2000年02月29日(火曜日)

 ははは、泣いても笑ってもあと数日で「The End」ですわ。思ったより時間がかかりました。本当は今年の初めにでも上げてしまおうと思っていたのですが、まあいろいろあって。出張もあったし、オヤジの体調不良も予想外の出来事でした。

 3月1日の朝に「翻訳者あとがき」を2500字くらいですか、書きました。まあでもタイムリーな面白い本になったのではないでしょうか。今が旬の人ですから。グリーンスパンの誕生日は来週の月曜日、3月6日です。74才。74才が「旬」というのも凄い。しかし、年の割には心身とも若い。かつ、頭は柔軟。なかなか凄い人でっせ。神話を続けられるかどうかがポイントです。「成功のジレンマ」とどうこれから格闘するか。

 3月20日ごろには書店に並ぶのではないでしょうか。「グリーンスパンの魔術」という題名になる予定です。日本経済新聞社から。


2000年02月28日(月曜日)

 いよいよ「デジタル・デバイド(digital divide)」のサミット登場というわけです。「特別な閏年」だったにも関わらず何もおきなかった29日の早朝に見た日経ネットのニュースは

小渕恵三首相は28日、7月の主要国首脳会議(沖縄サミット)に向けて有識者 から意見を聴く「九州・沖縄サミットに関する懇談会」を首相官邸で開いた。首相 は現時点で検討しているサミットの主要議題について(1)「情報技術(IT)革命」 による情報格差(2)グローバル化に乗り遅れた途上国の開発問題(3)エイズなど感 染症への対応(4)文化の多様性の重要性――の4本柱で臨む方針を表明。同時 に、国境を越えた犯罪や高齢者の経済・社会への参画促進、紛争予防なども取 り上げる考えを示した。
 となっている。「情報革命による情報格差」と言えば、「デジタル・デバイド」の問題が主になる。こうなることはかなりの確率で予想できたし、大阪での講演で「多分そうなる」と予測しておきました。というのは、今年の九州・沖縄サミットは世界経済が全体にインフレなき回復基調にあって「マクロ経済」は大きな議題にしにくく、かといって先進国が集う会合でもっぱら途上国の問題を頭に持ってくるのは力が入らない。

 一ヶ月くらい前ですか、通商産業省に関連した団体で講演したことから2週間前くらいに通産省の国際経済のセクションから「ご意見拝聴」の依頼が来たので部長さん以下の方々と2時間30分ぐらい今の動きの説明や質疑応答をしました。「随分と力が入っている」というのが印象で、その時から「サミットではデジタル・デバイド」が主要議題の一つと思っていた。

 私がその場で言ったのは、日本の場合は「企業だったら経営者、官庁だったらトップの方、政界はほぼ全部」と指導層の「デジタル・デバイド」が一番深刻だと言っておきました。それが現実です。景気が回復しないのも、時代の流れを読めずに十分にあった資金を成長性のない業界に注ぎ込んだことのツケが回ってきている。日本の企業の中でも一部しか今の変化の激しい経済の中で跳梁跋扈できないのは、経営者の情報技術(IT)に対する認識不足が招いた面が大きい。

 で、デジタル・デバイドの解決策。そりゃ、本人のやる気と教育のマッチングでしょう。馬を水辺につれていくことはできる。しかし、水を飲ますことは馬がその気にならなければ駄目です。日本が心配なのは、その「教育」の立場にある人達がまだ「digital divided」な方々が多い。思い出した。大阪の講演のあと出た質問の一つは、「ITを経営者にどう分からせたら良いでしょうか....」。まあそうでしょうな。企業の現場の方の一番の悩みは。

 定番の二番目に続いて出てくる「エイズなど感染症」も現代的な問題です。この前ラジオを聴いていたら、日本ではあまりマスコミでは取り上げられないのですが、エイズ以下実に多様な感染症がこれまた跳梁跋扈しているそうで、サミットの問題であると同時に、「日本の問題」という印象もする。

 四番目の「文化の多様性」はネットワークが進展しグローバライゼーションが進む中で、国や民族の独自性をいかに残したら良いかというような問題でしょう。「the Spirit of Seattle」が大挙して沖縄に攻め込んできそうな雰囲気の中で、すこし斜めから彼等が提起した問題に回答を出そうという意図が感じられる。

 しかし私は人間は最後は、マスの中に入ることを心地よいと感じる一方で、個人や家族や民族の独自性を楽しむ存在だと思っていて、ネットワーク社会やグローバライゼーションの進展が必ずしも個人や民族や国家の顔のない世界を招来するとは予想していない。少し進んだあとは、実に多様な顔を見せてくるとも考えているのですが.....。


2000年02月26〜27日(土〜日曜日)

 相変わらず翻訳との格闘です。まあ3月の初めには終わりにする予定ですが。ネット時代の幕開けでもあるし、出版社から著者のメールアドレスを聞いて、一連の「問い合わせ攻勢」を始めました。まあ週末ですから返事は帰ってきていませんが、来週の火曜日くらいから返事が返ってくることを期待しているところ。

 木曜日の夜から金曜日にかけては東京にいたのですが、また週末は諏訪に移動してきています。まあもう数年前にここにも「ISDN」を入れておきましたので、環境的には同じ。ただし東京のプロバイダーを呼ぼうと思うと、電話代がかかる。で、ニフティの諏訪のアクセスポイントにアクセスしているのですが、ニフティは全国区ではなかなか使い勝手がよい。

 電話代は節約できても、ニフティに支払うお金が増えるかもしれない。ニフティの代金で時間に左右されるんでしたっけ。忘れました。買ってある windows2000 も入れる暇がない。まああちこちの話を聞いているとまた周辺機器との関係なんかがあまりよくないらしい。そのうち、3月の中旬になるかな、入れてみようと思っています。駄目だったら直ぐに98に戻して、またしばらく様子を見るという形。


2000年02月25日(金曜日)

 へえ、そんなこともあるんだ....という話。23日に大阪から帰ってきてオフィスにいったん戻り、「24日は親のこともあり、来客予定もないし休ませてもらおう」と研究所内のメールシステムでその連絡を打ったのです。「to」や「cc」で。「よしこれで準備万端」と思ってコンピューターの電源を直ちに落とした。

 ところが、25日に朝出社すると「昨日はどうされたんですか....」と。「そんなばかな」というようなものです。送り忘れた覚えはない。私のPC(マック)のメーラーを改めて見ても当該メールは「送信済み」にちゃんと入っている。しかし、送信先には到着していない。なぜか.....。だってこれからが不安じゃないですか。

 で調べたのです。そうしたら、会社のメールシステムは20分とかに一回メールを集荷する(表現が正しいかどうか知りませんが)らしい。どういうふうになっているか知らないが、とにかく送信メールを常に直ちに相手方に送り届けるというシステムにはなっていない。ではメールを作成してその「集荷インターバル」が来ないうちにこちらがコンピューターを落とした場合はどうなるか。

 当然ですが、そういう場合でも大部分のケースでメールは拾われるのだそうです。そりゃそうだ。しかし希なケースながら、集荷インターバルにぶつからないままメール送信から時間も置かずにコンピューターが落とされた場合に、何らかの理由でそのメールは集荷されないことがあるというのです。確かに23日夜の私は、「これで連絡済み」と思ってコンピューターの電源を直ちに落とした。

 実は、24日にもオフィスの総務の方は小生にメールを入れてくれていたようです。私を捕捉しやすい i mode メールで。しかし、その時は私が多分病院の中だったので携帯電話を切っていた。電源が切られている時の i mode メールはセンターに行く。問題は、一回センターに行ったメールはメニューの中の「センター問い合わせ」でユーザーが問い合わせないと来ていると認知できないケースが多い。つまり告知が弱い。(このセンター預かりメールを電源が入った段階などで再送してくれるサービスをする携帯電話会社もありましたが、どこでしたっけ)

 まあいろいろ希なケースが積み重なって、そういうことになった。24日は来客などの予定がなかったので問題はありませんでしたが。メモを置こうとも思ったのも確かですが、連絡先が多いと「to」「cc」を使えるメールが便利だと思ってしなかった。圧倒的に便利なメールですが、落とし穴はある。電話には ongoing な確認機能があるというわけです。
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 AIBOなるペット・ロボットの実物を初めて手にさわって見ました。朝の番組のゲストがこのロボットの設計をしたソニーの大槻さんで、私はお相伴に預かった形。1.6キロ。思ったより小さかったのですが、その動きの複雑さには感心した。目が嬉しいときには緑、怒ったときには赤になる。しっぽも振る。足は非常に複雑な動きをします。

 動きをプログラムしているのは「メモリー・スティック」の中に入っているソフト。ということは、今は一種類しかないそうですが今後性格の違うペットを演出するソフトを何種類も作り、それをそれぞれのメモリー・スティックにいれ、一体(と呼ぶのだそうです)で何種かの性格のロボットを楽しむと言うことも可能。

 「人間にとって癒しになるかも」というのが大槻さんの制作の一つの理由だったそうですが、見ていて飽きないのは確かで、そうですね感情移入することも多分可能でしょう。しかしやはり当然ですが、体温はない。この辺はやはり生きているモノにはかなわない印象でした。ただし余分なものを出さないというのはメリットです。あとは最初は面白がっても、飽きないかです。


2000年02月23〜24日(水〜木曜日)

 大阪出張中にオヤジがまたまた入院したというので、木曜日に日帰りで今度は諏訪に移動したりして、ちいと忙しい。24日の朝はすごく温かくて、コートが不必要な感じ。梅の芽吹きが車窓から見えて、「ちょっと温かすぎるのでは....」なんて思っていたら、諏訪に着いたら雪が舞う天気で風も強い。ちょっとした吹雪。夕方東京に帰ってきたらまた寒い。

 忙しいと忘れ物が多くなる。メモリー・スティック(日常必要な全データがはいているのです)とカードを諏訪に置いてきたラップトップの中に入れたまま帰ってきてしまいました。また直ぐ行くので良いのですが、小さくなればなるほど見えにくくなって、忘れるリスクは高い。注意力の問題もありますが。

 まあでもいつまでも元気で居て欲しいのにこれだけ元気だった人も徐々に弱くなる。困ったものですな。でも、家の人間よりも、病院の看護婦の言うことは「ハイ、ハイ」といって良く聞くらしい。一時より痩せてきた心配な面もあるのですが.....。
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 翻訳は突っ込めば突っ込むほど難しい。言葉がもつ意味の領域(ディメンション)は一つ一つ違う。言語が違えばなお違う。だから二つの言葉でもってもう一つの言語の一つの単語の意味を訳し出すというのも時には許される、と思っているのです。

 ちょっとばかげた話ですが、悩んでいた単語があった。「mixed at best」とあるのです。つまり、新しい技術をアメリカが実際の商品に転換する能力について、アメリカの実績は「mixed at best」だとの表現です。著者は、基本特許では先行したアメリカなのに、例えば VCR などでアメリカは日本に先を越されたケースもあったと言っているのです。だから「mixed」だと。

 相場英語なら、「mixed」は「まちまち」と訳せばよい。しかし、この場合は「まちまち」も「まずまず」もおかしい。一回では適切な訳語が見つからなかったし、何回もここに戻ってきては良い訳語はないかと考えていたのです。

 最初に浮かんだのは「相半ば」という日本語。しかし、「良いケースと悪いケースが相半ば」と超長くなる文章しか浮かばなかった。「mixed」のような短い単語がそんなに長くなるのはおかしい。ところが、今日中央線の電車に乗っていて突然「巧拙相半ば」という単語が浮かんだ。「せいぜい巧拙相半ばだ」といった訳です。

 ここまできてやっと「mixed at best」の訳としてまあ許せるかな、という気になってきた。また違ったアイデアが浮かぶかも知れませんが、たった一つの単語にもこれだけ精力を使っていたら本当に体力がもたない。ある言葉を別の言葉に置き換えるのは、難しい。ほんま、疲れまっさ。


2000年02月22日(火曜日)

 大阪に来ています。あまり変わった様子は見られない。大阪らしい活気はある。しかし、引き続きタクシーの運転手は「11時を過ぎたらヒトがいなくなる...」と嘆く。松山でもそうでしたし、東京でもそうですが、夜は静かになる日本....という印象でしょうか。しかし、考えてみれば皆が考えているベースは多分80年代の後半の華やかなりしころ。

 ロンドンやニューヨークの夜の感じからして、「あれだけヒトが出ていたことの方が、世界の主要都市の中では異常」だったとも言える。男は家に帰らず外で飲みまくり、そして街も安全だったという意味で。だから例えば外国人が来て大阪や東京の夜の街を歩いていたら、「なんと華やかな」と今でも思うかもしれない。あのネオンの華やかさとあわせて。発射台で印象が随分違ってくる。23日の夕方まで大阪にいます。

 大阪では講演会を二つやり、一つ終わったところですがインターネットとビジネス(金融証券)の関係の話だったのですが「出席者は今までで最高」だったそうです。講演者冥利につきますね。質問続出。私は「終わった後、質問の出ない講演会は失敗だったと思います.....」と聴衆を脅すのです(そうすると出るので <^!^> それでも出なかったら惨めですが、幸いそういうことはない......ハハハ)。日本人はほっておくと質問しないのが礼儀だと考える。で、質問は2つか3つ出ると、あとは結構出てくる。このやりとりが結構楽しい。<^!^>
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 数日前に映画の話を書きましたが、また新しい映画が日本に来るようですよ。2年前だったかな、「私がベアリングズ銀行をつぶした」という本の解説を書いたことがあるのですが、それが今度映画になるらしい。絵になりにくい「金融」をどのように絵にしているか楽しみ。新潮社のその時の担当者だった寺島氏からメール。

前略 ご無沙汰しております。HPはブックマークして、楽しみに拝見して おります。

 さて、映画のお知らせです。『私がベアリングズ銀行をつぶした』という本ではすばらしい解説をいただきましたが、この本を原作にした映画が、ようやく公開となります。(6、7月)配給会社のクロックワークス(『ブレアウィッチ・プロジェクト』で当てた会社)から、伊藤さんに見ていただきたいので、伊藤さんのご予定に合わせて試写会を開きたいとの申し入れがありました。本当です。

 つきましては、2、3の候補日をお願いします。場所は恵比寿の試写室だそうです.....

 解説を書いただけなのに、予定を合わせてくれるなんて嬉しいじゃないですか。試写会を見たらまた印象を書きます。そういえば、新潮社の本では私がかかわった中では「無法投機」(だったかな、文庫本)も映画にすれば面白いと思う。FRBの議長がワナにはまるストーリーで、スイス国立銀行総裁が金と女におぼれる話し。この本も結構読んでいて面白かった。
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 asahi.com については何人かのヒトからメール。どうも、家のPC(多分 cache か何かが邪魔している)の問題のようです。大阪に出張用にもってきているPCでは問題ない。メールtks


2000年02月21日(月曜日)

 なんだか「asahi.com」が見れなくなっているんですが、皆さんは。先週末に確かこのサイトは「工事」をしていた。その時以来、我が家のどのパソコンからアクセスしてもコンテンツが出てこない。多分、そんなに長くサイトがダウンしていることはないので、cookie か何かの問題だと思うのですが.....。
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 私ではない「ITOH」さんからメール。外務省の措置について。まあ私は10年パスをつい昨年取ったばかりですから、多分実際に直すのはずっと先になるでしょうが。

 もうかれこれ3年以上になると思いますが、ほぼ毎日サイトを楽しみながら読ませ て頂いております。以前何度かメールをお送りしたいと思ったこともあったので すが、実現にいたらず今日がはじめてのご挨拶となりました。

 外務省がついにITOHの表記を認めることになったとのお話(というかOHの表記で すね)、全世界に広がる ITOH族にとって大変喜ばしいニュースをありがとうござ いました。

 高校、大学と留学をしていたのですが、はじめての年にクラスメートたちにいか に正確に自分の名前を呼ばせるかの実験をしてITOHにたどりついたのを思い出し ました。その後現地で使う公式文書の類は全てITOからITOHに変更したのですが、 肝心要の日本国旅券だけはどうにもならない次第でした。次回の更新が楽しみで す。


2000年02月19〜20日(土〜日曜日)

 寒かったせいか、週末にも関わらずぽちぽちとメールが入っていたようで、中に「ところで倉木麻衣は聞きましたか ? ポスト宇多田ヒカルと言われ LOVE,DAY AFTER TOMORROW がヒットしています......」

 知りまへんがな。それに対する私の答え。「宇多田も”ポスト”とか言われると辛いね。winner takes all but for a while というのが小生の主張だが、for a while がだんだん短くなってきている。まだ聞いていません....」と自分の得意分野に話を持ち込んだりして、苦しいリターン。まあプッチモニ(でしたっけ)も去年の末に知ったぐらいですから。

 ヤフーでこの名前を入れたら、倉木麻衣と出てきた。へえ、この子もアメリカ発なんですな。18才くらいですか。日本デビューは99年の12月8日とある。もう3ヶ月くらい経っている。知りませんでした、はい。良い歌なら歓迎ですよ<^!^>。
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 そうかと思えば、「ヘッドハンティングの会社からメールもらいましたが.....この会社ご存じ」といったメールも。へえ、昔は電話がかかってきて「今いいですか.....私...それともあとで...」ってな調子だったのですが、最近はメールで来るんですか。いや、最近そういう声が掛かってきたことがないので、知りませんでした。いいなあ、来る人は(^-^)ニコ。ほんま羨ましい。

 これはいつか書きましたかね、long long Long time ago に為替セクションにいたころ、まあそういう風潮でしたから一時期結構電話がかかってきたことがあって(そのころは誰にでも来てました、ハイ(^-^)/)、結構楽しんでいたのです。面白かったのは、3段階があったこと。ディーリング・ルームで話題にして皆で楽しんだ。

A クラス=向こうはかなり真剣。オフィスが大手町方面の人には昼のミート場所としてパレスホテルの最上階のレストラン(名前は忘れました)を指定

B クラス=向こうも強い関心はあるが、まずはコネ付けておこうか、といった程度。大手町方面では指定のレストランはパレスの右手奥左側のスワン

C クラス=真剣みはあまりないく、名刺交換程度。指定レストランは、スワンの前の喫茶でアメリカン・クラブ・サンドイッチをかじりながら

 てな調子だった。ははは、(3)の場合は、ヘッドハンティングの会社を興したばかりでお金がなく....というケースもありました。まあ以上が大手町界隈昼の序列で、なぜパレスが選ばれるかというと、大手町で誰にでも分かる昼飯サイトはあそこくらいしかない。時間はせいぜい一時間ですから。

 夜になると、こうした序列は不明です。皆勝手に行ける場所に行って選べる。夜まで食べながら....というのは結構真剣でしょう。以前は金融界をヘッドハンターが跳梁跋扈していたのですが、最近はハイテク分野じゃないでしょうか。人材がものすごくミスマッチしている社会ですから。「声が掛かってきたら price check 目的であったらいいじゃない」というのが私の考え。「ちっっとも成約がなくて....」とかえってこぼされることもありますが。

 誰か電話くれんかのう......(冗談でっせ)


2000年02月18日(金曜日)

 レストランでも何でも私の基本は、「紹介は自分が体験してから」ですが、最近は映画を見る時間もないほどちょっと身動きがとれない。で、「これらがいい」とある人から聞いている映画を先にこのサイトの読者にお知らせしましょう。ためておいては、時宜を逸する。

 食でもなんでもそうですが、「この人の言うことには納得できる」と賛同できる種類の人は誰にでもいる。それは他に人から見れば、多分「趣味が違う」といった問題はあるのかも知れない。しかし、今まで私はこの大先輩の薦めで映画を見て、失敗したことはなかった。最近では、「セントラル・ステーション」がそうでした。

 だから、ここの読者の趣味に合うかどうかは知りませんが、ハリウッドの映画にちょっと食傷気味な人には、下の映画のいくつかは良いかも知れません。見て良かったら、メール下さい。その大先輩は、今では映倫の委員にもなっている。それほどの映画好きです。「太陽は僕の瞳」は、まだやっていないかもしれない。

太陽は僕の瞳(The Color Of God 近く銀座3丁目の和光のウラの映画館で)
シャンドライの恋い(イタリア)
海の上のピアニスト(イタリア)
橋の上の娘(フランス)
季節の中で(ベトナム)
風が吹くままに(ベトナム ユーロスペース)
雨上がる(日本ものではということで)


2000年02月17日(木曜日)

 今更「当たり前だ」と思うニュース。「OH」の認可。私の名前は、「伊藤」ですがこれをパスポートに表記するときは、「ITO」しか今まで許されなかった。通常はどこでも「ITOH」を表記しているのに。しかし、これからは出来る。外務省の方針転換で。

 私の名前はまだ良い。「小野」と「大野」の区別は多分「H」を使わなければ出来なかった筈です。「長音表記」にはいろいろな方法があるが、私はずっと「H」を入れるのが一番と思っていました。一筆で掛けるし、バランスも良くなるケースが多い。

 逆に言えば、こんなことまで決めて今まで見直しもしてこなかったというのが驚き。初めて渡航するころから、「おかしい」と思っていましたから、もう何十年もこの問題は尾を引いていた筈です。「大野」さん「河野」さんなどなどにおかれては、「OHNO」「KOHNO」と書けないばかりに、ホテルなどで面倒な思いをされたんでしょうな。「河野」さんなんて外務大臣を何回もしているのだから、もっと気づいていたはずなのに。

 くだらん規制は、どんどん外すが良い。「OH」の使用は申請ベースだそうです。
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 たまたま近くにいたし、金曜日の朝晩の番組にも材料になるので「Wiondows 2000」の販売風景を見に秋葉原に。95にもつきあっているし、当時との違いをちょっと見ておきたかったので。12時30分ごろ。朝の番組のディレクターと二人で。「もう少ないだろう」と思って行ったら結構人がいるし、あちこちの店が開いている。

 むろん、95の時の喧噪や熱気はない。もともとビジネス用OSである「Windows NT」が母体ですから、「堅牢さ」と「security」が売り。本来は派手さに欠けるソフトの筈です。多かったのはやはり20代、30代の若者ですかね。学生は随分安く買えるらしい。「NT からのバージョンアップ版」「全くの新規」「95・98からのバージョンアップ版」と三種類があって間違ったのを買わないようにしないといけない。

 バグがあるというので迷ったのですが、結局買ったらなんだか知らないが、一杯「付録」が付いてきた。大きなストラップ、水筒、そして結構大きなバッグ。手ぶらで行ってソフトウエアを一つ買ってあんなに荷物が増えたのは初めて。まあしばらくして一台のコンピューターに入れてみて、様子を見ます。ちょっと先になるでしょう。「買ったその晩に入れてみたい」なんてのは、卒業しましたから。<^!^>
 


2000年02月16日(水曜日)

 しかし、それにしてもブルームバーグという会社は、なかなか凄まじい会社になりつつある。夜家に帰ってニューヨークのマーケットをチェックしようと思って、ネット・テレビを付けたら、ニューヨーク証券取引所の中から今現在のニューヨークの市場全体の動きを日本から派遣された人間が解説している。多分、ロンドン市場にもそうした人間を置いているはずです。

 テレビ東京なども朝に夜に番組をやっているが、いつでも見られるというのはやっていない。番組が終われば、それでそれを後で見ることはできないし、時間の経過と共に数字が古くなる。ところが、ブルームバーグという会社は昼間見る女性が夜やっていたりしてとにかく24時間のカバー体制。多分人もすごい勢いで雇っているのでしょう。コンセプトとしては、ネット時代に合っている。

 面白いのは、スペイン語のアナウンサー、フランス語のアナウンサーと選べる点。まあ私は日本語を中心に、時々英語を聞く程度ですが、これではロイターも影が薄くなるのも無理はない。いつでもどこでもというのが、やかましいようですがこれからのネット報道の形になって行くんでしょうな。

 もちろん、既に使った番組を複雑に組み合わせながら番組を進めていっているのですが、「経済の動きについてちょっと流れを知りたい」という時にはこの局は便利になりつつある。ネットテレビは時々ばしっと切れますが.....。
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 めったに電話で長話しない人間で、「電話が短い」ことで有名なのですが、今日はちょっと長電話をしながら、「うーん、長く電話でぐじゃぐじゃ喋るのも良いものだ....」なんて思いました。どうっていう話をしている訳ではなく、最近翻訳ばかりしているので気晴らしをタクシーの中でしていたのですが。ははは、最近メールばかりが多くなって、ちょっと食傷気味になっていることもあった。ちょっとしたネタのメールはいつでも歓迎ですが。

 そんな気分のところでこの記事を読んだら、「そりゃそういうこともあるかもしれんな...」と。一人の人間の24時間は限られている。うまくさっさと使わないと、他にやれることが出来なくなる。ネット故に、「寂しい人間」が増えているとしたら、残念なことだ。「人間にとって人間が一番面白い」というのが小生の昔からの考え方で、real でも online でもどっちもうまく時間が過ごせれば良いのです。

 この記事には、なかなか恐ろしい単語が並ぶ。見出しの「a Newer, Lonelier Crowd 」もそうですが、「raising the specter of an atomized world without human contact or emotion」なんてのは空恐ろしい。そういう傾向は確かに一部で起きて居るんでしょうね。しかし一方で、ネットは非常に素早く人と人を結びつける役割も持つ。片方じゃないところがおもしろい。この記事の中で「ゼロサムじゃない」と言っている人がいるが、それが当たっていると思う。壊れるモノもあるし、出来てくるモノもある。うまく選べる個人が多いといいのですが.....。


2000年02月15日(火曜日)

 ねる (-_-)zzz 前にちらっとネットを見たら、クリントンがホワイトハウスに「謎のハッカー」と呼ばれている Mudge 氏を含む専門家を招いて、先週のアメリカの有名サイト攻撃と、今後の対策を話し合ったという記事の中に、クリントンが「初めてのオンライン・インタビュー」を行ったとの記述を発見。

 どこかと思ったらこの CNN のサイトのようです。彼はここで「a national cyber security center 」(国家サイバー安全保障センターとでも訳すのでしょうか)の創設を提唱した。日本でもコンピューター犯罪特別対策室なるものを設立するそうだし、ヘラトリを見たら短信で次のような記事。

BERLIN - Interior Minister Otto Schily set up a task force Monday to investigate the threat posed by computer hackers who have recently paralyzed Internet sites. ''Security of information technology is key for every modern economy,'' he said. ''That is why the government will take every step necessary to ensure that this security is guaranteed.''
 つまり世界の主要国でほぼ同時にネットのセキュリティーを確保するための対策や組織作りが始まったと言うことです。米国の先週のサイト攻撃ではハントは既にカナダやドイツにまで伸びているし、日本の政府サイト攻撃はアメリカからの公算が強い。つまり各国間の協力体制が出来るかどうかがポイント。先週のアメリカのサイト(ヤフーなど)攻撃に先立つこと、アメリカの大手銀行に対しては「攻撃する」旨の警告が来ていたらしい。業界の中ではこの警告を回したが、FBIには通告しなかったという。米国の国内でも協力体制は出来ていなかったということです。
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 これに関連して面白い話を聞きました。東京にコンピューターにものすごく詳しい記者がいるある新聞社。ネットで集めた情報やメールの交換で得た情報でアメリカの今回のネット犯罪について記事を書こうとした。ところが、社内の仕切の問題で待ったがかかった。「アメリカで起きた犯罪に関しては、特派員が書く.....」と。しかし、アメリカの特派員にはそれほど詳しい人はいない.....

 ありそうな話ですね。縄張りがあるのは役所ばかりではない。ネットは時間と空間を越えると言われているのに、そのメリットが実際の紙面の中には生きてこない現実。テレビ電話インタビューなどが出来るようになったら、必ずしもその国や地域の事はその国に送っている特派員でなければ書けない、伝えられないという時代でもなくなりつつあると思うのですが、各社の体制はそこまで行っていない。臨場感は必要ですが、今はナレッジのレベルがかなり違う時代。その辺をうまく生かさないといけないのに。
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 記事にちらちらと目を通す中で自然に集まった今回の犯罪がらみの「ちょっと目新しい(少なくとも私にとって)」単語はこんなところでしょうか。

denial of service attack(サービス拒否攻撃 D.O.S attackとも書く)
cyber-vandalism
bogus request(偽リクエスト、real requestに対して)
pinging program (アクセスリクエストの繰り返しソフト)
tribal flood networks(the Tribe Flood Network software, or TFN, one of the interrelated-attack tools believed to have been used in the attacks )
script kiddies
electrohippies
zombies(computers remotely activated by the vandal or vandals 大企業や有名大学のコンピューターが使われることが多い、アクセスして疑われない)
FBI's National Infrastructure Protection Center(2年前に設置されたFBI内の電脳犯罪対策チーム)
monitoring of Internet-hacker channels known as Internet Relay Chat, or IRC
pseudonyms(偽名、ネット上のハンドルなど)


2000年02月14日(月曜日)

 ははは、おおぼけかましておりやした。先週末に「送られてきた文芸春秋の2月号」と書きましたが、送られてきたのは3月号で、しかし読んだのは2月号だと判明。何冊も重ねておくと、こういうことになる。失礼。
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 今日の夜の会合で聞いたおもろい話。

 海外などに出たときには、いろいろな書類に性別を書く欄がある。今は大体「sex m f」などとなっていて、○をすれば良い(そういえば、f m の順番になっている書類はあまり見たことがないな....)。しかしどうも昔はそうはなっていなかったらしい。

 ある豪傑の社長の秘書が社長と海外に出かけた。海外経験は希薄。そして、海外に出かけて社長の為の書類を作成していて、「sex」という欄にぶち当たって、はたと困った。なんて書こうかと。「sex」の欄は右側がたまたま空いていて、ちょっと詳しく書く必要があるように見えた。

 その社長は好き者で、70近くになっても結構おさかんだったらしい。何人かを抱えていた。で、秘書は「ウソは書けないが、あまり多いのも....またあまり詳しく書くのもと思って」こう書いた。

 「once a week」
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 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ハッカーハントはかなり詰まってきているらしい。一人は非常に高度なテクニックを使うハッカー、もう一人はそれほどの腕でもないハッカーの二人が potential suspect として浮上しているという。

 この手の記事を読んでいると、一杯今まで知らなかった単語が出てくる。それを今集めているのですが、なかなか面白い。ネットワーク特有の単語もあれば、普通の名詞でありながら、あまりお目にかかったことのない様なものまで。いつか紹介しましょう。

 今回の事件でも、「ログ」がかなり重要な役割を犯人割り出しで果たしている。とりあえず、コンピューター犯罪の観点からは「全ログの保存」といったことが上がって来るんでしょうね。ははは、会社のコンピューターも全交信のログを取っているのは常識ですよ。不用意なメールはお避けあれ.....<^!^>


2000年02月12〜13日(土〜日曜日)

 やはり14日の朝は起きたら17チャンネルに合わせました。丸山は、タイガーはと気になるじゃないですか。テレビを付けた6時30分前の段階でミケルソン−15、タイガー−14、丸山−13で、丸山が3位、タイガー・ウッヅが2位。それからずっと仕事をしながらですが見ていました。

 アメリカのテレビのゴルフ番組でこんなに日本人が頻繁に映るのを見たのは、私にとっては1970年代後半の「エオキ」(青木)以来でした。彼等は、「アオキ」と発音できない。母音が重なる。アナウンサーが、「エオキ」「エオキ」というのを、ニューヨークのアパートでずっと見ていたのを思い出しました。「エオキ」が戦ったのは、ジャック・ニクラウス。ははは、ニクラウスは最後に優勝を決めてギャラリーがわっと動き出したのを、「エオキ」のパットがあからということで、手を広げて抑えていた。

 ミケルソンがあまりにも大きいために目立ちませんでしたが、丸山は体も大きいしPGAのプロの中に入れても違和感がない。性格も明るいし、参戦3つめの大きな大会(ビュイック・インターナショナル)でタイガー・ウッヅと並んでのいきなりの2位。彼はアメリカのマスコミでも既に人気者になった印象。今後の活躍が期待できそうです。

 丸山は結局−14で最後のホールでバーディを取ったタイガー・ウッヅと同じスコアで終了。最終日は72で、スコアが伸びなかった。しかし、ミケルソン(−17)に続いて2位タイ。我慢我慢のゴルフでした。最後の数ホールはパットがほんの少しですが弱くなっていた。もうちょっと強く打てればいくつかが入っていて、優勝にもっと絡めたかもしれない。しかし、今回の2位タイで今後参加できる試合数も増えるし、そうでなくても招待も届いて試合数は増えるでしょう。アメリカの試合、ギャラリー、選手にもとけ込める気がする。

 7連勝がかかっていたタイガー・ウッヅは素人目に見て、ミケルソンに早い段階で追い付きすぎてしまったように思いますが、どうでしょうか。日本時間で午前6時30分くらい、確か13番ホールでスコアは−15だったと思う。もうちょっと後の方が緊張感を維持できたかもしれない。最後の数ホールは「もう俺はいい」という印象だった。

 しかしタイガーはこの大きな賞金の高い大会(1位は5000万以上だと思った)で2位タイに入ったことで、生涯獲得賞金では今までトップを走っていたデービス・ラブVを抜いた。ツアーに参加して4年もたたない時点での生涯賞金トップ。これも凄い。


2000年02月10〜11日(木〜金曜日)

 文芸春秋の2月号が送られてきたのでちらちらと見ていたら、シティーグループのジョン・リード会長のインタビュー記事が載っていて、その中で「相次ぐ合併について」というところで目が止まった。ははは、実に明快。日本の銀行など相手にしていないのがよくわかる。まあ、現状はそうでしょう。

 その次のアメックスのトップのインタビュー記事も面白かった。日榮の社長が替わったりして日本の商工ローン市場は動揺しているが、「ここにはチャンスあり」と。商業銀行業務でも中小企業金融でも、まごまごしていると動きの速い、国際感覚の鋭い外資がかなり日本でもシェアを取りそうな気配。

 いつも思うのは、日本人が日本経済に悲観的になっている間に、「日本市場は有望」と実に多くの外資系企業が日本に進出してきている点。多くの日本人が思っているとおりに日本が本当に世界経済の中でも成長性のない市場だったら、彼らはこない。しかし、実は彼らは「日本市場は実に美味しい」と考えているからこそ、資本を持って日本に来ているのである。

 こういう記事はいいね。少なくとも、今後を予見するのに役立つ。どこのか忘れたが、この時期に「戦後日本経済の曲がり角はどこだったか」といった特集を組んで何人もの専門家に意見を書かせていたメール・マガジンがあったが、笑ってしまった。「役にたたん記事だな」と。読む気はあまりなかったが、その中に痛快な答えが一つあって、「経済は ever-changing なもの。いつも曲がり角で、従ってその問いかけには答えられない」という回答。賛成デンな。
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 毎年何回か食べていたのに、今年は初めて。久しぶりでした、随園別館の羊しゃぶこの番組の連中が久しぶりに食事でもというので、私が提案して。彼らに任せておくと、あんまり感心しない店に決まってしまうので。<^!^>

 店は相変わらずすごく込んでいた。でもあの店はあんなものですよ。安くてうまい。見ていると、各グループはそれぞれいろいろなモノを頼んでいるのですが、店を良く知っているお客と、そうでない客は直ぐ分かる。水餃子と野菜の卵包みは定番。この二つはこの店でも有名になっている。ははは、しかしやはり今回行っても「羊しゃぶ」を注文していたのは我々だけだった。

 みんな見たときはぎょっとする。特にあのたれ。しかし、あれが旨い。そして忘れられなくなる。春までにあと2回は行きたい。


2000年02月09日(水曜日)

 英語で言うと、「"denial of service" attack」というらしい。朝日新聞はこれを、「サービス拒否」攻撃と訳していたが、もっと簡単に言うと「アクセス爆弾」ということか。メールを特定箇所に大量に送りつけて、メールを使えないようにするのが「メール爆弾」。今回のヤフーへの攻撃は、リピーター・ソフトなどを使ってアクセスを集中させるわけで、「アクセス爆弾」と言った方がわかりやすい。

 日中ウォール・ストリート・ジャーナルを読んでいたら、アマゾン・ドット・コム、バイコム、イーベイなどのサイトが同様の攻撃を受けて、2〜3時間のアクセス不能、アクセス不良状態になったという。騒ぐのを喜ぶ愉快犯の仕業でしょう。FBIが捜査に乗り出しているというから、これも近く捕まるのでは。民間サイトとは言え、かなり公共性を帯びているサイトで、毎日ダウンするようだと影響が大きい。

 こういうことを聞いたことがある。サイトのアクセス処理能力というのは、想定されるアクセス数の実際には3倍とか4倍になっているらしい。ピーク時に対して。だから、日々多少のアクセス数のぶれがあっても対処できる。しかし、アクセスを短時間に繰り返すソフトを使われたら、能力の数倍のアクセスが有るわけだから、当然能力を超えた分のアクセス要求は拒否される。その中にまともなアクセス要求があってもである。「denial of service」というわけである。

 ということは、アクセスを繰り返す出所を探して、そこからのアクセス要求を遮断するのが一番でしょう。しかし、敵が発信元を頻繁に変えたら、これは対処に困る。結局、ネットを混乱させるのが割に合わないということを示すのが一番のような気がする。それでも、今回のような事件はネット社会になれば何回も繰り返されると考えるのが自然でしょう。
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 出版社の人と昼飯を食べていたら、聞き慣れない単語が耳に入ってきた。新聞・出版業界の再販制度も実質的には尻抜けになってきているという話の中で。それは、「三年縛り」というらしい。日本で一番大きな新聞社が関西で始めて、これが九州にまで広がりつつあるという。

 どういうことかというと、「あとの2年はただで配達しますから、最初の1年を正式の値段で取って下さい...」というかなり思い切った腹切り販売。読者の3年を縛るわけです。特定の新聞社に。しかし、販売価格は実質的に三分の一になる。で、発行部数一位を追う新聞社も、これに応じた販売戦略をとり始めている。だから、「再販制度なんて実質的には崩壊しつつあるんですよ」というのが彼の意見。知らんかったな、「三年縛り」なんて。

 それにしても、本は絶不調が続いているらしい。中堅の出版社については、経営不振なんて話題は毎日のように聞こえてくると。売れているのは、「株」の本だけだそうです。逆に「株」と表題に入っていれば売れる、と。当面の出版社の脅威は、「プレステ2」だそうで、この驚異的なマシンが出てきたときの本の売り上げ減少に対する予想は、かなり厳しいものがあるそうだ。

 関西では新聞でも大きく取り上げられたらしいが、京都を中心とした大きな本屋が2週間ほど前に黒字倒産したという。本も徐々にネットで買う人が増えている。どんな本があるかな....と大きな本屋を見るのは楽しみなものですが、ネットは真夜中に自分で勝手に手続きが出来ることがなんと言ってもメリット。

 今はどの出版社、本屋もネット購入者に対して配送料を取っている。「あんなの、出版社は直販したらもうけが多くなるんだから、(消費者に転嫁せず、出版社が)もったら」と言ったら、「そんなことしたら、雪崩を打って直販が増えちゃいますよ...」と彼。つまり、業界全体への影響を心配している。

 しかし残念ながら、方向は見えている。先日も書いた「直」化の中では、不必要な中間業者は排除される。今年は e-commerce が本格化しそうで、基幹技術の変化に伴った社会の大きな変化が起きそうである。
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 出版業界の構造不況に関しては、10日の朝日新聞の23面にまとまった記事がある。


2000年02月08日(火曜日)

 昨日の午後です。会社の後輩の N 君が、「今から行っていいですか...」「いいですよ」という会話で上がってきた。何を言うかと思うと。

N 君:「実はですね....、今年の春にかけて100万円を使いたいと思うんですが...」
小生:「何に....」
N 君:順番は今迷っているんですが、まずは2月10日に i mode の新しい機種で、今までの窓の3倍はあるマシンが出るので、それを買います」
小生:「へえ、そんなのが出るの...だってそれだけなら、せいぜい2万だぜ」
N 君:「VAIOはいいですか....」
小生:「ん....好きずきだけどね。買うんだったら、A4とB5の中間のがいいんじゃない。新しいし。PCも買おうってわけね」
N 君:「まずラップトップかデスクトップのどちらかを買って、その次に春頃ですが、もう一方を買おうと思っているんですが」
小生:「だって君はなにかもっていただろう」
N 君:「いやもうあれは駄目なんですよ、遅くて」
小生:「へえ....で、なんでそんなに急にお金をつぎ込もうと思ったわけ...」
N 君:「いや、やばいと思ったんです」
小生:「何が...」
N 君:「いや、この前インターネットで調べたいことがあって当たったんですが、ちっとも調べたいことにぶち当たらない....これはやばい、そういう時代になると分かっていてやらないのは馬鹿だと思って...」
小生:「へえ、それで大規模投資....っていうわけ」
N 君:「このままじゃ、digital divide だって」
小生:「divided になっちゃうと.....」
N 君:「そうなんですよ.....」
 なるほどと思いました。彼は決してPC音痴ではない。実は95年に小生がそれまでのワープロを初めてPCに買い換えるときにラオックスにつきあってくれた人間です。そういう意味では小生にとって先生。その後は私の方が凝り性というか、必要性があったというか資金も時間もこの分野につぎ込んできた。

 でもこの「やばい」という感覚はいままでこの分野にあまり関心を払ってこなかった多くの日本人が共有するものかもしれない。「divided」されることへの恐怖。まあ、こういう後輩が具体的に私の前に出現したということは、日本中ではたくさん居るということでしょう。先日のフォードは、会社ぐるみで「やばい」と思って措置を取った例ですが、社会全体もこの問題は真剣に考えていく必要があると思う。
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 発表によると昨年最終週のアメリカの生産性は、4%台の前半という予想を大きく上回って5%に達した。昨年一年間では2.9%。5%という生産性の伸びは1992年の第4・4半期以来の高い伸びだという。年間の2.9%という伸びも、92年の4.1%に次ぐ伸び。

 私が見るところ、アメリカの場合は主にPCですがコンピューターやコンピューター・ネットワークを使いこなせる人の人口全体に対する割合や、企業の取り組み姿勢が一定レベルを超えて、生産性がくっと上がる threshold point があるとすれば、どうもそれを越えたような気がする。ある国の潜在成長力は一般的に「労働人口の伸び+生産性の伸び」と考えられているから、アメリカの人口の趨勢的な伸び1%を足すと、「2.9+1」で3.9%にもなる。これは、昨年の平均成長率4%を若干下回る程度である。

 まあこれは私の個人的印象ですが、日本はまだPCや携帯電話を含むモバイルの活用が、企業全体や社会全体の生産性を上げるところまで行っていない気がする。まだでこぼこが多すぎて。突出したグループがいることは重要ですが、経済全体への波及という点では、情報ルートや意志決定ルートが単純化、敏速化しないと。今の日本の企業を見ると、情報ルートでさえ何通りあるか分からないくらい。あの専務には書類、あの常務はメールができると。メールを受けられても、打てない人はまだ山ほどいるし、それが許されている。

 国連が言うように replacement immigration をしない限り、日本はもう自然体では人口は伸びない。とすると、成長力を維持するには「生産性」を伸ばすしかない。宮沢とサマーズの間で、日本の「潜在成長力」について一種の論争めいたものが東京G7の前後にあった。サマーズは3%と言ったが、今はそこまではとてもないと思う。多分1%前後。米国が3%をはるかに越えていて、日本が1%だとしても、いろいろな意見があるでしょうが、私は寂しい。


2000年02月07日(月曜日)

 今日は、名前のお裾分け。別に私が分けるわけではなく、後輩のそれはそれは一度聞いたら忘れられない子供達の名前。今はTBSに勤めている斉藤 泉君から「1月19日に家族が一人増えました」と寒中見舞いが来て、ご夫妻とともに二人の子供が写真に。まあここまでは、「なるほど」と。

 しかし、二人の子供の名前を見てうなった。

潮音
帆南
 さて性別は。上は、「しおね」と読み上の2才の男の子の名前、下が「はんな」ちゃんで今年生まれたばかりの女の子の名前。普通には読めないし、性別もあまりはっきりしませんが、しかしなかなか良く考えられた名前。奥さんは多分沖縄の人だと思った。聞いたことはないのですが、海と南を連想する漢字が使われている。

 最近は珍しい名前の子供が多いのですが、これは突出している。最近よく思うのですが、日本語は名前の組み合わせが極めて多彩になりうるし、なってきた。とにかく組み合わせの可能性だけ探ると、何通り有るか知りませんがほぼ∞。これに対して、英語の名前のというのはあまり変わったものはない。英語の辞書を引くと、「人名」という単語が一杯あって、そこに昔こんな有名な人がいたとある。

 しかし広辞苑を見ても、名前というのは有名人が出ているだけ。あまりにも組み合わせが多くて、載せてなんかいられないということでしょう。私のまわりにもミレニアム・ベビーを予定している人が結構居る。彼らが子供にどんな名前をつけるのか楽しみ。


2000年02月05〜06日(土〜日曜日)

 立春を過ぎて、やはり温かくなってきている。日も長くなってきたし。日曜日に思い立って、近くの蚕糸の森公園でキャッチボールをしました。野球少年と。実に久しぶり。最近座業が多くて、腰もちょっと運動を要請していたので。

 ところが「硬球じゃなきゃ嫌」とおっしゃる。本格的な高校野球を目指しているかの少年にしてみれば、軟球は「肩を壊す」そうな。本当はグローブも違うし、小生は硬球でのキャッチボールなどしたことがない。それで、手袋をはめてそれをグローブの中に入れて準備。

 ボールそのものの大きさはそれほど違うわけではない。昔野球をやっていた小生としては、ボールは行っていたしまだまだやれるなというのが印象でしたが、間違って手のあるところで硬球を受けると、これが痛い。少しはずれたところで受ける努力をしました。

 あと軟球と硬球で違うのは、バウンドの力ですか。硬球はバウンド力が弱い。グラウンドで玉が直ぐ死ぬのがよく分かる。「硬球に慣れたら軟球では野球はできない」という説明には納得できる。
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 週末に見たテレビで一番印象に残ったのはチベットの氷河湖の増水と決壊の危険性を取り上げた日曜日のNHK特集でしょうか。地球の温暖化を進めているのはどう見ても彼らではないのに、チベットの人々は氷河湖の決壊の恐れにおののいている。その氷河湖の増水の背景にある氷河の溶けだしには、どうも地球の温暖化が影響しているよう。

 冗談じゃなく、世界の海の水位も上がって来るんでしょうね。2000年を最初に迎えたあの島も、水没の危険性があるという。人間が活動しなくても地球には非常に寒い時期、対して温かい時期があったそうで今起きている地球温暖化がすべて氷河の溶けだしの原因だとは言い切れないでしょうが、でもまあ影響しているんでしょう。

 より少ないエネルギー消費で効果的な経済活動を行うにはどうすべきかというのがこれからの課題でしょう。車でももう始まっているし、デジタル革命は流通経路などで無駄をなくして、その間のエネルギー消費を削減できる力を持つ。従って、近代文明そのものはenergy consuming なものでしたが、それを徐々に修正する力を人間は持ちつつあるとも考えられる。

 生活レベルを落とさずにエネルギー消費を減らす方途を考える時期というわけです。やたらにトラックが走り回る今の流通が理想だとはとても思えない。折しも石油価格が市場内部要因もあるのでしょうが、再び上がってきている。
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 勉強会仲間の内藤さんが本を書きやした。他の方二人と。ここやそのリンク先に詳しい内容が載っているので、それを見てもらえば良いのですが、まあ株式投資に対する様々な考え方の中で、もっぱら「低位株」を狙ったらどうだろう....と提案している本。

 確かに、日本の株は個人で買うには高すぎるものになってきた。ヤフーは行き過ぎだが、他の銘柄でもオッドでなくてまとまった株数で買おうとしたら、自分の預金の規模を上回ってしまう。それでも買おうと思ったら、手数料が馬鹿高い投信でそうした銘柄が入ったものを買うことになる。しかし小生は、投信の手数料を見ると腹が立つ。

 そこでもう一つの考え方は、「今は見捨てられているが、そのうち化ける可能性のある低位株を買ったらどうか」というもの。100円を切るような銘柄だったら、1万株買っても大したことはない。まあ株投資に対する個人投資家の投資方法としては、一つの考え方です。読みやすい本で、特に株をこれからと考えているという人にはお勧めではないでしょうか。

 本の名前は、『個人投資家は500円以下の「低位株」で儲けよう』(かんき出版)です。1400円。


2000年02月04日(金曜日)

 今日読んでいて一番驚いたニュースは、全世界の35万人の従業員に会社で使うコンピューターではなく、家で使うコンピューターを提供するとのフォードの発表です。ニューヨーク・ タイムズの記事はこうなっている。

Ford Offers Workers PC's and Internet Service for $5 a Month

By KEITH BRADSHER
DETROIT, Feb. 3 -- The Ford Motor Company said today that each of its 350,000 employees worldwide, from factory workers in India to car designers in Michigan, would be offered a high-speed desktop computer, a color printer and unlimited Internet access for just $5 a month.

Employees' families will be encouraged to use the equipment, made by the Hewlett-Packard Company, and will be given e-mail accounts. The Ford offer, which executives said was intended to promote computer literacy, includes color monitors, speakers, technical support and ample capacity for workers and their families to create their own Web sites.

Mark Margevicius, a senior research analyst at the Gartner Group, a computer consulting firm, said that Ford was the first big company to try to make home computers available to all its employees. "I have not even heard of anything like this happening," he said.

 実際に配布されるのはヒューレット・バッカードのデスクトップで500メガヘルツ・クロック、64MBメモリー、4.3ギガ・ハードディスク、CD-drive、15インチ・モニター、カラープリンター、スピーカー、モデム、月5ドル支払えば使いたい放題のインターネット・アクセスとなかなかのコンフィギュレーション。

 フォードは「使用は会社のために」などというケチなことは言っていない。「e-mail アカウントをそれぞれに提供するので従業員の家族全員が進んでこの機械を使い、コンピューターの使用に家族全員で慣れ、それぞれの家族がインターネット上にホームページまで作れるようになることを期待する」と言っている。

 これは、企業のサイドからの究極の「digital divide」対策かもしれない。日本でもそうだが、会社でもコンピューターを使わない人は論外として、会社だけでコンピューターを使っている人と、家でも様々な用途にコンピューターを使っている人の間には、しばしば大きな「divide」が発生する。その使用技術の格差が、会社全体としてのコンピューター使用技術のでこぼこにつながり、これが生産性を落としている面がある。フォードは、「落ちこぼれを誰一人として出したくなかった」と言っている。

 職場と家庭をどちらかと言えば厳密に分けてきたアメリカだが、ことコンピューターについて言えば、その使用技術をどの程度全従業員が取得しているかがこれからの企業の盛衰を左右すると見て、こうした措置を打ち出してきたわけです。私もそう思う。コンピューターやネットは、ただ単に「もの好きの道具」ではない。その従業員全体の平均的な使用技術が、その企業の先行きを左右する面が強い。

 今回の措置は、労働組合(UAW)との合意に基づくとフォードは言っているので、労組も企業の繁栄、雇用の維持の観点から必要と考えたのでしょう。GMやフォードはまもなく、ネットでの車の「直」販売を始める。そういう時代に、「コンピューターを扱える」「扱えない」で従業員の間にでこぼこがあったら、戦いにもならないという判断でしょう。一見唐突に見えるフォードの今回の措置も、良く考えると非常に合理的な目的を持っていると言える。

 個人的に言えば、「会社がくれるパソコンなんていらん」というのが私の偽らざる気持ちですが、まあ一つの方法ではある。
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 昨日の「直」の関連で言うと、これも面白かった。『日航ネット運賃、JTB「旅行会社ページでも使わせて」 』。

 日本航空(JAL)が自社のホームページを通じて予約した航空券を特別に割り引く「インターネット運賃」の導入を決めたことに対し、日本交通公社(JTB)が「旅行会社のホームページでも扱えるようにしてほしい」と要請、日航と折衝していることが明らかになった。日航の新制度は旅行代理店を経由しない直接販売の拡大を狙ったものだが、旅行会社としては今後の手数料収入の減につながりかねないため、放っておけないとみたようだ。
 「直」化の中で、中間に立つ立場の企業などは徐々に難しくなる。知恵を絞らないと。
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 ECBの利上げに関する発表と、ドイセンベルクの記者会見


2000年02月03日(木曜日)

 行ってみましたが、まだまだですな。ソニースタイルとしてソニーが作った電脳商店。サイトとしては面白い技術が使われていて楽しめるのですが、「COMING SOON」が多い。まだ棚がきちんと商品で埋まっていないと言うわけです。

 しかし、メーカーが直接販売サイトを開いたと言うことは、経済の今後の先行き、その形について大きなインパクトがあると思う。むろん在来の権益者との微妙な妥協は図られているが、販売の主導権を今後は卸しでも小売りでもなく、メーカーが直接握る可能性が出てきたからである。つまり、消費者とメーカーが「直」でつながる。

 別に紀伊国屋のサイトに行かなくても、本来なら新潮社(例えばです)のサイトに行けば同社発売の本は買えておかしくない。しかし、いろいろな慣習や権益の輻輳の中で、それができないでいた。そういうものがないパソコンなどで「直」の販売が進展したのは良く理解できる。アメリカでもそうでした。

 しかし、膨大なディーラー網を持つ米自動車メーカーでさえ「直」での販売体制を整える中で、「直」は徐々に主流になるでしょう。他の商品にも徐々に広がるに違いない。では、街の小売り商店はどうなるのか。変化は一晩で来るわけではない。しかし、着実には来る。多分、消費者とメーカーを結ぶ何らかの形の中継地点は必要でしょうから、それになる、またそれにならざるをえない可能性が強いと思う。コンビニは留守がちな都会居住者のための「基地」の道を選んだ。では、本屋さんは、レコード屋さんは....車のディーラーは ?

 モノを実際に見てしか買わない人も必ずいるでしょう。しかし、ネットで注文して、あと配達されれば良い(近くのコンビニ経由でも)という人も大勢居るはずだ。また、直ぐ要るものは、ネットで注文するまでもなく近くで買いたい事情は変わらない。この辺は、「将来の経済の形」として考えていくと結構面白いシミュレーションができる。
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 知っている記者の書いた記事は気になる。木曜日の朝日朝刊に平子記者が「続く官庁のハッカー被害」という記事を書いている。この問題はこのサイトでは扱ってこなかったが、私もラジオの番組では取り上げた。平子記者の判断は、「技術より運用に課題」というもの。確かに。

 それとは別に筆者が一つ考えたのは、ネット社会が持つ平等感覚と旧来の権威との戦いという図式。政府はずっと権威の象徴だった。ホワイトハウスも国防総省も、日本の霞ヶ関も。作る方も、「これは官のサイトだ」という一種の権威意識と、それに伴う一種の慢心(セキュリティーなどでの)があったのではないか。平等感覚を強く持つネット人類(特にハッカー連中)にしてみれば、その権威はけむたいし、それに対する挑戦は、最高の楽しみである。

 面白い話を聞いたことがある。在来のマスコミで超有名なテレビのコメンテーターが、あたかもその権威が通じるような感覚でネットの世界に入り込み、何かの掲示板かなにかに書き込みをしたらぼこぼこにやられて、早々に撤退したという話。ネット外の世界の権威は、ネットでは認められないケースが多い。ネットの中では、しばしば発言者としての一人一人は個であり、しばしば現実社会の属性をはがされた存在として扱われる。

 多分、これまでは慢心に値する権威があると思っていた各国の政府も、コンピューターの世界に入り込めば入り込むほど、一つの平等機関として扱われるケースが多いことを学ばなければならないだろう。ネットの世界では、技術でも、情報力でも、発言力でも特に政府だからと言って特権や権威があるわけではない。そういう基本的な認識がなければ、つまりネットに対する真剣な向き合いがなければ、いつまで立っても脇の甘さを突かれ続けるような気がする。

 だから、平子さんの記事の見出しを借りるなら、小生は「技術より意識に課題」というのも今回の事件の重要なポイントだと思う。


2000年02月02日(水曜日)

Release Date: February 2, 2000

For immediate release

The Federal Open Market Committee voted today to raise its target for the federal funds rate by 25 basis points to 5-3/4 percent. In a related action, the Board of Governors approved a 25 basis point increase in the discount rate to 5-1/4 percent.

The Committee remains concerned that over time increases in demand will continue to exceed the growth in potential supply, even after taking account of the pronounced rise in productivity growth. Such trends could foster inflationary imbalances that would undermine the economy's record economic expansion.

Against the background of its long-run goals of price stability and sustainable economic growth and of the information currently available, the Committee believes the risks are weighted mainly toward conditions that may generate heightened inflation pressures in the foreseeable future.

In taking the discount rate action, the Federal Reserve Board approved requests submitted by the Boards of Directors of the Federal Reserve Banks of Boston, New York, Philadelphia, Cleveland, Richmond, Atlanta, Chicago, St. Louis, Kansas City and San Francisco. The discount rate is the rate charged depository institutions when they borrow short-term adjustment credit from their district Federal Reserve Banks.

 やっぱし0.25%の利上げですか。0.5%の可能性もあると思っていたのですが。FOMCも迷ったと思います。FOMCは声明の中で、「生産性の顕著な伸びを勘案しても、総需要の増加ペースが引き続き潜在的な供給力の伸びを上回る見通し」(つまり供給力に対する需要超過)に触れて、「予見しうる将来においては、リスクはインフレ圧力増大の方向にある」と述べて、今後も利上げがある可能性を強く示唆している。FOMCの各0.25%利上げの結果の新レートは、フェデラルファンド金利が5.75%、公定歩合が5.25%。

 5.75%というフェデラルファンド金利誘導目標がいつ実施されていたかを遡ってみると、1995年7月6日から同年12月18日まで。その前の同レートは6.00%、その後は5.50%。同レートは96年には一月末のFOMCで直ぐに5.25%に引き下げられ、その年はずっとそのレートが続いた。その後は、97年春に一端5.50%に引き上げられた。ばたばたばたっと下がったのは、98年の秋。ロシア危機→LTCM危機のあの時期です。3回合計0.75%引き下げられて、下は4.75%。そこから99年後半に3回上がって5.5%に。

 筆者は、99年の3回の利上げは「take-back actions」と言えるもので、今回の利上げでアメリカは最近では初めて本格的な金融引き締め局面に入ったと見ている。総需要の伸びが急激に巡航速度に戻る可能性は少ないので、利上げ局面はまだ続くでしょう。まあ、今回の措置はある意味でグリーンスパン流。gradualism と言える。

 「bias」をやめ、初めて「risk」にポイントを置いて方針を発表したFOMCでしたが、声明を読むとその違いはウォール・ストリート・ジャーナルが言うとおり「so fine」(あまりにも微妙)。「risks」という単語は間違いなくありますが、この文章を読んだ人は「何が変わったの」と思うでしょう。私もそうで、この文章を素直に読むと、3月も利上げするのかなあーーーというバイアス的な心理になる。まあFOMCが将来に何らかの形で経済が直面する「risk」を示したら、それはアクションに具現化するとしたら3つしかないわけで、読む方にとっては「bias」を連想するものになる。今回FOMCは、「リスク」は「インフレ」にあると述べている。

 生産性の上昇余地はまだ大きいと思われるので、「総需要」が落ちてインフレ圧力が減退すれば2月に史上最長になったアメリカの景気拡大局面は持続する可能性が強い。引き続きグリーンスパンの金融政策運営手段が問われると言うことです。


2000年02月01日(火曜日)

 ははは、ニューヨーク・タイムズも面白い間違いをしますね。もっとも皆さんがここを見るときにはもう直っているかもしれないので、下に私が見た時点での画面をコピーしておきましたが。

Stocks End Higher; Dow Up 100.52, Nasdaq Up 110.64 By THE ASSOCIATED PRESS, 4:32 P.M.
Stocks rose sharply for a second consecutive session today as investors bought beaten-down shares of companies that have faltered during the latest debate over interest rates.
・A HREF="/library/financial/ap-business-update.ram.html">AUDIO: AP Business Report, Updated Twice Each Hour
・a href="/reuters/business/business-economy-cons.html">December Construction Spending at All-Time High
・a href="/reuters/business/business-economy-napm.html">Manufacturing Growth Eased in January
 多分、ハイパーリンクしたつもりでFTPして、確認しないままにしているのでしょう。本来は以下のようにしたかった筈です。リードのあとは。
AUDIO: AP Business Report, Updated Twice Each Hour
December Construction Spending at All-Time High
Manufacturing Growth Eased in
 でも、こういう間違いは親しみが沸く。半角の括弧が・になってしまったが故だけに、こういうことになっている。でもこうした現象は、いつも私も経験したことがあるような。不便なのは、ハイパーリンク先に行くのに「http://www.nytimes.com/」のサーバー名を入れる必要が出てくることですが。まあ、いつ気づくことやら。
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 東京とニューヨークの「写真関係」が徐々に変わってきているような気がする。株のです。「写真関係」とは、ニューヨークが上がったときは、東京も上がり、その逆もまた真という状況。去年の秋からはずっとこの関係が続いていた。しかし、先週の後半からは多少違ってきた。

 昨日もニューヨーク高(月曜日)に対して、東京は下げた。写真関係の解消は、ある意味で日本経済が徐々に「自力」で動き出した証拠ともとれる。まあここ数日は、投信の設定が東京で大量にあるといった市場内部要因もあるのでしょうが、世界経済の為にも各市場がそれぞれの要因で動くことは良いことです。無論、世界経済のグローバライゼーションの進展の中で、企業の活動は国際化し、各市場におよぼす他国市場の影響力は強まるでしょうが、危機管理の面でもそれぞれの市場が力を持つのがよい。

 今日は2日でFOMCの発表がある。0.25%か0.5%か。今回はあまりどちらか自信がない。「徐々に」がグリーンスパンの手法ですが、今回はちょっと市場を驚かすようなことをする可能性もあると思っているので。



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