2000年07月31日(月曜日)

 「人間は職業を作り出す動物だ」という発想は実は相撲を見ていて考えついたものです。その経緯は相撲部屋とちゃんこに少し書いたのですが、この考え方に関してはこのサイトこのサイトの所有者から「賛同に一票」というメールをもらいました。

 私の祖父も「不思議な職業があるな...」と思ったんでしょうな。考えてみれば人間の生存に必要な生産活動をしているわけではない。食料を作っているわけでもなく、石油を掘り出しているわけでもない。しかし、なくてはならないものになっている。実はそういうものは人類の歴史の中で次々に生まれてきたし、これからも生まれると思うのです。

 サッカーやゴルフなんて、考えてみればおもろい商売でっせ。なくても全く困らないが職業としてしっかり定着している。しかし、職業となったのは人類の歴史(1年に例えた)から見れば12月31日です。「余剰生産」があれば、生存に必要な職業以外の職業は次々に生まれて、それが人間の活動を多様なものにする。

 で重要なのは、その手の職業は危うく、なくなりそうなものに見えながら、実はなくならないのだと思う。なくなるものもある。しかし、それ以上に生まれてくる。今の日本から例えば野球をとり、相撲を取りとしていけば我々の生活がどうなるかを考えてみれば良い。野球は戦争中は中断されましたが、ファンは我慢していただけでしょう。ニーズはある。ということは、野球選手という職業はなくならない。

 芸術でも何の分野でもそうでしょう。でもこれからも多いのは、「外だし」でしょうね。家庭でおこなわれていたものが外に出る。考えればクリーニングからなにからなにまで、職業というもののかなりの部分は家庭で行われていたものを外に出し、専門化させることで成立した。惣菜屋なんてその典型でしょうが、今後もあるでしょうな。むろん、「家庭」のレベルを大きく超えた職業も多いのですが。
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 昨日読んでいて一番面白かったニュースは、クアルコムとフォードの合弁会社設立。携帯電話(広くモバイル)がこれだけ利便性の高いものになってくると、それを車に融合させようと言う動きが出てくる。「in-car communication services」とか「telematics services」市場というらしい。

 日本で言えば、例えばトヨタがNTTドコモと提携するようなものです。実は私は家族で出かけていてお腹が空き家に着いて直ぐに出前が欲しいときは出先から頃合いを見計らって近くの寿司屋に電話するというようなことをごくたまにしているのですが、その発想で行くと車で家を出るときにモバイルを稼働(インターネットか何か)させてこれから行くスーパーを呼び出して欲しいものを指定し、到着したら指定しておいたものをピックして直ちに他の場所に行くというようなことが可能になる。スーパーも注文を一々電話で集めていたら大変でしょうが、ネットで一覧になれば在庫を動かすのも楽です。われわれもスーパーの中を走り回らなくて良い。そしてゆっくり見たいときはゆっくり。

 フォードのクアルコムが作るシステムは「Wingcast」と名付けられるという。2002年にはフォードの100万台の車に搭載という。その基盤は、IMT2000の基幹となっている「code division multiple access=CDMA」技術。音や映像も出し入れが今よりかなり楽になりそうで、それはデータも同じ事になると言うわけです。


2000年07月27〜30日(木〜日曜日)

 なんだかやと忙しくて、更新がちょい休止状態になりました。週末は千葉に行ったり、新宿に出たり。この暑いのによく動きました。土曜日だったか夕方に車で千葉から帰って来るという行程を取ったのですが、真西に向かって走るのです。それはそれは眩しいし凄い暑さ。

 その話を日曜日だったかタクシーの運転手と話をしていたら、「千葉の湾岸は道が高くなっている。遮るものが何もなくて凄く暑いと私も思っていました。同じようなことを考える人がいるものですね....」と。夏は千葉方面に出かけて夕方帰ってくるのは地獄。出来たら、朝は西に走り、夕方は東に向かって走るレジャーを考えたい。

 それはそうと、非常に驚いたこと。千葉に行ったのはゴルフだったのですが、太平洋クラブ成田という去年の10月に出来たゴルフ場に行ったら、精算が全部自動。プレイカードの中に磁気カードが入っていて、そのカードにとった食事、買ったモノ、プレー代などがすべて入っていて、最後にそれをマシンにかざすと「ハイ...いくらです」と表示が出てくる。

 キャッシュでもクレジット・カードでも精算は可能。しかも領収書からバッグ引換券まで一緒に出てくる。ゴルフ場の人員削減、合理化もここまで進んだのかと感心しました。あと思ったのは、あの自動車道路にあるトルゲートですかね。渋滞の大きな原因になる。あれが磁気処理(読みとり方式)できれば(もうすぐなるそうですが)、かなり便利になる。
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 それとの関連で言うと、日曜日かなにかの日経に野口悠紀雄さんが、「IT革命とは負の側面がある」といったようなとっかかりで文章を書いているのに気が付きました。中抜き、卸売りの消滅でIT革命を進めていけば雇用などに大きな影響が出る、という警告の内容だったと思う。

 確かに上で具体例を示したような形で機械が人間に取って代わっていけば人間のやることは少なくなる。しかし90年代のアメリカを見れば、IT革命が進む中で失業率は一貫して減少している。それは「雇用システムが柔軟だからだ」というのが彼の主張で、この点、つまり「柔軟性」が必要だという見方には私も賛成です。

 しかしもう一つ指摘したいのは、「人間は職業を作り出す動物だ」ということです。人間の歴史は職業を生み出した歴史だと思う。ある職がなくなるから、その人は必ず失業者になるとは限らない。だから小生は彼が悲観論たっぷりに書いているほど心配はしていない。

 第一、「では経済におけるIT利用を見合わせよう」という選択肢が選べない限り(競争条件上)、考えるべきはではどうやってうまく経済に溶け込ますかでしょう。むやみに悲観論を振りまくのは賢明ではない。
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 それにしても、まさかこのたった二〜三日間の間に金融再生委員長が交代してしまうとは思いませんでした。ある意味では、日本的でない凄いスピード。雪印の凋落も速かったし、その意味では日本の社会にも「スピード」が出てきたと言えるが、「落ちる」方のスピードでこれが別の方向に向いていたらと。

 一つ思うのは、そもそものスタートから間違っているのです。「金融政策は自分の分野でない。素人です」と言っていた人を金融再生委員長に付けた。それほど金融再生というのは簡単な仕事だと思ったのか。しかしこれは日本の社会ではあちこちで行われている。言ってしまえば、「専門家軽視」「ゼネラリスト重視」。役職のつけ回しでは済まない重要な問題を扱うのに、「素人でも(御輿に)乗っていれば出来る」と考えたとしたら大きな間違いだったということでしょう。


2000年07月26日(水曜日)

 中東和平はついに今回は合意できませんでしたが、まあ簡単には行かないでしょうね。歴史の重石がある。二人の指導者が帰って受けた歓迎の度合いは随分と違うらしい。アラファトは熱狂的な歓迎を受けたという。東エレサレムを諦めずに帰ってきたことを歓迎されている。

 対して、エレサレムの一部主権をアラブ側に譲ることを提案したバラク首相には、冷たい視線。イスラエルは今までエレサレムを「eternally united」と言ってきたから、バラクをその基本線を離れた。自分はそこまで態度を軟化させた、冒険したのにアラファトがそれを蹴って「会談は決裂した」というのがバラクの主張。

 国内政治の嵐に巻き込まれるのは必至で、政権の維持も危ぶまれる。会談は再開の予定だそうだが、一度中断すると双方の首脳は国内の対立する様々な意見の狭間に投げ込まれる。

 大体意見というものは出させると、危機に際しては強硬論が支持を集めるものでおそらくイスラエルの世論はバラク首相が提示した妥協案を拒否する方向に働くだろう。再開はかなり難しいと読む。9月13日に向けては、中東情勢は要注意です。
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 ニューヨーク証取からメール。いよいよあの分数とはお別れが近づいたようです。1/8は0.125で直ぐ掲載できるのですが、1/16、さらには1/32などは計算が難しい。最近は1/64という刻みも出ていた。表記がややこしい。これを直すという方針は賛成です。

 当初の実験は、フェデックス以外はあまり有名な会社ではないようだ。まあ各業界では知られているのかもしれませんが。ドル、セントの表示ということは、分数を数字に直したときにとんでもない長い数字になることが避けられるということでしょう。

NYSE Proposes to Start Decimal-Pricing Pilot on Aug. 28

 NEW YORK, July 25 -- The New York Stock Exchange, together with a securities-industry committee on decimal pricing, has proposed to the Securities and Exchange Commission an Aug. 28 start date for the decimal-pricing pilot for NYSE-listed stocks.

 Pending SEC approval of the plan submitted by the Exchange Committee on Decimals, decimal pricing will start Aug. 28 in the following NYSE-listed stocks announced earlier this month: Anadarko Petroleum Corp. (trading symbol APC); Forest City Enterprises Inc. Class A (FCE A); Forest City Enterprises Inc. Class B (FCE B); FedEx Corp. (FDX); Gateway Inc. (GTW); Hughes Supply Inc. (HUG); and MSC.Software Corp. (MNS). The American Stock Exchange also will have several stocks in the pilot program.

In the pilot, stocks will be priced in dollars and cents instead of fractions, and the minimum pricing increment will be one penny. On Sept. 25, the pilot will expand to include approximately 50 NYSE-listed stocks, in addition to some stocks from other markets. Approximately 60 days after that, the NYSE and the industry in consultation with the SEC will evaluate the pilot results, focusing on the impact on liquidity, trading patterns and systems capacity. Following that, a decision will be made on when to extend decimal pricing to all NYSE-listed stocks. The industry plan recommended an April 9, 2001 deadline for decimalization of all equities and options markets.

The NYSE has been decimal ready since April 2000, and has been working closely with the industry and the SEC on the implementation plans. The NYSE's board approved conversion to decimal pricing in June 1997 -- the first U.S. securities market to take that step - with the goal of making prices more easily understood by investors, reducing spreads and bringing the United States into conformity with international practices.


2000年07月25日(火曜日)

 あらら、ESBRを見ようと思って渡ったら、何か様子がおかしい。変わっているのです。このページはもともとホワイトハウスのページのリンク先ですから、ちょっと待てよってな感じで御本体はと思って見たらあの旗が揺れていたお馴染みのサイトはなくなっているではないですか。いつ変わったんですかね。

 うーん、選挙対策かな。どのページに行っても「大統領と副大統領は....」という文章に出くわす。ブッシュに水を開けられているゴアがなるべく国民の目に触れるようにという作戦でしょうか。突然変えられると(私には少なくともそう思える)、とまどいますね。財務省や連邦準備制度理事会のページはそのままですから、ホワイトハウスが変わったということです。
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 午後は時間が開いたので、ちょっとお台場のビッグサイトに「夢テク」を見に行ってきました。午後1時からホンダのロボットのP3の実演を見て(なかなか良くできていました)、エプソン館に寄り(スリラー仕立てでした)、ドコモ館(NTT館)でIMT2000の予想マシンを見て、マイクロソフトの簡単な映画を見て、パナソニック館でSD音響機器を見てその小ささに驚嘆して、そしてたまたまデジカメを持っていたので何枚か写真を撮って.........あとは忘れました。

 まあそうですね、行く価値はあるのかな。中にアサヒビールの展示場があったので、「、もしやビールをタダで....」と思ったら、違いました。会場の中はなかなか暑い。で、ビアガーデンとしてビールを買っていただければという魂胆のようでした。こういう展覧会に行く理由は、何かとんでもない大きなモノを見落としていないかを確認するためですが、大体が想像の範囲内だった。ソニーはもっぱらAIBOとポストペットを前面に出していました。夏休みの子供が多いですから。

 面白かったのは宇宙開発事業団とか農水省とか政府機関がいろいろ展示をしているのです。郵政省もあったかな。あまりうまいとは言えませんが、なんで出ているんでしょうね。しかし、展示館も人気のある館とそうでない館ははっきり分かれる。人気のない館のコンパニオンは可哀想。暇そうにしているだけで、何かその子が人気がないようで。
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 それにしても、25日の夜はニュースの多い一夜でしたね。


2000年07月24日(月曜日)

 ハイテクの世界では初めてではないでしょうか、「maturation」という単語を目にしました。今年第二・四半期の米パソコン販売の伸びが前期や世界平均に比べて著しく落ちたという記事。ウォール・ストリート・ジャーナルなどに載っている。

 この記事によると、ガートナー・グループのデータクエストは同期の米パソコン販売台数が一年前に比べて12%の伸びにとどまったと発表。世界平均の伸びは18%だったという。

 一方、インターナショナル・データは第二・四半期の米パソコン販売の伸びは7%にとどまって世界平均の15%を大きく下回ったとしている。去年から今年にかけてはアメリカのパソコン販売の伸びは10%台の半ばだったから、これはペース鈍化。もしかしたら「maturation」(飽和)の兆しかもしれない、という記事になっている。週明けの市場では、このニュースがPC関連株を押し下げた。

 特殊要因もあるようだ。アメリカにおける昨年の著しいパソコン出荷増加は、値下げ競争が激化したり、はては「free PC」が出てきて出荷が著しく伸びたのが背景だという。対して、今年はむしろ平均価格はアメリカでは上昇気味。企業のPC購入も少しペースダウン。

 で一部のアナリストは「アメリカのPCマーケットは、やや長期の低迷期に入ったかもしれない」との判断をしているようだ。しかしアメリカの家庭でのPC普及率は、依然として52%。その段階で「maturation」とか「saturation」というのは、「その程度で止まってしまうのか」という印象がする。
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 昨日もある会合でちょっと話題になったのですが、こうした設問をしてみるのはどうでしょうか。

  1. PCの家庭への普及率は、テレビの水準まで届くか ?
  2. 届かないとしたら、どの程度で止まってしまうか ?
  3. テレビよりかなり以前で止まってしまうとしたら、ネットワーク社会というのは果たして万人のものになるのか ?
  4. 万人のものにならないとしたら、国や地域はどう対処すべきか ?
 むろん、テレビがいずれネットワーク端末そのものになるという話はある。しかし、日本で今売り出されているデジタル・テレビは50万円とかする。。ネット端末にするには、異常に高い。一方、中途半端なネットも見られるテレビは失敗した。ネット接続だけなら、PCや携帯電話の方が優れている。

 個人的には、テレビ局が送り出す電波(信号)を受信する為だけに新しいテレビを買う気持ちにはなれない。正直言って、テレビをほとんど見ない人間ですから、ネットをやるならパソコンで十分。

 普及率52%の段階で「maturation」などという単語が出てきたので、ちょっと考え事をしてしまいました。しかし小生に言わせると、アメリカには開拓されていないPC市場が多いような気がする。私が会ったエコノミストでB5のノートパソコンを持ち歩いていたのは、ヤルデニ君だけです。あとはみなA4の4キロもする(アダプターなどを入れて)PCを持ち運んでいた。

 まあ、デジタル・デバイドの問題の関連で、「ネット端末の普及の限界」なんてのを考えてみるのもも面白い視点です。


2000年07月22〜23日(土〜日曜日)

 ほんまに暑かったですな。土曜日は駒沢の硬式野球場に高校野球の応援に行ったのですが、日傘、しかもゴルフ用の大きな日傘をさしていてもじりじりと焼けた。身に付けていたものの跡はすべて体にくっきり。さすがにばてたので、日曜日は朝起きた瞬間から「外に出ないでおこう」と思ってずっと夕方まで家に居ました。この暑さ、まだまだ続きそうですな。
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 「グリーンスパンの魔術」の人名の読み方を早速にお教え下さりありがとうございました。

 点字図書館では著者や訳者の方に直接お尋ねすることは遠慮するように いわれております。今回は訳者紹介にホームページがのっていたので あつかましくお尋ねいたしました。

 このご本は訳者あとがきでもおっしゃっているように引用文と地の文が 交互に出てくるので音訳がむずかしかったです。(聞いている方がきき わけられるように)また、巻末の注を本文に読み込みましたのでテープを とめては本をめくるという感じでした。

 注にでてくる人名の読みも当地の県立図書館で調べたのですがみつから ない方もいらして推定読みをさせていただいた方もあります。早大の ESSにおりましたので横文字の出る本の音訳を点字図書館から頼まれる ことが多いのですが、勉強不足で恥ずかしいです。テープ図書が校正が終わり直した後にCDになって利用者に渡ります。

本当に有り難うございました。

 ということで再び小泉さんよりメールをいただきました。本にホームページを載せておくのは役に立つというわけです。確かに今の本は仕方がないし、ある意味で当然ですが目の見える人を対象に作っている。グリーンスパンの魔術を翻訳するときにグリーンスパンのしゃべった部分はちょっと太字にして、「これで大丈夫」と思ったのですが、そうは問屋が卸さなかったと言うことです。
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 サミット関連の文章を読んだのですが、あまりエキサイティングではない。たった2〜3日間で公式サイトに載っているような文書全部を考えたとはとても思えないから、当たり前ですが事前にシェルパが作成したものを承認しているに過ぎない。面白いはずがないのです。

 まあでも読んでいったら、「OKINAWA2000」という総括声明の最後の82項目目に

We have accepted the invitation of the Prime Minister of Italy to meet in Genoa next year. To enhance communications in the meantime, we have agreed to establish an e-mail network among ourselves.
 という文章があることを発見しました。「首脳間に電子メール・ネットワーク」を作るとは、インターネットとはまた別にクローズドなネットワークを作ると言うことでしょうか。しかし、今回討議されたようなことだけなら、別にクローズドなネットワークなど作る必要はないように思いましたが。インターネットを使えば良い。

 あとITに関する沖縄憲章の「Seizing Digital Opportunities 」の項に取り上げられている基盤整備のところの項目は全て日本が着実に実行を求められているものがばかりだと思いました。ということは日本はまた、「Not Seizing Digital Opportunities 」だということです。


2000年07月21日(金曜日)

 いろいろな仕事をなさっている方がいらっしゃって頭が下がりますね。前橋市の小泉さんという方からメールをいただきました。

 私は群馬県立点字図書館で視覚障害者の方に録音図書作りのお手伝いをしてお ります。現在利用者からのリクエストであなた様の訳された「グリーンスパンの 魔術」を録音図書化しており、訳者あとがきに出てくる方々のお名前の読み方で わからないものがございます。(白塚重典様はホームページで検索してわかりま した)。今西様のお名前、小林様のお名前、名塚様はなつかかなづかか、桜井様 のお名前、お教えいただけたら大変ありがたく存じます。お名前の読みを間違え ると失礼かと思いあつかましくお尋ねいたします。
 録音図書というのは、本を音として図書化することでしょうか。あの金融の難しい本を音声に直していらっしゃる方がおられたとは驚きました。本当にこちらこそ、何かお手伝いしたい気持ちです。あと音声化したら、全国でその音声図書を共有化できたらいいですね。
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 ドイツからは、NTTの接続料問題に関してU さんからメールをいただきました。ドイツも日本と同じように電話は長く独占だった。しかし最近はつとに変わってきているようです。
 お久しぶりです。

 昨日のご意見、小生も全く同感。非常に苦々しく日本からの報道を読んでいました。 きょうの新聞には、やれ「橋本派」が主導を握って決着しただのと、永田町の動きを 詳細に報じておりますが、「政治がやるべきは日米交渉ではなく、競争を通じて利用 者への恩恵が大きくなるような仕組みを作る」ことだと思います。ましてやサミットではIT(情報技術)を看板に掲げながら、通信料金低下という最も有効なIT振興策を自 分で決められないというのは、全くおかしい話です。同時に、これを「日米問題」と して国民の前にプレゼンテーションした報道にも大きな責任がある。

 NTT同様、旧電電(ドイツテレコム)がラストマイルで独占状態(市内線も日本よ りは競争があるけれど)にあるドイツでは、接続料金は2年ごとに通信監督局が決定 しますが、非常に厳しく引き下げています。確か現在、平均で1分=2ペニヒ強(邦 貨換算1円強)です。このニュースは詳しく書いたけど、ほとんど無視されました。

  私も記者だから自責の念もありますが、報道は、各国の旧電電接続料金、さらには利 用者の払う電話料金を比較して、日本の通信料金がいかに高いかを示さなくてはいけ ません。政治家、役人の言っていることだけを伝えるという典型的な「クラブ報道」 に陥っています。ドイツから日本への電話代は現 在、東京から横浜にかけるのと同じ。雪印、そごうで消費者の力が示されたなら、こ のケースでもそうであっていいのではないでしょうか。

 ちなみにドイツの景気は10年ぶりの高度飛行になっていますが、背景には規制緩和 による通信料金低下などの改革があります。日本への電話代は、3年前の15分の1 です。


2000年07月20日(木曜日)

 ひょんなことから問題というものは解決するものですね。日中は暑いし、一日音楽を扱っていたのです。引き続きコンピューターの中に好きなCDを入れてしまおうと思って。最初は相も変わらず「トラックを認識しないの....」なんだのの問題に直面していた。

 しかし何らかの拍子にウインドウズのアクセサリーにあるエンターテインメントのCDプレーヤーを立ち上げながらソニーのオープンMGレコーダーを動かしたら、今までMGが認識しなかったCDも認識するようになった。しゃくに触る警告が出なくなったのです。

 理由は分かりません。ウインドウズの付録のソフトの方が認識力が強くて、それに引かれてソニーのソフトも認識率が上昇したのかもしれない。しかし、実際そうなのです。そういえば以前木村さんが「CDプレーヤーを試されましたか...」とメールをくれたのですが、その後実際には試してなかったのが頭に残っていたのです。

 とまれ、ハードディスクへの落とし込みがほぼ問題なくうまくいくようになったので、全部で17枚分のCDをラップトップに落とし込みました。これだけ入っていれば、どこかに行ってちょっと手持ちぶさたになっても聞く音楽の選択はいくらでも出来るというものです。

 木村さん、tks。
 


2000年07月16〜17日(日〜月曜日)

 今回の金融政策決定会合の議事録要旨が公表されるのは9月20日です。そのころには既にゼロ金利は解除されているかもしれない。しかし、議論の中身は見てみたい。最近ではもっとも興味深い議論が行われた筈ですから。会議後に発表された声明では、会合の意思は「そごう」がなければ解除に向かっていたことを示している。

 中央銀行の声明の中に一企業の名前が出てくるというのは異例中の異例でしょう。それだけ「そごう」の倒産があまりにも直近だったということです。しかし、それも政治の「市場経済政策」のぶれが原因で騒ぎが大きくなった。またも金融政策は「つけ」を回されたという印象が強い。今週のnews and analysisにも書きましたが、今回の一連の動きから最近では一番筆者は日本という国の陥ったどつぼの深さに嘆息しているのです。日銀の解除はそれを解きほぐす方向に働く可能性があった。(今回のレポートには電話やメールでいろいろコメントをいただきました。tks)

 原理原則も時に曲げられるし、それを受け入れなければならないこともある。最近見た「サイダーハウス・ルール」もそういう映画でした。しかし、経済は先を見る人間の行いですから、そこには透明性と予測可能性がなければならない。それがあってこそ、経済活動は活発化する。残念ながら今の日本ではその予測可能性がとんとない。見事に場当たり的、かつ近視眼的です。後々のために、政策委員会の声明の全文を掲載します。

  1. 日本銀行は、本日、政策委員会・金融政策決定会合において、いわゆる「ゼロ金利政策」を継続することを決定した。
  2. 委員会では、景気の現状について、「わが国の景気は、企業収益が改善する中で、設備投資の増加が続くなど、緩やかに回復している」と評価し た。また、先行きについては、「海外経済等の外部環境に大きな変化がなければ、今後も設備投資を中心に緩やかな回復が続く可能性が高い」と判断 した。
  3. 物価面では、こうした緩やかな景気回復が展望されるもとで、「需要の弱さに由来する潜在的な物価低下圧力は大きく後退している」と判断した。
  4. 以上を踏まえると、日本経済は、ゼロ金利政策解除の条件としてきた「デフレ懸念の払拭が展望できるような情勢」に至りつつあるというのが委員会 の大勢の判断であった。
  5. しかし、最終的にゼロ金利政策を解除するためには、雇用・所得環境を含め、情勢判断の最終的なつめに誤りなきを期したいとの意見があった。ま た、最近のいわゆる「そごう問題」については、市場心理などに与える影響をもう少しみきわめる必要性があることが、留意点として指摘された。
  6. こうした点を総合的に検討した結果、上記方針が賛成多数で決定された。
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 最近メールの種類が実に多様になってきた、と思う。たいして読まないのに申し込んでしまったメーリング・リストやメール・サービスからのメールが増えているのは当然として、突然web広告をしませんかとか、web広告を載せてもらえませんかとか、web大学を開いたのにでそこの教授にどうですかとか、ビデオ系の宣伝とか。

 面倒だし、最初から振り分けをすると特定の分野のメールは読まなくなってしまうのでしていないのですが、まあやっぱり一番目がいくのは知っている人からのメールですな。何を言ってきたのか、何か楽しい企画があるのか。次が知らない人からのメールで、こういうメールは新しい世界が開けるような気がする。昨日だと桜井さんなんかのメールは嬉しかったですな。反応が一番の薬。

 ところで、数日前の森首相がらみのジョークに関しては、「オリジナルはこうでした」というメールを浜松のKAWAMURAさんから

 先般森首相が慌ただしくワシントンを訪問した際の話です。

 例により同行した新聞記者が首相に入れ智慧したそうです。「会ったらまず How are you?と言って握手をしなさい。そうしたらクリントン大統領は"I'm fine, and you ?" と答えるでしょうから、そうしたら今度は”Me too."と答えたらよいのです。そのあとはすべて通訳にまかせて下さい。」

 ところが,好事魔多し。実際には森首相は "Who are you?" と言ってしまった。クリントンは苦笑い。"I'm Hilary's husband."と返して切り抜けたつもりだった。

 ところがわれらの森さん、筋書き通り間髪を入れず "Me too."と断言したという。 百戦錬磨のクリントンさんも思わず絶句、同席者には顔色の変わるのが見えたという。

 こうして始まった首脳会談は当然ギクシャクしてレールから外れたまま、通訳は四苦八苦したという。日本国民は大変な首相を戴いてしまったものです!

 ジョークで終わっていない・・・・・・・・・ということでしょうか。


2000年07月14〜15日(金〜土曜日)

 金曜日の夜に映画では信頼している友人から「良い映画を見ました」とのメールをもらったので、早速土曜日の午前中に行ってみました。「The Cider House Rules」というのです。題名が何を指しているかと言えば、リンゴ園の労働者向けロッジの規則なのです。私の記憶では

  1. ベッドでタバコを吸うな
  2. 酔って圧搾機をいじるな
  3. 酔って屋根に登るな
  4. 屋根で寝るな
  5. 夜屋根に登るな
 など。しかし、これは世の中のルールの代表例として扱われているに過ぎない。そのルールと人間達がどうかかわっていくのか.....?

 実はこの映画には実に多様なルール破りのケースが出てきます。娘を孕ました父親の話、自らも世話になった他人の恋人と出来てしまう主人公、法律で禁じられている堕胎をする医師。まだまだいっぱいある。そうしたルール破りの根拠となるのが、「USE」(必要性)であったり、「LOVE」(愛)というわけです。特に「USE」という単語は何回も出てくる。

 もっともそう堅苦しく考える必要はないかもしれない。一緒に行った我が家のもう一人とこの映画の話をしたら、随分と印象が違っていたのでびっくりした。実は骨格では実に難しい堅苦しい作りをしているのに、マクガイアーという俳優の持ち味なんでしょうが実にまろやかな仕上がりになっている。「RULE VS USE AND LOVE」という構図の中で見なくても十分楽しめる映画らしい映画なのです。

 この映画は実は、「人生は予期しない、意外なことの積み重ねである」と言っているように小生には見える。だから規則通りにはいかないし、うまくいかないものだと。だからなんなのだと言ってるように見える。

 だいたいが、物語りの始まりはメーン州の雪深い孤児院で始まるのです。孤児院は最初から世の中では例外的な存在としてある。そこから映画は始まり、そして主人公がそこに戻って終わる。

 マイケル・ケーン演じる園長の医師が子供達に毎晩本を読んで聞かせたあとの最後に語りかける、「メーンの王様」「ニューイングランドの女王」(どちらがどちらか忘れました)よ.....とという言葉は実に意味深い。忘れられたような子供達に王様、女王と語りかけて彼等を励ます。

 世のルールの中でも最悪の規則破りをした父親は結果的に死にます。それがこの映画を救っているように思える。「USE」や「LOVE」で「ルール」も曲げられる。しかし、曲げてはならないルールもある。見て良かったと思える映画でした。


2000年07月13日(木曜日)

 I just received a joke from my friend.  I am not sure whether it is true or not.

森首相が5月に訪米した際、出迎えたクリントン大統領に

How are you ?

と言うべきところを

Who are you ?

と言ってしまいました。そこはさすが欧米人、すかさず、

I am Hillary's husband.

と答えました。それに対して森首相は

Me too !

と答えたそうな............

 おやおや、ヒラリーにも不倫疑惑(^.^)。


2000年07月12日(水曜日)

 ははは、「ミセス(?)パワー」ということでしょうか。そごうと雪印を見ていて思うのは、「私企業」に対して「消費者の目」(ミセスに限りませんが)というものが極めて強力で、かつ「公的」な監視役になりつつあるということではないでしょうか。雪印の製品に対する消費者の不安、忌避傾向が強いのは食品という製品の性格からして理解できますが、興味深かったのはそごうの山田社長の発言。

 同社長は13日の朝日新聞とのインタビューで民事再生法の適用申請に際して「政治的な圧力を受けたのではないか」と問われたのに対して

 圧力うんぬんではない。売り上げが7月に入って急激に落ち込んだ。百貨店の主力のミセス向け商品の売り上げが下がっている。顧客である国民の信頼を受けられない以上、生き残っていけないと判断した
 と述べている。そごうについては、中元商戦でも大幅な売り上げ減少になっているとの報道もある。つまり「買い物依存症」(一部の方でしょうが)とも言われる日本のミセスにも今回の一連の問題で見限られた以上、債権放棄戦略の継続の成功可能性は限りなくゼロに近づいていたということです。それだったら、逆にまだしも消費者の同情を惹起できる「民事再生法」の適用を申請した方が良いと考えた可能性がある。

 それでも例えば1240億円の公的資金が使われるとなれば、「そごう」から離れかけていた「主力のミセス」の方々が戻るかは不明です。しかし、債権放棄戦略の継続よりは可能性があるでしょう。亀井・自民党政調会長が動いたのも国会審議や来年の参議院選挙を睨んだ可能性が高い。そこにあったのも「目」です。
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 選挙ではそれほど顕著に見られなかった「目」が、私企業の活動には強く注がれたのはなぜでしょうか。一つには「身近な問題」だったからだと思われる。課税最低限の引き下げがほとんどの人にとって理解しにくい遠い話題であったのに対して、乳製品の安全性とお中元を贈ったときにその包み紙を見て相手が首を傾げるかどうかの判断は極めて身近なものだ。乳製品を飲んだり食べたりした自分が、そして子供が腹痛を起こすかどうかは身近以上の問題だ。

 標的になった企業が関係者の発言の中でそれとなく「マスコミ」を目の敵にしているのは、報道が「消費者の目」を惹起し、ある方向に向けたから自分たちはこうなったと見ているからでしょう。どうやら、「報じられなければこんなことにはならなかった」という思いがある。それは事実である。人間は報じられないことを知ることはできない。

 しかし一方でマスでない情報伝達手段がネットをはじめ数多く出てきている現状を見れば、情報の流布を止めることは出来ない。今は内部告発も多いと言われる時代である。確かにマスコミは依然として「マス」にアクセスできる力を持つが故に強力で、ある一つの世論を強めたり冷まさせたりする力を持つ。だからこそ、第四の権力と言われるマスコミは常に自戒の念を持ったり、場合によっては公的監視の下にさらしてそこにも「消費者の目」を当てなければならないのだが、それでも情報の流布そのものは止まらない。

 権力の相互監視という意味では、今までの日本企業では「経営」に対する相方がいなかった。株主が権利行使をしなかったからである。社員はマネッジメントの監視は無理である。雇用流動性が低く、価値体系が出世中心に出来ていて、所得が地位に依存している限りは難しい。企業における地位と所得を切り離すソニーのような動きは出ているが、まだ少数である。であるが故に、日本の私企業の多くは本当に「私」企業化した。経営者が優秀なうちは良いが、劣化したら悲惨なことになる。相互監視がないからだ。

 問題なのは、「消費者の目」というのはその企業がよほど酷くならないと届かないケースが多いと言うことだ。経営の監視というよりは、「最後の、致命的な一撃」になってしまう。思うのは、「私」企業になっている日本の企業は数多く「公」的な存在(製品やサービスを買ってくれる消費者がいるという意味で)であることをしばしば忘れるが故に、今後も企業がらみの問題は数多く発生するだろということです。もしそうした問題に直面せずに「最後の、致命的な一撃」を回避しようとしたら、システムの中に経営を監視し、「目」に耐えられる企業環境を作ることだと思う。しかし、まあなかなか一朝一夕にはいかんでしょうな。


2000年07月11日(火曜日)

 雪印乳業のホームページをちょっと覗いたら、まるで「お詫びページ」のようになっていました。普通のホームページは維持しながら、リンクの形で「お詫びページ」があるのかと思ったら、違った。

 ページの左下には

今までご利用頂いておりました「雪印乳業ホームページ」は、当分の間閉鎖させていただきます。
 というお知らせがある。ということは、従来のページは閉鎖した。同社がいつ従来のホームページを全面的に書き換えて「対応ページ」にしたのかは知りませんが、11日の夜11時の記者会見の内容も載っていますから、担当の広報セクターはそれなりきに敏速な対応をし始めたということでしょう。しかしちょっと遅すぎた。

 それにしても、「信用」というのは築くのに時間がかかるのに対して、失うのに時間はいらないということがよく分かった。しかし一方で、事件が発生する素地も時間をかけて出てきたのでしょう。今もって「マスコミが書くから売れない」などという発言が出てくるところから見ると、会社の体質も相当悪かったのだろうと思う。

 あっという間に販路を絶たれ、その上での全工場の閉鎖。その間には他社の製品が需要を満たすだろうから、販路を取り戻すのも容易ではない。普通は企業に関する悪材料というのは、その後の企業改善につながることが多いことから「株は買い」のケースが多い。しかし、雪印のケースはどうでしょうか。

 雪印乳業のホームページがいつ通常の形に戻るのかは知りませんが、同社が被った今回の打撃は、計り知れないと言える。
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 NTTデータが国税庁が導入を検討している税の「電子申告制度」の実験システムに関して予算5億5000万円のところを1万円で落札したとの新聞のニュースも気になったな。税の電子申告は是非早期に実現して欲しいシステムですが、その最初の実験システム開発が決して妥当とは言えない1万円の落札からのスタートとは。

 霞ヶ関に配備されているパソコンの入札でも、私の記憶では富士通とNECなどの壮絶な競争の中で一台1円とかいう価格があったと聞いている。しかしそこでは損しているのだから、企業はどこかで取り戻しているのでしょう。

 しかし、もうそんなことはやめたらどうだろうか。将来見込める利得に思いをはせながら今損しておくというのは、取引関係を不明朗なものにする。その都度完結させるのが明朗だろうと思う。買う方もあまり安かったら、他のどこかでしゃぶられていると考えないといけない。


2000年07月9〜10日(日〜月曜日)

 一つのことに関心を集め始めると、他のことには目が行かなくなってしまう。今のゼロ金利解除か否かを巡る日本での論争を見ているとそう思えてしまう。確かに重要な論点である。しかし、解除か継続かの二つの選択肢しかない金融政策で日本が天まで上ったり、地獄に堕ちたりすることはない。マクロ経済政策としてももっと他に必要なことがあるだろうし、今検討しておく必要があるものが沢山あるだろうにと思ってしまう。

 私の考えでは、そもそも経済政策(金融・財政政策)は一つ一つが孤立したものではありえない。日銀が独立しているからといって、中央銀行が繰り出す政策というのは常に他の経済主体の活動、政策当局の繰り出す政策とのリンケージの中にある。ある一つの政策ですべてのピクチャーが変わってしまうというようなことは、特に金融政策について言うならばないと思う。

 例えばIT、ITと騒ぎながら、ではそれを具体的に経済の中にどう生かしていくのかという議論はあまり聞かない。日銀の金融政策と同様、いやそれ以上にITの力を経済に生かすための規制緩和、教育政策は重要な意味合いを持っているはずだ。ゼロ金利解除か否かは要するに時期の問題である。

 金融政策は確かに重要な経済政策の一分野を形作っている。しかし、全てではない。戦後の日本が成功し、90年代から苦境の陥った理由を考えてみても、金融政策以外の要因が極めて大きい。実は、一国の経済の中にあって「中央銀行の存在が目立つ」というのは必ずしも良い時代ではないのだろうと思う。

 中央銀行は経済の調整をする存在であって、主体ではない。であるが故に、今の日本の経済論争が主役でない存在の次の措置に偏りすぎているのは残念である。もっと企業の活性化を進めるにはどうしたらよいか、消費者がもっと自信溢れる生活をするにはどうしたら良いかを議論した方が、日本の先行きのためには有用な気がするのだが。


2000年07月7〜8日(金〜土曜日)

 日本の放送業界も大きく変わりまっせ....という話。夕方収録のためにラジオたんぱに行ったんですな。そしたら編集室に人が集まっている。何かと思ったら、いよいよ番組のデジタル収録が試験的にですが始まっていた。つまり、今までは番組はナマ以外は一本のテープに収録し、それをマザーにして中身を切ったり貼ったりして作っていたのですが、今後はデジタル処理になるという話。

 面白いのでちょっと見せてもらったら、入っているソフトはこのサイトからデモ版を容易にダウンできる Cool Edit。小生も昔使っていたことがある。ウィンドウズのアクセサリーに付いている sound recorder は記憶だと1分の録音しかできなくて使い物にならないのですが、この Cool Editは30分でも1時間でも録音できる。しかもファイルは30分モノで記憶では384MBとそれほど重くない。

 むろん専用パソコンではなくて、ハードディスクが6ギガのA4ラップトップ。このコンピューターにはかなりの本数のサウンド・ファイルが既に入っていたのですが、ハードディスクのプロバティーを見てもそれほど重くなっている印象はない。

 そこまでの話はしなかったのですが、たぶんこうやって編集するのでしょう。つまりテープの時代には2台の再生・録音機器が必要だった。一方をマザーにして一方で作っていくのです。しかしコンピューター上でやるときには、ワードの「版の管理」のような感じで一台のコンピューター上で幾通りもの版の作成ができる。たぶん編集も簡単です。それを適当なバージョンで送出するわけです。

 これは、個人でも簡単にラジオ局が開設できることを意味します。まあ「もどき」と言っても良いかもしれない。問題は著作権がある音楽を使えないことだけ。しかし、著作権フリーの音楽は安い値段で結構手に入る時代になっている。自分のコンテンツで自分の声を録音する、そしてそれをサイトに置く、自信があったら次世代携帯電話でアクセスできるようにして、そこから多少でも代金を回収する....と言った使い方です。それはそれとして、一連の流れの中で一貫したデジタル処理が入ってくると言うことです。

 収録が終わって7時頃からは某テレビ局のメディア局の方々と食事をしたのですが、話は経済サイトの立ち上げに関して。日経系は別にして日本の各テレビ局は今年の秋を控えてサイトのコンテンツの詰めを急いでいる。経済はどうしても必要なコンテンツだということです。
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 ところで、今まで「何だろう」と思いながら調べてなかった「VAIO」が何の略であるかを初めて知りました。「ソニー ドリーム・キッズの伝説」という本を興味が持てそうな章から読んでいたら、最後の章に「VAIO」とは

Video
Audio
Integration
Operation

 の略であると書いてある。そうだったんですか。それにしてもこの本はなかなかよく調べていて面白い。まだ読み始めたばかりですが。


2000年07月6日(木曜日)

 そうだ、忘れないうちに書いておこう。木曜日は夜会社の大先輩を囲む会合があったのですが、そこで出てきた話によると日本で「世襲」の傾向が強まっているのは国会議員に限らないらしい。歌舞伎とかそういう役者の世界は昔からそうだが、最近は俳優もその傾向が強いし、実は思わぬ分野で親の職業を継ぐ子供が増えているというのである。

 驚いたのはこの発言だった。「地方に行くと、小中学校の教員の58%強が親も教員である」というもの。私はこれを検証する資料を持っていないのですが、もし本当だとしたら戦後に一時見られた日本の労働市場の高いモービリティーはかなり変節し、閉塞させられてきていることになる。これから少子化が進む。教員の座は貴重品になるという時代にである。

 一般的に、世の中が平和になると子供が親の職業を継ぐことが多くなることは知られている。やはりどんな職業にも skill とか expertise があるから、それは一番身近にいる人間から伝わりやすい。しかし必要な skill や expertise が固定的でないのが特徴の変化の激しい今の世の中だから、決して親の持つ skill や expertise だけでその子供が職業人としての一生を送れるとは思えない。

 とすると、その子供が親の時代にかなり付加価値をつけた職業人生を送らないと、変化の激しい時代での「親の職業を継ぐ人間の増大」は、変化にブレーキをかける力として働くことになる。
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 ある程度予想されたことだが、NTTコムのVERIO買収に関して、FBIが国家安全保障の観点から懸念を表明しているとウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。日本とアメリカとの間ではNTTの接続料問題が懸案としてあるが、今後はこのNTTコムによるVERIO買収も大きな問題となりそうだ。

 FBIとしては、ドイツテレコム(ドイツ)のスプリント買収、ベル・アトランティックのセルラー部門とボーダフォン・エアタッチ(イギリス)の合併問題と並んで、通信ネットワークのグローバライゼーションと国家によるネットワークのコントロール力の低下に関わる問題として検討を始めたようだ。

 VERIOはSP500に採用されている有力アメリカ企業のうちの約20%とサービス契約を持つ大手プロバイダー。そこが日本政府が53%の株式を保有するNTTの傘下に入るのは、例えばアメリカとして通信ネットワークの監視力が低下するなどの問題があるというのがFBIの考え方らしい。

 

An NTT spokesman confirmed Wednesday that the inquiry is a response to FBI and Justice Department concerns that law-enforcement agencies maintain access to Verio's Internet backbone so that they can obtain wiretaps and serve subpoenas for information needed for their investigations. Wiretaps are a common tool in espionage investigations and are used in some criminal probes.
 NTTのスポークスマンも以上のような形でFBIや司法省の懸念に対する措置を明らかにしている。

 通信ラインはますます高速化し、ブロードバンド化し、大量の情報が流れるようになる。その中には、国家の安全保障に関する、また犯罪に関する情報をも大量に流れる。そしてそのネットワークは必ずしも自国国籍でない企業の運営の下に入るケースもある。国として、安全保障や犯罪に関する情報をどうやって確保するか......という予想された問題が現実化してきたという印象だ。

 これは既に常識だが、アメリカはおそらく我々が想像している以上にインターネット上の世界の情報の流れを捕捉しているだろう。しかしこれは、サミットのような場所で全体的な枠組みの中で話し合う問題だろう。一企業が、「このケースはじゃこうしましょう」といった対応の積み重ねでは、後々大きな問題が残らないか....?


2000年07月5日(水曜日)

 またいくつかのサイトが立ち上がってきました。たまたま検索していたら7月15日にスタートの映画のサイト。最近は映画の封切りの少し前にサイトを立ち上げるのが常態になったようですね。

 次はメールをもらったサイト。一度閉鎖されたものの再立ち上げサイト。読んでいくと一番下に「恥ずかしながら帰って参りました」とある。知っている人が読めば、誰が帰ってきたか分かる。まあネットなんて、入ったり出たりすれば良いのですよ。私もサイトを二つに割ろうかとちょっと考えている。まあ先になるでしょうが。


2000年07月4日(火曜日)

 「最近買ったアイスクリームは雪印じゃなかっただろうな....」と冷蔵庫のドアをつい開けたくなるような話ですな。いや、実際に確認しました。新聞には「業績にも影響も...」とありますが、当たり前の話で影響が出て打撃を受けてもらわねば困る。でたらめをしていて業績に影響が出ないようなら、消費者がおバカさんだと言うことだ。

 企業幹部の発言もとても食品会社の幹部の印象がない。行き詰まってフランスから最高経営者を招いた日産自動車の経営幹部には、「自動車好きがいなかった」と言われたが、雪印の企業幹部の発言を聞いていると、食べ物が好きな人達とはとても思えない。食べ物好きの私には(ハハハ)、そう思える。まあ幹部が自分の会社が作っている製品、商品に興味を失った会社というのは、いずれ駄目になるんでしょうな。

 その意味で、自分の会社が作ったモノを自ら自慢しながら持って歩いているような経営者が多い会社の株価は買いということでしょうか。作っている人の気持ちが入っていなければ、周りだっていつかは白ける。
 ――――――――――
 午後は一つ座談会というのがあって参加したのですが、日中にもかかわらずかなり人が集まってきていて、テーマは株で関心は高まっていると言うことでしょうか。結構真剣な人が多かった。運用にはみなさん困っているんでしょう。

 アメリカ株がテーマだったのですが、私は日本の株の方がはるかに面白いと思っていて、発言内容もそういう方向になってしまった。相場は常に相対的なものですから、アメリカ経済や同国企業が良いとしても、相対的に日本やアジア、ヨーロッパの企業が良くなってくればそちらの方に魅力がある。

 もっとも「アメリカ株」「日本株」「ヨーロッパ株」という分類はどうなんでしょうか。昨年の11月からのハイテク株の動きを世界的に見ると、それこそ「 in tandem」に動いている。世界を市場にしている銘柄の株価は、グローバル株というような分類で考えるのが良いのではないでしょうか。ノキアの株を北欧の一カ国の企業の株価だと考える人はいない。


2000年07月4日(火曜日)

 「最近買ったアイスクリームは雪印じゃなかっただろうな....」と冷蔵庫のドアをつい開けたくなるような話ですな。いや、実際に確認しました。新聞には「業績にも影響も...」とありますが、当たり前の話で影響が出て打撃を受けてもらわねば困る。でたらめをしていて業績に影響が出ないようなら、消費者がおバカさんだと言うことだ。

 企業幹部の発言もとても食品会社の幹部の印象がない。行き詰まってフランスから最高経営者を招いた日産自動車の経営幹部には、「自動車好きがいなかった」と言われたが、雪印の企業幹部の発言を聞いていると、食べ物が好きな人達とはとても思えない。食べ物好きの私には(ハハハ)、そう思える。まあ幹部が自分の会社が作っている製品、商品に興味を失った会社というのは、いずれ駄目になるんでしょうな。

 その意味で、自分の会社が作ったモノを自ら自慢しながら持って歩いているような経営者が多い会社の株価は買いということでしょうか。作っている人の気持ちが入っていなければ、周りだっていつかは白ける。
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 午後は一つ座談会というのがあって参加したのですが、日中にもかかわらずかなり人が集まってきていて、テーマは株で関心は高まっていると言うことでしょうか。結構真剣な人が多かった。運用にはみなさん困っているんでしょう。

 アメリカ株がテーマだったのですが、私は日本の株の方がはるかに面白いと思っていて、発言内容もそういう方向になってしまった。相場は常に相対的なものですから、アメリカ経済や同国企業が良いとしても、相対的に日本やアジア、ヨーロッパの企業が良くなってくればそちらの方に魅力がある。

 もっとも「アメリカ株」「日本株」「ヨーロッパ株」という分類はどうなんでしょうか。昨年の11月からのハイテク株の動きを世界的に見ると、それこそ「 in tandem」に動いている。世界を市場にしている銘柄の株価は、グローバル株というような分類で考えるのが良いのではないでしょうか。ノキアの株を北欧の一カ国の企業の株価だと考える人はいない。


2000年07月3日(月曜日)

 ねる (-_-)zzz前にニューヨーク・タイムズを読んだら、以下の記事。CNNまでドコモの端末にニュースを提供するとは、なかなか面白い。CNNもネットで流しているニュースからいかにして代金を回収するかということを検討していて、その一環として i mode 経由というのを思いついたのでしょう。毎月300円、2.83ドルで中身をみれるとある。見出しはタダ。

DoCoMo Handsets Will Soon Carry News

By ANDREW ROSS SORKIN
CNN plans to announce today that it has struck a deal with Japan's largest mobile telephone operator, NTT DoCoMo, to provide news and other information to customers over their mobile telephone handsets.

The service will provide breaking news in English or Japanese to subscribers of DoCoMo's i-mode service, a wildly popular service in Japan that allows customers to surf customized Web sites over the Internet. I-mode became so popular in Japan that DoCoMo recently had to limit sales of cellular phone handsets that offer Internet access to ease the load on its overburdened network.

While most Web sites on the Internet have had a hard time charging consumers for access to content, CNN, a unit of Time Warner, predicts customers will be willing to pay for content over their mobile telephones. While news headlines will be free, users will be charged 300 yen, or $2.83, to download an entire article. The charges will be added to customers' monthly telephone bills.

The service is being offered through CNN Mobile, a CNN unit that has formed similar alliances with other mobile telephone operators internationally. The information delivered over the service comes mostly from CNN's Web site, CNN.com.

The CNN/i-mode service could serve as a model of sorts for other mobile Internet access services, because of DoCoMo's network, which can deliver data at much higher speeds than most other current mobile telephone networks.

 アメリカは日本に比べるとモバイルが全く駄目。次世代の携帯電話も2005年と言われている。日本は2001年の5月で、既に仮免許がおりている。モバイルの世界で4年の差は大きい。CNNとしてもアメリカでのサービス開始を待っていられないのでしょう。あと2年もしたら、今度はアメリカの焦りが目立つような気がする。


2000年07月01〜02日(土〜日曜日)

 別にそのために来たのではないのですが、「もしかしたら東京にいるよりは少しは涼しいだろう」と思ったのは間違い。やはり諏訪も猛暑でした。特に昼間は全く違わないくらいの猛暑。ただ湿度が低いのと、朝夕はそうは言っても涼しいのが救いですが、朝夕は土曜日の夕方から日曜日の朝にかけてしかない。「暑い」という印象は同じでした。

 父親がまた諏訪の歴史の雑誌に新しい文章を寄せいて、それがなかなか良い文章なので少し先になると思うのですが、打ち込んで私のサイトに載せようかと思っています。本人の体調はそれほど良いわけではないのですが、何でも一つ意欲をもって取り組んでいてくれればそれはそれで私も周りも安心と言うことです。
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 今回は「ボランティアの力」のようなものを感じました。家に着いたら、周囲の木々がきれいに剪定されて実に綺麗かつすっきりとした印象になっている。「おや...」ってなものです。しかも作業跡がまだまなましかった。切り落とした枝などがまた数カ所にまとめて残っていて、作業がつい最近行われたことが明らか。

 聞いたら土曜日の昼間に一線を退いたものの、つい最近まで庭師だった人が市からのボランティアという形で依頼のあった家の庭などに手を入れているというのです。母親が頼んだらしい。全くただということはないが、正式な庭師を頼むよりも遙かに安いお金で。ですから、ご老人のボランティア活動の一環とも言えるのです。

 それがとても一人の人が半日ちょっとでやった仕事には思えない。すばらしい出来映え、仕事量なのです。ははは、剪定は私が諏訪に来るたびに少しずつ....なんて考えていたのですが、今はいろいろなルートでいろいろなことをしてくれるサービスがあると感心しました。

 新潮社から頼まれた短い原稿を書くために先週経済企画庁が発表した「人口減少下の経済に関する研究会」中間報告書(なかなか面白い)というのを読んでいたら、日本では労働力人口(就業者数)が2005年に、総人口は2007年に減少に転じて、この減少傾向はその後しばらく続くと見られている。

 しかし、労働力人口をはずれたからと言って何もしなくても良いというわけではない。人それぞれ特技があって、それは社会から要請されているものであれば、非常に感謝されそう。家の周りがあまりにも綺麗になっていたので、そんなことを考えていました。ボランティアの威力はなかなか見事です。

 土曜日に堆く積まれていた切られた枝は、日曜日にちゃんと市の回収車が来て回収していった。



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