2003年07月31日(木曜日)

 (07:45)このページを更新しました。


2003年07月31日(木曜日)

 (07:40)あらら、中国の電力不足とその産業への大きな打撃が日本の新聞記事になってしまいました。アモイの停電については、先週の金曜日25日のこのコーナーである企業の方の話として伝えたのですが、朝日のサイトを見たら、以下の記事がある。

上海、異常高温続きで電力不足 操業停止1千社

 例年にない異常高温続きの上海で電力不足が深刻となり、企業の生産活動に影響が出始めた。上海市は30日から、(1)市内1000企業の操業停止(2)30年代の建築物が並ぶ観光地の照明自粛(3)市民への節電要請などの措置を取った。同市は、この電力不足は9月上旬まで続くとみており、新型肺炎(SARS)問題に続くダブルパンチとなっている。

 電力不足は約3600社にのぼる日本の進出企業も直撃し、日本貿易振興会(ジェトロ)上海事務所によると、生産業の3分の1から2分の1が何らかの被害を受けているとみている。

 同事務所の電話聞き取り調査によると、「この1週間、必要量の半分しか供給されない」「午前8時から夜11時まで電力量が2〜3割にダウンするので深夜操業に切り替えた」「ある日突然停電する」など深刻な声が寄せられたという。

 以前のある企業の方の話だと、停電は企業のランクがあって、ランクの下の方から実施された。アモイの話ですが、どうやらアメリカ企業が優遇されていたらしい。「優遇」とはつまり、電気が止まらなかった。上海がどうかは知りません。しかし市内1000社というのは、ほぼ軒並みに近いのでは。「30年代の建築物が並ぶ観光地」とは、新海地(といったっけな)のことかもしれない。そこはたいした大きな街ではないのに、観光地の電気を止めるとは。

 中国もいろいろなリスクがあるのですが、電力不足はそのリストに入ってきたとは驚きです。まあ、「異常高温」ということなので来年はないかもしれませんが。水不足の福岡や松山のホテルに泊まったことはありますが、私はまだ電力不足の都市にはいたことがない。どうなんでしょうか。東京は回避できたようですが。


2003年07月30日(水曜日)

 (17:40)アメリカの消費者信頼感指数が大幅に悪化したにもかかわらず、米金利は上昇。10年債の利回りで4.46%を付けた。同指数は予想外の76.6への低下。市場の予想は6月の83.5から85への上昇予想だったから、これはサプライズだ。

 この数字をうけた米債市場では金利が一端下がった。これは納得できる反応だ。米金利の上昇が前提としていた景気への楽観論に疑問を呈する数字だからだ。しかし、あと売り物に押されて金利が急上昇。なぜか、という問題を考えていて、一つの数字に目が行った。証券会社のレポートの中にあった数字である。

  1. 2002年末のアメリカの対外純資産は2兆6052億ドル(市場価格表示)のマイナスで、これは前年末の−2兆3143億ドルから増大した
  2. 内訳は対外資産が6兆4736億ドル、負債が9兆0787億ドル。アメリカは対外経済関係において世界最大の巨大な負債超過国である
  3. 重要なのは、2003年は対外資産と負債がフローで生み出す投資収益収支がマイナスになる可能性が強いこと。2002年は依然としてこの収支は87億ドルの黒字。これはアメリカの対外資産が直接投資中心で投資収益率が高い。対して負債は間接投資が多くて投資収益率が低い
  4. このアメリカの対直接投資収益率(利益/資産)は依然として高いが、2002年には18.8%と1990年の30.6%から大幅に低下。負債の収益率も下がっているが、大幅な貿易収支赤字(年間5000億ドル近く)でこの投資収益収支の黒構造は崩壊しつつある
  5. ということは、今後のアメリカという国は純負債と投資収益赤字で多少貿易収支が黒字になっても、経常ベースでは赤が増え続ける国になる危険性がある
 何を言いたいかというと、景気回復期待もあるかもしれないが、金利が上昇するのはそれだけが要因ではない、ということです。リスク・プレミアムも供給サイドの問題もある。アメリカの財政赤字は危険性としては4500億ドル近くに達する予定。加えて貿易収支は5000億ドルを超える赤が確実。ということは、双子の赤字で1兆ドルに達する赤が出る。

 今回の上昇が始まる前の米金利低下の理論的根拠は「デフレの危機」でした。これはFRBが米経済に対する強気の姿勢を崩さず、利下げを小幅にとどめたことなどもあってセンチメントが変わった。その後は米景気回復論だけで上がったとされる。そうだろうか、と私は思うわけです。

 「アメリカが債務国なんてのは昔から」「何を今更」というのも一つの議論。それはそうだ。しかし一つ付け加えるとすれば、市場の関心がどこに向かうかを考える必要はある、ということでしょう。
 ――――――――――
 夕方ウォール・ストリート・ジャーナルを見たら、「Trade With China Is Heating Up As a Business and Political Issue」という記事があって、人民元(yuan)の切り上げを含む対中経済関係が政治問題化しつつある、と報じている。

With consumer confidence shaky and unemployment at a nine-year high, American anxiety about China's export prowess and the exodus of U.S. jobs overseas is emerging as a significant political issue.

Just Tuesday, three of President Bush's cabinet secretaries traveled to the Midwest to tout the administration's tax cuts and got an earful about China instead.

"How can a tax cut help our economy when it will be spent in stores importing ... goods mainly from China?" Michael Repzer, controller of W.G. Strohwig Tool & Die of Richfield, Wis., asked the secretaries of Treasury, commerce and labor as they visited a Harley-Davidson Inc. motorcycle factory outside Milwaukee.

"You can get a hundred [Chinese workers] for every one Japanese," one worker complained as the officials toured the plant.

Even as Congress moved toward final approval of Bush-backed free-trade agreements with Chile and Singapore, trade with China is becoming a leading villain, both in Washington and across the beleaguered U.S. manufacturing belt.

 この「a hundred [Chinese workers] for every one Japanese」という比較が面白いですな。80年代にアメリカのターゲットだった日本が、すっかりターゲットから外れて良性の比較対象となっている。中国の内陸部の何も技術のない中国の労働者の賃金と、日本の技術を持った労働者の賃金を比較したら、確かに「1:100」くらいかもしれないが。

 こうしたことを常識的に考えていけば、アジア通貨全体に切り上げ圧力に晒されているのです。それが円高の背景ともなりうる。中国が切り上げに動くときに、日本は円高阻止の介入を続けられるのか、という疑問にも一理ある。

 ただアメリカという国を考えるときに不確定な要素は、あれは普通の国ではない、一種の「帝国」だということです。(アメリカが)あることを考えれば、あえてそれが出来る。政治と軍事の力が背景です。だから、経済的合理性が顕現化するタイムスケジュールが歪む可能性がある。そこをどう考えるかです。


2003年07月30日(水曜日)

 (07:40)100人前後もの生徒のレポートを読むというのはなかなか大変です。去年のように手書きの読みづらい文字を読まなければならない苦行からは解放された。しかし、絶対量は増えた。2000〜3000字というのは、なかなか長い。それぞれ個性がある。

 全部をプリントアウトするのは資源の無駄遣い。で、USBメモリー(520)に入れて持ち歩き、時間があるときに開いては読んで採点しているのです。採点はファイルの本体に入れる。しかし大学への報告は点数の幅を持つA、B、Cなにがしなので、それは一旦ファイルを閉じてファイル上の左クリックによる「名前の変更」を指定し、ファイル名の先頭にA、B、C....を付けている。

 こうしておけば、ファイルの一覧を開けば提出者の名前はファイルに入っていますから、大学から来た成績簿に付け替えやすくなる。ファイルにA、B、Cを書くと、いちいちファイルを開かないといけない。

 実は最終レポートをデジタル処理できなかった、しなかった生徒が5人ほどいた。こちらかはアクセスできないのでどういう理由か分からない。しかしこの5人も授業の途中で行った中間レポートは出している。成績認定の基準は最終レポートなのですが、それを出さなかった生徒の成績をどうするかはちょっと考えなければいけない。むやみに落とすのも問題がある。これから考えます。


2003年07月29日(火曜日)

 (07:40)やっと動き出したという感じ。ポケットにいつも入れているスイカとパスネット。二つがちょっと先ですが、2006年頃に一枚になるらしい。ついでに日本中一枚になって欲しいものだ。

 ユーザーとしての私個人の感触から両者を比べると、スイカがいいのは非接触型で、そのカード一枚を取り出さずとも、例えば定期入れをそのまま出しても使え、ハンドリングが容易なこと。ダメなのはカードが分厚いこと。

 パスネットは薄くて良いが、差し込み式で必ずその一枚を取り出して機械に入れ込まないといけない点。スイカに比べて利用が面倒。両方の最大のデメリットは、利用可能交通機関が限られていること。

 「どうして両者が一体化しないのか」というのが、ほぼ毎日の思いだった。というのは毎日双方を使っているので。日経本紙には書いてないが、どうやら日経産業によればスイカに比べてパスネットの比較劣位が顕著になってきたらしい。

 日本は人口減少過程にある。かつ定期(交通機関にとって安定収入源)を利用している生徒・学生の数が先行して減少していることから、鉄道・バス会社の利用者は総じて頭打ちから減少傾向にある。しかしそうした中にあって、ICカードのスイカを導入したJR東日本の近距離路線収入は堅調に推移しているという。

 パスネット陣営が降参したということです。利用者としても、スイカの優位性は明確。保守コストから見ても、カードを差し込むパスネット方式に比べて、スイカは非接触で低廉らしい。関西圏の鉄道、バスも将来はICカード方式に移行するという。ということは東京で買ったスイカ型のカードがどこでも使えるようになる、ということです。ついでに世界全体で統一して欲しい。出張が楽になる(^-^)ニコ。

 「一緒にして欲しい」と言えば、今朝の日経金融の一面トップは、ネット上での銀行口座のアカウントアグリゲーション(account aggregation)。そうですな、今はそのたびにブラウザを開けたり閉じたり。既にやっているのがジャパンネット銀行、東京三菱銀行、イーバンクの三つだけらしい。しかし登録件数は4万、1千、5百とまだゴミ。うーん、ジャパンネットには入っていますが、アグレゲートしたとたんにシステムダウンされても困るしな。

 将来は自分が取引しているいくつかの銀行の口座を同一スクリーンに呼び出して、どこかで金額を指定した上で、A銀行のアイコンをB銀行のアイコンの上に乗せるとそれだけでA銀行からB銀行に振り込みが出来るようにして欲しいな....。案外簡単に出来ると思うのですが。いつも銀行のATMに給料日の直後に振り込みの為に長い人々の列が出来ているのを見るたびに、「何という時間の無駄使いを」と思う。どうですかね、このドラッグ・アンド・ドロップ方式による銀行振り込みは。

 スイカとパスネットに限らず、カード類をなるべくアグリゲーション(集中)して欲しいものです。これも出来ると思う。ICチップを数多く埋め込めば良いのですから。今はどこかに加入すると必ずカードを持たされる。財布がカードで一杯になる。銀行カード、クレジット、デパート、スポーツクラブ、家電量販店、足裏マッサージ.....などなどと続く。ほんまにどうにかして欲しい。(ま、その場合は、一枚落としたら死にますが....)


2003年07月28日(月曜日)

 (11:40)月曜日の午前中にマニラの弟からファックスが来て、「何かのネタにしてください」と「まにら新聞」
http://www.manila-shimbun.com/)の一部記事が届けられた。読んでいると、やはり臨場感がある。

 それにしても、フィリピンという国はアジアの中では圧倒的にラテンの国という印象。どこまでが本気で、どこまでが半本気なのか分からない。今回も反乱と呼んで良いのかどうか。アロヨ大統領が「反乱罪で裁く」と言っているので、そうなんでしょうが。

 「反乱軍が占拠した場所はほんの目と鼻の先、宿舎から200m程」とファックスにはある。さらに「日常が一気に非日常に変わる、これが東南アジアの醍醐味か」と。まあでも、両親には暫くたってからでないと報告できない。本人がするでしょうが。

 それにしても、「まにら新聞」を読んでいても、経済がちっとも上向かないフィリピンの政情は依然不安定のようです。前政権との確執も続いているし、アロヨ政権の政権担当能力に対する疑念も強いようだ。ということは、引き続き彼の国は不安定な状況が続くと言うことか。


2003年07月27日(日曜日)

 (18:40)弟がフィリピンに駐在しているので心配になったので、電話したのです。どこに住んでいるか知らなかったので、「フィリピン国軍の一部兵士によるマニラ首都圏マカティ市のホテル占拠事件」と言われても私には「どの辺だろうな」と。

 電話して「期限が延長されて...」「一部兵士が投降して....」とかいろいろ話して、「ところで事件が起きている場所から遠いんだろう...」と私。「違う違う、すぐそば」と弟。実は私はマニラという街に行ったことがない。土地勘が全くないのです。

 「おいじゃ、外に出るなよな....」と私。「そんなことは分かっている」と彼。恐らく途上国ですから、日本人が住んでいる地区というのは固まっているのでしょう。弟も日本の企業の駐在員ですから、占拠対象になっている「外国人が多いホテル」の近くのどこかにいるのでしょう。

 アロヨ大統領が延長した期限がもうすぐくる。「いろいろ不満があるが、バカなことはしないだろう」という弟の予想が当たればよいのですが。


2003年07月26日(土曜日)

 (10:06)何も知らずに音楽を楽しもうと行っただけなのですが、ものすごく良い音とパフォーマンスを聞かせてもらいました。南青山の Body And Soul

 店の中に入ると、凄く込んでいる。最近この店は混んでいる。昔は空いていたのですが。とにかく席を見つけてもらって入ったら、凄く音がいい。顔見知りの店の人が小さい声で、「マイルスのピアノをやっていた人ですよ、今日は」と。

 つい最近このアルバムを出したKei Akagi Trio。シンプルな構成です。赤城さんのピアノ、ベースの杉本、ドラムスの本田両氏。この組み合わせがまたすっごく良いのです。音と音、その間隔と感覚に緊張感があるんですよ。

 あまりいいんで、このアルバムを買わせて頂いたのです。そしたら、店の人がサインをもらってきてあげますよ..と。セッションの合間に3人を回ってサインを集めてきてくれた。これは大事にしなければ。

 普段はアメリカで演奏を続けていて、赤城さんは「ケイ赤城トリオ・ライヴ・ツアー2003」と称して、7月の中旬から9月の前半まで日本にいて各地で演奏するようです。それぞれの地方の方は、時間があれば行かれれば良いのではないでしょうか。少なくとも私とその仲間は大満足でした。


2003年07月25日(金曜日)

 (14:06)ダジャレではないが、この二人はタグを組んだのかな。二人というのは東京大学教授の坂村健氏と慶応大学教授の村井純氏。ICタグという新しい製品に対して尽力してるのに、前者がユビキタスIDセンターを、後者がオートIDセンターを作ってそれを中心に活動し、今まではあまり仲が良くないと思われていた。

 しかし最近二人が揃ってこうしてシンポジウムや記者を挟んだ対談の形で一緒に出てくることが多くなった。例えば今日の日経産業。村井氏が「(日本の先進性を胸を張って主張しても良いと思う。)例えば、坂村先生の”トロン”などは今では携帯電話など様々な機器に組み込まれるようになった」と。一方の坂村さんは「村井先生には日本と米国との架け橋になってほしい」と。美しい。

 ま、いいことですよ。力は分散するより、統合された方が良い。この対談では、いくつかのキーワードが出てきている。traceability(経路認証性とでも言うのか)、context awareness(状況の認識)、value chain(バリュー・チェーン)など。

 面白かったのは、ユビキタス・コンピューティングに関して、「マーケットに対してきちんと貢献できる技術をつくっていくことが非常に大切なテーマ」と述べている点。我々から見ると当たり前のことだが、学会にこういう事を言う人は少ないのでは。あとは、「ICタグの使い道をどう提案していくかが、世界の中でリーダーシップを取る上でとても大事」と。アメリカを意識している。

 あと今週いろいろな人と食事などをしながら聞いたことで面白かったことを備忘の為にも書いておきます。

  1. つい最近ですが、中国のアモイで停電があったのだそうです。丸一日。私が知っている限りでは日本では報道がなかった。これは同地に大きな工場を持っている会社の方から聞いた。理由は、雨が降らないから。中国は圧倒的に水力に電力を依存している。雨が降らないと、飲み水に困るだけではなく、電力供給にも支障が生ずる。かねて中国の水資源不足は言われていた。それが一年のこの時期にもう発生しているというのです。このまま中国が経済的に発展していったらますます水が必要になる。とすると問題は深刻化する。その人は、「中国で集中的に生産活動をすることを見直すことも考えました」と。

  2. ある会社で退職金優遇による早期退職勧奨制度を設けた。かなりの人が応募して実際に辞めていった。一段落した後人事部がどういう人が辞めたか調べたというのです。まあ物差しはいろいろありますよね。仕事が出来たとか出来なかったとか、手に職があったとか。しかし一つはっきりしたのは、辞めた連中は圧倒的に資産家だったというのです。家に恒産があったとか、マンションを一棟持っていてそれを貸しているとか。つまり、積み増し退職金は遊びカネに回る....。うーん。

  3. これは聞いた話ではなく、私の実感。銀座を練り歩く中年の男の二〜三人の姿の増大。結構皆さん酔ってますよ。濃淡はあるが、結構店も混み始めた。どの業界の人か聞いたわけではない。しかし、一見して、金融系。証券会社の人たちなのかな....。タクシーの運転手に「ちょっと良くなった ?」と聞いたら、「うーん、そうですね...」と、はっきりしませんが.....


2003年07月25日(金曜日)

 (00:06)ウダイ、クライ両息子の死亡写真が米軍から発表されたというので探したのですが、日本の新聞のネットサイトには載っていない。公表されたという記事だけ。

 で、アメリカの新聞のサイトに行ったら、一発でニューヨーク・タイムズに出ていた。思った通り、生々しい。じっと見ている気にはならない。なぜ発表したかというと、写真を出さないとイラク国民が納得せずに、アメリカ軍に対する攻撃が続く危険性があるから、ということらしい。

 しかし、死者の写真を公表することによって、むしろ死者の尊厳を傷つけ、イラク国民の怒りをかうのではないか、という危惧を筆者は抱く。そんなことは承知の上でアメリカ軍は公表しているのでしょう。

 しかし、死はしばしばその人を聖者にしてしまう。ウダイ、クライの両兄弟の悪行の数々は伝えられていて、彼らを好きなイラク国民は少ないだろう。しかし、国民感情というものはそういうものではない。ましてや彼らを殺したのがアメリカ軍となれば、できの悪い息子でもイラク人にとっては「我が家の息子」なのではないか。

 どこの国でもそういうところがあるのだろうが、アメリカはどこか「自国の考え方が世界で理解される」という楽観的な認識で行動しているところがあるように見える。しかし、それぞれの民族に独自の考え方があり、自負と誇りがある。

 イラク国民は恐らく誇り高い民族だろう。文明の始祖であり、世界のどの国、地域よりも先に文明を築いたという自信があるはずだ。当時この地方に住んでいた連中が、そのままイラク人になったかどうかは知らない。しかし恐らく、イラクの小学校、中学校では「自分たちの地域が、世界の文明の発祥地だ」と教えているはずだ。

 あとはフセインの首を取れば、とアメリカは考えているはずだ。アメリカ軍に対する攻撃は収まる、と。そうだろうか、と私などは思う。


2003年07月24日(木曜日)

 (23:06)ははは、来ました来ました。携帯メールを8本つらねて、「PCもないので、これで提出させてください」という女子大の生徒からのレポートが。私の第一印象は、「よく頑張ったな」と。しかし彼女らにとってはキーボードを叩くよりも、親指の方が良く動くのかもしれない。

 ケイタイメール8本で来た文章を、コピー・アンド・ペーストで順番にワードに落として全文を眺めてみたら、綺麗につながっているし、文章も出来上がっている。多分紙に書き出して、それを次々にメールで打てる字数だけ入れては私のメールアドレスに順番に送ってきたのでしょう。ご苦労様なことです。

 今回生徒にメールでのレポート提出を求めて分かったことがある。それは、彼女らの恐らく三分の一は自分のPCやメールアドレスを持っていない。一見して父親のメールアドレスからと思われるメールや友達のかなと思えるPCからのメールもある。ちょっと酷だったかなとも思っているのですが、多分彼女らには勉強になったはずです。

 100通以上が過去3日間で来て、いったいそろえた後に今週末くらいから読破していくつもりです。大部分は綺麗にワードで添付として来ている。表題もそろっていたし。あとは、中身ですか。


2003年07月24日(木曜日)

 (08:06)去る日曜日にサンデープロジェクトに出た小沢さんを見ながら、「この人も追いつめられたな....」と思ったら今回の自由党の民主党への合流。野合、なりふり構わず...といろいろ批判が出て当然。しかし、日本の政治がやっと面白くなる、選挙民にとって選挙に行く気になる動きであることは確かだと思う。

 自由党と民主党では防衛政策も、租税政策も大きく違う。しかし、政治は細部の細部まで同じ考えでなければ同じ政党を作れない、というものではない。自民党だって寄り合い所帯である。重要なのは、国民の多くが望む変化、政策と結果をデリバーできるかどうか、だと思う。

 ちょっと残念だったのは、新民主党の顔が古い菅さんではなく、他の清新な人だったらもっとこの新しい党のイメージは良くなったのに、という点。小泉さんは不思議な人、ある意味で浮世離れした人で、党は古いが彼自身がもっているなにかこう清新さがある。菅さんもそれがあったのだが、最近はあまりそれを感じなくなった。浮かんだり沈んだりしているうちに、それが消えてきた。

 まあまだそれでも新民主党は小さい。衆議院で合計136。対する連立与党は自民だけで243で、公明31、保守新党10で合計284。つまり、半分に達しない。参議院でも合計66。対して自民は113、公明23、保守新党3で合計139。こちらも倍以上。つまり、まだ子供と身長だけで二倍の大人。

 それでも野党の第一と第二の合流で、勢力図が変わり始めた印象はするし、公明党が鞍替えすれば、また自民党が割れれば、政界の枠組みが大きく変わりうる環境にはなってきた。しかし繰り返すが、政治が一番重要なのは何を理念にし、国民に何をデリバーできるかだと思う。大いに競ってもらいたいものだ。


2003年07月23日(水曜日)

 (18:06)ははは、買って読んだがよくわからん。しかし、捨てる気にもならないのがタイムマシンをつくろう !という本です。

 私は昔から何が欲しい...といって、タイムマシンが一番欲しい。だって、世界中の歴史の現場を見ることが出来れば、これほど楽しいことなしじゃないですか。10年後の日本も面白いだろうし、人類が誕生したころの地球も面白い。関ヶ原の戦いも見たいし、十字軍の遠征も見たい。中世の欧州の連中の、江戸時代に日本の庶民の生活は。

 ずっとそう思っているので、この本を本屋で見つけたときには直ぐに買ってしまった。しかし、実は読んでもあまりよく理解できない。アインシュタインの理論がいろいろと解説されていて、「(タイムマシンは)可能」と書いてあるのですが、時間のゆがみだのなんだのと言われても、本当にタイムマシンに相当するような機械が出来るのかどうか、その中に人間が入って一体移動できるものなのかどうか....などなど、文化系の頭では難しい。

 一つ言えるのは、「でもあったらいいな」ということです。宇宙にはあまり興味もないが、タイムマシンには非常に興味がある。もし誰か作ってくれたら、かなり高くても乗りたい、と思っているのです。しかし、この本を読んで、当たり前ですが「かなり難しいな....」と。

 この本が難しかったのに対して、この本は、実に読みやすかったし、残った。TBSラジオの土曜日午前の番組を率いている永六輔さんの本。毎日新聞にコラムがあるらしいのですが、それをまとめたもの。自分が知っている人が一杯出てくるのが良い。


2003年07月23日(水曜日)

 (08:06)アメリカと北朝鮮の話し合いは水面下で徐々に進んでいるようです。後者は気まぐれな国ですから、「筋書きが書けた」というところまではいかないが、徐々に方向は見えている。

 北朝鮮の「体制保証」という要求に対して、アメリカはどうやら「不攻撃宣言」を用意しているようです。それは当然でしょう。今の金体制は、アメリカには心地よく見えていないことは明確。体制は保証したくない。しかし、攻撃はしないよ...と。それくらいは認めても良い、極東アジアの緊張感を緩和するためには、ということでしょう。ワシントン・ポストの見出しは、「Proposals To N. Korea Weighed U.S. Might Offer No-Attack Pledge」

 Bush administration officials are considering granting North Korea formal guarantees it will not come under U.S. attack as part of a verifiable dismantlement of its nuclear facilities, in what would be part of a diplomatic gambit by the Bush administration aimed at resolving a standoff over Pyongyang's nuclear ambitions.

 In extensive talks last week with Chinese Vice Foreign Minister Dai Bingguo, administration officials asked him to inform the North Koreans that the United States would agree to meet again with Chinese and North Korean officials in Beijing, provided the session was followed almost immediately by multilateral talks that include South Korea, Japan and possibly Russia, U.S. officials said yesterday.

  Administration officials said that at this broader multilateral meeting, they would formally unveil a U.S. plan for ending the crisis, which has prompted intense discussion within senior levels of the administration about the form of the proposal and how it would be presented.

 核施設の「検証可能な武装解除(verifiable dismantlement)」というのがポイントです。検証が出来なければ、その間に北朝鮮は何をしているのか分からない。90年代前半の米中合意に北朝鮮が違反する行為をしていたことはよく知られている。ですから、verifiable というのがポイント。しかしどう検証するか、に関しては相当もめるでしょう。一筋縄ではいかない。

 この記事は今回のアメリカの提案を「gambit」と表現している。「優位に立つための策,先手」という意味ですが、本当にそうなるかどうか。それにしても、中国の努力は今回はかなり集中的です。北朝鮮が核武装し、朝鮮半島が不安定になるのは中国にとっても好ましくない。今は北京オリンピックや上海万博を控えて、経済発展に中国は注力したい。北朝鮮の危機でこのペースを乱したくない、という気持ちが透けて見える。

 大統領選挙を控えたアメリカ、経済発展に注力したい中国、北朝鮮を封じ込めたい日韓、状況は徐々に醸成されつつあるように見える。しかし重要なのは、今の北朝鮮の体制そのものが周辺国家には好ましくない、という認識です。


2003年07月22日(火曜日)

 (07:06)明日が締め切り、提出期限になっているためですが、大量のレポートが送られてくる。二つの授業の前期試験を、ネットを利用したメールでの提出で、と要求しているため。

 全部で100通くら来る予定ですが、心配ですな。皆全員レポートのネット処理が出来たかどうか。まだ来たレポートを読んではいないので、今週後半の最大の仕事です。みんなどんなレポートを書いてくるのか、楽しみでもあるのですが。


2003年07月20日(日曜日)

 (00:06)ははは、締め切りが接近したので、一本面白い原稿を書きました。今度この団体が「鍋物辞典」を出版するのです。今泉さんを中心に。

 で私には、「あまたの持論である、鍋は箸の文化の結晶」というのをエッセイ風に書いてください、という依頼が来ていた。あたしゃ、勝手役職付けで、「広報部長」ということになっている。原稿というのは締め切りが近づかないと書かないもので、もう一ヶ月くらい前から言われていたのに、やっと書く気になった。

 調べてみて、手食がまだ44%と分かってびっくりしました。そうなんですかね。まあ大きな意味ではこれも推測ですが。そうだ、ベトナムを調べなければ。弟がベトナムに長くいたので、あとで聞いてみよう。そうだ、タイトルは ? 「鍋は箸文化の華」なんて堅いかな。また、考えます。

 鍋は本当に楽しみの一つだ。冬の寒い日に、家庭で、そして街の和食屋さんで。和気藹々と好きなメンバーと好物をつつきながら食べて、そしてしゃべる。最後は雑炊でしょう。日本人にとって、至福のひととき。

 でも待てよ。世界中の人々がこの「鍋の楽しみ」を共有しているのだろうか、というのがこのコラムの発想だ。で、私の結論は、「鍋は箸の文化の産物」「しかも日本は鍋文化の粋」というものだ。
 ――――――――――
 いったい世界の人々はどうやって食事をしているのか。調べてみると驚く。ヒンズー教やイスラム教圏を中心に、世界人口の約44%の人は今でも手を使って食事をしている。この二つの宗教では、食事で使えるのは左手だけ。「手食文化圏」は、東南アジア、中近東、アフリカにまで広がる。世界人口を60億人とすると、26億4000万人は毎日手で食事をしていることになる。

 あとは我々が日常使っている箸と、それに西洋のナイフ・フォークだ。前者を使う地域を「箸食文化圏」といい、後者を「カトラリー食文化圏」と呼ぶ。「cutlery」とは、「食事用器具類」という意味だ。この二つの食文化圏は、仲良く世界人口の28%(16億8000万人)を占めている。箸は、日本、中国、朝鮮半島、台湾、ベトナムなど。カトラリー使用は、地域で言えばヨーロッパ、アメリカ、ロシア。

 しかしよく知られていることだが、フランスの宮廷でもナイフ、フォークが使われ始めたのは18世紀だと言われている。それ以前は「カトラリー食文化圏」に入る人々は手を使って食べていた。手食文化圏の領域を脱し切れていない面がある。対して、「箸」の歴史は日本に入ってきたのは聖徳太子の時代とか弥生時代とか言われるが、本家の中国では遡れないほど古い。

 ここで少し考えてみよう。我々日本人は、「鍋をつつく」という。なぜそう言うかというと、熱いからである。とても煮えたぎった鍋に手を入れることは出来ない。「手食文化圏」の人々には、鍋は無理だと分かる。

 フォークやナイフで鍋をつつくことは可能だろうか。可能だ。しかし、金属は熱伝導性が高い。ちょっと入れていると熱くなるし、そもそもフォークではうまく好きなものだけを拾い上げることは出来ない。

 ところが箸があれば、煮えたぎった鍋の中の魚、野菜、肉などなどをつつくことができる。鍋は「箸との相性」で出来上がっている料理だ。手で食べている26億4000万人も冷めてからなら可能だが、それでは鍋の醍醐味が失われる。ナイフ、フォークでも「鍋」は可能だが、とても理想的とは言えない。

 改めて想起してみる。世界各国を出張・旅行している身として体験的に言えるのだが、そういえば鍋は「箸食文化圏」である中国、朝鮮半島、日本、ベトナムにしかない。つまり鍋料理とは、世界人口60億人の中で16億8000万人にのみ許された楽しみなのだ。

 では、鍋は箸食文化圏で等しく共有され、楽しまれているのか。これが違うのだ。実は、「箸」にもいろいろある。朝鮮半島の箸は大部分が銅、銀、ステンレスなどの金属製だ。カトラリーが持っていた熱伝導の問題を抱えていることが分かる。中国の箸は、木、竹、骨などが主で、日本の箸との違いは頭から先までほぼ同じ太さだ。長いのが特徴で、約27センチあるとの統計もある。だから重い。

 対して日本の箸は軽く小さく、かつ素材も多種類で、頭から先にかけて細くなる。つまり、操作性に優れている。実感的に言うと、何かを掴むには、日本の箸が一番楽に使える。軽く、動かし易いからだ。

 「鍋」には北東アジアのどの地域の箸が最適だろうか。独断が入るかもしれないが、やはり日本の箸ではないだろうか。何よりも、軽さ、操作性。これは重要なポイントだろう。かつ日本の箸は、中国や韓国の箸のようにつるつるしていない。割り箸のようにしばしば手にトゲが刺さるほどざらざらしているものもある。食材を掴むのには最適だ。

 おまけに日本には、海の幸、山の幸が昔から潤沢にある。北海道は別にして、日本の住宅は昔から夏向きに出来ていて、冬は家の中が寒い。中国の住宅はどう見ても、冬向きに出来ている。冬が厳しいからだ。手を抜いていないから暖房が行き届いている。日本の冬は住宅事情から家の中でも寒いが故に、食事の時には温かい鍋を食べるインセンティブは昔から高かった、と思われる。

 つらつら考えるに、鍋は箸文化の産物であり、かつ華だと思う。そしてその中で、環境的に日本で一番鍋が深化、多様化し、専門店まで登場する文化的背景があったのではないか。そして、そこで生まれたことは本当に幸せなことだ、と思うのだ。


2003年07月18日(金曜日)

 (18:06)このページをアップしました。どしどし活躍して欲しいものです。


2003年07月17日(木曜日)

 (18:06)FTの一面トップを見て、目が止まりました。あれ、グリーンスパンはこんなことを言っていたっけ。議会証言の前に喋ったのだそうです。見出しは、「Greenspan warns China on peg」と。つまり、中国の人民元のドル・ペッグにグリーンスパンが警告、ということになる。証言にはなかった。

 中国は私の記憶では1ドル=8.28人民元近辺だったと思ったのですが、ずっと自国通貨をドルに対してペッグしてきた。去年は対米で1036億ドルだかの経常収支の黒字を出しても、まだ自国通貨が対ドルで切り上がるのを嫌って実質固定相場を続けている。

 日本の対米黒字は大体年間700〜800億ドルで、中国のそれは日本を上回る。となると、アメリカの製造業者は黙っていない。今までは中国の対米輸出商品はアメリカの業者が作っていないものだった。しかし徐々にバッティングするようになっている。米国内からは、人民元は過小評価されている、切り上げられるべきだ、という議論が沸き起こっている。

 スノー財務長官の最近の仕事は、「元の切り上げの環境醸成」のようになっていた。主要通貨については喋らず、最近はもっぱら人民元に関して喋ることが多い。まあそれも分かる。なにせ、アメリカが一番赤字を出している国の通貨をどうするか、というのはアメリカの通貨政策にとって一番重要。

 私の記憶ではグリーンスパンが人民元に関してこんなに強い形で喋ったのは、これが最初だと思う。

  1. 中国当局は自国経済に打撃を与えずに今のまま人民元のペッグシステムを継続することは出来ない
  2. ペッグを維持するための介入持続は困難だ。中国は自国通貨をフロートさせるべきだ
  3. 介入すると言うことは、中国がドル建て資産を大量に購入するということを意味する。いつかの時点でそれは出来なくなる。なぜならそれは、国内金融システムの安定性を損なうからだ
  4. (人民元はフロートに移行すべきか、と問われたのに対して)経済的観点から言えば、現在の世界の既存のコスト構造が持続すると仮定するならば、その必要性は高まっているし、恐らくそうなるだろう
 と明快だ。中国に対して人民元の切り上げを要求する声は世界的になりつつある、と言える。日本の塩川大臣もその旨述べている。たまたま中国は今年第二・四半期の経済成長率が6.7%になったと今日発表した。第一・四半期の9.9%の伸びからは大幅な鈍化だが、上半期全体を通じると8%を大幅に上回っている。先進国からは垂涎の的の成長率だ。

 国内金融システムが弱いとか、中国自身がデフレ圧力に直面しているなど、元切り上げを阻止したい理由はある。胡錦涛率いる政権がこれをどう調和させるのか。ま、ドルに対して実質ペッグしているのは、中国だけではないのですが。


2003年07月17日(木曜日)

 (08:06)レストラン業界は相変わらず厳しいですな。銀座にあって、比較的よく行っていたワインハウスの経営に当たっていた人から水曜日の午後に電話があって、「具合が悪くなりました....」と。経営がうまく行かなかった、ということです。

 見ていると、深夜型のレストランはやはり安い店しかだめなようですね。かっこつけたタイプのプライスレンジの高いレストランは具合が良くない。しかし、通常時間に客を集められるレストランでは、レンジのハイエンドのところも比較的良くやっているところもある。店によって違うのです。

 フェードアウトするレストランもあると思うと、また次々に新しいレストランも出来ている。フェードアウト・フェーズに入ったレストランというのは、大体分かるものです。当然ながら客が少ない。店からどこか色つやが失われる。その銀座の店は、大好きだったのですが、「どうかな」という状況だった。

 好きなレストランが消える、というのは寂しいものです。


2003年07月16日(水曜日)

 (08:06)好決算にもかかわらず昨日のニューヨークの株価は50ドル弱の下げ(ダウで見て)。その理由はグリーンスパンの議会証言が lukewarm (切れのない、新味のないもの)だったから、とアメリカの新聞にある。

 まあそうなんでしょうね。全文を読みましたが、まず気になる部分はアメリカの新聞が好んで引用している「The FOMC stands prepared to maintain a highly accommodative stance of policy for as long as needed to promote satisfactory economic performance.」(満足できる経済環境を取り戻せるまで、超緩和政策を維持する決意)。まあそうでしょう。これ以上は言いようがない。自然な言い方です。

 市場が期待したのは、「非伝統的金融政策の導入示唆」だと思うのですが、やや興味深い最後の部分でグリーンスパンはこう言っている。

Until recently, this topic was often regarded as an academic curiosity. Indeed, a decade ago, most economists would have dismissed the possibility that a government issuing a fiat currency would ever produce too little inflation. However, the recent record in Japan has reopened serious discussion of this issue. To be sure, there are credible arguments that the Japanese experience is idiosyncratic. But there are important lessons to be learned, and it is incumbent on a central bank to anticipate any contingency, however remote, if significant economic costs could be associated with that contingency.

The Federal Reserve has been studying how to provide policy stimulus should our primary tool of adjusting the target federal funds rate no longer be available. Indeed, the FOMC devoted considerable attention to this subject at its June meeting, examining potentially feasible policy alternatives. However, given the now highly stimulative stance of monetary and fiscal policy and well-anchored inflation expectations, the Committee concluded that economic fundamentals are such that situations requiring special policy actions are most unlikely to arise.

 this topic というのは、「scenario in which inflation turns negative against a backdrop of weak aggregate demand, engendering a corrosive deflationary spiral. 」を指します。つまり、インフレが需要の弱さ故にマイナスになり、腐食的なデフレのスパイラルが起きること。その後にグリーンスパンは、「学理的な好奇心」に過ぎなかったデフレが日本で進行した事態で「真剣な議論」になったと。

 その後にグリーンスパンが使っている言葉が、またまた面白い。「idiosyncratic」というのです。何かと調べると、「特有の」とある。つまり、グリーンスパンは日本でデフレが生じたのは「日本特有現象」と言っているのです。「there are credible arguments that the Japanese experience is idiosyncratic」(日本の経験は特異なものだという信頼に値する議論がある)と。ここがグリーンスパンの巧みなところで、自分がその議論に与しているかどうかは必ずしも明らかにしていない。「彼もこの議論に賛成しているんだろうな.....」と思わせるだけ。しかしそのまま取るとアメリカはそうはならん、と言っているように聞こえる。

 市場が気にしたのは、その後の文章です。特に債券市場は。短期金利の引き下げ以外の、例えば長期債の買い入れなどの非伝統的な金融政策を6月のFOMCでは検討した、と。しかし、「the Committee concluded that economic fundamentals are such that situations requiring special policy actions are most unlikely to arise」(特別な政策措置が必要になりそうな経済実態にはなりそうもない)との判断。株式市場はこの判断を「当然」と考えたが、債券市場は「失望」となった。まあ、私に言わせれば債券市場は期待しすぎでしょう。

 トータルで見ると、ではグリーンスパンの今回の議会証言のポイントは何だったかというと、「 lukewarm 」というのは当たっている。グリーンスパン論を聞かされただけの印象もある。

 私はこのグリーンスパン議会証言の中に、「双子の赤字」議論が抜けていたと思う。予算赤字が今年は4500億ドルに達しそうで、一方で貿易赤字が5000億ドルを超えそう。これをどう考えるか、というポイント。併せて1兆ドル。いずれ大きな問題になるでしょう。


2003年07月15日(火曜日)

 (21:06)大阪まで移動してきて、しかもちょっと空き時間が出来たので、本家本元のグッヅ売り場はどうなっているのかと思って、阪神百貨店の6階に行ってみました。一階からエスカレーターに乗ったら、「6階がグッヅ売り場」とあちこちに張り紙、そう虎模様の張り紙がしてある。用意の良いことで。

 平日の昼間ですから、6階までの各階はあまり人が多くない。当然ながら女性達がのんびり買い物をしている。ところが、6階に着いたら、えらく騒がしい一角がある。

「買ったら、一度列に並んでくださいよ....」
「レジには直接行けません.....」
 と。そこでした。たいして広くない面積の売り場の中に、ところ狭しとタイガース・グッヅが並んでいる。職場を抜け出して買い物をしている男性もいますが、圧倒的におばちゃんら女性が多い。大事そうにいろいろなものを買っている。そこだけ人口密度が高い。

 若い女性も多い。友達と来て、「これは」「あれは」と。まあ私も身近な人間が一人虎ファンですから、多少。買ったら今度はレジに到達するために列を作るのです。混んでいる銀行のATM待ちのような。私の前には、10数人。レジは全部でナンバリングしてあって9つある。

 やっと私の番が来た。対応してくれた女性に「ものすごい熱気で、忙しそうだね....」と言ったら、「今日は楽な方です.....」と。失礼しました。

 そりゃそうか。土日や試合のある日の前などは、それはそれは混むのでしょう。6階でグッヅを買って、そのまま地下の阪神電車に乗って、電車の中からわくわくしながら球場に着いて、そしてタイガースの大量点を期待しながら試合を見る。

 夢のような、タイガースファンには夢のような今年ですな.....。


2003年07月15日(火曜日)

 (07:06)地方に来ると明らかに「地盤沈下」したと思える街がある。昨日見た「岐阜」もそうでした。長く住んだのではないので知らないこともあるし、幹線道路沿いに新しいショッピング・センターが出来ている可能性もある。

 しかし岐阜の場合は、松坂屋という明らかに街の中心に位置するであろうデパートの周りが目を疑いたくなるほど、さびれている。昼間なのに、シャッターを閉めている店も多い。あとで関係者に聞いたら、「岐阜は明らかに地盤地下している」と。

 繊維の街でしたが、繊維は押された。競争に敗れたところが多い。人口は41万程度で変わらないのだそうですが、岐阜の女性達は快速で18分で行ける名古屋に皆買い物は出てしまう、というのです。それではダメです。しかしセールとか岐阜の街の商店街が「対抗措置をとっている兆しはあまり見えない」とタクシーの運転手。

 長良川の川沿いの旅館・ホテルも、鵜飼いの季節だけの営業ではとてもやっていけない、とたとえばホテルをマンションに改装するとか、いろいろ打開策を練っているらしい。しかし、成果は出ていないという。鵜飼いのお客さんも徐々に減ってきているという。

 一見、岐阜に比べて元気が良いのが名古屋です。友人と夜の街に出てみましたが、確かに活気がある。店にはいると満杯だし、街を歩いても、東京でもあまり見かけなかった酔客の群れを見た。町並みも奇麗です。

 名古屋は最近はファッションの発信地ともなっているらしい。車で一時間程度の距離なのに、随分と違うなと。まこれは、産業がどのように多様化しているか、の差でしょう。ただし、名古屋のタクシーの運転手の方々は皆怒っていました。「どうにかして欲しい」と。

 昔から名古屋は店が閉まるのが早い。かつ最近はお客さんが早々と帰ってしまうのだそうです。タクシーの出る間がないと。


2003年07月14日(月曜日)

 (07:06)ホワイトハウスの言い訳は苦しい。イラクのアフリカ諸国からのウラン購入計画に関して。日曜日に正式な立場を表明した。

WASHINGTON -- The Bush administration said Sunday that the president's statement in the State of the Union address about Iraq seeking uranium was accurate and is supported by other British and U.S. information.

Nevertheless, said Condoleezza Rice, the national security adviser, the statement should not have been in the Jan. 20 speech, in which President Bush laid out reasons for military action against Iraq, because "we have a higher standard for presidential speeches' than raw intelligence.

 「情報そのものは正しかった。しかし、大統領の演説はナマの情報より上質でなければならず、そういう意味では一般教書演説には入れるべきでなかった」と。今までは、情報そのものにも疑問点があるという話になりかけていた。話を少し引き戻した、ということだ。

 昨年10月にもブッシュ大統領の演説から削除され、一般教書演説の直後のパウエル国務長官の国連演説でもオミットされた。その情報がブッシュの一般教書演説では入った。教書演説

The International Atomic Energy Agency confirmed in the 1990s that Saddam Hussein had an advanced nuclear weapons development program, had a design for a nuclear weapon and was working on five different methods of enriching uranium for a bomb. The British government has learned that Saddam Hussein recently sought significant quantities of uranium from Africa. Our intelligence sources tell us that he has attempted to purchase high-strength aluminum tubes suitable for nuclear weapons production. Saddam Hussein has not credibly explained these activities. He clearly has much to hide.
 この部分です。まだ一件落着はしないでしょうね。アメリカの政治は徐々に選挙がらみになってきている。


2003年07月12日(土曜日)

 (23:06)確か金曜日だったと思ったのですが、ERP(企業経営資源管理)システムに関連した番組の作成で、初めてテレビ電話会議なるものに自分で参加しました。相手はあるメーカーさんの中国シンセン事務所の4人の方々。

 このメーカーはまずERPを中国で導入した。モノ作りの現場で会計、資材調達、資材管理などなどを行い、「ただ安いだけでなく、上質のものを作るためにERPが必要」ということだった。恐らく日本のメーカーで日本ではなく、中国で最初にERPを導入したのは、この会社が最初だと。

 その話も面白かったのですが、テレビ電話会議システムも私にとっても興味深いものでした。しかし、結論から言うと「イマイチ」のシステムですかね。あれでは、必要なことを伝えるだけで、本当の情報交換にはならない、という印象がした。

 まず映像解像度が非常に低かった。それはシステムの通信速度がせいぜい256で遅かったため。映像の鮮度はかなり低いし、人の顔の輪郭も明確ではない。ただし声は非常に鮮明だった。

 もっとも、電話会議システムでもいろいろなものがあるでしょう。専用線を使ったモノならもっと速いはずだし、256からスピードを上げていけばもっとスムーズな上質なシステムが出来るはずです。

 面白かったのは、二元から三元など拠点を増やしてマルチで会話しようとすると、スピードを落とさねばならなかったこと。これは専用線のシステムではないことなんでしょうが、電話回線を使うとなにやら拠点を増やせば増やすほど一つの拠点に回せる回線容量が小さくなるという問題があるようです。

 ま今ではケイタイの窓を使ってテレビ会議がある程度出来る時代ですから、このシステムももっと多様なものになっていくのでしょう。例えばカメラの数を何らかの形で複数用意し、かつ回線を数多く使えば、これまでにないシステムが出来る筈です。まあそれまでする必要があるかどうか、という問題は別にして。


2003年07月10日(木曜日)

 (23:06)勝ったのはいいが、イラクはアメリカにとってとてつもない重荷になりつつある、という印象がする。政権の信頼面でもコストの面でもそうだし、セキュリティーの面でも。第一にラムズフェルドの発言から。

``The coalition did not act in Iraq because we had discovered dramatic new evidence of Iraq's pursuit'' of weapons of mass destruction, Rumsfeld told the Senate Armed Services Committee. ``We acted because we saw the evidence in a dramatic new light -- through the prism of our experience on 9-11.''

Rumsfeld appeared before the committee a day after the White House acknowledged that President Bush's claim in his State of the Union speech that Iraq tried to buy uranium from Africa was based on forged information.

 赤くしたところがそうなんでしょうな....本音。それだけアメリカにとっては9.11というのは大きかったと言うことです。疑心暗鬼にならざるを得なかった。世界をずっと見渡すと、自国民(クルド)に対しても化学兵器を使ったフセインという独裁者が居る。中東の不安定要因。で対決を決意したが劇的な証拠はなく、それでも走った、とラムズフェルド。

 その前が、ブッシュの一般教書演説に組み込まれたニジェールのウランの話。これはホワイトハウスが「forged information」(捏造情報)に基づくものだったと認めている。これでは政権の信頼性が揺らぐ。民主党が「徹底究明」を言い出すのは当然だろう。なにせ、イラク戦争を開始する最大の理由付けは「フセインはWMD=大量破壊兵器を所有し、場合によってはそれを使うから」だった。「WMDはおそらく見つからない」(英政府高官)といってすむかどうか。ブレアは来週日本に来る。

 次にコスト。今イラクにはアメリカ兵が14万8000人展開しているのだそうだ。非米軍が1万9000人。ラムズフェルドは米軍展開のコストを「月間39億ドル」と説明している。これにアフガニスタンでの毎月7億ドルの出費がアドされる。長引けば、相当なコストになる。

 しかしそのアメリカの軍隊はイラク国内でコンスタントに実弾攻撃のターゲットにされて、昨日も二人が死亡した。主要戦闘終了宣言後の戦闘行為で少なくとも37人が死亡したとされる。しかもアメリカ軍に対する攻撃はこのところ増加しつつある。ラムズフェルドは「バグダッドとその周辺」と言っているが、どうもそうではないようだ。地方都市にも広まりつつある、という報道もある。

 ラムズフェルドはだから、開戦の時には対立した仏独が入っているNATOの支援も受けたいと言っている。しかし、アメリカ軍がイラクから手を引くのは相当先になる。その間にイラクの抵抗組織はアメリカ軍に対する行動を続けるだろう。もっと人命が失われることになる。

 ブッシュは、死者が出てもイラクでは「stay course」といっているが、世論がどう動くかだ。危機の時は大統領の下に集まり、大統領を支持する。しかし、あまり死者が出たり、国家予算や経済に負担になれば、支持は急速にしぼむ。だからこれは私の胸騒ぎだが、今のままだとアメリカは経済的にも政治的にも一波乱あるかもしれない。


2003年07月09日(水曜日)

 (17:06)大学での私の授業方法改革の第一の試みとして、今日の二つの授業はそれぞれ尊敬する友達二人に来てもらって、彼らの目から見た「マルチメディアを読む」「出版文化」を語ってもらいました。それぞれうってつけの方。

 マルチに来てもらったのは、こうしたコラムを週に13本は書くという島川言成さん。ついこのあいだ小さな飲み会で一緒になっただけですが、話を聞いているとまさに「マルチメディア」に相応しい方だったので、「いかがでございましょうか」と聞いたら、「自分も専門学校で週4時間教えている」ということで、うまくマッチ。

 私も楽しみに話を聞いていたら、面白かった。生徒を授業に参加させるのです。壇上に引き上げて。これはうまいと思った。質問も結構出ました。私も質問して。まるで生徒のように。「13本て、どうやって書くのですか....」てな調子。

 朝4時には起きるのだそうです。最初にカラスがなくか、雀がなくかで一日の、そして朝一書くコラムのトーンが決まるのだと。私がそんなに早く起きるのはFOMCの時ぐらいですな。その後は顧問をやっている会社に行って、社員から質問がなければずっと原稿を書き、ワンパ(one pattern)の昼飯を食べ、午後は新橋に繰り出して酒を飲み、午後9時にはご就寝と。ははは、私とはかなり違う。

 「出版文化」はリクルートで各種の雑誌制作に携わり、つい最近ですが「http://www.pub.co.jp/」というとんでもないURLを取得したこの出版社の宮下さん。彼の話もおもしろ方。「出版文化」とか簡単に言うが、本を作る方が必死なんですよ。それが文化になるかどうかなんて考えていない。要するに聖書にしろ、売れた本が文化を創っているという面がある。

 宮下さんにとっては、18、19才の大学生が何に興味を持っているのか、本や雑誌を読んでいるのかは逆に興味があるのです。で質問が interactive だった。私は知らなかったのですが、いろいろな雑誌があるんですな。聞いていて笑ったのは「エスカワ」と彼女らが言う。これは何か。「kawaii」 or 「カワイイ」という雑誌があるのだそうです。その一つシニアのバージョンらしい。本屋で確かめなければ。

 いろいろな方に来てもらうというのは、いいかもしれない。「女子大で教えてみたい」という輩は結構周りにいる。普段は入れないところに入りたいのです、彼らは。という欲求と、現場で実際にいろいろな仕事をしている人の話を聞きたいという彼女らの欲求はマッチするはずです。これからは、頻繁に動員しよう.......


2003年07月09日(水曜日)

 (07:06)東京FMのことを書いたら、私が昔から知っていた青野さんではなくて、別の青野さんからメールを頂きました。ここでも奇遇にも、中村さんの話が出てきた。

 はじめまして、私青野秀俊と申します。13年リクルートでサラリーマンをし、独立して10年です。本日のコラムでネット戦略、インターネットテレビの事を書かれていたのでうれしく思い初めてメールさせていただきました。弊社は、日本で初めての熟年向け生活応援マガジン『はいから』(フリーペーパー・十万部発行)を発行しております。創刊七年目に入りました。そして、今年の一月より東京FMとの共同事業で中高年向けインターネットテレビ『はいからチャンネル』という放送を開始いたしました。伊藤様が書かれていたiivの中です。はいからチャンネル

  伊藤様のお知り合いである福祉民活ネット総研 中村憲昭氏をはいからチャンネル内の「はいから介護教室」に私と一緒に出演しております。中村さんから、伊藤様とのネットでの出会いを教えていただいておりました。

 私は、メイン番組の『はいから万歳』にも出演しております。(今週のゲストは元宝塚の安奈淳さんです)ネット業界は厳しいですが、なんとかCMも取りながら頑張っております。中小企業のため、番組に予算がかけられませんが、ネットでしかできないニッチで、個性ある番組を作ってまいりたいと思っております。今週安奈淳さんがご出演いただいただけで、宝塚ファンの方が多数アクセスいただきました。やはり、ここがポイントなのだと勉強になりました。

 生活応援マガジン『はいから』というのはまだ見たことがありませんが、ネット故に安いコストでテレビ番組になるのは面白い。まあ青野さんが「厳しい」と書いている課金の部分ですな。

 しかし、この前テレビ番組に出てくれた木村剛さんと話をしていたら、彼もネット上のブロードバンドサイトに「番組を持っている」と言っていました。そういう人は増えてくるんでしょうね。しかしそういうサイトで「指標性」を得た番組を筆者は知らない。それを超えるとまた地平が見えてくると思うのですが。


2003年07月09日(水曜日)

 (07:06)昨日は途中で思ったのです。まとまりのない一日だな....と。午前中はこの雑誌の編集長の桔梗原さんに日本のERP(エンタープライズ・リソース・プログラム)市場に関して話を聞き、午後はまた産業技術総合研究所の横山さんのナノテクに関する講演会に出席して質問をぶつけ、そして夜からは東京外国為替市場の若手を集めたジュニア・フォレックス・セミナーで今後は話をする側に回った。詰まってはいましたがね。

 ジュニア・フォレックスで喋るのは久しぶり。ニクソン・ショック(1971年8月)のころ、または日本の変動相場制突入(1973年春)には生まれていない人が大部分。ちょっと脅しちゃったかもしれませんが、「君たちが当然のように今居る業界は30年前はなかったよ..」と。ということは、30年後はこの産業はなくなっているかも...と言ったら、笑っている人が居ましたが。

 まあこれは誰にも分からない。私は残っていると思いますが。でも中身は違っているでしょう。私が喋ったのは、今までの為替相場の大きな決定要因としての「政治の枠組み」に関して。でもこの方々もおとなしい人々でした。良かったのは、懐かしい人々と会い、90年代を通じて付き合った人々の消息が分かった点。ナシヤンとか、ナカジマちゃんとか、「まだ君達いるんだ....」(笑)ってな感じで。その後神田で6人くらいで飲みましたが、久しぶりでござんした。

 横山さん(ナノテクノロジー研究部門部門長)の話を聞きに行ったのは、latest の話を聞きたかったからでした。今どこまで来ているのか。日頃聞けない話を時々聞いておくと問題意識が蘇る。面白かったのは

  1. ナノテクの本質を destructive technology と表現し、その具体的特徴を「旧型産業の破壊」「ロードマップを飛び越える」と指摘した点(表現が面白かった)
  2. 興隆しつつあるナノシミュレーションの技術に関しての発言とこの協議会の発足に関して
  3. ナノテクは「素性は良い技術」だが、アメリカがナノテクをもっぱら軍事に使おうとしていたり、クローンの問題などは問題だと思っていて産総研の中でも議論を始めている。自己組織化は引き続き夢の技術
 など。自己組織化はまだ難しいのだそうです。無から形を持った秩序が出現するまでにはまさに複雑系。多くのエネルギーと物質が投入され形をなす。それを数理科学的に分析するのは限界があり、シミュレートしきれない面があって、それが今は難しすぎる。だからまだ時間がかかるし、「夢の中の技術」だと。としたら、ナノテクは依然として局地戦での産業振興となる。

 横山さんがナノテクを「素性の良い技術」と表現したことは考えてしまいました。彼がなぜ「素性が良い」と言ったかというと、それは地球が基本的には太陽からもらったエネルギーを今まで人類が浪費してきたとして、ナノテクがそういう循環にストップをかける可能性が強いことを挙げた。「なるほど」と思いました。

 しかし、ナノテクには恐ろしいリスクがある。横山さんの表現を借りれば、「アメリカはナノテクをもっぱら軍事に使っている」と。自己組織化のシステムが完成した時に、人間には楽園が生まれるのか、倫理もズタズタになる恐ろしい世界が出現するかは、実は分からない。リスクを予見し、シナリオを立てておく必要があると思うのですが。

 あと面白かったのは、フォーブスのレポートや、いろいろな企業が行っている研究の話ですか。またこういう会合があったら行きたいものです。


2003年07月08日(火曜日)

 (07:06)時々タクシーで前を通るたびに、「この中はどうなっているのかな....」と思っていたところに思わぬ形で侵入。まあ「侵入」というのは変な表現で、実際はお呼びがかかったと言うことですが。

 どこかというと半蔵門の東京FM。今はそれほどでもないが、かつては本当に良く聞いたFM局でした。ジェットストリームってえのは、この局ではなかったでしょうか。城なんとかさんという人がやっていた、と思う。

 この局に対する私の最近の関心は、ネット戦略に移った。恐らくFM局の中では、ネットに一番注力している。で、それがどうなっているのか、という興味があった。

 出た番組は「Love And News」というのです。毎日午後7時から一時間の番組で、いつもは小川さんという方がやっているらしいのですが、今週はお休み。で、テレビ東京からフリーになった八塩さんが初仕事としてラジオ初挑戦。私はそれに付き合ったという形。

 しかし私にとっては、「FM局とはどういうところか」という関心が強かった。で中をいろいろ見せてもらったり、話をしたのです。ネットサイトはかなり充実していると思うのですが、課金化は全くしていないとのこと。難しいのです。ネットの課金は。

 で、サイトでの放送はどうか。実際の放送とは別物です。なぜなら、著作権で放送では出せる曲もサイトでは出せない。だからネットで出せる曲は、東京FMが権利を持っている曲か、許可された曲だけ。

 ではネットは無駄な存在かというと、広告は取れる。また、「見えるラジオ」を標榜している分には、ネットは「見える」という意味では、有望な媒体です。ネットをどう活用するか、というのは東京FMに限らず多くの局にとって課題なんでしょうね。

 それにしても、いつも出入りしている放送局に比較しても、若い放送局でした。平均年齢が見たとこ30に届いていない。30年以上も局が続いているのにこの若さ。局発足当時の人はどこに....と。まあ上の階とか、下の階とかに居たのかもしれませんが。


2003年07月07日(月曜日)

 (17:06)あっという間に読み終えましたが、それは軽いタッチで書いてあるのと、内容が面白いから。日米貿易摩擦、ビジネス摩擦に関しては数限りなく本を読んできましたが、この本は今後増大するであろう、いや既に増大している日中ビジネス摩擦について書かれたもの。

 なかなか文章もうまい。日本語の「検討」と、中国語の「検討」がこれほど違うものであることは知りませんでした。中国語の検討は、「自己批判」を意味するそうで、「文革の時など、検討なんかさせられたら、そのまま失脚、逮捕、拘束、拷問、最悪の場合は死、などという恐ろしい道につながっていた」と。だから中国人の前で軽々しく「検討する」などと言ってはいけない、とある。そうか。

 中国人が「冷たいもの」を食べないのは知っていましたが、日中摩擦の種になっていたとは。この新潮社の新書シリーズは知らず知らずのうちに結構読んでいる。

 新潮社の本では、英語ができるも面白かった。この本では私も最初の方(12〜13ページ)に出てきますから手前みそになってはいけないのですが、なかなか面白い本になっていると思います。時事英語をマスターしたい人には必携です。


2003年07月07日(月曜日)

 (09:06)roster」という単語を初めて覚えました。MLBのHPを見ると、決まったばかりの2003年の米オールスターの選出選手が出ているのですが、その下にやたらとこの「roster」という単語が出てくる。

 何かと調べると、「勤務当番表」「名簿」と。なるほど。多分この名簿に載っている人は、ここを見ると分かるのですが、要するに「勤務当番」という意味からも先発当番ということでしょう。

 ということは、センター松井、ライト・イチローでアメリカンリーグは先発ということです。じっくり見ると、rosterの中の9人の中では初出場は松井だけ。ナショナル・リーグを見ると、日本人選手は一人も入っていない。ま、二人の打者と長谷川の活躍を期待しましょう。


2003年07月06日(日曜日)

 (12:06)ほう、このニュースは、事情を知っている人にとってはなかなか面白い。この二人は記事にも出ているが「日本で無線ICタグ標準化を進める二大勢力の代表」で、どちらかといえば仲が良くないと思われていた。それが、同じ場で形としてはエールを交換している。

 「みなさん、ユビキタスIDセンター対オートIDセンターの戦いを見にきたんでしょう?」という坂村教授の発言は、だから笑えるのです。日本はパソコンのosの争いでもずっと良いものを持ちながらアメリカに先を越されてきたし(政治力もあったが)、それが産業構造の変化の方向を間違わせ、変化の足を鈍くしてしまった経緯がある。

 ICタグでは是非先頭を走って欲しいのです。その為には、この坂村・村井両氏がコンビ的に同じ方向で仕事をすることが重要だと思う。坂村さんが国内を固め、村井さんが国際的な役割を果たすという形です。ICタグにはいろいろ問題はあるが、技術は進むのです。それをどう安全で使い勝手の良いものにするかは、法律は社会の問題。この技術は面白いと思う。


2003年07月05日(土曜日)

 (23:06)シャイなお嬢様達.....」に関しては、いろいろな方から「私の場合」とか「こうすれば」といったメールを頂きました。ご心配いただき深謝。

 この技術はどうですか、と書いてくれた方とか、お嬢様的女子大から共学の4年制大学に転校した方からの体験的意見とか、グループワークの仕方を提唱してくれた方とか。もう前期は終わりですから、後期で試させてもらいます。

 講演会などの内容は実は聴衆に伝わらない、という統計結果もあるそうで、では何が聞きに来た人に残るのか。それは喋る人の印象とか、態度の残像が残るのだそうです。人の前で喋るのは難しい。考えれば、大学の先生の印象も、講義の態度は残っている。でも何を教わったのか。でも自分でやっていても、「うまくできている」と思えなくては。


2003年07月03日(木曜日)

 (08:06)シャイなお嬢様達.....」という印象ですかね。

 私の大学での授業は前期、後期に分かれていて、前期は前期で試験をするのです。それが7月にある。で今年の場合は期初から「試験レポートはインターネットでの提出しか認めない」と明言し、その上で授業をしてきた。彼女らは直ぐに実社会に出る。その予行演習をしてもらおうと、こちらとしては親切心なんです。

 高校を出た直後の彼女らには、これは結構高いハードルだとは思っています。キーボードの扱いをきちんと習っていない子供もいる。高校ではインターネットを殆どをきちんと教えていない。ネットメールのやり方やマナーをきちんと教えている高校は少ないのでしょう。教えられる先生も少ない。これはこれで大きな問題です。日本の教育は実社会のニーズのましょくに合致していない。

 そういうことを知った上で、しかし試験は紙ではなくネットでと要求してみているのです。去年の後期は試験の直前に提出方法を指示したが故に、半分程度の生徒は紙に自筆でのレポートを出してきた。今年はどうなることやら。

 「彼女らがシャイ」だというのは、教室で提出方法などを指示する。「わかっているかな」と思いながら話を終える。最後にもう一度、「わかりましたか、質問はありませんか」と念押し。ないんですな、これが。質問はほとんど。

 じゃいいか、と廊下に出ると、後ろからガサガサと音がする。廊下に出ると、教室の二つのドアから生徒が何人か飛び出てくる。「先生.....、何をおっしゃっているのか全然分からないんですけど.....」と。じゃ、なんで教室で聞かないんだ...。

 彼女ら。「恥ずかしくて聞けない....」と。知らないことを聞くことに殆ど躊躇を覚えない私からすれば、まあ一種の驚愕なんですな、これが。どうなることやら。

 しかし、授業のやり方にはいつも悩んでいるんですよ。90分の授業、10分の休み、そしてまた90分の授業と水曜日の午後に組まれている。両方の90分を喋り続けることは難しい。講演でも普通は70分やってせいぜい10分の質疑応答。それでくたくたになる。

 だから授業の組み方もおかしいのでそれを直してもらおうと思っているのですが、まだ実現していない。週に二日も大学に行くのも荷物です。それから授業をなるべくインターラクティブなものにしたい。しかし、これがなかなか難しい。こちらが期待するレスポンスが返ってこないケースが多いのです。私が喋って、しかしその後は質問をしても「シーン」。昨日は「こういうんじゃ、面白くない」と言ったが、それでも「シーン」。うーん、悩ましい。私は講演でも、講演後の Q and A を楽しむ人間なのに....。


2003年07月02日(水曜日)

 (08:06)火曜日の夜に寝るときは、「明日の朝はどうなるんだろう」と思って寝たら、朝起きたら55ドル高。寝るときは確かダウは100ドル以上下げていた。ISMの6月製造業景況指数が5月の49.4から上昇して49.8になったものの、市場の予想だった50には届かなかったことなどを受けたもの。

 市況を読むと、ニューヨークの株は最後の一時間に大きく反発したと。その判決に関するウォール・ストリート・ジャーナルの記事を読むと、「アメリカらしくない訴訟があって、それが証券会社側の勝訴になったため」と読める。こんな訴訟があったことは、正直知りませんでした。

NEW YORK -- A federal judge threw out investor litigation against Merrill Lynch & Co., saying people who lost money because of the dot-com meltdown were "high-risk speculators" who took unjustifiable risks during a volatile market.

U.S. District Judge Milton Pollack in Manhattan said investors who are suing Merrill and its former top analyst, Henry Blodget, cannot twist federal securities laws into a "scheme of cost-free speculators' insurance."

Dozens of investor lawsuits have been filed against Merrill, claiming Mr. Blodget and others issued overly bullish research reports to win lucrative investment-banking business and pump up their own salaries.

In a 43-page opinion, the judge said investors can't lay the blame for the Internet bubble on Merrill, saying the law wasn't meant to encourage "a freewheeling casino that lured thousands obsessed with the fantasy of Olympian riches, but which delivered such riches to only a scant handful of lucky winners."

 つまり、訴えた投資家連中は「ドットコム・ブームに乗って株式投資をしたが、それはメリルとそのトップアナリストであるHenry Blodgetが過度に強気な調査レポート(overly bullish research reports)を出したからで、それを信頼した投資家がその後のブーム崩壊で被った損害は、メリルとアナリストの責任で賠償せよ」と訴えていたようだ。

 まあこれは無理でしょうね。これを認めると、何らレポートを出せなくなる。マックを食べ続けた太ったが、それはマックの責任という訴訟を想起させる。当然のレポートが最後の1時間に株価を押し上げたというのが興味深い。

 まあそれにしても、株価が先行しているということです。経済実態を表す統計はかなり弱いものが多い。今週の注目は独立記念日の関係で3日木曜日に発表される6月の雇用統計でしょう。


2003年07月01日(火曜日)

 (08:06)為替市場の観点から一番注目していたのが、120円、1.14ドルの壁をドルがクリアに破れるかどうかでしたが、昨晩の動きの中でドルはどうやらそれに失敗した。予想を出している人間にとっては、その結果は常に気になる。

 当面はドル・円で言うと、「レンジ」ということです。ドル強含みでの。今週中にあと数回ドルは上値を試すことになるでしょう。ニューヨークの株価が独立記念日を控えてだれれば、ドルが上抜けする可能性は低くなる。

 それにしても豪ドルが強い。80円をファームリーに抜いたと思ったら、昨晩のうちに81円に接近した。どこまでいくのやら。ユーロが1.14で折り返した後どの辺まで上がるかは結構興味がある。火曜日の東京市場段階では1.15の前半。当面のユーロ・ドルはユーロのフェーバーと見た。



ALL RIGHTS ARE RESERVED.Copyright(c)1996〜2003 伊藤 洋一