2000年08月29日(火曜日)

 内藤さん初め大勢の方から!?( !? ) についてのメールを頂きました。このコーナーをお読みの方は皆さんパワフルですね。疑問があっても直ちに氷解する。実は私は一太郎をコンピューターに入れていないので見落としていたのですが、ATOK(12)の文字パレットの中の記号表→特殊記号→ユニット記号(一太郎を入れているケースのみ出るようです)の順に進めば!?が1文字として、存在するようです。

 私も一太郎を入れているコンピューターで発見した。しかし、これは一太郎以外で使うと化ける(だからATOKのみ使っている場合は出ないのでしょう)。ワードでも秀丸でもそうなのです。ということは使い物にならない。解決策は実は簡単でした。「!」と「?」を半角で並べて出して、それを辞書登録するわけです。この方法は、内藤さんだけでなく飛弾など何人かの人からの推奨でした。

 !?を「びっくり」として登録しましたから、もうどこでも使えるわけです。メールを頂いた方々には深謝。


2000年08月28日(月曜日)

 今日はちょっと質問です。ネットの世界では今まで見かけたことがないように思うのですが、「!?」を一緒にした文字(カッコは入りません。中の二つです)というのはどこにあるのかという点です。嘆息・疑問。実はアナログの印刷の世界ではこの二つのマークを一緒にした文字というのは、結構使われているのです。しかし、私が調べたところATOKにもないし、ネット上のいろいろなサイトを見たのですが、使われている形跡がない。

 ATOKであるかと思って見たのは「文字パレット」で、MSIMEで見たのは「文字一覧」ですが、どうしてもない。ネット上で見つけられたらそれをコピーして辞書登録してしまえば良いのですが、どなたか知りませんでしょうか。

 それからもう一つ。「一操作前に戻す」作業をキーアクションとしてやりたのですが、それはウインドウズ上でキーコマンドがあるのかどうか。つまり指をキーボードから離して、戻しマークにカーソルを合わせるのが面倒なんです......と思ってウィンドウズのファーストステップガイドを見たら「ctrl+z」と出ていました。tks

 でも最初のは分かりません。どなたかご存じかどうか。
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 こういうこともあるんですな。ウォール・ストリート・ジャーナルと契約していない人はFRBのサイト以外は読めないので恐縮ですが、グリーンスパンの25日のスピーチはこれ一本で変わらないのですが、ウォール・ストリート・ジャーナルはこの講演に関する記事を二本書いている。一本は25日に流れた「Strong U.S. Productivity Growth Shows Little Sign Of Slowing,Greenspan Says」という記事。この記事は「A Wsj.Com News Roundup」として流れた。グリーンスパンの講演をむしろ忠実になぞった記事です。

 ところが同じウォール・ストリート・ジャーナルは28日になって改めてこういう記事を仕立てている。こちらは「Jacob Schlesinger」という記者の署名入りで、「25日のグリーンスパン講演の一番重要なところは、FRBがアメリカ経済の潜在成長率を再度引き上げたことを示唆したことにある」という内容。

 引用しているのは以下の部分です。

The most recent wave of technology has engendered a pronounced rise in American rates of return on high-tech investments, which has led to a stepped-up pace of capital deepening and increased productivity growth. Indeed, it is still difficult to find credible evidence in the United States that the rate of structural productivity growth has stopped increasing. That is, even after stripping out the significant impact on productivity acceleration of the recent shape of the business cycle, the second derivative of output per hour still appears to be positive.

If we knew at what stage of the current technological wave we were in, we could, I assume, confidently project when these elevated rates of change in long-term earnings expectations, productivity growth, and, hence, wealth creation would return to a more historically average pace.

 28日の記事はこの部分を捕らえて、
  1. グリーンスパンのこのスピーチはFRBがアメリカ経済のより速い成長にも安心し始めた証拠である
  2. 生産性が向上している現状では、従来より速い成長率になってもインフレは発生しないからである
  3. FRBは最近までGDPの伸び率が3.5〜4.0%以上ではアメリカ経済は安全に成長できないと判断してきたが、新しいデータは少なくとも当面は、アメリカ経済が4.0〜4.5%、ないしそれ以上でも安全に成長できることを示しているようだ
 としている。つまり、今年第二・四半期の成長率5.3%が仮に予想に反して下半期に続いても、FRBが再利上げをしなくても良いと考えているというのである。正直言って、私は最初に25日のグリーンスパン講演を読んだときはそこまでは考えなかった。ウォール・ストリート・ジャーナルも最初はそうだったのでしょう。あの講演はむしろグリーンスパンの眼目としては生産性の伸びが止まったときの世界経済におけるバックラッシュ(自由な経済やグローバライゼーションへの)を懸念しているように見えた。であるが故に、生産性の向上と世界的な経済の繁栄を続ける必要性を説くのが眼目と私は見たのである。

 言われてみると、ウォール・ストリート・ジャーナルのような指摘もあながちできないわけではない。新しい技術がもたらす生産性向上の好循環(virtuous cycle)はいつかは終わるとしてはいるが、「構造的な生産性の伸びが止まった証拠を見いだすのは依然として難しい」と言っているのだから、FRBとして生産性の伸びは続いていると考えているのは明らかで、だとしたらインフレを起こさないぎりぎりの安全成長率としての潜在成長率も上昇したと考えることはできる。

 しかし私はセントラル・バンカーの本能としてグリーンスパンがそこまで確信を深めたかどうかについては自信がない。原油相場は上がっているし、労働者のプールは枯渇状態だ。利上げしてもリスク(景気や株式市場への)が少なければ、選挙後にも再利上げはありうるという方にかけたい気持ちがする。だからウォール・ストリート・ジャーナルが言っていることも分かるが、それを直ちにこの先当面のFRBの政策への確信につなげる気持ちはない。おそらく金融政策には、「数字だけでは説明できない部分」というのが、必ずあるのだと思う。


2000年08月27日(日曜日)

 金曜日にグリーンスパンが生産性の向上がもたらしているアメリカ経済への影響とその限界といった話をしたようなのでそれを読もうと思ってFRBのサイトに行ったら、つい笑い出したくなるような声明文を見つけてしまいました。実際わらっちゃいましたが。

Release Date: August 25, 2000

For immediate release

The Federal Reserve Board announced today that wireless personal digital assistants can be used to read items on the Board's public web site.

The most popular items on the web site will be available, including statistical reports on foreign exchange rates, selected interest rates, consumer credit and industrial production and capacity utilization. Press releases and Federal Open Market Committee announcements will also be accessible. Items may be added or deleted with changes in user demand and technology.

Users of Palm OS-compatible personal digital assistants can download the required application file from the Board's web site to their personal computers and then transfer it onto their personal digital assistants. Users of Windows CE-compatible personal digital assistants can directly access pages that are optimized for display on their personal digital assistants.

The application file can be found on the Board's web site at http://www.federalreserve.gov/wireless/.

   パーム用か......でも i mode でも出来るはずと思ってやったら出来ました。具体的にはこのページのURLをメールに載せて自分の携帯に送ります。そしてそれをクリックすると、なんと自分の携帯電話のスクリーンに例のあのFRBの鷲のマークが出てきて、22日のFOMCの声明とか鉱工業生産とか設備稼働率とか、為替相場とかが見られる。

 グリーンスパンやその他理事の講演はどうもサービスしていないようです。僕などはそれが見たいので、FRBに申請しようかと思っているくらいですが。思いついて日銀のサイトのURL(http://www.boj.or.jp)を携帯に送り、それをクリックしたら「最大1ページの容量を超えました」と出てきた。つまり、日銀のサイトはパームトップにはどうか知りませんが、携帯電話には対応していないということになる(別メニューがあったら教えて)。携帯の国(日本)の中央銀行が、それへの対応では携帯で世界から見て後進国となった国(アメリカ)の中央銀行に先を越されたというわけです。  パームOS用に出来ているからかもしれませんが、FRBのモバイル機器用のサイトのページのめくりはちょっと日本の i monde 機器のいつもの具体と違う。画面を下に下ろそうとすると横にずれるのです。でも読める。

 サイトのモバイル機器用への転換は、来年のIMT2000のスタートを控えて急ピッチで進むでしょう。企業も対応を迫られるとみます。機器の性能や電送能力が高まっても、データ表示面積は著しく従来機器に比べて小さくなるというのは間違いない。ということは、今までPC用に作っていたサイト・デザインを変えなければならない、データの表示もフレームをなくすなどしなければならないということです。日銀にも、「モバイルの国」の中央銀行らしく、早くそれをして欲しい。

 ちなみに私は自分のサイトのモバイル版はhttp://www.ycaster.com/imode/index.htmlこういう形で既に今年の初めに作りましたし、コンテンツもある程度揃えました。この day by day のサイトはhttp://www.ycaster.com/diary/icont.htmlで見られるようにしてあります。ははは、進んでいるでしょう(^_^;)。URLを携帯電話で打つのは難渋します。メールに載せて携帯に送り、ブックマークしましょう。


2000年08月26日(土曜日)

 サイトを二つ紹介しましょう。一つはレストランのサイトです。私の食べ物サイトの地中海廻りの最初に出てくる店であるキッチン5のそれです。実はサイトはちょっと前からあったのですが、やっと仕上がってきた。

 売りはサイトの下の方にある経営者の小林優子さんが書き、いままでいくつかの雑誌に掲載してきたエッセイです。今回掲載されているのは「マンジャ! マンジャ!」のその1とその2としての「マフィアとクスクス」。面白かった。なかなか文章がうまいですね。

 夏は五週間、冬は四週間この店は休む。何をするかというとこの経営者は地中海廻りに出かけるのです。そしてレストランに住み込んだり、エッセイの通りちょっとしたつてで普通の家庭に入り込んで料理の勉強をし、かつ食材を仕入れてくる。店にはその時の写真が一杯あります。小さい店ですから、予約していった方がいいでしょうね。
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 もう一つは写真屋(写真スタジオ)さんのサイトです。青山に開店したばかりの。実はこの写真館の裏方のおっちゃん(高橋 守君)はつい最近まで私が所属する組織の一員でした。しかし、何を思ったかお嬢さんを社長に青山に写真館を開いた。私もサイトを見たばかりですが、なかなかおもしろそうです。写真館の住所は

東京都渋谷区渋谷2ー1ー8
青山ファクトリーバザール2F
(地下鉄銀座線、千代田線、半蔵門線「表参道」から青
山学院大学方向徒歩5分)
 ということでうーん、近い。とりあえずは、青学の学生狙いということでしょうか。どんなサービスが始まるか楽しみですな。


2000年08月25日(金曜日)

 別に書評を書いたからではないのですが、ソニーって会社は面白い。以前AIBOの開発責任者とされる大槻さんとお会いして名刺を交換したからでしょうが、今日挨拶状が届いて「エンタテインメントロボットカンパニー」という新しい会社が新設されたそうです。今までのER事業室を発展解消したものとして。

 新しい市場の名前まで用意されていて「ロボットエンターテインメント市場」と。ロボットを楽しむ市場というわけです。具体的な内容とは、AIBOとは違うロボットを次々に出そうと言うことでは当面なく、「AIBOビジネスの展開に精励」ということらしい。

 AIBOはスタジオでも見ましたし、お台場の日経主催の展覧会でも見ましたが、まあ良くできていることは確かです。展覧会では「AIBOの目から見た外界」というのをやっていて、特殊な眼鏡で見るのですが、やはり人間の目とは少し感覚が違う。室でも何でも素早く「会社」にしてしまう経営のスピードは速い。
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 ソニーは9月の初旬に新しいPDA「クリエ」を出すのですが、このマシンについては小生は当面見送ることにしました。理由は問い合わせたところ

  1. メモリー・スティックのタイプ(とそれをハンドルするソフトウエア)が違っていて、小生がいつも使っているタイプのものとの共用性がない
  2. しかも、通常のビジネス用のソフト(ワード、エクセルなど)が入っていない。従って文章作成とその共用化は難しい
  3. 映像中心のマシンで音も扱えない(マジックゲートのMSを使用不可)
  4. 住所録なら、携帯電話に入れたもので十分
 ということで、私のニーズにはどうも合わない。映像には見るべきものがあるようなので、そういう領域に関心のある方には良いかも知れない。ソニーにはいろいろ要望を入れておきました。次世代のPDAは改善状況でまた検討します。今のままのPDAなら、これはソニーの人とも話したのですが、同社が提示している「デジタル・リンク」の中に親和性を持って入ると言うことはないような気がする。


2000年08月24日(木曜日)

 「グリーンスパンの魔術」を担当してくれた日経の桜井さんの担当で「新・日銀ウオッチング」という本が出たので読んでいたら、すでにもう時代遅れになっている部分がいくつも出てきている。つい最近出た本なのに、この手の本は難しい。

 金融政策決定会合における政府の議決延期請求権に関して「ドイツでも実際に権利が行使されたことはない」ことを理由に、「あらずもがなの規定」という記述が出てくるのですが、これはもう行使されてむしろ日本では「双方の立場を明らかにして良かった」という意見まで出ている。日銀の中では、この請求権に関する議決で賛成票を投じた委員に対する怒りが高まっているようですが。

 もう一つ。為替介入に関して日本では「アメリカの場合にように介入に関して詳細な報告は発表されておらず....」とあるのですが、日本でも今月初めからこのように具体的期日、金額を含めて公表されるようになった。まあ、本が最終校正から刷り上がるまでの間に大きく変わってしまうことが多いくらい変化が激しいと言うことでしょう。この公表も、大蔵省の知り合いでさえ「びっくりした」というくらい大きな変化でしたが。

 読んでいて思ったのは、日銀執行部の発想というところの最初に「金融政策は構造政策、構造調整を代替できない」という点が挙げられていることで、これは小生も従来から日銀はもっと主張すべきだし、政府や大蔵省と公開の議論、綱引きをすべきことだと思っていた点で意を強くしました。この発想は日銀の「金融政策と構造政策:日本の経験 」と題する山口副総裁の講演(99年10月8〜9日、代読)や「最近の金融経済情勢と金融政策運営について」と題する読売国際経済懇話会における藤原日本銀行副総裁講演(1999年12月 7日)などに鮮明に出ている考え方(ここで読めます)。

 しかしそれにしては、日銀には政府や大蔵省、それにあえて言えば自民党などとの綱引きの余地はあると思う。金融政策と財政政策の担当当局がお互いに綱引きをするということは、ある意味で経済政策の二本柱の均衡点を探るという動きになるわけで、好ましい事になるわけです。

 もちろん「金融政策は構造政策、構造調整を代替できない」ということは、構造調整に関しては金融政策が出来ることがないということではない。速水総裁の今までの発言でも、「ゼロ金利の継続は構造調整を遅らす」というのがありましたが、これは金融政策と構造調整も無縁ではないことを示している。発想としては、真剣に構造調整に取りかかるについて、経済にデフレ圧力が強まるようなら金融政策面で景気を支援するといった発想でしょう。今の日本にはこの政策間の相互補完関係がなくて、どちらかといえば相互敵対関係のような状態がある。これでは同じ景気回復が結果できるにしても、時間がかかると思うわけです。

 出た直後からちょっと時代が先に進んでしまったことや、「議院」とあるべきところが「議員」となっていたりの欠点はあるのですが、頭をまとめる上では良くまとまっていると思う。「景気判断が先か」「政策判断が先か」の部分は面白かった。


2000年08月23日(水曜日)

 最近親しくなったシリコンバレー帰りの知人の H さんから二つのソフトウエアを教えてもらって、どちらもなかなか面白いし、私も実際に実験しましたので、紹介しましょう。一つは、ヘッドフォンを付けた猫でしょうか、ナップスター。グヌテラはダウンしてデスクトップに置いていたのですが、なぜかナップスターは使ったことがこれまでなかった。

 今回実際にナップスターをダウンロードして使ってみました。簡単なソフトで希望する作曲家、歌い手の名前を入れると、わっと曲が出てくる。hikaru と打ったり bach と打って試しましたが、まあたくさん出てくること。そのうちの何曲かをダウンしましたがちょっと時間がかかりますね。我慢して何曲が落として library を開いて曲をダブルクリックすると自然に real jukebox が立ち上がってきて曲の演奏を始めた。

 何曲か試しましたが、途中なのに演奏が終わってしまっていたり、音が悪いのがあったり。実際に使える曲は少ないような気がしましたが、それでもこれだけの素材が直ちにただで揃ってしまうと言うことは脅威です。ナップスターと音楽協会がどのような落としどころを探すのかまだ分かりませんが、コンピューター経由の音(今後映像やその他ファイルもそうでしょうが)の世界は大きく変わるであろう事が分かる。グヌテラは音以外の全てのファイルに対して同じ事が出来ますが、まだスピードは遅い。
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 もう一つは、おもろいだけでなく確かにニーズがあるだろうと思うソフト。消える社(Disappearing Inc)という会社が作った「消えるメール」。消えるというのは誇張で、実は読めなくなる(unreadable)というものです。

 どういう仕掛けかというと、同社のサイトからダウンロードしたファイルをインストールすると自然にマイクロソフトのアウトルック(エクスプレスでは駄目です)の新規作成の画面に取り付きます。新規作成画面のタスクバーの下の方に「send disappearing mail」と出る。この状態でメールを作って送ると、このメールは同社のサーバーに先ず行くわけです。そこでそのメールは暗号化される。その上で各所のサーバーを経緯するなりして目的サーバーに行き着く。

 ポイントは、その暗号化されたメールの鍵が同社のサーバーに保持されていて、開封の際にはその都度この鍵を読みに行くということです。しかし、同社はこの鍵に有効期限を付けるのです。例えば30分とか、8時間とか1、3、7、14、35、45、60、90日とか。その期限を過ぎたら、鍵を使えなくする。そうするとメールを読めなくなるということのようです。

 私はあまり経験がないのですが、昔のメールの一部を取り出されて「あのとき君はこう書いてきた」といったこともあるかもしれない。「メンと向かって話したり、電話したときの同じ感覚でメールできないか」という発想で出来たらしい。

 むろん落とし穴はいっぱいあります。その受信者によって都度コピーされて残されたら同じだし、そのソフトが取り付くメーラーは OUTLOOK など一部に限られている。まあ昔テレビドラマで「この手紙は開封されたあと30秒後に自然消滅する....」とかなんとか言っていたあれの感覚では使えるかも知れない。

 例えば今から何日以内に返事をもらえないなら意味のないようなメールには、それを期限として付けてその後は読めなくすると言うような使い方です。使い方はここにあります。またこの「消えるメール」を受け取ったあとには、「You have received a Disappearing(TM) Email」というメッセージが残りますし、受け取ったメーセージが消えた後には「This Disappearing Email has expired」との文章が残ります。


2000年08月22日(火曜日)

 力道山のところまで読み進んでいた「東京アンダーワールド」をついに読み終えましたが、これは面白かった。この本に関しては航空会社にお勤めの吉田さんからもお奨めがあり、またラジオ番組だったと思うのですが、「映画化決定」ということで読みかけていたものを読んでしまおうと思った次第。

 六本木のイタリア・レストランの経営者ニコラ・ザペッティの生涯を通して戦後から90年代の半ばまでの日本を裏側から見ている。この本も徹底的な調査本です。本人へのインタビューは40回以上に及んだという。本の対象になった本人も、血の気の多い面白い人間だったのがこの本の一番のポイントでしょうが、今の日本の繁栄というか苦境というかに至る前の時代の雰囲気が良く出ていると思う。
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 FOMCは予想通り金利を据え置きました。FOMC後に発表された声明は、総需要の拡大は米経済の潜在成長率に接近する形で鈍化してきているという全般的な認識を示したあとで、 1)生産性の向上は潜在成長率を引き上げると同時に、コストと基調的な物価上昇圧力を抑えている 2)しかしFOMCは投入可能な労働者群の稼働率が異常に高い環境の中で、総需要と潜在的供給量のギャップ状態が続いていることを懸念しているーーという判断の下で、据え置きという選択肢を選んだ。

 米経済の拡大ペースは潜在成長率の水準に望ましい形で落ちてきているが、需給ギャップは依然として大きく、リスクはインフレ・サイドにあるとしている。しかし、生産性の向上が物価を抑えていてくれるのには希望が持てる、よって金利を据え置いたというもの。FRBは依然としてインフレ圧力を懸念している。年内の利上げの可能性はまだあるということでしょう。

Release Date: August 22, 2000

For immediate release

The Federal Open Market Committee at its meeting today decided to maintain the existing stance of monetary policy, keeping its target for the federal funds rate at 6-1/2 percent.

Recent data have indicated that the expansion of aggregate demand is moderating toward a pace closer to the rate of growth of the economy's potential to produce. The data also have indicated that more rapid advances in productivity have been raising that potential growth rate as well as containing costs and holding down underlying price pressures.

Nonetheless, the Committee remains concerned about the risk of a continuing gap between the growth of demand and potential supply at a time when the utilization of the pool of available workers remains at an unusually high level.

Against the background of its long-term goals of price stability and sustainable economic growth and of the information currently available, the Committee believes the risks continue to be weighted mainly toward conditions that may generate heightened inflation pressures in the foreseeable future.


2000年08月21日(月曜日)

 せっかく読み始めたので、「希望の国のエクソダス」を一気に読み終えましたが、不思議な小説でした。半分満足、半分不満足。何が不満足かというと、やはり中学生達が北海道に移住した後の残された日本はどうなったかについて記述がなかったからだと思う。野幌の話はよく分かったのですが。

 面白かったのは、社会の活力の原動力とは何かというような一種の問いかけがこの小説にはあったという点です。「希望以外なんでもある社会」という言葉が出てくるのですが、だとしたら大人の世界からは「これを変えよう」という力は本来出てこない筈です。何よりも「希望」が欲しい中学生からは出てきても。だから、中学生が作るASUNAROの力が最後まで大人の社会を変える力にはなっていかない。

 小説の最後の方に刑務所の囚人の目が持つ力のような話が出てきて、ASUNAROにはそういうものがない....というような話が出てくる。多分私の思うところ、社会を変えるのは強い渇望だと思う。「希望以外なんでもある」状態から日本は徐々に外れていくという前提を生かす必要があるし、事実その状態は出てきているのだと思う。そこをうまく小説の中に使えなかったかと。

 失業率の高い、収入格差の非常に大きな日本が将来像として描かれている。そして、国際的な経済危機に直面する日本の姿も描かれる。実は私は残念ながら「希望以外なんでもある」状態が終焉、または終焉に近づいていることがこの国の社会を変える一つの力になると思っているので、その辺から日本を変わらない社会に描き過ぎているなという印象。

 若者がネット社会で指導権を握る小説は「電子恐慌」(でしたっけ)などあるのですが、そういう事態が「現実性」を持っているところが時代の特徴だと思う。価値観やパラダイムの大きな転換の中で、世俗的権力者の無力がさらけ出される事態はこれからも続くでしょう。しかし、だからといって崩した方に変革の力があるにしても、正義があるとは限らない。

 であるが故に、大業な誇張とか絶対性という宣伝臭が消える世界というのを想像することは可能です。ASUNAROにはそうした臭いがある。まあでも面白かった。簡単に読めます。


2000年08月20日(日曜日)

 日経ビジネス(週末到着分)の書評欄で「ソニー ドリームキッズの伝説」を取り上げたら田中さんがめざとく見つけてメールをくれて、「やはり燦々がキーワードでしたね」と。ソニー本は山ほど出ているのですが、このネースンの本は面白かった。

 実は本を買って最初に読んだのが最終章なんです。並み居る(本には14人いたと書いてある)候補者の中から大賀さんが出井さんを選んだ理由というのを最初に知りたかったからです。そこで出てきた単語が「燦々」という電子辞書に依存した方が楽そうな単語でした。

 しかしこの本を読みながら、海外の書き手達の「調査に基づく本」のすさまじさを見たような気がしました。ソニーがインタービューの設定などでかなり協力はしているらしいのですが、まあその本を書くに当たって彼が集めた資料の膨大なこと。日本の企業本はすぐ集めた事実に「評価」のフィルターを通してしまう。だから、褒め上げるか、逆に徹底して批判する本が多くなる。

 この本はそうではなく、このソニーという会社を作り上げた「人」と「そのつながり」に徹底的に焦点を集め、その人となりを描ききって評価は読む人に任せるという態度を取っていること。良いことも、悪いこともいろいろ出てくる。しかし人間が一生を生き抜くという中では、いろいろなことが悪い意味ではなくあるでしょう。井深さんが離婚を経験しているとは知りませんでした。

 今「希望の国のエクソダス」という村上龍の本を読み始めていますが、これもなかなか面白そう。まだ読み始めたばかりですが。


2000年08月17〜19日(木〜土曜日)

 やはりお年を召した方には冬の寒さと並んで夏の暑さというのは厳しいのだと思います。近い親戚の葬儀関係の手伝いを2日間しましたが、ご高齢でしたから暑さが一因だったのかなと思います。我が家のご先祖様達は、冬にゆかれるケースが多かったのですが、それは冬が厳しい諏訪だったからかもしれない。それと同じくらい、東京の夏はお年寄りには厳しいと思う。

 最近は自分の家で葬式を行うところは少なくなった。かなりシステム化されているという印象です。しかし、肝心なところは家族廻りがしっかりやらねばならない。業者さんも段取りを決めて、かなりてきぱきとはしていましたが、親戚もやることが多い。受付廻りとか。葬式で唯一良い事と言えば、久しぶりに一族郎党の顔が見れるということでしょうか。今回も久しぶりの方々が多かった。
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 ところでネットを眺めていたら、「日本人の平均寿命は、男性が77.10歳、女性が83.99歳で、ともに前年を下回った」との報道。18日に厚生省がまとめた1999年の簡易生命表で分かったという。去年1-3月にインフルエンザが流行したことに伴い、肺炎で死亡した人が前年より約1万4000人増えたことが主な要因という。

 恐るべしインフルエンザというわけです。肺炎も一端はなくなった病気のように思われていたものの、最近はその話をよく聞く。

 男女の平均寿命の差は過去最大の6.89歳に広がったという。うーん、最近の自殺者や家出人の記事を見ていても、どうも男は弱々しい存在になりつつある。若い連中を見ていても、どうも女性が優位のような気がしますな。(^_^;)


2000年08月16日(水曜日)

 短く二日ほど諏訪に帰ってきましたが、今年は移動については豪雨の影響があちこちで見られる。がしかし、その影響が自分の身にも降りかかってくるとは思いませんでした。16日は諏訪を夜の8時台に出る列車に乗ったのです。通常なら午後10時台の半ばには新宿に着く。しかしまず甲府から石和温泉の間で強い雨で列車が遅れたと思ったら、塩山と勝沼の間で列車は完全に止まってしまった。アナウンスは、最初から「何分止まっているか不明」とのこと。塩山止まったのが私の記憶だと午後9時30分、動き出したのが17日の午前0時20分。

 あれだけ利用する新幹線で一度も遅れたことがないのに、中央線でこれほど遅れるとは予想もしていませんでした。それでもこの日は小海線も止まっていましたから、雨の威力は凄まじい。3時間何をしていたかというと、半分は寝ていましたが半分は携行していたラップトップを開いて仕事をしたり、 i mode で遊んだり。ラップトップのバッテリーが5時間に伸びたことがこんなところで役立つとは思いませんでした。

 i mode で遊びながら考えたのは、仮にこの列車がハイジャックされたとしたら、この端末で何が出来るだろうかということです。電話だと声が出てしまうから何をしているか犯人にばれてしまう。携帯メールは慣れると受信メールの中に送信先を置いておくと簡単に送信が可能なのと、メール文章を作成することは慣れると文字盤を見なくても出来ることから、ヘルプ・メールを何も音を出さなくても出せるな......なんて考えていました。

 むろん賢い犯人だったら、携帯電話、携帯端末をただちに全部取り上げるでしょう。しかし、将来は wearable が出てきてそれと分からないような端末が出てきて、本当の意味で密室に人質を閉じこめるということは不可能になるかもしれない、なんて考えていました。もっともそんなことを考えながら i mode で情報を見ていたりしたら、16日の午後11時25分に電話機能は問題がないのに、 i mode 機能は失われた。これが全国的なものかどうか知りませんが。

 結局列車が新宿に到着したのが午前1時45分。車掌は「山手線は動かす予定....」「何々線も」「何々線も」などとアナウンス。高円寺の私は新宿にさえ着けばなんともなりますが、遠い人は大変です。予定より2時間以上遅れたと言うことではいら戻しのあった特急券料金2100円は、新宿から東高円寺までのタクシー台2020円でちょうどなくなりました。(ё_ё) なんとも大変な一日でごわした。


2000年08月14〜15日(月〜火曜日)

 9月の9日から5日間くらいこのグループを中心とした方々と大連など中国の北部に行くので、「どないところだろう」と思って調べていたら、ホテルもURLを持っているし大連に関する情報も結構あるし、なかなか進んでいることが分かりました。このサイトなどで見る限り、良さそうな場所です。

 いつもの通り、ラップトップを持っていくつもりですが電話口などいろいろ聞きたいこともあってJALから聞いたホテルのURLに渡ったらちゃんとメール・リンクが張ってある。簡単に問い合わせが出来ましたし、まあこれなら問題ないなという感じです。

 ただし、問題はないが海外に行くといつもローミングをしているのですが、どうも今回はそれが無理そう。だからネットをやるときには、国際電話になってしまうかもしれない。大連に2日くらいいたあとはちょっと奥に入るのでどうなるかは分かりませんが、最後はまた大連から成田に帰ってくる予定。

 知ってはいましたが、飛行時間を見ると本当に近い。北京よりはるかに手前ですから、まあ乗ればすぐ着く感じ。大連に住んでいるか、住んだことがある人が作ったのでしょう。ヤフーに「大連」と入れて打つと、数少ないのですがHPも出てくる。お盆のちょっと暇な時間に調べておく予定です。何かご存じの方はご一報頂ければ幸甚です。見所とか、食べどころとか。

 ところで中国ではお箸をここで見る限り縦に置くらしい。


2000年08月11〜13日(金〜日曜日)

 週末に読んだ一番面白い記事は、ジョージ・ソロスが2年前の世界経済見通しが間違っていたことを認めたというニューヨーク・タイムズのそれです。「Soros Concedes His Forecast On Global Economy Was Off」という記事。そのまま訳せば、「ソロス、世界経済見通しの的外しを認める」となる。

 彼の1998年時点の世界経済見通しは、その内部に抱えた不安定性故に「グローバル資本主義システムは崩壊(disintegration)に向かっている」というものだった。ポンド危機(92年だったと思う)で大儲けをし、市場を熟知し、そして大金持ちになったソロスが言ったことだけに日本でも大きな話題になった。ソロスと親しいことを喧伝していた通貨当局者もいたりしたものだ。

 しかし2年後の今、そして12日に70才になったソロスが今自らの間違いを認め、新たな本を出版したという。ソロスの言ったようには資本主義システムは崩壊せず、アメリカを中心にまた勢いを増している。ソロスは著名人としては珍しく敗北を認めたという。

 私はまだその本を読んでいませんが、ニューヨーク・タイムズによればソロスは1998年の時点で極めて悲観的な世界経済見通しを立てるに当たって、二つの過ち、二つのことが過小評価だったと認めているという。それは

  1. ニューヨークやワシントンの主要当局者の危機対応能力に対する過小評価
  2. ニュー・テクノロジーへの過小評価
 だという。最初の方は、例えばロシアの経済危機の後遺症でLTCMが危機に陥ったときのFRBの対応(金利の敏速な引き下げ)、LTCM救済スキームの素早い構築(ニューヨーク連銀や財務省が中心となった)を指すという。ソロスは「我々はほとんど崩壊状態にあったが、カオスの縁にあっても命脈は保たれた」としている。

 二番目の過小評価に関しては、「エマージング市場の崩壊と時を同じくしてインターネット・ブームが起きて、この新しい技術の登場がアメリカにおける生産性の伸びをもたらし、海外市場の需要鈍化を相殺するのに役立った」としている。ソロス曰く

 基本的に言って、世界の経済システムは実際に崩壊するだろうとの考え方に私は流されていた。しくじったというわけだ
 と述べている。ニューヨーク・タイムズは、資本主義システムの成功者であるソロスが間違えるほど「危険なほど変わりやすい現代の国際金融市場」を一つのテーマとしているが、彼の新しい本は「Open Society:Global Capitalism To Global Democracy」というらしい。

 さて今回はどんな予想をしているか。ニューヨーク・タイムズにも少し書いてありましたが、それだけではよく分からない。まあ歴史の変化は、誰の予想をもひっくり返しながら進むと言うことでしょうか。


2000年08月10日(木曜日)

 本当に、心から思う。日本の経済政策の「整合性」と「有効性」を取り戻す時期ではないだろうか、と。現時点では、日銀がゼロ金利を解除するかどうかは分かりません。議長である日銀総裁の議事提案(解除での)が予定されている中では、票読みは終わっており、解除されると考えるのが自然でしょが。

 思うのは、今回の「狂想曲」ならぬ「狂騒曲」の凄まじさです。一般紙から始まって政治家、ワイドショーまで巻き込んで一体何が起こっているのかと目を疑うほど。しかし、我々は日銀に独立性を与え、その決定を尊敬するシステムを採用している。もうちょっと静かに、冷静に判断を待てないものかとも思う。

 今必要なのは、日本の経済政策の「整合性」と「有効性」の回復だろう。経済政策は財政政策と金融政策が二本柱。その二つの担当部局が今は睨も合っている。推移の経緯では、一方でゼロ金利を解除しながら補正を打つといった局面を予想されるのだ。やはりどこかおかしいし、「整合性の欠如」は明かである。また市場経済政策は「軸ぶれ」を繰り返している。これほど政策面で瑕疵が多いのに、まだ沈没せずにIMFの支援も受けていないのは日本経済の一つの強さでは、と思うほどだ。

 なによりも、バブル崩壊から10年もたつのに、そして国家資金の投下規模では過去に例を見ないような景気刺激策を行っているにもかかわらず、景気がビジブルに回復せず、「ゼロ継続」か「解除か」といった崖っぷちの議論が行われているという方をおかしいと思わねばならないだろう。失われた10年と言われるが、経済政策の有効性という点では確かに失われている。

 一番心配しているのは、またぞろ責任のなすりあいが起きる可能性があることだ。いがみ合っている時期ではないのである。


2000年08月09日(水曜日)

 日本経済研究センターから「会報」というのが送られてきて、添付されていたレターに「ブックレビューに貴書を取り上げたので.....」と書いてある。書評委員会というのが決めているらしいのですが、「グリーンスパンの魔術」が出てからちょっともう時間がたったかなと思ったので、意外であると同時に今でも取り上げられるというのは嬉しいですね。

 この雑誌を見ていたら、「日米経済と円相場」という題名で斉藤 満さんが、「米国の個人消費拡大の裏にあるもの」で笛田郁子さんが文章を寄せている。この二つの論文もおもろそうです。
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 ゴアのリーバーマン選任は、今のところアメリカ国民には好意的に受け取られているようです。政治評論家のビル・シュナイダー氏は、「今選挙戦で最も劇的な展開」と評し、専門家の間でも評価する声がある。七日夜から八日にかけギャラップ社などが実施した世論調査では、ブッシュ候補の45%に対し、ゴア氏が43%と猛追。共和党大会終了直後時点での17ポイントという大差は、跡形もなく消えたという。

 ゴアの支持率改善は、

  1. 宗教的少数派のユダヤ教徒の起用により、民主党の懐の深さが示された
  2. クリントン大統領の不倫もみ消し疑惑を強く批判したリーバーマン起用で、「ゴアはクリントン大統領と一体」とのマイナスイメージの一部が払しょくされた
 などが背景だという。民主党の党大会は8月の中旬ですから、それが終わって注目は10月くらいの世論調査がどうなるかでしょう。
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 まさに「ゼロ金利解除」狂想曲ですな。でも思うのは、なぜバブルが破裂して10年以上もたってまだ「ゼロ金利を解除するか、しないか」を議論していなければならないか、でしょう。景気が強くなっていれば、こんな議論はしていなくて良い筈。そしてこれは金融政策だけに責任のある問題ではない。この点をしっかり理解することが必要だろう。


2000年08月08日(火曜日)

 ゴアも思いきった選択をしたものです。もし民主党が勝利し、かつゴアが何かで死ねばアメリカはユダヤ教徒を大統領に頂くことになる。それが悪いと言っているのではなく、アメリカ人がどう考えるか。「奇跡が起こった」とリーバーマン(コネチカット州選出上院議員)自身が喜びを隠さずに言ったそうだが、あの広いアメリカで600万(全人口の2%)しかいないユダヤ教徒の一人として、初めて正副大統領候補に名前が載る。

 ゴアにこの選択をさせたのは、クリントンという大統領の存在の重さでしょう。ブッシュ陣営は、ゴアを対峙する相手とするのではなく国民の間にある「Clinton Fatigue」(クリントン疲れ)を選挙の争点にしようとしていた。つまり、ゴアを含めた8年間の政権の最中にあった不正献金事件、ルインスキー事件など数々の女性スキャンダルを含めた汚れたイメージに対して、「新しい政権」を売りにしようとしていた。

 これに対抗する、この攻撃をかわすためには、ゴアは自らが「クリントンの仲間」でないことを証明する必要があった。「我々もまた新しい」と。その点、リーバーマンはいくつかのメリットがあった。2年前に民主党の議員の中ではクリントン批判の急先鋒に立った。モニカ事件についてはクリントンを、「It is immoral. It is harmful.」と議会で演説した。この時が、リーバーマンが一番今までで注目された時だ。ゴアにとって「クリントンの軛」を切るには最適の人物である。

 しかし問題はこれからだ。ニューヨーク・タイムズは「not risk-free political stroke」と優しい表現を使っているが、実際にはかなりリスキーな選択だと思う。米上院の唯一の Orthodox Jewの議員のリーバーマンは、基本的にはユダヤ教の厳格な教えに基づいてサバス(安息日 Sabbath)の間は食事を控え、旅行もせず、モノも書かず、政治活動には従事せず、電力も使わない。緊急の時にはサバスを中断するものの、例えば議会の重要問題を扱う場合にはジョージタウンの自宅から上院まで数マイルを歩くことで有名だという。

 議会では相当信任の厚い人でもあるようだ。信念の人、何事にも自らの強い意見を持つ人という評価のようで、例えば民主党の中では軍事問題ではかなりタカ派の意見を持っているようである。日本での軍事基地は維持が信条。1989年のパナマ侵攻は支持、先の中東戦争はフセインを追い出すところまですべきだったと主張。チェイニーを副大統領候補にしたブッシュ陣営に軍事問題では十分対抗できるとの見方もある。

 1960年にジョン・F・ケネディーがローマ・カソリックで初めてアメリカの大統領になったときも一種の宗教問題が選挙の争点になったが、今回はどうだろうか。表だって問題にはしないものの、大多数を占める white protestant はやはり気持ちのどこかにひっかかるものを持つかもしれない。ゴアは、リーバーマンの潔癖さをもって、婦人票、少数民族票などを期待しているという。アメリカの様々な問題の民意の変化を見るのは、絶好の大統領選挙になった気がする。
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 リーバーマンはコネチカット州スタンフォードの生まれ。酒屋の息子だったそうだ。エール大学に行き、そこでベトナム反戦のグループを作ったのが政治活動の初め。議員になったのは1970年。州の上院議員に立候補し、この時に当時エールの大学生だったビル・クリントンが選挙活動を手伝った関係だという。連邦議員になったのは1988年。一年生議員の時から、その活動は目立っていたという。1992年にクリントンが立候補を表明したとき、真っ先に支持を表明した上院議員はリーバーマンだったという。

 ゴアとは、環境問題などで以前から強い絆があるという。当然ながら、中東問題ではイスラエル支持。アラブ票はブッシュに流れることが決まったようなモノである。アボーション問題では、「pro-choice」。


2000年08月07日(月曜日)

 速水・日銀総裁の7日の参議院予算委員会の「デフレ懸念の払拭が展望できた」との発言と、それに対する市場の反応の「乖離」はまた格別でしたな(^o^)。発言そのものは8日の日経朝刊が解説しているように「日銀の景況判断 前進」ということですが、市場はこの速水発言よりは先週金曜日の山口・副総裁発言(日銀のサイトで見れます)を手がかりとした。

 速水発言をそのままとれば、「11日のゼロ金利解除は確実」ということになって、株式市場はこれを嫌気したでしょうが、市場はそうは動かなかった。もし速水さんが意図通りの話をしたとしたら、市場が misunderstanding しているか、速水発言には注意を払わなかったことになる。まあ後者でしょうな。

 これは考えれば、ゆゆしき問題である。いつでもその組織のトップはその組織を代弁し、主流でなければならない。よく言われるように、グリーンスパンはFRBそのものでなければならないし、事実そのように見られている。どうも日銀幹部の発言とそれに対する市場の反応を見ていると、「Hayami not equal BOJ」(日本語として読んで下さい)のように見える。むしろ市場は、山口副総裁を「equal BOJ」と見ているような。

 ある組織が、一本の旗ならず二本の旗を時に掲げるのは賢明である。「こういう見方」「別の見方」を出して、それに対する各界からの反応を見て、それをまた次の措置に生かす。外との対話の為にアドバルーンを上げるのである。しかし組織の信頼性を維持するためには、トップというものは常にその人が言う方向で組織が動く形で発言をすべきだろう。

 逆に言えば、11日に日銀政策決定会合がゼロ金利の解除を決めれば、総裁の立場を救う。逆に見送れば、「やはり日銀の中では速水さんは先行警告馬に過ぎない」という見方になる。いろいろの人と話す中で出てくるのは、「財政政策も主導権がどこにあるのか分からなくなったし、金融政策もどこがコアだが分からなくなってきて......心配だ」という会話である。
 


2000年08月05〜06日(土〜日曜日)

 ほんまにどうしたんでしょうね。夏休みで他のニュースがなかったのか。先々週日曜日に「四大文明」の中国編を見ていたら約1時間地震放送で放送が中断し、昨日は鉄砲水。それはかなりの大事故には違いないが、あれだけ時間を使うニュースなのかどうか。地震についてはその一時間中、ほぼ同じ情報をNHKは流し続けていました。

 鉄砲水は新聞も凄い。日経を除けばほぼ軒並み新聞の一面トップ。ニュースの重さというのは「相対的価値」ですから、その日その日によって重さが違うのは分かります。大体が日曜日には経済活動がないから、その他のニュースが重くなる。

 しかしそれにしても、最近のテレビ、ラジオのニュースに対する相対的価値観にはクビを傾げざるを得ない面が多い。こういうマスの媒体の画一性が高まれば、その他のメディア、インターネットもその一つですが、の価値が高まると言うことでしょう。そういう意味ではテレビ、新聞に文句を言う筋合いは昔より薄れているのですが、それにしても気になる。
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 均衡が崩れていると言えば、天候もそうですな。土曜日は日本各地で局地的豪雨だったようで、例えばヤクルト−巨人の神宮での試合は8回が終わる直前に激しい雨となってコールドになったのですが、その時はすぐ近くの千駄ヶ谷の駅は雨一つ降っていなかったという。タクシーの運転手から聞きました。千駄ヶ谷で雨が降り出したのはかなりたってから。すごい局地雨だったことになる。

 都会は夏の日中は凄い勢いで暑くなる。熱気が上昇する。そこに冷たい空気が入り込むと、大気の状態は著しく不安定になる。そして局地的に大雨が降るという構図らしい。言えるのは、都会は夏はますます暑くなるだろうということです。冷房する。部屋の中の暑さは、外に出される。車が走る。照り返しも凄い。

 一つの方法は、森を増やすことでしょう。しかし、ネットワーク時代を迎えて、都会への集中はますます進む。ということは、都会で緑を取り戻すことは不可能だということです。この傾向はしばらく続くと言うことでしょうか。もっとも、都会ばかりではない。日曜日は私が体験した分だけでも列車のダイヤは大きく乱れた。中央西線や篠ノ井線。直接的にその区間を乗るのではなくても、豪雨の為に列車の回送ができなくなったりして、中央東線も大きな影響を受けました。運休した電車も多かった。

 夕立と言えば、昔は夕方の雨だった。しかし最近は朝から夕立のような雨が降るし、真夜中に激しい雨が降り出すこともある。といってこのくそ暑いのに、いつも傘を持って歩こうという気には全然ならないしな..........


2000年08月04日(金曜日)

 もう大拍手。会社の先輩であって、今度転職する山口さんから暑中見舞い 兼 転職通知が来たのです。昔からおもしろい先輩で、4人組もしばしば一緒させていただいていたのですが、今回来た葉書にも仰天しました。二つのメッセージから出来ているのです。
 

っという間の 2年半
っぱな会社を あとにし
んこな水虫とも さようなら
びこむ世界は 運用会社
んを 天にまかせます
 まあなぜ水虫が出てくるのか分からないのですが、まあいままでまとわりついていたものという意味に解釈すれば良い。なかなかこれだけでも良くできている。これから運用会社に行く方なのです。で、もっと感心したのが
You might think but today's hot fish !
 という奇妙な英語。「hot fish」か、確かに暑いな......なんて考え出すと分からない。訳として、「言うまいと 思えど 今日の暑さかな」と書いてある。なまじ英語の多少の地震、おっと「自信」がある人だと、「そうだよな、そういう訳だよな...」と考えてしまう。私もその程度だということがあとで本人と話をしていて分かった。

 「言うまいと」ではなく、「ゆーまいと」としてみると少し分かる。「ゆーまいと」は「you might」です。「思えども」は「think but」から来ている。あとは考えて下さい。「暑さかな」の「fish」が最高ですな。

 ところで今年はまだジョークページを作成していないことに気が付きました。ジョークを下さい........。今年も募集します。でもこの暑中見舞いで目が覚めました。山口さん、新しい職場でもしっかりご活躍下さい。(^。^)


2000年08月03日(木曜日)

 2日だと思ったのですが、kimuraさんからメールをもらいこのページを教わって、「へえ....」てな具合でいろいろ曲をかじり聞きしたあと3日の日経産業新聞を読んだら、この「リッスン」という会社に関する記事が。

 「ナップスターの衝撃〈上〉」という記事でインタビューに応じているリードという人のやっている会社の名前が「listen.com」で、その右側に「日本向けサービス開始」という記事がある。なるほど、この「日本向けサービス」が「これ」だったというわけです。ということは誕生ほやほや。

 私と音楽とのおつきあいは、コンピューターを利用してという範疇では、持っている好きなCDをハードディスクに20アルバムほど落とし入れて、それをたまにスピーカーにつなげたりイヤホンで聴いたり、さてまたメモリー・スティック・ウォークマンを使う程度ですが、こういう形の新しいサイトが出来てくると、好きな曲だけ買うとかいろいろできそうで確かに楽しくなる。

 むろんのこのサイトを全部見たわけではないし、どうも入っている音楽を聴くだけでもいろいろなプラグインを新たにダウンロードしなくはいけなかったり、OSが98止まり(2000は対応していないプラグインがおおいように見受けられる)だったりして制約はあるのですが、まあ覚えていて良いサイトでしょう。ちなみにアメリカのサイトはここにある。
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 「ナップスターの衝撃」という意味では、日本ではあまり大きな記事としては取り扱われていない。その意味が分かる人が少ないんでしょうね。しかしネットにおける著作権というのは非常に大きな問題だと思う。ナップスターを止めても、グヌテラとかあとに控えているいろいろな新ソフトがある。

 リードというCEOが、「顧客は代金を支払うのを嫌がってはいない。フリー感覚で集金できるシステムができるかどうか...」というような話をしているが、これは非常に重要なポイントだと思う。 i mode がそのよい例で、ああいう形にすれば伸びる。一曲一曲ダウンロードのたびに料金を支払うのは「君は払っているんだよ」とその都度思い出さされてしまう。

 しかし、グヌテラを見るまでもなくネットの世界では徐々に著作権というのは非常に強い意志をもって保護しないとできないものになっている。逆に言えば発想を逆転して全く別の課金システムを考えるのが自然なのではと思います。


2000年08月02日(水曜日)

 日経新聞などに載っていないのがちょっと不思議なんですが、3日の朝刊で一番目に付いた記事は、朝日の以下の記事です。  

労働省は2日、構造的な不況業種の従業員の雇用を維持したり転職したりするのに対して助成金などを支給する特定不況業種雇用安定法を期限の来る来年6月末に延長せず、廃止する方針を固めた。これで1983年から続いた構造的な不況業種に焦点を当てた雇用助成策が幕を下ろすことになる。「雇用維持」を旗印に事実上衰退産業を延命させてきた政策を改め、一方で新しく雇用を生む企業への支援を強める。これによって産業構造の転換を雇用面からも促進することになる。

 (中略)同法は、中長期的に成長が望めない構造的不況業種の労働者が失業するのを予防するのと成長企業などへの転職を促進させるのがねらいで、雇用調整助成金や労働移動雇用安定助成金などを不況業種の企業に支払ってきた。現在は、石炭鉱業、綿・化学繊維紡績、レーヨン製造業、べっこう製品製造業、沿海旅客海運業、内航海運業、はしけ運送業が指定されている。しかし事実上は転職などの「労働移動」にはあまり使われず、もっぱら不況業種の雇用維持に使われてきた。(後略)

 遅ればせながら、日本も徐々に新規産業育成の方向には動きだしているということです。雇用だけではなくて、企業相手の「不況対策」というのも考えるべき時だと思う。今までは国や地方公共団体から不況という名目でその企業の将来性を評価することなくかなり野放図な融資などが行われている。その企業に生き延びるバイタリティーがないと永続的な再生は難しいのにである。そして、その融資はしばしば焦げ付く。

 ただし前提があります。こうした「不況対策」名目の雇用や企業への助成が打ち切られるためには、労働者が転職し企業が新しく生まれる環境が整っていなければならない。今の日本はこれがまだしも、というところが問題です。


2000年08月01日(火曜日)

 へえ、知りませんでした。昨日何の気なしに i mode のメニューを見ていたら、最後の方に「English」というのが項目があって、何が入っているか見ていったらなんと「人民日報」や「朝鮮日報」(たぶん)が入っているではないですか。

 そのほかには、私が少しでも興味が持てるのはCNN、Bloomberg、Dow Jonesなどなど。しかしなんと言っても、「人民日報」が読めるとは思わなかった。ネットで i mode の英語メニューを確認したら、かようになっておりました。充実していたんですね。いや、充実しつつあるといった方が良いでしょう。

 来年のIMT2000のスタートを前にして、ドコモも外国語メニューの充実を図っているというわけです。ここにドコモの英語ホームもあって、来年を控えてコンテンツの充実競争は続きそうです。



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