをしている。文書を書いたり、本を読んだり。しかし、中味を偶にちらちらと見ると、ああこのときはこうだったのか、と懐かしいところもある。

 先に「ビデオモード」にすると他のDVDプレーヤー(やPC)でも見ることが出来ると言うことで、そのモードに触れたのですが、その後いろいろやってみて、結局DVDRWの普通の記録モードであるVRモードで録画することにしました。というのは、VRモードでないとディスクの編集が難しいからです。

 VRモードでも他のDVDRWレコーダーでもファイナライズすれば見ることが出来る。PCで見ることは諦めました。とにかく、今のうちにデジタル化しておこう、ということです。一端デジタル化すれば、あとは処理が楽ですから。

 とりあえず、番組の1年分のVHSテープを20枚強のDVDRWに転換する予定です。そうすると、部屋のスペースがかなり空く。困っているのは、使わなくなったVHSテープです。誰かいりませんかね。我が家ではもうこのテープは使わないので、どこかに寄付しようかと思っているのですが。


2003年03月07日(金曜日)

 (14:59)ずっとブッシュの冒頭声明、記者会見を聞いていましたが、ブッシュらしい声明・会見でした。気がついたのは二つ。「思ったより長かった」ということと、ブッシュの記者会見の最後の方はネットが重くなった、ということ。時間について言うと、「30分くらいかな」と思っていたら、50分以上に渡った。ネットに関しては、世界中でこのブッシュの記者会見を見た人が多かったのでは。ニューヨーク・タイムズなどはずっとライブで冒頭声明・会見をネット配信していました。

 気になった単語や表現をいくつか記録しておきます。

  1. アメリカを守るのに誰の許しもいらない(we really don't need anybody's permission" to defend the United States)ーーーテロの標的はアメリカで、大統領としてそのアメリカを守るのが責務であるから、国連安保理がなんと言おうと必要なこと(最終的な武力行使)をする、と
  2. アメリカは今戦場にある(Sept. 11 "should say to the American people that we're now a battlefield)ーーー今は戦争状態なんだという認識。その認識は、アメリカ国民に対応を求めるこのサイトに鮮明
  3. (米英西提出の新決議案が安保理で通過しないとしても)アメリカはフセインの武装解除を思いとどまらない(A defeat would not deter him, he said, from disarming Mr. Hussein)ーーー武力行使をする、と。通らないのなら、採決を求めないのではという米紙予想を裏切って、「カードを見せ合」って正々堂々とやると言ったのが意外でした
  4. I will not leave the American people at the mercy of the Iraqi dictator and his weapons
  5. (北朝鮮問題に触れて最初に)"regional issue"と言った後、これは China, Russia, Japan それに South Korea と協議すると述べて、依然として北朝鮮との直接対話を拒否(ただしイラク後は北朝鮮にブッシュの関心は向くと思う
  6. 「フセインは性悪だ」というのが、ブッシュの基本的考え方。使った単語は、the nature of the manで、同じ印象を彼は金正日にも持っている、と思う
  7. The risk of doing nothing, the risk of hoping that Saddam Hussein changes his mind and becomes a gentle soul, the risk that somehow that inaction will make the world safer, is a risk that I'm not willing to take for the American people.
 記者会見の最後の方に何回も出てきたのが「regime change」という単語です。国連はこれを求めてはいないし、イギリスもそこまでは言っていない。しかし、ブッシュは「体制転換→フセイン退陣」を明確に繰り返し主張していた。今のフランス、ロシアの姿勢からすると、一回ぶつかり合うと言うことでしょうね。


2003年03月07日(金曜日)

 (05:00)ラジオの為に早起きしてウォール・ストリート・ジャーナルから読み始めたら、中国の江沢民がシラクに電話してフランス、ドイツ、ロシアの立場への支持を表明したと書いてある直ぐ下に、ブッシュが日本時間7日の午前10時から記者会見と。

 Separately, President Bush plans to hold a press conference at 8 p.m. EST Thursday, but administration officials said he hadn't yet decided on whether to go to war. White House spokesman Ari Fleischer said the president will begin his news conference with brief remarks on the war on terrorism and also on the need to disarm Iraq.
 米東部標準時の木曜日午後8時ということは、ゴールデンタイムです。アメリカの全てのテレビはこれを生中継するでしょう。記者会見そのもののについての記事ではこれがまとまっている。そこでブッシュは記者会見の冒頭声明として「テロリズムとの戦いでの勝利、イラク武装解除の重要性」に関して述べる、とフライシャー。

 ワシントン・ポストの記事によると、記者会見はホワイトハウスのイースト・ルームから行われ、これはブッシュ政権になってから2回目。ブッシュはこれまで11回の記者会見を開いているが、そのうちこの部屋からの記者会見は2回目でしかない、ということは重要なものなんでしょう。しかし、直ちに戦争を始めるか否かという声明にはならない、という。

 それは、ブリクスの報告を直前(同じく7日、ニューヨークで)に控えてその声明が出る前に立場を表明するのは、いかにも国連無視となるから。従って、「アメリカの基本的立場の改めての表明」となる。その時、どの程度国連の御旗を立てるのか、それとも「アメリカは場合によっては独自に動く」と言うのか。たぶん、時間を例えば30分とかに区切ってくるのではないか。

 中国が予想されたこととはいえフランス、ロシア、ドイツの立場に支持を表明したことから、アメリカの新聞には「孤立(isolation)」という単語が登場するようになっている。昨日読んだワシントン・ポストがそうだった。つまり、ブッシュとしては包囲されたという印象でしょう。それを自分の流れに戻す意図が、この記者会見にはあると読める。

 一方、ストロー英外相は「to negotiate the wording of the draft resolution on Iraq」と。新たな国連決議なしに戦争には向かわない、と言っているブレアは苦しい。そこでなんとしても決議案を通そうとしている。しかし、フランス、ロシア、ドイツ、それに今は中国はこの戦略には乗らない。ということは、イギリスは苦しいと言うことです。


2003年03月06日(木曜日)

 (00:54)表面では対立が鮮明だが、一方では戦後のイラク作りで国連の場で活発な動きがある、と英タイムズが伝えている。国連が合法的政府の存在する国(この場合はイラクのフセイン政権)に対して、こうしたプランを立てるのは国連憲章違反のタブーだと。しかし、国連としては準備せざるをない、ということでしょう。

 今夜はこの記事(UN leaders draw up secret blueprint for postwar Iraq)が一番面白い。イラクに勝利したアメリカは当面Lieutenant-General Garnerという人物の下で、当面イラクを治める。約三ヶ月後に、国連が入って東チモールやアフガニスタンを例にしながら、イラクを治める方向で検討が進められているという。ガーナーとは誰か。タイムズには以下のように書いてある。

 Lieutenant-General Garner heads the Pentagon office of reconstruction and humanitarian affairs formed in January, which is assembling a “government-in-waiting” of Iraqi exiles and American advisers to head Iraq’s major ministries and public works agencies.
 これによれば、1月から米国防総省で戦後イラクを設計している人物。階級から言えば「中将」。で、3ヶ月のアメリカの支配のあと、国連が入ると言う形になるようだ。
The 60-page plan was ordered by Louise Frechette, the Canadian deputy of Kofi Annan, the Secretary-General, and was drawn up at the UN’s New York headquarters by a six-member pre-planning group. It envisages the UN stepping in about three months after a successful conquest of Iraq, and steering the country towards self-government, as in Afghanistan.

The plan resists British pressure to set up a full-scale UN administration. It also says that the UN should avoid taking direct control of Iraqi oil or becoming involved in vetting Iraqi officials for links to the President or staging elections under US military occupation.

It proposes instead the creation of a UN Assistance Mission in Iraq, to be known as Unami, to help to establish a new government.

UN sources expected the plan to be implemented even if the US goes to war without a UN resolution authorising military action. It recommends that the UN immediately appoint a senior official to co-ordinate its strategy, who would become the UN special representative in post-war Iraq.

Sources said that Lakhdar Brahimi, the UN troubleshooter who organised the creation of the Government in Afghanistan, would be approached about a similar role in Iraq.

 ブラヒミという人物は思い出しますね。フランスやロシアがこうした国連サイドの動きに協力するのかどうか。国連はアメリカが新たな安保理の決議なしで戦争に移った場合でも、検討しているイラク統治案を実施に移す意向と言うから、「米 対 仏独露」の対立で先行きが見えなくなったとだけ考える必要もないように見える。国連はそれなりに準備しているし、各国とも落としどころは考えている面もある。


2003年03月06日(木曜日)

 (00:49)アメリカが腹を決めたなら、この三カ国も腹を決めた。ということは、collision course (対決路線)ということです。

PARIS, March 5 - In a serious challenge to the Bush administration, the foreign ministers of France, Germany and Russia said in a joint declaration today that they would not permit passage of a Security Council resolution authorizing the use of armed force against Iraq.

The French foreign minister, Dominique de Villepin, appearing at a news conference together with his German and Russian counterparts, suggested that France and Russia, both permanent Security Council members would use their right of veto to block any effort by the Bush administration to pass such a resolution.

Russia and France, as permanent members of the Security Council, Mr. de Villepin said, would assume their full responsibilities on this point. As Mr. de Villepin spoke the Russian foreign minister, Igor S. Ivanov, nodded agreement at his side. (ニューヨーク・タイムズ報道)

 決して望ましい事態ではない。しかし実質的に超大国化したアメリカが独自路線を採ったときには起こりうる話だった。それが、対イラクの姿勢で生じた。ドビルパン仏外相の発言を解釈するならば、ロシアに続いてフランスも拒否権を使うことを決意したと言うこと。

 となれば、先のワシントン・ポストの報道を待つまでもなく、アメリカは決議案を安保理にかけない。かけないで、先の1441を理由にイラクに対してa coalision of the willings(意志ある国々の連合)で武力行使に出ると言うことです。フランスやロシアがまさかイラクの側に付くと言うことはない。どうするんでしょうか。ただ見ているだけにするのでしょうか。それとも、最後にフセインに対する圧力をかけ、戦争の発生を未然に防ぐのか。

 それとも最後の段階で、両者の歩み寄りによって妥協が成立するのでしょうか。今の両方の姿勢からすると、歩み寄りはないように見える。これだと開戦は早まる可能性もある。イラクは、引き続きアッサムード2の廃棄を継続。これからの世界は、そうとうがたがたするでしょうな。


2003年03月05日(水曜日)

 (18:49)まだパーフェクトではないのですが、家にごろごろしていてすごく嵩張って邪魔で何十本とあるVHSテープのコンテンツをDVDディスクに落とすトライをここ数日していたのですが、ほぼ行けたかな.....というところまで到着しました。結構ややこしかった。それはテレビを通して移そうとしていたからで、それを直(VHS再生機→DVDレコーダー)にしたら前進した。

  1. VHS再生機の裏側にある「出力」から、DVDプレーヤーの「入力」の line 1 か line 2 にプラグを差し込む
  2. その際に、DVDのモードを「ビデオ」モードにし(もう一つモードがありました)、入力先を入れた先に指定する。「ビデオ」モードは最後の「ファイナライズ」とともに収録DVDを他のマシンでも見られるようにするためである
  3. 再生機の再生を始めると同時に、DVDサイドでも録画を開始する。そうすると、VHSテープの中身がDVDに移動する
  4. 録画が終わった段階で、「設定画面」にかえって「ファイナライズ」を行う。これは、PCを含めて他のマシン(当該機以外という意味)で映像と音声を再生するため
 このファイナライズは、場合によってはちょっと時間がかかるようです。

 家に来るVHSテープが膨大な数になり処理しきれなくなっていることは以前ここに書きました。それ以来、内藤さんに聞いたりいろいろ調べていたのです。やっとここまで来た。

 大きさ比べをしてみると、VHSテープに比べDVDディスクの方がはるかに薄く、小さい。それが重要なのです。VHSテープをそのまま積み上げていくと、いつか大変なことになる。本当はテープを送ってくれるテレビ局がせっかくBSテレビの番組なのだからDVDに落として送ってくれれば良いのです。

 それにしても、今までのVHSは自分で処理するしかない。ま、時間を見つけて徐々にDVDディスク化していく予定です。なぜなら、「印刷屋さん45」に聞きに行ったのです。この一連の過程で。安かったら店で処理してもらおうと思って。で、いくらだったと思います。

僕 すみません、VHSテープをDVDに転換したいんですが、おいくらくらいで
店員 えっと、ちょっと待ってくださいよ.....(プライスリストを持ってくる)
僕 .........
店員 ありました。えっと、2時間のVHSテープをDVDに転換して7000円です
僕 はあああああ。7000円ですか
店員 そうなんですよ、ちょっと高いですね.....
僕 50本近くあるのですが、.....ということは7000×50で35万ですか
店員 はい、そうですが......
僕 じゃ、さいなら。
 だれか、暇なときに商売にしたら。時間のかかる仕事ですから、時間に余裕のある人しかできないでしょうが。


2003年03月05日(水曜日)

 (06:49)「松井ウォッチ」を始めたので、どうせならと思って専用サイトを作りました。ご興味のある方は時々覗いてください。

 このコーナーの一角に置きました。


2003年03月04日(火曜日)

 (15:49)アメリカとイギリスはとうとう腹を決めましたかね。残念なことですが。9票取れないのなら、新決議案に対する評決も求めない、かつ来週以降に渡ってイラク問題を国連で討議する意義も認めない、と。としたら、もうやることは決まっている。

The United States and Britain have agreed that it is pointless to continue a U.N. Security Council debate over Iraq beyond next week, but are unlikely to press for a vote on their new resolution authorizing war unless they are assured of the necessary nine votes, U.S. and diplomatic officials said yesterday.

Officials said a report to the council by chief U.N. weapons inspector Hans Blix on Friday will be the beginning of an endgame to quickly resolve the question of U.N. support for military action with a final showdown between the United States and France, the most powerful opponent of early military action.

 湾岸には米軍首脳が「必要」と主張していた25万人の将兵が集結しているという。まあフランスなどに「拒否権行使を思いとどまらせる、他の安保理理事国にアメリカへの同調を求める最後の揺さぶり」かもしれませんが。戦後初めて、重要問題で西側が割れる危険性が高まったと言える。


2003年03月04日(火曜日)

 (06:35)面白いですな、最近は。実際の店が開店する前に、ネット上案内がまずオープンする。私が店の前でゲットしたパンフもこれでした。昨日紹介したハレルヤです。私のいるオフィスの隣に出来たレストランです。まさかと思って私はネットを調べなかったのですが、木村さんと小林君がハレルヤ本店のサイトを教えてくれた。

 なんとこのハレルヤについては、ロンドンの小林君は大久保の店に行ったことがあるらしい。メールには

 以前「松屋」という座敷の韓国料理に筒井さんと行きましたよね。曙やツンクの贔屓の店ですが、入り口は漢字以外ハングルばっかりで、一見ではかなりはいりづらい雰囲気でしたね。

 ハレルヤは職安通りを大久保側に向かってガードの手前の道。ホテルが軒を連ねる怪しげな、いかにも新大久保らしい路地にある店です。一般向けとしてはこの界隈では老舗ではないでしょうか。少なくとも1年半前まではかなり繁盛してて、数年前に隣の店舗と合わせて拡張改装しました。味は結構いいですよ。新大久保(百人町)エスニック街入門編というところですね。でも青山って感じではないですね・・・

 とある。へえ、その「拡張改装」したのが、安辛房ってやつかな。「松屋」ね。改めて調べたらネットサイトがありました。ただしこれは店のオフィシャルではない。行った人が作ったサイト。この人は骨鍋を紹介していて、私もこれを食べましたが、あと美味しいのは「ちじみ」です。ああこの人のサイトには載っている。これです、これ。薄焼きのような。ネギが効いていた。

 「松屋」は小林君達と行ったとき(随分前です)はお世辞にも綺麗な店ではなかった。しかし、数ヶ月前にある人から「松屋は綺麗になった」と聞きました。しかし、私は綺麗になった店には行ってない。ここの鍋とちじみはまた近く食べたいな。


2003年03月03日(月曜日)

 (12:35)大好きだった和食「穂積(ほずみ)」が潰れて、その後が韓国料理になるところまでは書きました。今朝出社したら、「6日開店」で次の店が全容を見せていた。

 韓国家庭料理「ハレルヤ」青山店というのが、新しい店のタイトル。説明にはこう書いてある。

大久保百人町・コリアタウンの雰囲気・味・量・価格をそのまま青山に。
 店の中をのぞいてみました。うーん、新宿の雰囲気かな。青山にあまり相応しくない赤いテーブルが5つ程。メニューは出来ていなかった。どんな料理を出すのやら。夕方開店、閉店が夜中、と。そうか、穂積の時のように昼に使うことが出来ない。


2003年03月01日(土曜日)

 (23:35)せっかくの土曜日なのに、よう降りましたね。いや、まだ降っている。朝家を出るときにはまだ降っていなかった。しかし、新宿で電車に乗って八王子を過ぎたあたりから降り始め、諏訪にいた5時間の間ずっと強い雨。東京に帰ってきたら、もっとすごい雨。

 雨の中の電車移動は眠い。で、行きも帰りもほとんど寝ていたのですが、家に帰り着いても眠かった。しかし、配達されていた「選択」の最後の記事「ザ・サンクチュアリー」を読んだら、目が醒めました。

 久しぶりに凄まじい記事でした。非署名の記事ですが、誰が書いたか、どういう意図で書いたかは推測できる。最後の締めの言葉が、「丸裸にしてやる」ですから、ポーズは「fighting」です。



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